東近江市長が釈明「軽率な発言」 改めて「義務教育に危惧感」と主張

2023年10月24日 20時22分 フリースクールについて「国家の根幹を崩しかねない」「不登校の大半は親の責任」などと発言した滋賀県東近江市の小椋正清市長は24日、市議会の全員協議会で経緯を説明した。「軽率な発言だった。市民のみなさまに不快な思い、誤解を招いたことに責任を感じる」と釈明した。 一方で「大半の親は苦労してでも自分の子どもを学校に送っている」などと持論を改めて展開。「私の非難の矛先は、文部科学省の現在の不登校対策の考え方。フリースクールの存在が悪い、通っている親や子どもが悪いとは一言も思っていない」と話した。 フリースクールについて「実態は分かっているつもり。教育機会確保法で支援しろと言っているが、市が一般財源を拠出する以上、しっかりと枠組みがあるのか、効果のあるものなのか」と疑問を呈した。また、「中には遊び、時間が経過しているだけ。本当に支援するのではあれば、フリースクールの基準、一般市民に対する理由付けが必要」と話した。 さらに「しんどいところからボーダーラインにいる子どもたちが僕も行きたいという風になったらどうなるのか。国家が予定している義務教育の枠組みが崩れてしまう。そういう危惧感を持った」と述べた。 「フリースクールが義務教育の一環としての役割を果たしているなら喜んで支援する。制度設計がない中で支援するのは問題がある」とした。 ただ「義務教育があるがゆえに、大半の親は苦労してでも自分の子どもを学校に送っている」と改めて話した。 滋賀県内のフリースクールや親の会でつくる県フリースクール等連絡協議会は市長あてに、発言の撤回と、不登校の子や保護者らと協議する場を設けることを求めている。小椋市長は「協議会のみなさんから『対決より対話』という素晴らしい提言を頂いた。どれだけ私の至らぬ発言によって傷つけることになったのか、しっかり謝罪したいという気持ちを持っています」と述べた。有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 【締め切り迫る】すべての有料記事が読み放題!秋トクキャンペーン実施中!詳しくはこちら Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

袴田巌さんの出廷免除を決定 静岡地裁 27日に再審初公判

 1966年に静岡県で一家4人を殺害したとして、強盗殺人罪などで死刑が確定した袴田巌さん(87)の裁判をやり直す再審の初公判が27日に開かれるのを前に、静岡地裁は24日、袴田さんの出廷免除を決めた。弁護団が明らかにした。 初公判での罪状認否は、補佐人として出廷する姉の秀子さん(90)が代わりに行い、無罪を主張するという。 袴田さんは長期の拘禁生活で精神を病んでおり、弁護団は公判には対応できないとして出廷免除を要請し、医師の診断書も提出していた。地裁の国井恒志裁判長らは9月に袴田さんと直接面会もした上で、免除を決めた。 刑事訴訟法は「回復の見込みがない心神喪失者」の場合、再審に本人が出廷しなくても審理ができると定めている。(本間久志)Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

小学校の自然学校費用など横領か 「スリルがストレス解消」教諭免職

 兵庫県教育委員会は24日、勤務する小学校から約256万円を横領したとして、姫路市立東小学校の北山智也教諭(34)を同日付で懲戒免職処分とし、発表した。 県教委によると、北山教諭は昨年から今年にかけて会計を担当。昨年8月、自然学校での児童の食料費約27万円を学校の口座から出金したが、業者に支払わず自宅に持ち帰ったという。ほかにも昨年8月から今年9月の間に不正な出金を30回近く繰り返すなどし、横領総額は約256万円にのぼるという。 自然学校の食料費について業者から複数回支払いの催促があり、校長が通帳の提出を求めて事案が発覚した。北山教諭は不正な出金を認め、「スリルがストレス解消になっていた」と話したという。県教委によると、256万円のうち220万円は自宅で見つかり、差額の36万円とともに全額学校に返金された。 校長から被害届が出され、姫路署は24日、食料費約27万円を横領したとして、北山容疑者を業務上横領の疑いで逮捕し、発表した。「現金は自己の用途に費消せず、自宅に保管している」と容疑を否認しているという。Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

長野の老人ホーム殺人事件、容疑者を鑑定留置

 長野県塩尻市の老人ホームで、入所者に薬物を飲ませて殺害したとして殺人容疑で逮捕された当時の職員、望月大輔容疑者(40)=同県下諏訪町=について、長野地検松本支部は24日、事件当時の刑事責任能力を調べるための鑑定留置を始めたと発表した。期間は1月9日まで。 23日に松本簡裁に請求し、同日付で認められた。期間中、医師が容疑者の成育歴や精神疾患の有無などを調べる。地検はその見解を踏まえて刑事責任能力の有無や程度を判断し、起訴するかどうかを決める。 捜査関係者などによると、望月容疑者は逮捕後、殺人容疑について「覚えていない」「やったかもしれない」などとあいまいな供述をしているという。Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

毒劇物販売業者に本人確認の徹底呼びかけ 首相襲撃事件受けて警視庁

 毒物や劇物の販売業者にテロ対策への協力を呼びかけ、違法な爆発物の製造を防ごうと、警視庁と東京都は24日、東京都武蔵野市で業者向けに講習会を開いた。 東京・多摩地区の農協や園芸品販売店関係者ら約130人が参加して約2時間、毒物や劇物販売時の注意点を確認した。 昨年7月の安倍晋三元首相銃撃事件や、今年4月に岸田文雄首相の近くに爆発物が投げ込まれた事件で使われた「黒色火薬」は、原料となる化学物質が薬局やインターネットなどで入手できる。警視庁の担当者は、毒劇物の販売業者に購入希望者の本人確認の徹底を呼びかけ、「複数の薬品を短期間に連続して購入したり使用目的があいまいだったり、何かおかしいと思ったら遠慮なく通報を」と呼びかけた。(比嘉展玖)Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

老人福祉施設の利用者に暴行、死なせた疑い 介護福祉士を逮捕 足立

 介護老人福祉施設で利用者の男性を殴るなどして死なせたとして、警視庁は24日、東京都足立区にある「ケアホーム花畑」の介護福祉士、福沢薫容疑者(54)=足立区一ツ家2丁目=を傷害致死の疑いで逮捕し、発表した。「昼食介助中に右太ももをつねられ、腹が立ち1発強く殴ってしまった」と容疑を認めているという。 捜査1課によると、福沢容疑者は8月19日ごろ、久保栄治さん(81)=足立区=の顔を右手で殴る暴行を加えてけがを負わせ、翌20日、搬送先の病院で急性硬膜下血腫などで死亡させた疑いがある。久保さんは19日からショートステイで施設を利用していた。 福沢容疑者は久保さんの顔のあざについて、「柵にぶつかった」という虚偽の報告を施設側にしていた。久保さんは19日夜は意識があったとみられるが、20日朝に容体を確認したところ、久保さんが呼びかけに応じなくなり、不審に思った別の職員が同日午後2時ごろに119番通報し、事件が発覚した。(増山祐史、遠藤美波、長妻昭明)Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

中銀カプセルタワー旅立ち、海も越え 「この建物しかできない奇跡」

 真っ白な海上コンテナのような外観。和歌山県立近代美術館の前に置かれたのは、8月下旬のことだ。 直径1メートルほどの円窓を、来館者は不思議そうにのぞき込んでいく。 室内は、無駄をなくした宇宙船を思わせる。 わずか10平方メートルほどの空間に、作り付けのテレビや冷蔵庫、大きめのベッド。ユニットバスがあるが、台所設備はない。 オーディオは、ソニーのテープレコーダー。当時の最先端だ。 「人間の生活に何が一番必要か。一つの答えが詰まっている」。学芸員の井上芳子さん(55)は言う。 こうしたカプセル型の居室140個を積み重ねたような集合住宅が、東京・銀座にあった。 「中銀(なかぎん)カプセルタワービル」。世界的な建築家の故・黒川紀章氏が設計し、1972年に建てられた。 個性的な外観で愛されてきたが、老朽化などの理由から2022年に解体された。 そのカプセルの一つが、和歌山でアート作品となって、「中銀カプセルA908」という名が付いた。2棟あったタワーのうちA棟の9階8号室だった。建築思想は実現しなかった でも… カプセルタワーは、黒川氏らの建築家グループが提唱した建築思想「メタボリズム(新陳代謝)」の代表作とされる。 生き物の新陳代謝のように、建築も時代や用途の変化に応じて空間や機能を取り換えて成長させる――。 そうした思想のもとに、カプセルを取り外して移動や交換ができるようにデザインされていた。 ただ、移動や交換は一度も実現しなかった。そして、半世紀の時を経て解体へと向かう。半世紀を経て旅立ちの時を迎えた黒川紀章氏のカプセル。記事の後半では「第二の人生」を写真とともに紹介しています。 オーナーや住人らが14年に立ち上げた「中銀カプセルタワービル保存・再生プロジェクト」は、状態のよいカプセル23個を修復し、活用の道を探った。ここから続き 国立民族学博物館、国立文楽…Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

夫殺害の被告、二審も懲役11年 医師のALS事件捜査の過程で浮上

 筋萎縮性側索硬化症(ALS)の女性患者への嘱託殺人などの罪で起訴された元医師の息子らと共謀し、自身の夫(当時77)を殺害したとして、殺人罪に問われた山本淳子被告(78)の控訴審判決が24日、大阪高裁であった。坪井祐子裁判長は、懲役11年とした一審・京都地裁判決を支持し、被告側の控訴を棄却した。 高裁判決によると、山本被告は、息子の直樹被告(46)=殺人などの罪で懲役13年判決、控訴中=と、その知人で医師の大久保愉一被告(45)=同罪などで起訴=と共謀。2011年3月、長野県内の病院に長期入院していた夫を退院させ、都内のアパートに移動させた後、殺害した。山本被告は、夫のアパートを下見したり、役所への死亡届を出したりするなどした。夫は死亡時に病死とされ、解剖を経ずに火葬された。 山本被告側は「殺害計画を具体的に認識していなかった」として無罪を主張した。だが、坪井裁判長は、山本被告が夫の死亡前に火葬場について調べていたと指摘。「計画段階からその実現に向けて動いており、重要な役割を果たした」と判断した。 この事件は、ALS患者への嘱託殺人事件の捜査過程で浮上し、夫の死亡から約10年後に立件された。直樹被告も一審判決を不服として控訴しており、今年12月25日に控訴審が始まる。大久保被告の公判はまだ始まっていない。(森下裕介)Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

障害者施設問題、事業者に食材費などの徴収記録を義務化 厚労省検討

 障害者向けグループホーム(GH)を全国展開する運営会社が利用者から食材費を過大徴収していた問題を受け、武見敬三厚生労働相は24日の閣議後会見で、食材費の徴収額を個別に記録して外部からチェックできる仕組みを検討する方針を示した。光熱水費などでも同様の対応をとる考えで、「制度の実効性を担保できるように取り組んでいく」と述べた。 運営会社は「恵」(本社・東京都)。愛知県の監査では、同県内に二十数カ所あるすべてのGHで、開設当初から食材費を過大徴収していた。 問題を踏まえて厚労省は23日の審議会で、利用者から徴収する食材費や光熱水費、日用品費などについて事業者に記録を義務づける対策案を提示。各事業所が地域と連携した会議体を設け、「地域の関係者を含む外部の目を定期的に入れる取り組み」の導入案も示した。今後、具体策な内容を検討する。全国の自治体に不適切徴収の確認も要請 また同省は20日、全国の都…Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

「相馬野馬追」7月末→5月開催へ 猛暑で馬2頭死ぬ 変更前倒し

 国の指定重要無形民俗文化財「相馬野馬追」の執行委員会(委員長=門馬和夫南相馬市長)は23日、記者会見を開き、野馬追の開催日程の変更について文化庁と協議した結果、同庁から「特段の異議はない」と回答があったと発表した。猛暑を避けるための変更で、来年から5月最終の土・日・月曜の3日間開催となることが実質的に決まった。 文化庁の回答は17日付。これまでの7月末開催から、2カ月前倒しすることを文書で了承したという。 今後は、野馬追の歴史や伝統を継承するための組織「相馬野馬追保存会」の中にある専門委員会で、日程変更に伴う課題や留意点などを整理し、保存会と執行委員会が臨時総会を開いて正式に日程変更を決める。 門馬氏は会見で「国からの回…Source : 社会 - 朝日新聞デジタル