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長期就労可能な外国人の枠拡大を検討 飲食料品製造や農業でも

2021年11月18日 21時05分 外国人が農業や建設など14分野で働ける在留資格「特定技能」のうち、長期の在留や家族の帯同が可能になる「2号」について、政府が受け入れ分野の拡大に向けて検討していることがわかった。現在の2分野から、別に在留資格が設けられている介護を除く全分野に広げる方向で来春の正式決定を目指し、関係省庁で調整が進められている。 特定技能は、労働力不足に対応しようと出入国管理法を改正して2019年4月に新設された在留資格。技能水準に応じて1号と2号に分かれ、「相当程度の知識、経験」が必要な1号は、分野別の技能試験と日本語試験に合格するか、技能実習を3年間修了すると取得できる。在留期間は5年が上限で、家族の帯同も基本的に認められない。 これに対し、技能試験で「熟練した技能」が求められる2号は、定められた在留期間ごとに更新が必要だが上限はなく、配偶者や子どもを連れてくることもできる。東京五輪を控えた需要の高まりなどで、建設と造船・舶用工業の2分野で先行して始まっていた。 政府関係者によると、この2分野以外に、飲食料品製造業や農業などほかの11分野にも2号を拡大する検討が進められている。政府が正式に決めた後、技能試験などの準備が整った分野から順次受け入れができるようになる見通しという。 特定技能の資格で在留する外国人は今年6月末時点で2万9144人で、導入1年後の3987人から7倍以上に増えている。2号はいない。 松野博一官房長官は18日の記者会見で、「人材確保が困難な状況にあるため、不足する人材の確保を図るべき産業上の分野において外国人を受け入れる」と制度の意義を説明する一方、「期間ごとに更新を認めるものであり、無期限の在留を認めるものではない。また、無条件に永住を可能とするものではない」と述べた。Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

「隣にいないこと信じられない」 9歳の娘失った母が語った胸中

高橋孝二2021年11月18日 21時30分 岡山県津山市で2004年、小学3年の女児(当時9)を殺害したとして、殺人や強制わいせつ致死などの罪に問われた無職、勝田州彦(くにひこ)被告(42)の裁判員裁判の公判が18日、岡山地裁であった。女児の母親が証人として出廷し「隣に娘がいないことが信じられない」「太陽のような、ヒマワリのような子だった」と涙で声を詰まらせながら胸中を語った。 母親の証言によると、事件のあった04年9月3日朝、「行ってきます」と家を出る娘に「気をつけていってね」と返したのが最後のやりとりとなった。 娘が運ばれた病院で、医師から蘇生措置をやめると告げられたときは「頭が真っ白になった」。事件後の2~3カ月は「人が怖くて(誰にあっても)犯人じゃないかと思った。家の外に全く出られなかった」と振り返った。 その後は娘が下校し、帰宅していた時刻がくると、「娘が帰ってくるような気がして」玄関に出るようになったという。 「甘えん坊で優しい子。学校から帰ると『大好き』と言ってギュッとしてくれた。幸せだった」。《お母さん大好き》と書かれた手紙も何度も渡されたという。事件の1週間前、岡山県北部の蒜山(ひるぜん)高原へ行ったときの家族写真を今も大切にしている、と語った。 最後に犯人への気持ちを聞かれ、「娘の人生を返してほしい」「娘と同じように苦しみ、命をもって償ってほしい」と訴えた。 また18日の公判では、倉成章裁判長が、逮捕後の取り調べで被告が「自白」したとされる録音・録画の映像について「必要性がない」と述べ、検察側の証拠請求を却下した。 弁護側は、「自白」を裏付ける客観的な証拠はないなどとして無罪を訴えている。検察側は、これまでの公判で、被告が「刃物で刺した」などと述べた取り調べのやりとりを文字に起こした「反訳書」を朗読。客観的状況と整合する自発的な自白であり、信用できると主張している。 次回24日に結審し、判決は来年1月6日の予定。(高橋孝二)Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

北海道の湖で4年ぶりにハクチョウ2千羽、理由は「わからない」

大野正美2021年11月18日 22時00分 北海道東部の根室市と別海町にまたがる風蓮湖が、ロシア極東から飛来したオオハクチョウで例年になくにぎわっている。隣接する温根沼を含めた飛来数は、4年ぶりに2千羽を超えた。 別海町走古丹(はしりこたん)の風蓮湖畔では、晩秋の陽光を受けながら、群れてアマモなどの海草類を食べながら過ごす白い優雅な姿が鮮やかだ。 根室市春国岱(しゅんくにたい)原生野鳥公園ネイチャーセンターと日本野鳥の会の14日の調査では、2027羽(成鳥1794羽、幼鳥233羽)の飛来が確認された。同じ時期での過去5年の平均1644.8羽より約382羽多い。2千羽超えは2017年の2036羽以来となる。 同センターによると、飛来数の増減は飛来元のロシア極東の環境に大きく影響される。このため、「なぜ今年が多いのか、よくわからない」という。12月中に多くが、本格的な越冬地となる本州へと向かう。(大野正美)Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

父子2人死亡の民家火災、母親を放火と殺人容疑で逮捕 千葉・旭

2021年11月18日 22時09分 千葉県旭市三川で17日朝、民家火災があり、この家に住む父子が死亡したほか母親が軽傷を負った。県警は18日夜、2人を焼死させたとして、現住建造物等放火と殺人の疑いで母親の大橋とし子容疑者(65)を逮捕し、発表した。自宅に火を付けたことは認めているが、殺意は一部否認しているという。捜査関係者によると、室内に油のような跡があった。 県警などによると、17日午前6時35分ごろ「住宅が燃えている」と近隣住民から119番通報があった。火は約1時間後に消し止められたが、1階から大橋容疑者の夫、芳男さん(67)の遺体が見つかったほか、2階で息子の芳人さん(32)が見つかり、病院に搬送されたが死亡が確認された。この家には大橋容疑者ら3人が暮らしていた。 芳人さんには重度の身体障害があり、寝たきり状態だった。芳男さんは病気を患い、ほぼ寝たきり状態で、大橋容疑者も身体的な障害があり「介護に疲れている」と供述している。 現場はJR飯岡駅から南に約2・8キロの住宅街。Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

「暴力団と関係」認定で倒産、元社長が提訴 「組長と知らなかった」

加治隼人2021年11月18日 18時00分 暴力団組長と密接な交際をしていたと認定した福岡県警の調査や、公共工事から排除した県や福岡市の決定は違法だとして、大分県に本社を置いていた管工事会社「九設」の社長だった男性(51)が今月、決定の取り消しや損害賠償を求めて福岡地裁に提訴した。九設は暴力団と関係がある企業として公表され、2週間後に倒産。男性は「相手が暴力団組長とは知らなかった」と訴えている。 排除通報は福岡県暴力団排除条例に基づき、役員らが暴力団と「密接な交際、または、社会的に非難される関係」を持つなどと認定された業者を公共工事から排除する制度。暴力団が不当な利益を得ることを防ぐ狙いがある。交際実態は県警が調べ、認定した場合に企業名や所在地、代表者名などを公表。自治体はこれを踏まえて入札への指名停止や排除の期間を決める。 福岡県によると「密接な交際」には、会食や旅行といった交遊を共にする行為が該当し、「社会的に非難される関係」には、主催する会合に組員らを招待する場合などが含まれるという。 九設は従業員約70人の地場大手とされ、売り上げは年50億円規模あった。しかし4月27日、社長だった男性が指定暴力団・道仁会系組長と密接な関係にあると認定され、福岡県警が「暴力団関係企業」として公表。県などから公共工事からの排除措置を受けた。銀行に口座を凍結され、取引先からも取引中止が相次いだ。経営が行き詰まり、5月10日に破産を申し立てた。倒産時の負債総額は約30億円だった。 提訴は今月10日付。訴状などによると、男性と密接な交際があったと認定された組長は「クラブのオーナー」を名乗り、建設業経営者ら約10人による「異業種交流会」に参加する1人だった。組長の店には暴力団立ち入り禁止の標章も貼られており、男性は「暴力団と全く認識していなかった」と主張。県警の聴取の際にも弁明したが、警察官から長時間の取り調べを受けて「認めないなら重い処罰になる」と言われ、「暴力団員と知っていた」と虚偽の自白をした、と訴えている。交流会に参加していた他の6人の企業も排除措置などを受けた。 男性は朝日新聞の取材に「認定後は異議を申し立てる機会もなかった。県や市も調査もせず公共工事からの排除を決め、納得がいかない」と話した。 県警は、男性と組長との定期的な飲食や、SNSでの連絡、組長が関わる店の利用などを確認した、と説明。県の担当者は「訴状が届いておらずコメントできない」と話している。(加治隼人)Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

修学旅行先に異変 ディズニーより平和学習? 「下克上」のわけは

 ディズニーランドより平和学習が人気? コロナ下で修学旅行の行き先に「異変」が起きている。日本修学旅行協会のアンケートで、中学・高校の昨年度の旅行先は、東京や大阪、千葉が順位を下げる一方、被爆地の長崎と広島が高校のトップ3に入った。「下克上」の背景にあるものとは――。 アンケートによると、昨年度に修学旅行をした高校の訪問先は、1位が長崎(2019年度8位)、2位が沖縄(同1位)、3位が広島(同11位)で、平和学習が盛んな3県がトップ3を独占した。 長崎県は昨年度、コロナ下で修学旅行先を県内に変えた場合、旅行会社に最大50万円を補助する支援策を設けた。大都市圏や海外を予定していた学校が、感染リスクがより低い地方に行き先を変え、平和学習や国際交流の場が豊富な長崎に目をつけたと分析する。修学旅行生のほとんどが訪れるという長崎原爆資料館(長崎市)の担当者は「この秋はさらに多くの児童生徒が戻ってきた。原爆の惨状を知らない多くの子どもに足を運んでもらいたい」と話す。 広島県では、30年前に年間約120万人いた修学旅行生が近年は半分の60万人台に減った。少子化も一因だが、東京ディズニーランド(TDL)などのテーマパークがある首都圏、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)がある大阪や沖縄などに生徒が流れていたと県観光連盟の担当者は説明する。 昨年はコロナ下で修学旅行生は約20万人に落ち込んだが、広島平和記念資料館などでの平和学習とともに、カキの水揚げなどの職場体験学習を組み合わせたプログラムが人気で、順位が上がったとみる。「3位に入ったのは棚ぼただが、都市部の密を避けて地方を選ぶ学校が今後も増えるはず。本来の『学び』を重視した修学旅行に変わってくれたら」と期待する。地方と都市で明暗 近隣や地元を行き先に選び…この記事は有料会員記事です。残り1631文字有料会員になると続きをお読みいただけます。Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

躍動感あふれるガラスの寅きらり 原油高でも作り続ける 干支の置物

吉本美奈子2021年11月18日 19時30分 来年の干支(えと)「寅(とら)」をかたどった置物が、ガラス工房「マルティグラス」(福岡県福津市)で次々と作られている。約1400度で熱した透明や黄色、黒などのガラス生地を、何度も重ねていく。福岡県指定特産工芸品にも指定されており、手作業のため出荷までは早くても4日かかるという。完成したトラは光を受けて輝く。 置物は9種類、値段は税込み6600~4万4千円。鏡餅や雪だるまなども手がけている。同社のホームページのほか、全国の百貨店などで販売される。最近は、市のふるさと納税の返礼品としても出荷数を伸ばしている。 今年8月からは電気窯も導入し、3人の職人が躍動感あふれる置物を生産している。高田泰良(たいら)社長(50)は「原油高で苦しいが、毎年楽しみにしているお客さんのために作り続けたい」と話す。(吉本美奈子)Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

「パルナスの母」が教えてくれたこと レシピや飾り付け、そして

 「モスクワの味」のキャッチコピーとロシア民謡調のCMで関西人に親しまれた「パルナス製菓」の創業者宛ての、約40年にわたる手紙の束が見つかった。差出人は、同社に技術指導し「パルナスの母」と呼ばれたロシア人女性。ケーキのレシピや飾り付け方から愛する肉親の死の知らせまで、東西冷戦期の壁を越えた心の交流が浮かび上がる。ガガーリンの記念ケーキも手がけた職人 手紙の差出人のエフドキヤ・オージナさん(1918~2006)は、旧ソ連最大の国営菓子メーカーだったモスクワの「ボリシェビク製菓工場」を代表する菓子職人。ケーキやピロシキを生産したパルナスへの技術指導で2度来日した。宇宙飛行士ガガーリンや、ソ連最高指導者フルシチョフやブレジネフへの記念ケーキも作り、1971年には経済や文化で傑出した業績に贈られる「労働英雄」の称号を受けている。 52年にパルナス製菓の会社を設立した古角(こかど)松夫さん(1923~2004)は、56年の日ソ共同宣言で国交が回復した直後の57年夏、冷戦時代の鉄のカーテンを超えてオージナさんの元で技術を学んだ。 古角さんは生前、兵庫県加西市にパルナスゆかりの品々を寄贈した。同市の会社員藤中健二さん(57)が4年前に「パルナス復刻委員会」を立ち上げて「発掘」を進める中で、オージナさんの手紙が眠ったままになっていることが分かった。 現在、加西市が保管する手紙の束を記者が見せてもらうと、封筒や中身だけのものもあったが、手紙は全部で85通ほどあった。大半は直筆のロシア語で書かれ、一部には通訳者が日本語に翻訳したものが同封されていた。年月が特定できたものに限れば、文通は1961年から2000年まで約40年に及んでいた。   ◇    ◇ 文面からは2人の心の交流が…この記事は有料会員記事です。残り3982文字有料会員になると続きをお読みいただけます。Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

睡眠導入剤飲ませ、わいせつ行為 50代海曹を懲戒免職 舞鶴海自

2021年11月18日 15時32分 海上自衛隊舞鶴地方総監部(京都府舞鶴市)は18日、部下の女性に睡眠導入剤を飲ませてわいせつ行為をしたとして、舞鶴基地業務隊に所属する50代の男性海曹が懲戒免職処分になった、と発表した。 同総監部によると、海曹は4月17日午後11時50分ごろ、部隊内で一緒に当直勤務をしていた部下の女性隊員が飲んでいたペットボトルに睡眠導入剤を混入させて、胸を触るなどのわいせつ行為をしたという。 女性隊員が舞鶴地方警務隊に被害届を出し、同隊が9月7日に海曹を準強制わいせつ容疑で逮捕、送検=公判中。調べに対し海曹は「自分に対する態度が日頃から横柄だったので懲らしめるためにやった」などと供述しているという。舞鶴基地業務隊司令の江畑巖弥(よしや)2等海佐は「規律違反について極めて重大に受け止めている。隊員一人ひとりへの教育と含む指導を徹底する」とコメントした。Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

軽石に備え、神津島と御蔵島にフェンス 伊豆諸島に本格漂着の見通し

采沢嘉高、吉沢英将2021年11月18日 16時31分 小笠原諸島の海底火山「福徳岡ノ場(ふくとくおかのば)」の噴火で生じた軽石の本格的な漂着に備え、東京都は18日、神津島と御蔵島の港にオイルフェンスを設置した。ほかの島についても、漂流状況をみながら設置するという。 設置したのは、各港内の漁船が停泊しているエリアの入り口部分。漁船の運航に影響が出ることを防ぐためで、神津島は約60メートル、御蔵島は約40メートルのフェンスで入り口をふさぐようにした。神津島港の漁船は事前に別の港に移動させたが御蔵島には港が一つしかなく、フェンスを開け閉めして対応する。 都によると、都内では今月9日以降、神津島と御蔵島を含め、伊豆大島や三宅島など計7島の港や沖合で軽石の漂着・漂流が確認されている。いずれも少量で、大きさは1ミリ~10センチ程度だという。今のところ船舶の運航などへの影響は報告されていない。 海洋研究開発機構(神奈川県横須賀市)が16日に公表した予測では、18日ごろには三宅島など伊豆諸島に本格的に漂着し始め、一時的に滞留した後、下旬にかけ通過する見通し。 気象庁によると、都心から南へ約1300キロにある福徳岡ノ場の噴火は8月13日に発生。15日にまで噴火がみられたが、その後は確認されていない。 ただ、海上保安庁が今月11日に上空から観測した際、付近で広く海水が変色し、軽石とみられる浮遊物も確認された。気象庁の担当者は「噴火こそないものの海底内部での活発な火山活動は継続していると考えられる」と話す。(采沢嘉高、吉沢英将)Source : 社会 - 朝日新聞デジタル