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「前日、寝息が荒かったが大丈夫と放置」 4歳女児殺害、父親が説明

増山祐史 遠藤美波 長妻昭明2024年2月15日 15時00分 東京都台東区の自宅マンションで昨年3月、当時4歳の次女に薬品を飲ませて殺害したとして両親が逮捕された事件で、次女が死亡する前日の様子について、父親が「寝息が荒かったが、翌朝には元気になっていたことがあったので大丈夫と思い、放置した」と警視庁の逮捕前の聴取に話したことが、捜査関係者への取材で分かった。 警視庁は、次女の美輝(よしき)ちゃんは事件前日以降に薬品を摂取させられ体調が急変し、死亡したとみている。自宅で母親と2人きりの時間帯があったとみており、経緯を調べる。 逮捕されたのはいずれも会社役員で父親の細谷健一(43)と母親の志保(37)の両容疑者。2人の逮捕容疑は共謀し、昨年3月12日ごろ~13日、自宅で美輝ちゃん(当時4)に抗精神病薬オランザピンと不凍液のエチレングリコールを摂取させ殺害したというもの。死亡の次女、母と2人だけの時間帯か 捜査関係者によると、美輝ちゃんは11日夕方から12日未明まで保育園にいた。健一容疑者は12日午前、長男と長女を連れ後楽園に外出し夜帰宅。その際、美輝ちゃんの寝息が荒いのを確認した、と説明したという。 13日朝も長男と長女を連れて送迎のため外出したと説明したという。外出の間、自宅は志保容疑者と美輝ちゃんの2人きりだった可能性がある。13日午前9時ごろ、健一容疑者が「娘が息をしていない」と119番通報し、搬送先で死亡が確認された。 警視庁は昨年8月、自宅を殺人容疑で家宅捜索。押収したスマートフォンやパソコンには、約1年前から両薬品を海外サイトなどから複数回買った形跡があり、オランザピンの小袋も見つかっていた。(増山祐史、遠藤美波、長妻昭明)有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりませんSource : 社会 - 朝日新聞デジタル

国内初、ティラノサウルス科の骨の化石見つかる 白亜紀後期・熊本で

 熊本県苓北(れいほく)町の地層から見つかった化石が、肉食恐竜ティラノサウルス科のあごの骨の一部であることが、同県天草市立御所浦白亜紀資料館と福井県立恐竜博物館の調査でわかった。国内で同科の骨の発見は初めて。骨の形状から全長8~9メートルとみられ、新種の可能性もあるという。 両館が15日に発表した。歯を支える下あごの骨(歯骨)と歯の根元で、白亜紀後期(約7400万年前)の地層から2014年10月の調査で見つかった。 CT装置で詳しく調べたところ、左右の歯骨の一部が重なり合っているものだとわかった。長さは左歯骨が約14センチ、右歯骨が約17センチで、深さはいずれも約8センチ。あごのつくりや歯の断面が丸みを帯びていることなどから、ティラノサウルス科と判断した。左歯骨は、歯根や生え替わり用の歯なども確認できた。 恐竜博物館によると、これま…この記事は有料記事です。残り212文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりませんSource : 社会 - 朝日新聞デジタル

激しいバッシング、潜伏先から手紙 原文掲載を判断「報道と違う」

現場へ! 「イエスの方舟」はいま③ 「人さらい教団」騒動から40年超、もう偏見にさらされることはありませんか?――「イエスの方舟(はこぶね)」の主宰者だった故・千石剛賢(たけよし)の三女で、「シオンの娘」店長の千石恵に尋ねた。 「まだありますよ。『洗脳されるから、怖くて店に入れない』なんて吹聴されたりね」 1年半前、元首相の安倍晋三が旧統一教会の宗教2世に銃撃された事件の影響も大きいと感じている。「福岡・中洲のお店を閉じた時も、福岡市東区に一時移転オープンした時もたくさん取材に来られましたが、昨春、(福岡県)古賀市に開いた時は1社も来なかった。『宗教』を扱うのはまずいという雰囲気なんでしょう」 ちなみに方舟は宗教法人では…この記事は有料記事です。残り1083文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりませんSource : 社会 - 朝日新聞デジタル

葬儀前、遺体を取り違え別人を火葬 東大阪市の葬儀場、確認怠る

華野優気2024年2月15日 11時40分 大阪府内と奈良県内で葬祭業を営む「泉屋」(大阪市中央区)の同府東大阪市の葬儀場で1月、90代の女性の遺体が葬儀前に火葬されていたことがわかった。別の身寄りのない高齢女性の遺体と取り違えたという。 泉屋によると、2人の遺体は同じフロアの別の霊安室で安置されていた。1月23日、火葬のために身寄りのない高齢女性を出棺する際、従業員が90代の女性を誤って出棺し、火葬した。霊安室前には名札がかけられていたが、確認を怠ったという。 火葬を始めて数十分後、別の従業員が霊安室に身寄りのない女性の遺体が残されているのを見つけた。90代女性の火葬は翌24日以降の予定だったという。泉屋側は遺族に謝罪し、後日、葬儀を執り行った。 墓地埋葬法で、火葬は死後24時間経過後と定められている。今回、女性は24時間以内に火葬されたといい、府警布施署が墓地埋葬法違反の疑いで調べている。 泉屋は「ご遺族には取り返しのつかないことをしてしまった。再発防止を徹底する」とコメントした。(華野優気)有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりませんSource : 社会 - 朝日新聞デジタル

「10周年は難しい」? なら今を祝おう 平均75歳のバンドが公演

本井宏人2024年2月15日 11時51分 岐阜県富加町のシルバーバンド「スコップ三味線&おったま芸人一座」が、結成5周年を記念し、3月に初の主催コンサートを町内で開く。平均75歳の高齢を逆手にとって、「まだまだがんばれるという喜びを、地域や仲間と分かち合いたい」と意気込んでいる。 スコップ三味線は、ホームセンターで購入できるスコップを、フライ返しなどの調理用具をバチ代わりにしてたたき、音を出す。「足腰が弱ったお年寄りでも、いすに座って手軽に演奏でき、頭の体操にもなる」と、県内でも徐々に愛好者が増えている。 「芸人一座」は2018年7月に結成された。今のメンバーは66~82歳の12人で、このうち10人が女性。町内や近隣の高齢者施設や保育園などを回り、月1度程度のペースで息の合った演奏を続けてきた。演奏の合間には、腹話術や手話ダンスなどメンバーの特技も披露してきた。 今回の公演は、ファンから「今のメンバーが元気なうちに晴れ舞台を見たい」と声が上がったため。キャプテンの川嶋房子さん(79)は「特に結成時からの高齢メンバーには、10周年公演は難しいかもしれない。集大成のつもりで力を出し切りたい」と話す。 「結成5周年コンサート」は、3月10日午後1時半から「タウンホールとみか」で。望郷じょんから、トルコ行進曲、ダンシング・ヒーローなど7曲を演奏する。ゲストとして町内の演舞グループ「半布里(はぶり)Jr.」などのステージもある。入場無料。(本井宏人)有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりませんSource : 社会 - 朝日新聞デジタル

被爆体験、語らなかった両親 足跡たどり描いた絵が広島に「里帰り」

 被爆者の肖像画を描く画家、増田正昭さん(71)=京都市=が故郷の広島市では初となる個展を開いている。亡き両親は入市被爆した体験を自身に語らなかった。その足跡を資料からたどり、初めて2人の肖像画を描いて展示した。18日まで。 増田さんは50歳のころ、仕事の忙しさなどでうつ病になり、リハビリのため絵を描き始めた。没頭するようになり、大学の通信教育で洋画を学んだ。 被爆者を描くようになったのは2018年。大学院の修了記念で個展を開く際に、ギャラリーから被爆をテーマにすることを提案された。当時から増田さんは京都で「被爆二世・三世の会」の世話人を務めていた。被爆者の交流行事などでモデルを募り、これまでに広島、長崎で被爆した37人の肖像画を描いた。 絵を描く際には、2時間ほどをかけて話を聞く。被爆体験だけでなく、その前後の人生についても聞き取る。「本当の表情が出てくる。その人の神髄をくみ取れる」からだという。 ただ、両親の絵を描くことは避けてきた。2人とも体験を一度も語ろうとしなかったからだ。自身は大学進学で広島から京都に移り、両親も広島を離れた。父は01年に80歳で、母は14年に89歳で他界した。 しかし、70歳を過ぎて心境が変わった。「今のうちにやっておかなければ」。昨年、両親の被爆者健康手帳の申請書類や父親の軍歴を役所から取り寄せた。 広島では被爆当時に両親が歩いた道のりを、自分の足でたどった。実は母は一度だけ、80代の時に増田さんの妻に対してこの時の体験を語っていた。 妻によると、20歳ごろだった母は疎開先から焼け野原の広島市内に戻り、実家のあった場所の近くで骨を見つけた。その骨が、行方のわからなくなった自分の母の骨のように思え、かじったという。増田さんは「女同士でポロッと話してしまったんじゃないか」と推し量る。 アルバムなどからモデルの写真を選び、3カ月ずつをかけて両親の肖像画を描いた。中学生の時に父と原爆ドーム前で撮った記念写真を基にした絵も描いた。「描いていると、絵の中の両親が話しかけてくるように感じた」。個展で並べた80点余りの絵の中にはこれらの作品も含まれる。「両親を広島に里帰りさせたかった」と増田さんは話す。 会場は広島市中区上八丁堀のギャラリーG(082・211・3260)。入場無料。午前11時~午後7時(18日は午後4時まで)。15日午後1時半と午後6時半、17日午後2時からギャラリートークがある。(柳川迅)Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

過疎化進む山あい 「駐在さん」の腕時計は蛍光イエロー、そのわけは

 「どうも島田ですー」 明るい声で民家の引き戸を開けたのは、制服姿の警察官だ。制帽に銀縁の眼鏡。その中で、蛍光イエローの腕時計がひときわ目立っていた。 顔なじみの高齢男性が玄関先に現れると、「どうですか、最近?」と目尻を下げて笑いかけた。男性から「どうぞ」と誘われると、「ありがとうございます」と言いながら居間へと進み、しばらく雑談する。何げなく「最近、近くで特殊詐欺の被害が多くてですね。注意してほしいんですよ」と切り出した。日本最北の警察・北海道警の警察官と警察職員は計1万2千人。365日任務にあたる人たちの仕事を追いました。記事後半では、元営業マンの「駐在さん」が見た過疎地の姿に迫ります。 島田幸範(48)=敬称略=は2020年4月から、北海道東北部の山あい、遠軽町にある生田原駐在所の所長を務めている。 05年に遠軽町と合併した生田原町は戦前、金と銅を産出する鉱山の町として栄えた。しかし、過疎化が進み、現在の人口は1500人を下回る。中心部を南北に国道が走るが、道路脇には廃屋が目立つ。 その国道沿いにある生田原駐…この記事は有料記事です。残り1242文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりませんSource : 社会 - 朝日新聞デジタル

「サッカー王国」に挑む 新規参入のプロ野球チーム、その手法は

 「サッカー王国」と呼ばれて久しい静岡県で近年、野球や卓球、バスケットボールなどの人気スポーツでもプロチームの誕生が相次ぎ、ファン層拡大に懸命になっている。地域密着や地域貢献を前面に打ち出し、地元住民と交流する機会も多い。 「どうぞ楽しんでください」。先月28日。プロ野球の2軍戦に参入する「くふうハヤテベンチャーズ静岡」の選手がちゅ~るスタジアム清水(清水庵原球場、静岡市清水区)の駐車場で開かれた「清水いはらフェス」に登場。壇上にあがった赤堀元之監督がファンら来場者に呼びかけると、歓声がわきあがった。焼きそばを買い求める選手も チームにとっては初のファン…この記事は有料記事です。残り1953文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりませんSource : 社会 - 朝日新聞デジタル

「ブギウギ」に出演 田中麗奈さんが語った「ラクチョウ」のリアル

 終戦まもない時期、東京・有楽町のガード下は「ラクチョウ」と呼ばれ、「夜の女」が集まっていた。その様子が現在放送中のNHK連続テレビ小説「ブギウギ」にも描かれている。「ラクチョウのおミネ」として出演する俳優の田中麗奈さんに、話を聞いた。 終戦後、家族や家を失い、生きるすべがなくなり、「夜の女」となった女性は、東京都内で推定3万人いたとされる。そんな女性たちが多く集まっていたのが、GHQ本部があった旧日本生命ビルに近い「ラクチョウ」だった。 「ブギウギ」の主人公スズ子は、「東京ブギウギ」などのヒット曲で知られる笠置シヅ子がモチーフだ。田中さんは、スズ子を熱烈に応援する「ラクチョウ」の女性たちのリーダー格「おミネ」を演じる。 「ドラマに出てくる女性は何人か実在し、当時のインタビュー映像や記事などを事前に調べました」と田中さん。参考にしたのは、笠置と交流があった「ラクチョウのお米」と呼ばれ、実在した佐藤米子をはじめ、当時夜の街で働いていた女性たち。田中麗奈さんが参考にしたメディアに登場した「ラクチョウの女」たち終戦直後、有楽町に多く実在した「ラクチョウの女」の肉声が当時のメディアに残されています。田中麗奈さんが朝ドラで描かれる彼女たちの実像を解説します。 評伝「ブギの女王・笠置シズ…この記事は有料記事です。残り931文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりませんSource : 社会 - 朝日新聞デジタル

仙台高裁「人災ではないかとの思い、捨てがたい」 東電への賠償増額

 東京電力福島第一原発事故で故郷を失い、精神的苦痛を強いられたとして、福島県川俣町山木屋地区の82世帯323人が東電に損害賠償を求めた集団訴訟の判決が14日、仙台高裁であった。瀬戸口壮夫裁判長は、一審・福島地裁いわき支部判決より約5億円増額し、原告299人に計約10億9891万円の支払いを命じた。 瀬戸口裁判長は「対策を講じないまま漫然と原発を運営していたのであれば、事故は人災ではないかという思いが捨てがたいものとなり、被災者らに重大な精神的苦痛を発生させた」と述べた。 判決によると、東電は2002年に公表された国の地震予測「長期評価」に基づいた津波試算の着手を先送りし、08年に原発敷地を15・7メートル上回るとする試算が出されても具体的な対策を講じてこなかったと認定。瀬戸口裁判長は「08年試算を受けて、水密化などの対策を講じていれば事故の発生自体は防げなかったとしても、規模はかなり異なるものになっていた可能性は否定しがたい」とした。 賠償額について判決は、山木…この記事は有料記事です。残り367文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりませんSource : 社会 - 朝日新聞デジタル