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ゴーゴーカレー輪島店で炊き出し 「久しぶりの温かいご飯」に笑顔

 石川県内で人気の外食チェーン「ゴーゴーカレー」の輪島店で10日正午、カレーの炊き出しが始まった。冷たい小雨が降る中、温かい食べ物を心待ちにしていた被災者が列をつくった。 ゴーゴーカレーは金沢市に本社を構え、北陸3県では石川15店、富山6店、福井1店を展開している。 輪島店を経営する里谷光蔵さん(42)によると、店に被災前からあった材料に加え、支援された水を使って準備したという。里谷さんは「避難所で同じ物ばかり食べると、飽きるはず。大人気で喜んでもらえて有り難い」と話した。 カレーを受け取った坂口和也さん(38)は、輪島市二ツ屋町の自宅で被災した。「SNSで炊き出しを知った。久しぶりに温かいご飯が食べられた」と笑みをこぼしていた。 200食用意していたカレーは約1時間で配り終えた。材料がなくなるまで1~2週間程度は毎日継続していく予定だという。(佐藤道隆、岩本修弥)Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

高校合格で絶叫した「受験パルキア兄貴」が語る 勉強との向き合い方

 第1志望の高校に合格し、掲示板の前でテレビ局の取材を受けた。 「(受験番号の)374番ありました。理数科にあってほんまよかったです。ああ、ものすごくうれしくて叫びたい気分です」 叫んでいいよ、と促されて雄たけびをあげた映像が、ポケモンのキャラクターの鳴き声に似ているとネット上で話題になった。 「受験パルキア兄貴」と呼ばれる男性はいま、北海道大学で工学を学んでいる。「受験は通過点に過ぎなかった」という男性に、勉強との向き合い方や受験生へのメッセージを語ってもらった。 テレビカメラの前で絶叫した…Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

地震から5日後の女性救出 救助の隊員「生命力を前に熱い気持ちに」

 能登半島地震の被災地に派遣されていた福岡県警機動隊の隊員約80人が3日間の任務を終え、帰任した。甚大な被害が広がるなか、倒壊した木造家屋から90代の女性を救助した隊員らが10日、取材に応じた。 隊員は5日に被災地に入ると、安否不明者についての聞き込みを開始。翌日正午ごろ、石川県珠洲市で住人が逃げ遅れた可能性が高い民家があると避難所で聞き、現場へと急いだ。 その数時間後だった。 「発見っ」 無線に隊員の声が飛び込んできた。1階部分が押しつぶされた2階建て木造家屋の中で、仰向けの状態の女性を見つけた。 牧朔太郎巡査(23)らが窓から室内に入ると、女性は沈み込んだ2階の床に足を挟まれていた。地震の発生からすでに5日。女性の手は冷たかった。「大丈夫ですか」「家族が待っていますよ」「頑張れ」。呼びかけると、まばたきやうなずく反応があった。女性は徐々に「あー」「うー」と声を出せるようになった。 警視庁の隊員も加わり、覆いかぶさった2階床部分の木材をのこぎりやバールで取り除いた。余震で作業を4回中断したが、7時間以上かけて救出した。 救出時の気温は10度にも満たず、冷たい雨が降っていたが、牧巡査が制服の下に着ていたシャツは汗まみれだったという。 不明者の生存率が下がる72時間の壁を越えての救出に、初めて地震の被災地で活動したという牧さんは「頑張っている生命力を目の当たりにして、気持ちが入って、絶対に救助しなきゃいけないと熱い気持ちになった」と振り返った。 帰任後、石川県警の担当者から「女性の容体は安定しています」と連絡があった。現場の班長を務めた広瀬啓太警部補(32)は「無事に助けることができて、本当によかった」と話した。(伊藤未来)Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

警察で働く「先生」 子どもに耳を傾けるパイプ役、闇を見つめて

 奈良県警少年課の「少年サポートセンター」には、教員免許を持った所長補佐がいる。日々県内の子どもたちに関するトラブルの相談を受け付け、対応をアドバイスする。実は所属は県教育委員会だ。 20年ほど前、奈良は学校の生徒が起こした暴力行為の件数が、1千人あたりで全国最多だった。なんとかできないか。県警と県教委は人事交流を始め、代々連携を深めてきた。 その10代目が、一昨年4月から務める吉川紀子さん(54)だ。それまでは主に高校の国語科教諭として、最前線で子どもたちと接してきた。 教育現場の実情を知る立場から、寄せられた相談に対して適切な窓口につなぎ、「現場ではこう対応する」といったノウハウを意見してきた。少年課の同僚は吉川さんを、「相談を受けたら、すぐに動く。とにかくフットワークの軽い人」と評する。これに対し吉川さんは、「早く動かないと、子ども(が抱える問題)は待ってくれへんから」。 子どものひたむきな姿が好きで30年前、教師の道に進んだ。「目標に向かって前向きに走る子どもはキラキラしていました。(彼らに)刺激や気づきをもらえることがやりがい」。子どもたちが目標につながる扉を開こうとするとき、一緒に扉の鍵を探し、その背中を押してあげることを心がけてきた。 でも、県警に来て、輝いて見える子どもたちが裏で抱える闇に直面した。 「学校の現場では、警察のお…Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

能登半島地震、死者206人に 輪島朝市で行方不明者の大規模捜索

 最大震度7を観測した能登半島地震で、石川県は10日、死者が前日から4人増えて、206人になったと発表した。4人のうち2人は災害による負傷の悪化や、避難生活の負担による疾病で亡くなる「災害関連死」とみられる。発災直後に大規模火災が起きた輪島朝市(輪島市)周辺での行方不明者の大規模捜索でも、人の骨のようなものが発見された。 県の災害対策本部員会議では、輪島朝市周辺の捜索に関し、損傷が激しい人の骨のようなものを緊急消防援助隊が発見したと報告があった。県警が遺体の一部かどうかを含めて調査している。 県によると、10日午後2時時点の死者は、珠洲市91人、輪島市83人、穴水町20人、七尾市5人、能登町4人、志賀町2人、羽咋(はくい)市1人。 このうち災害関連死とみられるのは珠洲市6人、能登町2人の計8人。地震のためと断定できないが連絡が取れない安否不明者は52人で、前日から半減した。 人や物資の輸送が難しい孤立集落は、2市1町の計22地区で3124人にのぼっている。 13市町に開設された398カ所の避難所には計約2万6千人が身を寄せている。断水は約5万9千戸、停電は約1万5千戸で続き、避難所の環境悪化も懸念されている。 旅館やホテルなど、より環境の整った「2次避難所」へは182人が移動。2次避難所が整うまでの「1・5次避難所」とした金沢市内の大型体育館には累計で101人が身を寄せた。 県は輪島市と珠洲市の計4カ所で、12日に計115戸の建設型の仮設住宅を着工すると発表した。Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

40万円相当のコンパニオン接待も 国道工事入札めぐり贈収賄事件

 千葉県北千葉道路建設事務所(成田市)の発注工事の入札をめぐり、業者に便宜を図った見返りに現金などを受け取ったとして、県警は10日、同事務所長の白藤徹容疑者(54)=千葉市緑区あすみが丘東1丁目=を収賄容疑で、同県印西市の竹内建設社長の竹内一雅容疑者(51)=千葉市中央区中央3丁目=を贈賄容疑で逮捕し、発表した。県警はいずれの認否も明らかにしていない。 捜査2課によると、白藤容疑者は2023年4~10月ごろ、同事務所が所管する公共工事で7月に入札があった国道464号の道路改築工事(成田市馬場)で便宜を図った見返りとして、竹内容疑者から複数回にわたり、現金計約20万円と竹内容疑者が所有する千葉市内のマンションの一室で飲酒などを伴うコンパニオンの接待(計約40万円分)を受けた疑いがある。 白藤容疑者は1992年に採用され、2023年4月から現職。同事務所で取り扱う入札や契約に関する事務を統括する立場で、工事の予定価格などを把握できる立場にあったという。 捜査2課は10日、千葉中央署に捜査本部を設置した。約80人態勢で事件の全容解明を進める。(宮坂奈津、杉江隼)7年前にも幹部ら逮捕 県土整備部「また信頼裏切る結果に」 北千葉道路建設事務所を所管…Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

「また商売できるのか」立ち尽くす住民 朝市をのみ込んだ元日の大火

 日本三大朝市の一つ「輪島朝市」(石川県輪島市河井町)が能登半島地震で大火災の被害を受けた。少なくとも200棟以上の店舗などが焼けた。焼け跡では消防や警察が捜索を続けるなか、朝市の関係者たちが途方に暮れている。 火災現場に自宅があった中村祐子さん(64)は10日午前、車を取りに現場近くを訪れた。4人で暮らした自宅は全焼してしまったといい「先の見通しは全く立たない」という。「帰りを待っている人がいると思うので、早く見つかって欲しい」 この日の県の災害対策本部員会議では、損傷が激しい人の骨のようなものが見つかったと報告があった。大規模捜索は13日まで続く予定だ。地震発生から10分もたたず、火の手あがる 観光地をのみ込んだ元日の大火。近くに住む男性(75)によると、能登半島地震発生から10分もたたずに火の手があがるのを見た。道路のあちこちに亀裂が入って消防車の行く手を阻み、約1時間で10軒ほどに延焼したという。 津波に備えて自宅から逃げた…Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

辺野古での工事強行 前のめりな政府に沖縄知事「大きな間違い」

 沖縄県の対話を望む声をかえりみず、政府は辺野古の新たな区域で工事を強行した。米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設計画は、知事の権限を奪う異例の「代執行」から2週間たらずで重大局面を迎えた。政府の前のめりな姿勢に憤りの声が広がっている。「一方的な文書の送付ばかり。民意を軽視」 「畳みかけるように工事を進めることで、(沖縄に)諦め感を醸し出そうという考えであれば大きな間違いだ」 沖縄県の玉城デニー知事は10日夕、記者団に憤りをあらわにした。知事選や県民投票で示された埋め立て反対の民意が揺らぐことはない、とも強調した。 玉城氏は、昨年9月に就任した木原稔防衛相らが「地元への丁寧な説明を行う」としながら、玉城氏が希望する面会が実現していないことを問題視。「一方的な文書の送付が重ねられるばかりで知事の権限を奪う代執行に至り、工事の着手が強行された。民意を軽視している」と批判した。 県幹部によると、沖縄防衛局…Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

二番福は能登へ派遣待つ消防士 参加に悩み…「被災地に福を」と決断

 西宮神社(兵庫県西宮市)で10日早朝に執り行われた神事「福男選び」。見事福男の座をつかんだのは初挑戦の3人だった。それぞれの思いを胸に、新春の境内を駆け抜けた。 「一番福」は、追手門学院大1年の高谷望巳さん(19)=尼崎市。陸上部で鍛えた俊足を飛ばし、本殿に一番乗りした。「今までの自分は消極的で福男選びに参加するような性格ではなかった。これを機に色々なことに挑戦したい」 一緒に来た友人は抽選に外れ不参加。まずは背中を押してくれた友人に報告したいという。 「二番福」は鳥取市の消防士、山下慎之介さん(23)。能登半島地震で鳥取市内は震度4。沿岸に津波注意報が出された。元日は非番だったが、手伝えることはないか、周辺に高齢者が多く住む避難所を見て回ったという。 「被災地は大変な状況。自分だけ楽しい思いをしていいのか」。福男選びへの参加も迷ったが、「自分のできることをやろう」。今後被災地に派遣される可能性があり、「被災地に福を持って行くつもりで」参加を決めた。 「三番福」は神戸大4年の多田龍平さん(23)=西宮市。「最初に伝えたい人は」との問いに、迷わず両親、と答えた。アメリカンフットボール部に所属。家から通える距離だが、部活に専念できるよう一人暮らしをさせてもらった。 「迷惑をかけてばかり。おかげで好きなことに思い切り打ち込むことができた」。両親に捧げる感謝の三番福となった。 福男選びは商売繁盛を願う「十日えびす」の神事。午前6時の開門と同時に約5千人が約230メートル先の本殿まで参拝一番乗りを競った。今年は福男による鏡開きや振る舞い酒も4年ぶりに復活。神事はコロナ禍前の姿に戻った。(真常法彦)Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

志賀原発の前の海にまた油膜 約6リットル 北陸電「反省している」

 能登半島地震をめぐり、北陸電力は10日夜、志賀原発(石川県)前の海面で、推定約6リットル分の油膜を確認したと発表した。油膜の確認は、7日に次いで2度目。 北陸電は1日の地震で屋外にある変圧器から漏れた油(推定約1万9800リットル)の一部である可能性があるとしている。 油が漏れた変圧器は放射線管理区域外にあり、北陸電は「外部への放射能の影響はない」と説明している。 北陸電によると、10日に油膜が確認されたのは、地震で油漏れがあった変圧器周辺の側溝の排水路の先にある海面で、7日に油膜が確認されたのとほぼ同じ場所。 10日正午ごろ、社員が側溝に油膜があることを見つけ、下流側を調べたところ、午後1時ごろに海面の約100メートル×約30メートルの範囲で油が浮いていることを確認した。 油の量は6リットル程度と推定され、7日に確認された約5メートル×約10メートルの推定100ミリリットルよりも多いという。 北陸電は対策として、発電所…Source : 社会 - 朝日新聞デジタル