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世界一過酷な「パリダカ」 3トンのランクルが宙に、記者が体験した

【動画】ダカールラリーの走りを記者が体感 ランクルが飛んだ=三浦惇平撮影 「世界一過酷」といわれる自動車の「ダカールラリー」に参戦するドライバーは、どう悪路を切り抜けるのか。トヨタ車体(愛知県刈谷市)でドライバーとして活躍する三浦昂さん(38)がハンドルを握る車に記者が同乗した。アップダウンの激しいオフロードで、世界トップクラスの走りを体感した。 1978年から続くダカールラリーは、元々はフランスのパリからセネガル共和国のダカールまでをコースとしたことから、「パリダカ」の愛称で親しまれてきた。アフリカから、南米、中東へと舞台を移しながら、例年1月に開催されている。 最大の特徴は、「道なき道」と言われるほどの悪路だ。前回大会は、サウジアラビアの砂漠を舞台に、13日間で7千キロ超を走った。岩場で横転したり、破損したりする車両が相次ぎ、約3割がリタイアした。 こうした過酷なラリーで、三浦さんは、ランドクルーザーのハンドルを握り、5年連続で完走。最低限の改造しか認められていない市販車部門で、チームの8連覇に貢献してきた。 そんな走りを体感するべく、三浦さんのランクルの助手席に乗せてもらう機会を得た。試乗会があったのは、愛知県豊田市の「さなげアドベンチャーフィールド」。オフロード走行を楽しめる施設だ。今回は、険しい山道やジャンプ台を通る特設コースを走った。 燃料タンクやスペアタイヤを車両の後部に積み込んでいるため、運転席と助手席の2人乗りだ。車内に乗り込むと、衝突時にボディーの変形を防ぐためのフレームで囲われているため、少しせまく感じた。一方で、ハンドルやアクセル、ブレーキ、シフトレバーの配置は、市場に出回っている市販車と変わらない。 安全確保のため、ヘルメットを装着した。「激しい揺れで、カメラが手から離れる恐れがある」(広報)ため、ハンディカメラでの撮影は禁止。両手は、両肩にかかるラリー仕様のシートベルトをつかむように促された。浮き上がる身体、視界は次々と 「では、参ります」。三浦さ…この記事は会員記事です。残り1145文字無料会員になると月5本までお読みいただけます。Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

警報機鳴る踏切に取り残されたシニアカー 間一髪で女性を救助 

 特急列車が近づく踏切内に取り残されたシニアカー(電動車いす)から80代女性を救出したとして、宮崎県警は22日、同県門川町の無職・横山和宏さん(68)に人命救助功労の県警本部長感謝状を贈った。 県警日向署によると、事案は11日午前10時45分ごろ、門川町にあるJR日豊線「奥の迫踏切」で発生した。横山さんは当時、近所に住む長男夫婦が飼っている犬の散歩中だった。2日に1度、約1時間かけて散歩するが、「その日は体調が悪くて30分ほどで散歩を切り上げた」。長男宅近くの路上で休んでいると、警報機が鳴り出した。 「ほら、列車が来るってよ」。そう犬に話しかけ、少し離れた踏切の方にふと目をやると、シニアカーに乗った高齢の女性が線路上で立ち往生していた。 「これはいかん、とにかく助けんと」。犬のリードを手に大急ぎで踏切内に駆け込んだ。「ばあちゃん、どしたもんね? 乗ってて良いから! このままひっぱり出すよ!」。ぼうぜんとする女性を避難させようとシニアカーを引っ張るが、びくともしない。女性の両脇を抱えて線路外に救出した。その際に横転したシニアカーも線路外に出そうと試みたが、やはり動かない。 警笛が3、4回鳴り響く。列…この記事は会員記事です。残り503文字無料会員になると月5本までお読みいただけます。Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

金箔、漆塗り……名古屋仏壇の職人技を日用品に 老舗販売店の挑戦

 彫刻や金箔(きんぱく)を施した華やかな装飾の名古屋仏壇。職人の技術を新たな形で生かしたいと、老舗販売店「大黒屋仏壇店」(名古屋市中区)が新商品の開発にいそしんでいる。たどりついたのが、ワインのボトルや日本酒の瓶のふたになる「ボトルストッパー」だった。 光沢のある黒い短い棒に、金箔(きんぱく)がちりばめられている。金具の飾りがついたものもある。大黒屋仏壇店のボトルストッパーは、「名古屋仏壇の装飾を現代風にアレンジ」したのが特徴だ。 仏壇と同じヒノキ製で、合板ではない「無垢(むく)材」を使用。持ち手は角張った八角柱だ。名古屋市の市章に使われている数字で、縁起が良いとされる「八」にちなんだという。 製品名は、刀の持ち手を示す「柄(つか)」。ボトルやびんの口からストッパーを外す動きを、刀を抜く所作に見立てた。装飾は11種類あり、それぞれS、M、Lの3サイズを用意している。 名古屋仏壇は国が指定する伝統工芸品。仏壇の骨格をつくる「木地」、漆をつける「塗り」、金箔を貼る「箔(はく)置き」といった11の工程がある。大黒屋仏壇店によると、江戸時代に、徳川家康が尾張の中心街を清洲から名古屋に移した「清洲越し」が終わり、仕事にあぶれた宮大工がつくり始めたとされる。金具で飾られた内装で知られる真宗大谷派名古屋別院(東別院、名古屋市中区)を模したという説が有力だ。 近年は生産量が落ち込んでい…この記事は会員記事です。残り947文字無料会員になると月5本までお読みいただけます。Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

園児への虐待「意見しづらい環境あった」 熱中症死事故の園が報告書

神野勇人2021年11月23日 10時00分 福岡県中間市の双葉保育園で男児(当時5)が送迎バスに閉じ込められて死亡した事故をめぐり、保育園の運営法人は22日、園児への虐待があったと認定した県と中間市の改善勧告に対する報告書を提出した。園側は虐待の一部を認めたうえで再発防止策を説明し、受理された。今後、県と市が対策が実施されているかを監査で確認するという。 県はバス事故に関する監査の過程で複数の園児らへの不適切な指導を覚知し、改めて監査を実施。日常的にげんこつでたたく▽「好かん」「ばか」などの暴言▽全身をバスタオルで巻いた状態でトイレに長時間放置するなどの虐待を認定し、10月21日に原因の検証や再発防止策の報告を園側に勧告した。 園側は園長や外部の元保育士、民生委員ら計4人が職員らに聞き取りを実施。頭をたたいたり、腕を引っ張ったりする行為は加害職員の証言がとれたとして虐待と認定した。暴言は複数の証言が出たが、加害職員の証言がなく認定には至らなかった。 加害職員や目撃した職員らは、こうした虐待が不適切と認識しながら上司へ報告していなかった。園側は原因について「特に若い職員から管理職に意見を述べづらい環境があった」と総括した。 園側は再発防止策として、職員会議や研修を通じた不適切保育への認識の共有や、主任保育士から園長に報告をあげる体制づくり、複数担任制の導入や保護者の自由参観期間の設定など、現場に目が届く仕組みの構築などを進めるとした。園側は12月にも検証結果や今後の対策について保護者説明会を開くという。(神野勇人)Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

42万9千円払おうとした高齢男性、止めたフィリピン人コンビニ店員

 特殊詐欺被害を防いだとして、愛知県警春日井署は22日、コンビニエンスストア、セブン―イレブン春日井八田町店で働くフィリピン国籍のロメロ・ウィルジョファーソンさん(24)に感謝状を贈った。 10月5日の午後、市内に住む客の男性(80)が店内で何かを探しているようだった。手にはメモ。声をかけると「電子マネーの買い方がわからない」。聞けば42万9千円分と多額で「アプリの会員登録に使う」という。 もう一度アプリの運営者に電話してみてはどうかとアドバイスすると、電話口の運営者の男がどうも怪しかった。男性に断って代わりに電話を受けると、男は話をはぐらかし「もうあなたはいいから」と再び男性に代わるようにと言った。男性はしばらく男と電話で話し、「大丈夫だから」と伝えてきたが、ロメロさんは「詐欺だと後悔するので警察に相談した方が絶対安全」と粘って説得し、春日井署に相談させた。男性からはその日のうちに感謝されたという。 父は日本人、母はフィリピン…この記事は会員記事です。残り255文字無料会員になると月5本までお読みいただけます。Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

揺れる被爆2世「放射線の影響あるのかないのか…」 初の大規模調査

 日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)は22日、被爆者の親を持つ被爆2世を対象とするアンケート結果を発表した。3417人のうち6割が「2世としての不安や悩みがある」と回答。うち8割近くが「健康と放射線の影響」を挙げた。日本被団協による被爆2世に対する大規模調査は初めて。 全国被爆二世団体連絡協議会は全国の被爆2世を30万~50万人と推計。ただ、国は調査しておらず、正確な人数や実態はわかっていない。日本被団協は実態を把握する一環として、2016年~17年に地域の被爆者団体などを通じて1万7567人に調査票を配布。19・5%にあたる3422人から回収、有効回答が3417人だった。コロナ禍で集計に時間がかかったことなどから、この日の発表となった。 日本被団協は今後、調査結果を国への要求などに反映させていきたいとしている。 調査によると、不安や悩みを感じたことがあると答えた人にその内容(複数回答可)をたずねたところ、「自分の健康・放射線の影響」が78・6%で最多だった。「父母の健康問題・介護」が56・0%、「自分の子どもへの放射線の影響」が41・8%と続いた。 自由記述欄には「病気になるたび、被爆が原因なのかと不安になる」「子どもの結婚に支障が出ないか」という声も寄せられた。健康診断「知らなかった」約4割 被爆者は、被爆者援護法に基…この記事は会員記事です。残り1311文字無料会員になると月5本までお読みいただけます。Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

鎌倉の住宅で78歳男性が刺され死亡 神奈川県警が殺人事件で捜査

2021年11月23日 10時01分 22日午後7時20分ごろ、神奈川県鎌倉市雪ノ下3丁目の無職奥村直司さん(78)方で、奥村さんが血を流して倒れているのを同居する妹(74)が発見した。妹が119番通報し、奥村さんは病院に搬送されたが死亡が確認された。腹部など数カ所を刺されているといい、神奈川県警は殺人事件とみて捜査を始めた。 鎌倉署によると、奥村さんは長男(40)、妹、妹の長男(46)と4人暮らし。発見時は奥村さんの長男と妹の長男は外出しており、妹は「夕食の準備ができたので呼びに行ったら倒れていた」と説明しているという。現場はJR鎌倉駅の北東約1キロで、鶴岡八幡宮に近い住宅街。Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

女性が行方不明に…警察犬ハッピーはピンときた 表彰6回の頼もしさ

武井風花2021年11月23日 11時00分 行方不明になった加美町在住の70代女性を発見したとして、宮城県警加美署は、警察犬のハッピー(ジャーマンシェパード、雌9歳)と、飼い主の警察犬指導士・安倍秀一さん(71)に感謝状とビーフジャーキーを贈った。 署によると、10月23日午後9時ごろ、女性が自宅にいないことに家族が気が付いた。近隣を捜したが見つからず、同24日午前1時ごろ、署に行方不明届を提出した。 ハッピーは同日午前6時半ごろに女性の自宅に到着し、女性の靴のにおいを手掛かりに捜索を開始。わずか30分後、自宅から直線距離で500メートルほど離れた民家の玄関付近でうずくまっている女性を見つけた。女性にけがはなかった。 同署で今月9日にあった表彰式で、阿部忠彦・加美署長が安倍さんにビーフジャーキーの包みを渡すと、ハッピーはにおいをかぎつけ、しっぽを振って跳びはねていた。 ハッピーが表彰されるのは今回で6回目。阿部署長は「前日に雨が降り気温が低かったので、早く見つけなければ命にかかわった。人間の力だけではできなかったことだ」と活躍をたたえた。(武井風花)Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

【マンガ動画】「SDGs的な生活」はどんな感じ? 記者が実践した

2021年11月23日 11時00分記者が体験 SDGs的生活 国連が掲げる「持続可能な開発目標(SDGs)」。記者は取材を通じ、SDGsを達成するために動き始めている人々に出会った。「SDGs的な生活」とはどのようなものなのか、短期間ではあるが家族で実践した。今回は1週間、肉食をやめる生活を送った。Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

大分JA元役員、交付金3千万円詐取か 職員らに出荷量水増しを指示

中島健2021年11月23日 7時34分 不祥事の続発を機に、大分県農協の不正などの洗い出しをしてきた悉皆(しっかい)調査委員会(委員長・国広正弁護士)は22日、最終報告書をまとめた。役員にあたる経営管理委員だった70代男性が在任時、自分で栽培した麦や大豆の出荷量を水増しするよう職員に指示し、少なくとも交付金約3千万円(推計値)を詐取していたことが明らかになった。県農協は刑事告訴や損害賠償請求を検討する。 報告書などによると、元経営管理委員は北部事業部の二つのライスセンターの責任者だった30代パート男性と40代男性職員に、出荷した大豆と麦の量を水増しするよう指示。2016年から20年までの5年分の国の交付金と、農協への販売代金を詐取した。詐取した額は交付金だけで約3千万円と推計され、販売代金も500万~600万円とみられる。 指示を受けた2人は、元管理委員が出荷した大豆や大麦などの荷受け重量を改ざんしたり、他の農家が出荷した麦を元管理委員の麦に加えたりして水増しした。謝礼として大豆で年15万~20万円、麦でも6万円から十数万円をそれぞれ受け取っていた。 また、この40代職員は16年11月から19年12月の4年間、ライスセンターに保管されていたコメを盗んで外部業者に売却し、約160万円を得ていた。 関与した3人はいずれも事実を認めている。調査委副委員長の宮野勉弁護士によると、元管理委員は「事前申請した転作の収量を達成するため水増しした」と説明しているという。 国広弁護士は「悪質性が高く重大な事案だ」と指摘。不祥事の要因として、ライスセンターの作業を1人で担当していたことや管理職の監督がなかったこと、記録が手作業で改ざんできた点などを挙げた。 平間悟理事長は「役員が関与したことや、農作物を預かって事業を行う農協にとって、管理不備に起因して発生した不祥事は事業の根幹を揺るがす事態だと重く受け止めている」と謝罪した。 県農協によると、17年以降、これまで業務上横領や窃盗など15件の不祥事が発生していた。昨年10月には県から業務改善命令を受け、今年2月に改善計画を提出した。ただ、調査のなかで新たな不祥事が発覚したため、悉皆調査委で未発覚の問題を洗い出していた。(中島健)Source : 社会 - 朝日新聞デジタル