旧統一教会トップ謝罪へ、最大100億円拠出案も 法的責任は認めず

 世界平和統一家庭連合(旧統一教会)が近く、高額献金などの被害を訴える元信者らに田中富広会長が謝罪の意思を表明する記者会見を開く方針であることが、関係者への取材でわかった。献金問題についてのトップの公式謝罪となれば、教団への批判が高まった昨年の安倍晋三元首相銃撃事件以降、初めてとなる。政府が教団の解散命令を請求したことで教団が財産を隠すのではないかという批判を受け、最大100億円を政府側にあずけることも検討しているという。 教団をめぐっては、文部科学省が10月、解散命令を東京地裁に請求し、教団側は解散要件には該当しないと主張して争う姿勢を示している。こうしたなか、謝罪や巨額の資金の拠出を表明するのは、改革の姿勢をアピールして解散命令に向けた審理を有利に進めたいという思惑や、信者離れを防ぐ狙いがありそうだ。資金の拠出は被害救済が目的とされるが、どのような形で実現可能なのか不透明な点もあり、実際に賠償にあてられるのかは見通せない。 関係者によると、教団は近く開く記者会見で、高額献金などの被害を訴える元信者や2世信者ら向けに田中会長が謝罪する方針。ただ教団としての法的な責任は認めず、信者らへの指導が不十分だったという監督責任に言及するとみられる。献金をめぐる信者の説明が不適切で不安を招いたことや、献金する側の経済的な事情を考慮していなかったことなどに触れる方向で検討している。 また、被害救済を目的として60億~100億円規模を拠出する案を政府側に打診するという。解散命令請求をきっかけに、教団の資産が散逸するのではないかという指摘が出ていることを受け、巨額の現金をあずけることでこうした懸念を払拭(ふっしょく)したい狙いがあるとみられる。 教団は、現在被害を訴えてい…Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

坂本弁護士一家殺害から34年、鎌倉で法要 元同僚らが冥福祈る

 【神奈川】横浜市磯子区の坂本堤(つつみ)弁護士(当時33)宅にオウム真理教幹部が押し入り、一家3人が殺害された事件から4日で34年。墓のある鎌倉市の円覚寺松嶺院で3日、法要が営まれ、同僚だった弁護士や母校の横須賀高校の同級生ら約40人が冥福を祈った。 坂本弁護士と妻都子(さとこ)さん(同29)、長男龍彦ちゃん(同1)の墓に色とりどりの花が供えられた。 横浜法律事務所で先輩だった小島周一弁護士(67)は、事務所の新人弁護士を必ず法要に連れて来ている。「彼はピュアで使命に燃えていた。そんな志や活動は時を超えて受け継がなければいけない。坂本はスローバラード系が得意だった」。一緒に酒を飲みながらカラオケでサザンを歌った日常を懐かしんだ。 事件当時、坂本さんは教団の未成年の出家信徒の親たちから相談を受け、教団と交渉するなどの活動を続けていた。小島さんは「許されない違法行為に対して、まっとうに取り組み追及していた。だからこそ教団にとって脅威だった」と振り返る。 「弁護士が『やばい事件はできません』と断るようになれば、市民が危険や権利侵害に対して裸で対峙(たいじ)しないといけない。弁護士仲間が違法に攻撃されるようなことはあってはいけない」と訴えた。(阿部育子)Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

愛媛みかん大使が宣伝キャンペーンへ 知事「今年は糖度が高い」

 JA全農えひめが愛媛県産みかんを宣伝するために毎年任命している「愛媛みかん大使」が2日、東京や大阪での活動を前に県庁を訪ね、中村時広知事と面会した。 JAによると、今年の生産量は約12万6千トンを見込み、前年と比べて16%ほど多いと予想している。夏に雨が少なかったことなどから、糖度は平年並みからやや高く、酸味は少なめという。試食した中村知事は「今年のみかんはとても糖度が高い。史上最高の年になりそうだ」と話した。 みかん大使の松山市の大学4年、伊藤みずほさん(22)は「風邪を引きやすい季節に、ビタミンCを豊富に含んだ愛媛のみかんを、子どもから年配まで一人でも多くに手にとっていただくようPRしたい」と意気込みを語った。 消費宣伝キャンペーンは6~9日、東京や大阪の市場や店頭で行う予定だ。(神谷毅)Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

松下・武蔵野市長が国政出馬へ 菅直人氏の後継、市長職は近く辞任

 東京都武蔵野市の松下玲子市長(53)は5日、総理大臣も務めた立憲民主党の菅直人衆院議員(77)の後継として、東京18区から次期衆院選に出馬する意向を明らかにした。市内で開いた支援者向けの集会で「武蔵野市長の経験を生かして、国の政治に挑戦したい」と述べた。 一方、任期を約2年残している市長職については「任期途中で辞めることには、葛藤もあった。申し訳ない気持ちでいっぱい」と近く辞任する考えを示した。 集会では菅氏も登壇し、「松下さんなら異存なく、その後を託して、国政の中でも頑張ってくれるものと確信した」と言及。同じく集会に参加した立憲の蓮舫・参院議員も「(立憲の)都連としても、力強く、バックアップする対応を取りたい」と述べた。 松下氏は、武蔵野市長として…Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

新潟市内で柿8400個が盗まれる 収穫目前の枝が切り落とされる

 新潟市西蒲区稲島の畑で柿約8400個(約30万円相当)が盗まれたと新潟県警西蒲署に5日、届け出があった。同署は窃盗の疑いで調べている。 署によると、畑の所有者は農業の男性(78)。34本の柿の木が、枝を刃物のようなもので切り落とされて盗まれていたという。一帯は柿畑で収穫目前だった。 男性が10月26日に作業した際には、異常がなかったという。Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

「知らないからこそ挑戦を」 体験イベントでパラ競技をもっと身近に

 パラリンピアンらアスリートと一緒に競技を体験しながら、パラスポーツへの理解を深めるイベント「BEYOND STADIUM 2023」が5日、東京都渋谷区の東京体育館で開かれた。親子連れなど約2400人が訪れ、車いすバスケや陸上、ボッチャなど6競技を楽しんだ。 競技以外にもブレード型の義足を装着して歩く「義足体験」や、駅のホームなどにある警告ブロックや誘導ブロックの上を、目を閉じ、杖を使って歩く「白杖(はくじょう)体験」のコーナーも設けられた。家族で訪れ、義足の試着と車いすテニスに挑戦した甲斐稔々耶(ねねか)さん(12)は「義足は人の手を借りないとバランスが取れなかった。競技用の車いすは乗るだけで楽しい」と話した。 子どもたちとシュート練習やミニゲームをした、車いすバスケの橘貴啓選手(37)は「健常者プレーヤーも増えている。障害の有無に関係なく、子どもはフランクに車いすバスケを楽しんでくれる。知らないからこそ体験してほしいし、挑戦してほしい」(伊藤進之介)Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

熊本30度の真夏日、福岡・大阪も夏日 各地で11月の最高気温更新

 3連休最終日の5日、東~西日本の各地で気温が上がり、熊本市では11月の最高気温を114年ぶりに更新し、30・0度の「真夏日」を記録した。同じく更新した福岡市も29・3度、大阪市も46年ぶりに更新して27・9度と、西日本を中心に多くの地点で、最高気温が25度を超える季節外れの「夏日」となった。 気象庁によると、同日午後4時時点、全国120地点で11月の最高気温(タイ記録を含む)を更新した。東京都心も夏日に迫る23・7度まで上昇した。(中村瞬)Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

アパレル起業「生きた証しを」 26歳から闘病、親に秘していた思い

 「Re」という名の、小さな小さなアパレルブランドがあった。 肌触りのいいボタンダウンのシャツ、パジャマのように着られるワンピース、サルエルタイプのイージーパンツ。貝ボタンやテーパードの袖、刺繡(ししゅう)のロゴにもこだわりがある。何年も持ち続けたくなる服たちだ。 「Re」は2018年、当時32歳だった大村泰さんが、仙台でたった一人で立ち上げた。 皆からはヤスと呼ばれた。服とサッカーが大好きで、いつも周りに人がいる。そんな若者だった。 神戸大大学院を出て、東京のIT企業で働いていた26歳のとき、白血病を発症。仙台の実家に戻り、骨髄移植に伴う合併症で闘病を続けながらの起業だった。 お気に入りだったブランドのデザイナーに意匠を頼み、生地メーカーや縫製工場とも自ら交渉した。資金は会社員時代の蓄えをあてた。商品ができあがると、フェイスブックなどで宣伝。店舗ではなく、バーやレストランを臨時に借りて、販売会を開く形をとった。 神戸で、東京で、仙台で。仲間がふらりと立ち寄って、服を選び、気に入って知り合いに教えた。それが「Re」の流儀だった。軌道に乗せる 神戸転居の直後に…… ブランドをいよいよ軌道に乗…Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

「お父さんの遺骨」探し南の島へ 82歳、戦没者遺児の終わらぬ戦争

 太平洋戦争で出征した父を失い、国内外で旧日本兵の遺骨収集活動を続ける女性がいる。岡山県笠岡市の秀平良子さん(82)。7月には激戦地だった南太平洋のパラオで35人分を探し出した。 父は帰らぬままだが「私たち戦没者遺児にとっては、すべてが父の遺骨」。そんな気概が自身を突き動かす。 7月17日からの約2週間、パラオのアンガウル島へ。国から遺骨収集を受託した一般社団法人「日本戦没者遺骨収集推進協会」のメンバーとして、約20人で訪れた。同島では約1200人の旧日本兵が死亡したとされる。丁寧に泥を落とす、写真やたばこケースも 今回は米公文書館の資料で358人の埋葬が確認されている28メートル四方の砂地で着手した。重機は使わず、現地のボランティア十数人も加わってスコップで1~2メートル掘り起こすと姿を現した。 高温多湿の土地柄のせいか…Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

阪急京都線に33日間だけの幻の駅 「新京阪電車研究家」が探った

 33日間だけの「幻の駅」が、大阪府吹田市にかつてあった。その駅は、阪急京都線について書かれた数冊の本に登場する。一体、どこにあったのか――。 ある男性が、この謎に迫った。阪急京都線沿線にある京都府大山崎町で生まれ育った、林宏祐さん(32)。本職は、フリーでコンベンション運営の仕事をしている。そして、阪急京都線をかつて運行していた「新京阪鉄道」にひかれ、「新京阪電車研究家」と名乗っている。 林さんがずっと気になっていたという幻の駅。それは「吹田観音前駅」だ。 書物を調べると、ある本には、臨時駅として「上新庄―相川間に設けられた」と書いてあった。 ただ、阪急京都線の上新庄駅と相川駅は、いずれも大阪市東淀川区で、吹田市ではない。 さらに駅間は1キロほどと短い。この距離で臨時駅を設けるだろうか。 深まる謎。林さんは東京の国立公文書館まで行き、臨時駅設置の届け出書類を確かめることにした。 新京阪鉄道の書類を片っ端から見た。 見つけた――。「吹田観音前駅」の届け出だ。 1941(昭和16)年のものだった。 設置は3月10日から4月1…Source : 社会 - 朝日新聞デジタル