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「こうあるべき」が怒りのスイッチ 爆発させない方法は

 長引くコロナ禍でイライラが募り、やり場のない「怒り」が社会に渦巻いています。ちょっとしたきっかけ一つで、SNSによって増幅された怒りの矛先が向けられてしまうといいます。古代から人々を翻弄(ほんろう)してきた怒りの感情。「アンガーマネジメント」の専門家に、うまくコントロールする極意を聞きました。(GLOBE編集部・目黒隆行)コロナ禍のイライラ 乗り越えるヒント② デザイン・西森万希子突然増えた「シャーデンフロイデ」 昨年10月2日、ある言葉の検索数が爆発的に増えた。「schadenfreude(シャーデンフロイデ)」。辞書の出版社として知られる米メリアム・ウェブスターによると、平常時と比べて検索数が3万500%増加したという。 シャーデンフロイデは「害」と「喜び」を合体させたドイツ語で、「人の不幸を見聞きして生じる喜び」という意味だ。日本語での「他人の不幸は蜜の味」に近い。英語圏の米国などでも近年、この言葉が使われるようになっている。 この日、当時の米国大統領で…この記事は有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。残り:2131文字/全文:2543文字Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

病院敷地に不発弾で厳戒 窓に板、モノレール運休 那覇

国吉美香2021年7月17日 18時38分 那覇市の市立病院の敷地内で不発弾が見つかり、18日朝に発見現場で処理作業が行われる。病院では18日午前0時から、救急搬送を一時停止し、付近を通る沖縄都市モノレールも作業時間に合わせて一時全線運休となる。 那覇市によると、見つかった不発弾は76年前の太平洋戦争中のものとみられる米国製5インチの艦砲弾1発。6月に病棟近くの駐車場建設工事現場で作業員が発見した。信管付きで爆発の可能性があるため、陸上自衛隊が現場で処理をする。 避難対象区域は現場から半径88メートルで、入院患者ら約110人を含めた約210人が対象となっている。患者は病院の待合室などに待機するが、移動が困難な場合は病室の窓にベニヤ板をはって対処するという。 16日午前、病棟では処理に備えて作業員らが窓にベニヤ板を取り付けていた。外来で病院を訪れた男性(72)は「子どものころはよく畑で不発弾を見つけた。今も工事現場で見つかったというニュースはよくあるし驚きはしない。県外ではこんな風景はあまりないでしょうね」と話していた。 沖縄県史によると、太平洋戦争中、米軍が日本本土に投下した爆弾は計約16万トン、対して沖縄戦では約20万トンが使われた。今でも不発弾は沖縄で日常的に発見されており、県のまとめでは2020年度は14・4トンが処理されたが、なお約1900トンが残ると推計されている。 来月15日には、沖縄本島中部の西原町で不発弾処理のため、沖縄自動車道の西原インターチェンジ(IC)―那覇ICの上下線などが一時通行止めになる。(国吉美香)Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

京アニ事件で責任痛感、消火ではなく「抑制」の製品開発

 東京の消火器メーカーが、ガソリンなどがまかれても惨事になることを防ぐ「火災抑制剤放射器」を開発した。ガソリンがまかれて火が燃え広がり、36人が亡くなった京都アニメーション放火殺人事件に心を痛めた経営者が指示した。警備やガソリンを扱う現場で導入が進んできている。 日本ドライケミカル(本社・東京都北区)が昨年7月から発売を始めた。商品名は「クイックスプラッシャー」で、消火器の容器をベースにした。火災抑制剤放射器「クイックスプラッシャー」について説明する遠山栄一社長=2021年7月14日、東京都北区、後藤泰良撮影 2個のノズルから2・5リットルの薬剤を噴射する。約1・8秒で10平方メートルほどの範囲にまくことができるという。 薬剤にはガソリンなどの気化を抑え込む成分が入っている。まかれた直後に噴射すれば、ほぼ火は付かないという。着火した場合も火勢を著しく弱め、煙も抑えられることから、避難路が見えなくなる事態を防ぐ効果も期待できる。 社長の遠山栄一さん(71)が製品を開発する決意を固めたのは、京アニ事件が起きた2019年7月18日だった。「ガソリンなどの火災はスプリンクラーでは消せない。消火器メーカーが対処を考えないといけない問題だ」 遠山さんは着火される前に対…この記事は会員記事です。無料会員になると月5本までお読みいただけます。残り:514文字/全文:996文字Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

五輪の開幕前後にさらに感染増か 浮かぶ年末との共通点

 東京都内での新型コロナウイルスの感染者数が、年末年始の感染急拡大を思い起こさせるようなペースで増え続けている。東京オリンピック(五輪)の開幕を間近に控え、都庁の関係者には衝撃が走っている。 「感染の拡大が加速している。これまでにない強い危機感を持っていただきたい」 15日、木曜日の夜。都の担当者は記者団を前に、驚きを隠さなかった。この日の感染者数は1308人。約半年ぶりに1300人を超えたのだ。 その人数を見た都庁職員の多くは驚き、小池百合子知事も記者団に「とても(感染拡大の)スピードが速いと実感している」と険しい表情を見せた。 1年以上にわたり、都庁キャップとして都内の感染者数を報じてきた私にとっても、この数字は衝撃だった。1300人を超えた「数」そのものよりも、予測との差の大きさだ。急増した大みそかとの共通点と違い 検査体制の関係で、東京の感…この記事は有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。残り:1306文字/全文:1692文字Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

「こんな時に泊まっていいのか」土石流、熱海観光にも影

 静岡県熱海市の土石流は17日で発生から2週間。直接の被害は受けていないホテルや旅館で宿泊の予約が取り消され、土石流災害は観光業にも影を落としている。新型コロナウイルスの影響も続く中、地元は不安を募らせている。 「宿泊業が厳しい状況は間違いない」。斉藤栄市長はそう訴える。温泉地として知られる熱海市は、宿泊業をはじめとする観光が基幹産業だ。 だが、熱海市街と海を望む高台にある老舗温泉旅館「新かどや」では、3日の土石流発生以降、宿泊の予約取り消しが相次ぐ。週末だった10日は全16部屋が予約で満室だったが、当日宿泊があったのは6部屋だった。 副社長の鵜沢友美さん(50)によると、「こんな時に泊まりに行ってもいいのか」と災害を理由にキャンセルする客が多いという。直接の被害が出た地域は市北部の一部に限られるが、「お客は『熱海全体の災害』という認識だ」。 昨年から新型コロナで観光客減に苦しんできた。ここ1カ月ほどは「ワクチンを接種したから泊まりに行く」という人も増えていたという。土石流後のキャンセルで平日は全体の半分も部屋が埋まらず、従業員の休みを急きょ増やした。 キャンセルに見舞われているという市内のホテルの運営会社に勤める男性(61)が心配するのは、夏休みの客足だ。 行方不明者の捜索が続いていることなどから、市は海水浴場3カ所の開設中止を決めた。海上花火大会も一部の日程が中止になった。男性は「さらにキャンセルが出て観光地・熱海がつぶれたら、地元として被災地域を支えることもできなくなる」。 影響は宿泊施設以外にも及ぶ…この記事は会員記事です。無料会員になると月5本までお読みいただけます。残り:395文字/全文:1066文字Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

五輪不条理に目を背けない 1人デモは無言の意思表示

 「私はオリンピック開催に反対です」――。そんな文言を記したプラカードを街角で掲げ、新型コロナウイルスの感染拡大が続いているのに東京五輪を開こうとする政府に異議を唱えている男性がいる。16日は昼の約1時間、秋田市の秋田県庁前に立ち、通行車両や歩行者に意思表示をした。 男性は、北秋田市出身の元ディスカウント店経営者で、潟上市在住の菊地英雄さん(65)。このコロナ禍、飲食、宿泊業者の中には、時短や休業を余儀なくされ、苦境に陥っている人が多くいるのに、五輪が実施されることに矛盾を感じ、黙っていられなくなったという。 「私たちが県をまたいでの移動を自粛しているときに、政府は海外の五輪関係者を何万人もの単位で入国させようとしている。五輪開催の是非を国民に問うことなく、無理にやろうとする姿勢は不条理そのものだ」と話す。菅氏に「まともな政治」期待したが 菊地さんは昨年、安倍晋三首相が退陣し、秋田県出身の菅義偉氏が内閣を率いると決まった際、「きっとまともな政治をやってくれる」と期待した1人。菅氏の故郷・湯沢市を訪ね、似顔絵入りの菓子を土産に買ってきたほどだったが、気持ちが冷めてしまったという。「残念だけど、今の菅さんは支持できない」 最初に「1人デモ」を始めたのは9日。段ボールに紙を貼ったプラカードを作り、JR秋田駅前などに立つと、多くの通行人から「体に気をつけて」と声をかけられたり、会釈を返されたりした。「私は五輪に賛成」と伝えてきたのは1人だけだった。 中には、こうした行動の真意を尋ねてくる人もいて、菊地さんは「不条理から目をそむけることは正義の自殺です」と題した文章のプリントを渡した。16日には、高校生らしき若い男性が駆け寄り、ペットボトルの水を手渡す場面もあった。 菊地さんは「私の活動は無言の行そのもので、他の人に同意を求めるつもりはない。でも最近、テレビの街頭インタビューを見ていても、自分の考えをはっきり言わない人が増えていて、気持ち悪く感じていた。こうして自分の意思を示せる人がいることを、多くの人に知ってもらえたら」と話した。(佐藤仁彦)Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

熱海土石流、死者1人の身元判明 なお15人が行方不明

2021年7月17日 12時27分 静岡県熱海市で発生した土石流で、県は17日、死亡が15日に確認されていた1人の身元について、草柳笑子さん(82)=同市伊豆山=だったと発表した。死者は13人、行方不明者は15人となった。Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

熱海土石流、地元有志が高齢者に弁当 「助かる」 

川村直子2021年7月17日 12時30分 大規模な土石流が発生した静岡県熱海市で、地元有志らが山あいに住む人たちに弁当を届けている。生活道が遮断され、買い物へ行けない高齢者らの支えとなっている。 「若い人たちが暑いなか来てくれて、どんなに助かっているか」。急峻(きゅうしゅん)な参道沿いのアパートに暮らす沢渡清さん(83)は、ドアの前で笑顔を見せた。災害で市街地へのバスが使えず困っていたという。 周辺には規制線が張られ、警察や消防、自衛隊員らが連日、行方不明者の捜索を続けている。市中心部から弁当を運びに来た男性(48)は「まずは今、自分たちができることから。長く支援を続けていきたい」と話した(川村直子)Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

ベルギー自転車選手団、合宿入り 恩返しできるよう全力

張春穎2021年7月17日 9時25分 東京五輪に出場するベルギーの自転車競技選手団が事前合宿地の群馬県前橋市内に入り16日、市幹部の激励を受けた。選手団は「あたたかい歓迎に感謝します。メダルを取って恩返しできるように全力を尽くします」と決意を語った。 選手団は今後来日する選手やスタッフも含めて約30人。ヤマダグリーンドーム前橋や赤城山などで練習して、トラックやロードレースなどに出場する。選手団のチームリーダーは「練習場所としても抜群だ」と話す。受け入れ側の前橋市スポーツ課の安藤光希さんは「コロナ禍であっても楽しみにして前橋に来てくれた。サポートできることを光栄に思っています」と話した。(張春穎)Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

植えて60年やっと開花 メキシコ原産テキーラ原料にも

大久保泰2021年7月17日 9時26分 千葉県我孫子市の空き地で、花が咲くまで数十年と言われる「アオノリュウゼツラン」が咲き始めた。通りかかる人たちが空を見上げて写真に収めている。 所有者の椎名恒久(ひさゆき)さん(82)によると、60年ほど前に植えられたという。今年5月初旬ごろから、高さ2メートルほどの株から花茎が伸び始め、8メートルほどになった。10日から淡い黄色の小さな花を開いているという。「どんどん伸びて驚いた。花が咲いてうれしい。多くの人に見てほしい」 千葉県立中央博物館植物学研究科の天野誠・上席研究員によると、メキシコ原産で、数十年かけて一度だけ咲いた後、枯れてしまうという。1カ月ほどは咲いている。お酒のテキーラの原料としても知られる。 とげの生えた分厚い葉を竜の舌に例え「竜舌蘭(リュウゼツラン)」の和名がついた。100年に一度咲くと誤解され、英語で「センチュリー・プラント(世紀の植物)」とも言われる。(大久保泰)Source : 社会 - 朝日新聞デジタル