ジョロウグモの一生追いかけ10年間 26分の映像作品が大臣賞に

 大きな網を張るジョロウグモ。その一生を追った26分の映像作品を制作するため、5千時間(約208日)を超える映像を撮った。ひとりで編集作業もこなし、完成までに10年かかった。 岡山市中区の写真家、難波由城雄(なんばゆきお)さん(75)は、岡山後楽園や虫をテーマにした写真集を数多く出版してきた。10年ほど前に動画にも興味を持ち始め、その最初の撮影対象としてジョロウグモを選んだ。 撮影場所は後楽園から数キロ離れた郊外の森で、ジョロウグモの誕生から成長、死までを追いかけた。映像作品は、わずか半年ほどしかない命の有りようを観察できる構成になっている。 作品「雅(みやび)なクモ ジョロウグモの一生」は、4月中旬にあった第64回科学技術映像祭(日本科学技術振興財団など主催)で文部科学大臣賞に輝いた。映像祭には計94作品の応募があり、このうち64作品が集まった「教育・教養部門」の中で最優秀に当たる賞だった。受賞作の大半がテレビ番組で、個人の受賞は珍しいという。 作品には、ふだん見ることの…この記事は有料記事です。残り545文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

炭鉱の島唯一の食堂、最後の日 島の食支え続けた「かあちゃんの店」

【LastDay】長崎市の離島、池島で唯一の食堂「かあちゃんの店」。最後の一日に密着した(本編は記事後半にあります) 丸まった背中が、調理場でゆっくりと動き回る。 作っているのは長崎名物のちゃんぽんにトルコライス。この店の人気料理だ。 店の名前は「かあちゃんの店」。島で唯一の食堂で、島民から「母ちゃん」と慕われる脇山鈴子さん(84)が切り盛りしてきた。 長崎市、池島。県中部に位置する西彼杵(にしそのぎ)半島から、西約7キロに浮かぶ離島だ。2001年まで40年あまり操業した炭鉱の島で、最大出炭量は軍艦島の4倍近かった。1平方キロメートルに満たないこの島に、最盛期には約8千人が住んでいた。 今でも至るところに最盛期の面影が残る。立ち並ぶアパート、ボウリング場やスナック。だが、家々の窓は割れ、ベランダの柵は朽ちる。壁には緑のツタが生い茂り、時が止まっているみたいだ。 今、池島に住むのは100人ほど。そんな島で、脇山さんはたった1店、営業を続けてきた。 3月31日、最後の日に密着した。      ◇…この記事は有料記事です。残り2147文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

「ぼうぜんとしている人も」石川県珠洲市の地震、2年余りで300回

 いつまで揺れが続くのか――。2年余りで300回以上の群発地震が起きている石川県珠洲市で5日、震度6強の地震が発生した。住民は被害や揺れの大きさについて、昨年6月の震度6弱の地震よりも「今回の方がひどい」と声をそろえた。 鳥居が倒壊した珠洲市正院町正院の羽黒神社。宮司の高山哲典さん(57)は発生時、母や妻と市内の自宅にいた。1997年に作り直した鳥居のほか、参拝客が手を洗う手水舎(てみずしゃ)の屋根も壊れた。高山さんは「家族にけがが無くてよかったが、昨年に続いて今年も神社に被害が出るなんて」と話した。 珠洲市蛸島の僧侶、岩垣秀一さん(53)は「昨年よりひどい揺れだった。外に出てぼうぜんとしている人もいた」と話していた。 石川県は午後7時から2回目…この記事は有料記事です。残り482文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

青森県東通村で震度4 むつ市や八戸市、北海道函館市で震度3

2023年5月6日 7時36分 6日午前2時47分ごろ、青森県東方沖を震源とする地震があり、東通村で震度4を観測した。気象庁によると、震源の深さは約70キロ、地震の規模を示すマグニチュードは5・5と推定される。 同庁によると、むつ市や八戸市、北海道函館市などで震度3を観測した。有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

能登で続く地震、水が関係? 「何年単位で注意を」研究者6人に聞く

 能登半島の北部で5日午後2時42分に発生した震度6強の地震。この地域では以前から群発地震が続いていた。気象庁によると、この地震の規模や揺れは一連の地震で最大という。そのメカニズムとして注目されてきたのが、地下深くから上昇してきた水(流体)の影響だ。 気象庁によると、この地域では地震活動が活発になった2020年12月から今回の地震の直前までに、震度1以上の地震が313回起きてきた。うち震度4以上の地震だけでも11回観測され、昨年6月19日の地震では震度6弱、翌20日にも5強を観測している。 京都大防災研究所の西村卓也教授(測地学)は「今回の地震も、能登半島で起きていた群発地震と同じメカニズムによるもので、『流体』が関係していると考えられる」と話す。 大きな地震の後は一般的に、余震が続くものの次第に減っていく。能登半島の北部では、主要な活断層は知られていないが、2020年12月以降、大地震も含めて活発な活動が続く「群発」の状態となっている。 この一因とみられているのが、プレートが沈み込む際に巻き込まれた海水などが、地下深くで染み出したあと、地表に向かって上昇してきた「地下水」の存在だ。「流体」と地震との関係や今後の見通しについて、6人の研究者に話を聞いています。 西村さんらの解析では深さ10~15キロに膨らみが生じており、この膨らみが岩盤を押したり、染みこんだ流体によって摩擦が弱まったりして地震が続いてきたという。 東京工業大の中島淳一教授(…Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

「僕たちにビザを!」 外国籍の子どもの在留許可を求めて署名活動

 「こどもの日」の5日、在留資格のない外国籍の子どもたちが合法的に日本で家族と暮らせるよう求める署名活動が始まった。難民申請中でも強制送還が可能になる入管難民法改正案が、衆院法務委員会で可決されたのを受けたもの。 親が在留を認められていないと、日本で生まれ育った子どもにも退去強制が命じられる。東京都新宿区のJR高田馬場駅前では同日、難民や外国人労働者を支援する団体「BOND」のメンバーら約10人が、チラシを配ったり、署名を呼びかけたりした。 会場では、メンバーが当事者のメッセージを代読。「自分の国籍の国のことは何も知りません。考えることも日本語でしか出来ない。僕は日本にずっと住みたい」「病気になっても、保険がない。僕たちにビザをください」などの声が紹介された。 在留特別許可を求める署名活…この記事は有料記事です。残り95文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

首相襲撃の容疑者を再逮捕へ 火薬無許可製造の疑いで 和歌山県警

独自2023年5月6日 5時00分 和歌山市の選挙演説会場で岸田文雄首相の近くに爆発物が投げ込まれた事件で、和歌山県警は威力業務妨害容疑で逮捕した兵庫県川西市の無職、木村隆二容疑者(24)を勾留期限の6日、火薬類取締法違反(無許可製造)の疑いで再逮捕する方針を固めた。捜査関係者への取材でわかった。 捜査関係者によると、県警が木村容疑者宅の捜索で押収した粉末が鑑定の結果、火薬と判明。原料の薬品類を調合するなどして火薬を無許可で製造した疑いで再逮捕する方針という。事件のあった演説会場で押収した筒状の物2本のうち、爆発せずに残っていた1本の内部からも、黒色火薬とみられる粉末が見つかっており、県警は製造した火薬を使って爆発物を自作したとみている。 木村容疑者は4月15日、和歌山市の雑賀崎(さいかざき)漁港で開かれた衆院和歌山1区補選候補者の演説会で、首相の近くに筒状の爆発物を投げ込み、演説を妨害した容疑で現行犯逮捕された。取り調べに対して一貫して黙秘を続けているという。 捜査関係者によると、県警は、木村容疑者が昨年6月に起こした国家賠償請求訴訟の資料を自宅で押収。訴訟記録によると、公職選挙法が定める被選挙権年齢に満たず、参院選に立候補できなかったことで精神的苦痛を受けたとして提訴していた。神戸地裁に出した書面では、安倍晋三元首相の国葬を岸田政権が決めたことを批判しており、県警が動機との関連を慎重に調べている。 木村容疑者宅のパソコンには、事件前日に公表された首相の和歌山市での演説日程を閲覧した履歴があるという。県警は容疑者が首相の予定を確認した上で、準備していた爆発物を持って事件当日の朝から和歌山へ向かったとみて、捜査を進める。有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

観光名所「見附島」の一部崩れる、住宅・鳥居も倒れる… 上空ルポ

有料記事武田遼 田中紳顕2023年5月5日 21時06分【動画】石川県珠洲市の被害の様子=遠藤雅彦撮影 揺れから約3時間が経った5日夕、朝日新聞社機で上空から現場を見た。日没前の午後5時58分、石川県の能登半島の突端付近から、半島の南側沿岸を西進していった。 震度6強を観測した珠洲市内…この記事は有料記事です。残り238文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

特産の珠洲焼も被害、工房も作品も 作家「昨年より深刻」 能登地震

高井里佳子2023年5月5日 21時19分 5日午後2時42分ごろに発生した石川県能登地方を震源とする地震で、震度6強を観測した同県珠洲市。同市の特産品である珠洲焼作家の小西栄一さん(72)=同市=は、自宅から7キロ先の工房に車で向かう途中で地震に遭った。 交差点で信号待ちをしていると、電線と信号機が大きく揺れるのが目に入り、追突事故にあったような衝撃を受けた。 その後、強い横揺れが10秒ほど続き、車が大きく揺さぶられた。その後もしばらく横揺れが続いたという。「昨年6月の地震の時よりも、横揺れの時間が長かった」 工房は昨年の地震で屋根瓦がずれたが、その時の2倍くらいの範囲の瓦が被害を受けていた。「これから梅雨なので雨漏りが心配」と嘆いた。 昨年の被害後、業者に頼んでも順番待ちが続き、やっと修復を終えた矢先だった。「今回はもっと待つだろうと覚悟している。ブルーシートでしのがないといけないが、余震が怖いので、しばらくは屋根に上がれない」 工房では作品の販売もしている。「昨年の地震では約150点が割れ、被害額は100万円を超えた。今回はもっと割れていて、被害額も大きいのは間違いない」と話した。(高井里佳子)有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

名所「見附島」の近隣住民「昨年より崩れ方ひどい」 地震で一部崩落

小島弘之 山田健悟 堀之内健史 浅倉拓也2023年5月5日 21時28分【動画】石川県珠洲市の被害の様子=遠藤雅彦撮影 石川県珠洲市の景勝地「見附島(みつけじま)」には、地震によって崩落したとみられる土砂が積もっていた。昨年6月に同市を襲った最大震度6弱の地震でも斜面の一部が崩落して話題になった。5日夕方、近くに住む男性(81)は見附島を見つめて「前回の地震よりも崩れ方がひどい」と話していた。 見附島に家族4人で来ていた埼玉県の40代の男性会社員は、石川県輪島市の棚田周辺を運転中に地震に遭った。「橋の上にいると思うほどの揺れだった」。その後、日本海側を通って珠洲市に向かったが、トンネルで岩が崩落していたり、交通規制がかかっていたりして、「やばい地震かもしれない」と感じたという。 見附島のそばのすし屋「幸ずし」では、昼の営業を終えた直後に揺れが襲った。店内には店主の脇田賢さん(53)と従業員2人、客が1人いた。 脇田さんによると、最近経験したどの揺れよりも大きな揺れで、「店が壊れるかも」と思い、すぐに全員で外に避難した。店に戻ると、100個を超える茶わんや焼酎瓶が床に落ちて割れていた。 店の客は観光客が中心。今年の大型連休はコロナ下での最近に比べ、客の入りはよかった。明日以降も営業を続けるつもりだが、「観光への影響が心配だ」という。 見附島を一望できるホテル「のとじ荘」は、この日は予約で満室。チェックインが増える前の時間帯の発生だったため宿泊客は少なく、施設に大きな被害はなかったが、営業を心配する電話はあった。松村京子支配人は「施設に大きな被害はなく、お客さまの受け入れに支障はないのでほっとしている。ただ、余震があるかと思うと怖い」と話した。(小島弘之、山田健悟、堀之内健史、浅倉拓也)有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 - 朝日新聞デジタル