「やっと戻った下呂らしい夏」 4年ぶり龍神火まつり、火の粉舞う

荻野好弘2023年8月1日 21時30分 5頭の竜が勇壮に舞う「龍神火まつり」が1日夜、岐阜県下呂市の下呂温泉街であった。地元の言い伝えにちなみ、竜神が村人に貸した立派な椀(わん)を取り戻そうと暴れる様子を、さらし姿の男衆が表現した。 下呂温泉まつり初日の呼び物で、コロナ禍を経て4年ぶりに開かれた。 赤、青、緑など5頭の竜はそれぞれ全長17メートル。爆竹や太鼓、鉦(かね)の音が鳴り響くなか、演舞会場に現れた。花火の火の粉が舞うなか、頭や胴を支える棒を男衆が持ちながら走り回った。 大きな椀を載せたみこしは、厄年の男たちに担がれて登場。5頭の竜が椀みこしを取り囲むように乱舞すると、大勢の観衆から歓声がわいた。青い八幡龍を担ぐ森友会の桂川陽介会長(39)は「やっと下呂らしい夏が戻ってきた」と4年ぶりの開催を喜んだ。 下呂温泉まつりは4日まで。2日夜は「湯の華みこしパレード」、3日夜は「花火ミュージカル夏公演」がある。(荻野好弘)有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

公道の街路樹枯死問題 群馬県が400万円の損害賠償請求へ

 群馬県は1日、中古車販売大手ビッグモーター太田店(同県太田市)の目の前の公道脇に植えられていた17本の街路樹が枯死していた問題で、街路樹の撤去費や土壌の分析費用などにかかった約400万円について、枯れた原因をつくった相手に請求する方針であることを明らかにした。 各地にあるビッグモーターの一部の店舗前では、公道の街路樹が枯れたり、伐採されたりしている問題が起きている。 県によると、昨年8月、住民からビッグモーター太田店の前に植えられていた17本のトウカエデが枯れているとの指摘があった。土壌を分析したところ、除草剤「グリホサート」の成分が検出された。県警に被害届も このため県太田土木事務所が…この記事は有料記事です。残り305文字有料会員になると続きをお読みいただけます。Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

お風呂並みの海面水温、シエスタ導入提案…「地球沸騰」の現実と要因

 「バス停で10分待っていただけで熱中症になってしまったという人もいた。クリニックを開いて7年目だが、重い熱中症の患者さんが次々来るようなことは初めてだ」 東京都北区の「いとう王子神谷内科外科クリニック」の伊藤博道院長は、7月末の状況をこう振り返った。 気象庁によると、7月の東京は、最高気温が35度以上の猛暑日が13日もあった。これまでは2001年の7日が最も多く、大きく更新した。最低気温が25度以上となる熱帯夜も今年は17日に及び、歴代4位タイになった。激しい暑さで体力を消耗し、夜も気温が下がらないため体が休まらない構図が見える。 「支えられながら担ぎ込まれるような患者さんは、優先して診ないといけない。そうすると、通常の診療はどうなってしまうのか。新型コロナが大流行していたときのような恐怖感がある」 暑かったのは東京だけではない。 気象庁が平均気温を出すときに基準としている都市化の影響が少ない観測所のデータでは、今年7月には猛暑日が15地点でのべ37日、熱帯夜が138日記録された。1920年代は猛暑日がゼロの年もあったほか、熱帯夜も10~47日しかなかった。 しかし、2000年ごろから顕著に暑い日が増えており、2018年には猛暑日が59日、熱帯夜が146日を記録。昨年もそれぞれ16日と129日あった。 今夏の猛暑は、日本だけの現象ではありません。国連事務総長は「地球沸騰の時代が来た」と述べました。記事後半では、猛暑の要因と、温暖化による影響について掘り下げています。 今年は、7月だけでなく、1月以降の上半期全体で平均気温が高かったのも特徴だ。 特に3月は記録的な暖かさで…Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

ビッグモーター、神奈川の3店舗で街路樹への除草剤と伐採認める

 中古車販売大手ビッグモーターの店舗前で、街路樹が枯れる被害が各地で確認されている問題で、ビッグモーター本社が神奈川県内2店舗で除草剤を散布し、1店舗で街路樹を伐採したと認めた。県と川崎市が1日、発表した。 県は7月25日以降、県管理の道路沿いで、街路樹が枯れるなどして伐採を行った3店舗(平塚四之宮、藤沢、横須賀)に聞き取りを行った。平塚四之宮の店長は「着任前のことで把握していない。現在はまいていない」、藤沢と横須賀の店長らは「まいていない」などと回答。ただ、伐採当時の店長がいずれも異動していることから、県は28日、内部調査のうえ回答するよう同社に申し入れていた。 31日夕、同社から電話で、平塚四之宮、藤沢の2店舗で除草剤を散布していたとの連絡があった。横須賀店では散布していないとしているという。同社は「原状回復について協議させてほしい」との意向を示す一方、散布の理由や時期、量は不明で、県は対面で説明を受ける機会を求めている。 あわせて県は31日、平塚四之宮店で土壌を採取した。ほか2店舗でも近く土壌を採取し、除草剤の成分が含まれていないかを調べる。担当者は「国や他県の動向を踏まえ適切に対応する」としている。川崎店前の街路樹「当社で切った」と報告 一方、川崎市によると、同社から31日、川崎店前の街路樹のツツジ6株を「当社で切った」「原状復旧したいと考えている」と電話で報告を受けた。 川崎店は昨年10月に市に剪定(せんてい)を要望したところ、「『市ではやらないが、こちら(同社)で剪定してもよい』と言われたため、切った」と同社は説明したという。 この点について、市は、根元近くをのこぎりのような刃物で切断したとみており、「程度を超えている」としている。 店は毎日、店舗の状況を撮影して本社に送っていた。昨年10月17日には写っていたツツジが、翌日の写真になかったことが、市による店舗へのヒアリングで確認できたという。 市によると、ツツジは「市民の花」で、景観の向上などの目的で植えていた。高さは60センチほど、幹は直径3~4センチほどだった。市は川崎臨港署に被害届を出す方針。損害賠償の請求も検討する。 福田紀彦市長は1日の定例記者会見で、「正直、信じられない。街路樹を勝手に切るのは想定すらしない。倫理観がないのに驚いた。腹立たしいかぎり。市民の大切な財産を毀損(きそん)させたのは大きいと思う」と述べた。(伊藤良渓、佐藤英法)Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

自転車事故の死傷者、ヘルメット着用率が増加 努力義務化が影響か

 今年の上半期(1~6月)に自転車に乗車中の事故で死傷したのは3万2801人で、前年より562人(1・7%)増えた。このうちヘルメットをかぶっていた人は12・2%で、割合は2・1ポイント上昇した。警察庁が発表した。 今年4月から自転車に乗る全ての人を対象にヘルメット着用が努力義務化されており、警察庁は、全体的にかぶる人が増えたことが死傷者の着用率上昇の背景にあると分析。着用を引き続き呼びかけている。 上半期の自転車乗車中の死傷者の着用率を年齢層別に見ると、小学生が31・5%(前年同期比5・6ポイント増)、中学生43・1%(同2・8ポイント増)と高く、高校生は9・6%(同1・9ポイント増)、65歳以上の高齢者6・6%(3・2ポイント増)と低い。 死亡したのは前年同期より11人少ない143人で、このうちヘルメットを着用していたのは11人多い13人。死者に占める着用者の割合は1・3%から9・1%に上昇した。亡くなった143人の主な損傷部位では、頭部が50・3%を占めた。 上半期の全体の交通事故死者は、前年同期より24人多い1182人だった。上半期としては10年ぶりに前年を上回った。特に二輪車乗車中の死者の増加が目立つ。 警察庁は、コロナ禍が収まり行動が活発になったことが事故死者増の背景にあるとみている。(編集委員・吉田伸八)有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

中国電力、中間貯蔵施設の調査提案へ 原発計画中の山口県上関町に

 原子力発電所から出る使用済み核燃料を一時保管する「中間貯蔵施設」について、中国電力が、山口県上関町に対し、施設を建設できるかの調査実施を提案することが1日、関係者への取材でわかった。2日にも中国電幹部が同町の西哲夫町長と面会し、方針を伝える予定だ。 関係者によると、中国電は、上関町内に中間貯蔵施設を建設できるかを見極めるため、地盤などを調査する計画を西町長に伝えるとみられる。 上関町で中間貯蔵施設の計画が進めば、東京電力と日本原電の出資で青森県むつ市にできた中間貯蔵施設に続いて2施設目となる。 上関町ではおよそ40年前から中国電が原発建設を計画し、2009年4月からは敷地造成などの準備工事に着手していた。しかし、11年の東京電力福島第一原発事故以降、計画は中断。町は中国電に新たな地域振興策を求めてきた。 国は、中間貯蔵施設の建設に向けた調査段階から、立地自治体に交付金を出すことにしている。調査から都道府県知事の同意まで最大で年1・4億円、知事の同意後の2年間は最大で年9・8億円、建設や運転段階では貯蔵量などに応じて交付金を出す。 政府は使用済み核燃料を再処理してプルトニウムやウランを取り出す「核燃料サイクル」政策を掲げている。中間貯蔵施設は、再処理まで一時的に使用済み核燃料を保管する場だ。 しかし、青森県六ケ所村の再処理工場は稼働しておらず、政策は実現していない。全国の原発では、プールで冷却保存したり、専用の金属容器に入れて保管したりしており、その量は増え続けている。 電気事業連合会によると、今年3月末時点で、大手電力9社と日本原子力発電(原電)が原発内の容量2万1350トンのうち、貯蔵量は7割超に達している。中国電力も6割超が埋まっている。(松田史朗、岡田将平、伊沢健司)     ◇ 中間貯蔵施設 原子力発電所で使い終わった核燃料を再処理して再び使うために、一時的に貯蔵する施設。国内には、青森県むつ市に最終的に5千トン規模の使用済み核燃料を最長50年にわたって保管する施設が整備しており、一部が完成している。燃料は金属キャスクと呼ばれる専用容器に入れられ、燃料の熱は空気で冷やされる。政府は、使用済み核燃料を同県六ケ所村の再処理工場に運び、ウランとプルトニウムを取り出して再び燃料にする「核燃料サイクル」を描いている。しかし再処理工場が完成していない。全国の原発には使用済み核燃料がたまり続けているが、原発内での保管に限界があり、中間貯蔵施設の整備が課題になっている。Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

地下350m「巨大なアリの巣」施設 研究期限の延長で将来に不安も

 工事用エレベーターが暗闇に吸い込まれていく。立て坑を下がると、約3分で地下約250メートルに達した。 北海道北部の幌延町の丘陵地帯に、日本原子力研究開発機構幌延深地層研究センターの施設が広がる。原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の地層処分を研究している。 坑道が縦横に張りめぐらされ、巨大なアリの巣のようになっている。これまで地下約350メートルで地下水や物質の状況を調べてきた。 今秋には2025年度の完成…この記事は有料記事です。残り1103文字有料会員になると続きをお読みいただけます。Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

奨学金、苦しければ減額返還や猶予も JASSO理事長インタビュー

 大学生の2人に1人が借りているといわれる奨学金。「貸与型奨学金の返還に追われて苦しい」「返還が難しくなっている人への対応が厳しい」といった指摘もある。日本学生支援機構(JASSO)の吉岡知哉理事長(70)に話を聞いた。返還金は次世代に貸す分に回す 「困ったらまず相談を」 ――貸与型奨学金を返している人が、収入減などで苦しくなる例がある。滞納が続くと元金と利子分の一括返還を請求されて過酷すぎるという声もある。 返還金は次世代に貸す分に回す。返還されない分は税金で補塡(ほてん)しなければならないので、きちんと返していただく。 ただ、返還が大変な状況になった人には減額返還や返還猶予などの救済制度があり、詳しく説明する文書も送っている。延滞したら猶予ができないわけではない。延滞者には早めに何度も連絡をし、そうした情報も伝え、どうしたら返還できるか相談に乗っている。 こちらの連絡に全く対応してくれない人は法的手段に進まざるをえないが、裁判になっても分割返還での和解が大半だ。「9カ月間延滞したら全ての人が一括返還が必要」ということではない。困ったらまず相談してほしい。 貸与型奨学金の制度は、高等教育を受けて就職したら一定以上の収入が得られるということが前提にある。現実には賃金が上がらない一方で学費が上がり、最近は物価も上昇している。広い視点でどうするか考えるべき問題でもある。「奨学金の返済苦」による自殺 「個別ケースは慎重に見るべきだ」―国の統計で昨年は自殺の原因や動機の分類に「奨学金の返済苦」が追加され、複数選択の結果、10人が該当した。 自殺はいろいろな要因が連鎖する。統計は要因を四つまで選べるもので、遺書のほかに周りの人から聞いたものも含めており、周囲の人の主観も入る。個別ケースは慎重に見るべきだ。例えば10人のうち1人は20歳未満、3人は学生なのでJASSOの奨学金を返還中ではないと思われる。 全返還者に占める3カ月以上の滞納者は2・7%のみ。毎月の返還額は1万~2万円程度で、ほとんどの人が無理なく返せている。有利子の貸与型第2種も金融機関より利率は低い。障害を負うなどして返せなくなったら救済手段もある。 奨学金は勉強をしたい人を支援する制度。「借りたら大変」「返還が怖いから進学をやめよう」と思わずに賢く利用してほしい。学費や生活費のためにアルバイトに追われて学業に集中できないようでは本末転倒だ。 ――そもそも本人が「返さないといけないと知らなかった」という例もあるようだが。 「親が手続きをしたからよく知らなかった」「親が返すものだと思っていた」というケースもあったが、現在は考えづらい。手続きの過程で繰り返し確認をしている。ネット上で申請や継続のときに「返さないといけないことを知っていますか?」と聞いて「はい」と答えないと先へ進めない。在学中も返還について本人に情報を伝えるようにしている。 ――本人や連帯保証人(親な…Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

川で工事中の作業員が流されたと通報、大雨警報の川崎市多摩区

阿部育子2023年8月1日 16時34分 1日午後1時40分ごろ、川崎市多摩区を流れる五反田川で「男性が流された」と119番通報があった。 神奈川県や多摩署などによると、流されたのは川で工事をしていた30代の男性作業員とみられる。川が増水したところを逃げ遅れた可能性があるという。警察と消防が捜索を続けている。 川崎市では午後1時半すぎに大雨警報が出ていた。(阿部育子)有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

【毎日更新】突然頭上から土砂「やられた」 1945年の今日、長崎

 学校でのできごと、友だちのこと、家族のこと、将来のこと――。 広島、長崎に住む10代の若者3人が、それぞれの何げない日常をしたためた日記があります。 1945年8月、「あの日」までの日々。毎日、1日分ずつ紹介していく予定です。■■■1945年8月1日(水)■■■警報とともに頭上に現れた敵機、煙に包まれる病院…。医学生の秋口明海さん(17)はこの日を「生涯忘れ得ぬ日」と記しました。 「八月一日、本当に夏だなあ」と、深く深く感じた。今日、護国神社へ参拝した。とてもすがすがしく、気持ちがよく、心がすっきりした。 モンペが出来上がって嬉しくてならない。嬉しい、何度言っても、嬉しい。今度は運動服を縫うのであるが、今度こそ、遅れないよう気をつけよう。 福島川では、多くの子供たちが泳いでいた。その橋の上を5、6人の子供が下を見ていた。その橋をすぎると、5、6年ぐらいの男の子が家の前や玄関に水をまいていた。色は真っ黒く体格も立派だが、泳ぎもしないで掃除している姿は大へん立派だった。私は感心した。この暑いのに、友達は泳いでいても自分のやることは必ずやる。これは私を立派に反省させてくれた。 家に入ると、小さな茶わんに十二はい水をのんだ。体をふいて下校途中のことを思い出して、すぐ庭などに水をまいた。さっぱりしてうれしい。 夜は被服の整理をして、国文の九、父の仇(かたき)を解釈した。警戒警報になり空襲警報になったので、スタンドをおおいつくしてノートの三分の一ぐらいの大きさのあかりで、本をよみ、帳にうつし、じ書を引いて、やっと10時45分に出来上がった。 8月の1日、この日は生涯忘れ得ぬ日である。 11時半ごろ、L先生の有機化学の講義が終わった後、警報によって防空配置についていると敵機が頭上に現れた。 例のごとく猛然火を吐く地上砲火と敵機とを見物してると、突然頭上からばらばらと土砂が落ちてきた。やられたとばかり付近の教室の床下に潜り込む。 第1波が去ったのではい出ると病院はもうもうたる煙に包まれている。我々消火班員はそれとばかりポンプをかついで消火に駆けつけた。燃えてるのは産科・婦人科だ。敵の波状攻撃の合間を見ては消火に懸命になる。皆が真剣そのものだった。 弟の出勤先の工場が相当やられてたので心配でたまらなかったが、帰ってみると元気だったので安心した。千代子姉さんも今日帰って来られていた。 こうして一日は、忘るべからざる一日は過ぎた。記事の後半では、冒頭の日記を書いた森脇瑤子さんのスナップを、研究者の協力を得てカラー化した写真の数々を紹介しています。この日の広島・長崎 広島 最高気温32.3度…Source : 社会 - 朝日新聞デジタル