葬祭場、いつでも利用して 公民館活動やイベントで宮崎市と協定

 人生の最後にお葬式で利用する葬祭場。そんな使い方が変わるかもしれない取り組みが宮崎市で始まる。宮崎市は葬祭業者「きずなホールディングス(HD)」と、地域住民がいつでも葬祭場を公民館のように使える連携協定を結んだ。 宮崎市によると、自治体が災害時の遺体安置や葬祭用品の確保などで葬祭業者と協定を結ぶことはあるが、平常時を想定した協定は珍しい。きずなHDは熊本市や愛知県刈谷市とも災害時の協定を結んでいるが、平時に葬祭場を無償で利用できる協定は今回が初という。 同社は宮崎がルーツの地で、「家族葬のファミーユ」ブランドなどの葬祭場を直営、委託で全国展開する。業界内では、家族や身内だけに簡素化した「家族葬」の草分け。宮崎市内には26の葬祭場があるため、地域貢献として市に無償提供を申し出た。 利用方法としては、平常時は地域住民が使う教室やイベント、会議室の利用。災害時は避難所、遺体の安置所などを想定している。 駐車場や空調設備があり、会議室もある葬祭場は、市にとっても公民館の代わりになるため施設整備費の節約につながるという。 実際に、春からの公民館改築…この記事は有料記事です。残り403文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

性に傷ついた女性たちが生活する「村」 共に生きる名誉村長は96歳

 その日のパンを得るために身を売った女性、母と祖父との間に生まれた女性、だまされて売春の世界に入った女性……。 その「村」に暮らすのは、多くが知的障害や精神障害を抱えた中で性的な被害や搾取を受け、家族からも見放された、行き場のない女性たちだ。 村の名前は「かにた婦人の村」。房総半島の海を見下ろす自然豊かな山の上にある。 1965年に開所した、日本で唯一の長期入所も可能な婦人保護施設だ。性に傷ついた女性たちが身を寄せて暮らしてきた。 これまでに全国から約200人を受け入れた。この地で生涯を閉じる人も珍しくなく、敷地内の教会の地下にある納骨堂には約70人が眠る。 1978年から「かにた婦人の村」で女性たちと「共に生活する」天羽道子さん(96)は、日本で初めてプロテスタントの「奉仕女」になった方です。記事の後半では、この半世紀女性たちを見つめてきた天羽さんの思いを伝えます。建物の老朽化が深刻になっている施設はいま、建て替えのための寄付を20日までクラウドファンディングで募集中です(https://readyfor.jp/projects/kanitafujinnomura)。 入所者は門も塀もない村で…この続きは朝日新聞デジタル会員限定です。残り1871文字1カ月間無料の「お試し体験」で記事の続きを読んでみませんか?会員限定の有料記事が読める!多彩なコメンテーターがニュースを深堀りいま話題の最新ニュースもメールでお届け Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

津波で88人が犠牲の施設 居合わせた父の最期を知り、背を押された

 なんとなくつけたテレビドラマが、父と子の絆を描いていた。内舘伯夫(みちお)さん(46)=岩手県山田町=は画面を消した。震災から12年になる今も、父のことをふと思い出すと、目頭が熱くなる。 車に乗り込み、ゆっくり町を走る。震災の慰霊塔と観音様を掃除すると気持ちが落ち着いてくる。父が好きだった缶コーヒーを置き、手を合わせた。             2011年3月11日、歯科医師の内舘さんは海沿いにある介護老人保健施設「シーサイドかろ」を診療のため訪れた。近くの自宅兼診療所に戻るとまもなく、ドンと大きな揺れに襲われた。休みのはずだったの父、職場へ…… 「津波が来る」…この記事は有料記事です。残り1416文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

「西松屋」に車突っ込む 客の女性1人がけが 運転の男を現行犯逮捕

2023年3月8日 20時25分 8日午後6時ごろ、大阪府東大阪市若江西新町1丁目の子供服販売店「西松屋八戸ノ里店」で、「車が店に突っ込んできた」と同店従業員の女性から119番通報があった。府警は車を運転していた同市小阪3丁目の無職、広瀬修三容疑者(66)を自動車運転死傷処罰法違反(過失運転致傷)の疑いで現行犯逮捕した。広瀬容疑者は「ブレーキとアクセルを踏み間違えた」と話しているという。 河内署によると、広瀬容疑者は店舗敷地内の駐車場で軽乗用車を運転中、店舗の正面入り口付近のガラスなどを突き破り、店内に進入。来店客の40代女性をはねた疑いがある。同市消防局によると、女性は腰の骨が折れるけがをし、病院に搬送されたが、命に別条はないという。有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

女性がバリバリ働く時代?「でも現実は…」 名古屋でも国際女性デー

 国際女性デーの8日夜、名古屋・栄では性差別や暴力に反対する「ウィメンズマーチ名古屋」があった。 久屋大通公園では参加者が、「未来の子どもたちが性別のために困らないように」「弱き者が救われる社会に」などとスピーチした。主催の「女性によるセーフティネット愛知」代表の藤原はづきさんは、中高年の女性の貧困率が高いことを挙げ、「依然として女性の社会的立場は厳しい。もっと未来に希望を持てる暮らしに」などと訴えた。 その後、「選択的夫婦別姓の実現を!」「連帯しよう」といったプラカードを掲げ、繁華街を歩いた。(小原智恵)女性起業家も結集「女性がひとり立っていくのは大変」 8日昼には、愛知県内の女性起業家が起業家コミュニティー「リリウム・ウーマン・ナゴヤ」を立ち上げた。事業の課題や仕事の困り事、ジェンダーの課題をともに乗りこえ、切磋琢磨(せっさたくま)しあえる場を作ることが狙いだという。 メンバーは、オンライン幼児教室の運営やオリーブ農家などキャリアは多彩だ。自治体による女性起業家の支援プログラムの受講者ら16人が参加する。 共同代表を務める奥村まみ子さん(47)はスクール事業を2016年に立ち上げた。「女性がひとりで立っていくのは大変。周囲に相談できる人がいないと、モチベーションもあがらず、事業継続が難しくなることもある」 日本政策金融公庫によると、週35時間以上働く「起業家」の女性の割合は24・4%。女性起業家は年々増える一方、現実との乖離(かいり)はまだある。 奥村さんは、「バリバリ働くのが当たり前の世の中になった一方、では家へ帰ってご飯を作るのは誰? 洗濯や掃除は? 実際はそういう現実との戦い。つらいことを言い合えて、事業を後押しできる情報共有の場にしたい」と語る。 ファッション小物の小売り事業を立ち上げた熊谷桜さん(33)は、「それぞれ個性があり、たくさんの人が関わることで凸凹を埋めあうように成長できる。事業を通してひとりひとりが輝いていく世の中になれば」と願う。(斉藤佑介)Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

散髪中の組長襲撃、懲役6年求刑 検察「被告はゴーグルと手袋装着」

2023年3月8日 20時30分 岡山市の理髪店で昨年10月、指定暴力団池田組の組長をサバイバルナイフで襲撃しようとした事件で、銃刀法違反と傷害の罪に問われた岡山市の暴力団組員、吉永淳被告(51)の初公判と論告が8日、岡山地裁(吉田真紀裁判官)であった。 検察側の冒頭陳述によると、山口組系組員の吉永被告は散髪中の池田組組長の襲撃を計画し、昨年10月26日に理髪店の店先に車を止めると、目にゴーグル、両手に手袋を装着し、催涙スプレーを持って出入り口扉から入店。不審に思って近づいてきた池田組組員に対し、催涙スプレーを噴射してサバイバルナイフを振り、組員2人に重軽傷を負わせたとされる。 検察は、暴力団抗争の一環で、組織の指示で犯行に及んだことが疑われるとし、「相当に悪質で再犯が強く懸念される」と懲役6年罰金30万円を求刑した。 吉永被告は起訴内容に対して「間違いありません」と大筋で認めたが、襲撃の動機については「事件は個人の私的なことで、組とは関係ない」と述べ、組織的な関与を否定した。有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

美しい青紫の翼 国の天然記念物ルリカケス、奄美の民家で子育て中

2023年3月8日 20時30分 国の天然記念物で鮮やかな青紫色の翼が特徴のルリカケスが、鹿児島県奄美市の民家で子育て中だ。親鳥が4羽のひなにせっせとえさを運んでいる。 家主の奥昭仁さん(73)によると、営巣は3年目。2年前は天井裏、昨年から軒下に巣を作っている。巣づくりを手伝おうと奥さんが台をこしらえた。 「親も子も無事に巣立ち、幸せになってほしい」と、そっと見守る奥さん。青い鳥が、えさと一緒に幸せのお裾分けも運んでくれるかもしれない。有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

「国の責任認めて」 いわき原発訴訟、10日判決 最高裁覆せるか

 東京電力福島第一原発事故で福島県いわき市の住民1337人が国と東電に約13億5千万円の損害賠償を求めた控訴審で、仙台高裁(小林久起裁判長)は10日、判決を言い渡す。原発事故の集団訴訟で国の責任を認めなかった昨年6月の最高裁判決以降、下級審で判決が言い渡されるのは初めて。 控訴審の原告は、国の避難指示対象から外れた人たち。一審の福島地裁いわき支部判決は2021年3月、事故を起こした責任が国と東電にあると認めた。だが、原告約1500人に約2億400万円の賠償を命じた判決に、原告側は「請求額と大きな差がある」などとして控訴した。同種訴訟、最高裁は国の責任を否定 国と東電を相手にした集団訴訟では昨年6月、最高裁第二小法廷が、福島(生業)、群馬、千葉、愛媛の4訴訟について、国の責任を否定した。最高裁は4人の裁判官のうち3人の多数意見として「経済産業相が規制権限を行使し、防潮堤を設置させても、現実の地震・津波は想定よりはるかに大規模で、事故は防げなかった」とした。 地裁、高裁で主要な争点になった国の地震予測「長期評価」(02年)の信頼性や、長期評価に基づく巨大津波の予見可能性については判断しなかった。 一方、検察官出身の三浦守裁判官は反対意見を述べ、「長期評価に基づけば事故は予見できた」「経産相が規制権限を行使し、建屋の水密化対策などを講じさせれば、本件事故は回避できた」とした。記事の後半では、震災当時、生後4カ月の子どもを抱えていた母親の思いを紹介しています。 昨年11月の控訴審で、原告…この記事は有料記事です。残り995文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

宮台真司さん襲撃事件、昨年死亡の男を書類送検へ 捜査は終結

2023年3月9日 0時00分 東京都立大教授で社会学者の宮台真司さん(64)が昨年11月に切りつけられ重傷を負った事件で、警視庁は、容疑者と特定していた無職の男(当時41)=相模原市南区=を9日に殺人未遂容疑で東京地検立川支部に書類送検する方針を固めた。男は昨年末に死亡しているため手続きとしての送検で、この事件の捜査は事実上終結する。 捜査関係者によると、男は昨年11月29日午後4時17分ごろ、東京都八王子市の都立大南大沢キャンパスで、宮台さんの顔や足などを複数回切りつけて殺害しようとした疑いがある。 犯人とみられる男が事件の1週間前に現場近くで乗っていた自転車の所有者がこの男と判明したが、男はすでに昨年12月16日に自宅から約300メートル離れた別宅で死亡していた。犯人とみられる男の映像を公開した4日後だった。 同課は容疑者特定の後も動機の解明を進めてきたが、男の死亡前にパソコンを含め様々な物品が処分されており、事件に至る詳しい経緯はわかっていない。有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

ピラミッドの空間「新発見につながる可能性」 名大などの国際チーム

 エジプト・カイロ近郊ギザにある世界最大のクフ王のピラミッド内部に通路状の空間があることを、名古屋大などが参加する国際プロジェクトチームが確認した。数センチの精度で詳細に計測した。 8日に会見した名大大学院理学研究科の森島邦博准教授(43)は「今回の発見で、さらに新しい発見の可能性も増えていく」と語った。 チームは、物質を透過する力が強い宇宙線「ミュー粒子」をとらえることで建物を「透視」する技術を活用し、2016年にこの空間を発見したと発表。今年1月、ファイバースコープを用いて空間内を撮影するなどし、詳しい形状がわかったという。 空間はピラミッド建造当時の入り口付近から80センチ内部にあり、幅2メートル、高さ2メートル、奥行き9メートル。上部の石の重さを分散させるために設けられた可能性があるという。 森島准教授は「宇宙線での測…この記事は有料記事です。残り285文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 - 朝日新聞デジタル