ニュース

水害の心配なくなるように…大雨被害の鹿児島で後片付け

伊佐通信員・周防原孝司2021年7月11日 17時31分 活発な梅雨前線の影響で線状降水帯が発生し、10日早朝に「大雨特別警報」が出された鹿児島県。床上浸水や道路の冠水などの被害が出た地域では、11日朝から後片付けに追われた。 伊佐市の重留南地区では、近くを流れる川内川の支流が増水し、複数の住宅が床上・床下浸水した。床上50センチ近くまで水に浸った重留南自治会館には朝から多くの住民が集まり、濁流に浸った畳や家具などの運び出し作業に汗を流した。床上浸水した自治会館から濁流につかった畳を運び出す住民たち=2021年7月11日午前8時4分、鹿児島県伊佐市菱刈重留、伊佐通信員・周防原孝司撮影 重留南自治会の山神義明会長(58)は、「重たい畳の運び出しなど大変だったが、みなさんの協力で片付けができた。水害の心配がなくなるよう、早く梅雨が明けてほしい」と話した。 重留南地区は、2006年にも大雨による浸水被害を受けている。自治会館には当時の床上浸水した場所に印が付けてあるが、今回は印より20センチほど低かったという。床上浸水した自治会館から濁流につかった畳を運び出す住民たち=2021年7月11日午前8時1分、鹿児島県伊佐市菱刈重留、伊佐通信員・周防原孝司撮影 この日の片付け作業に加わっていた同地区の男性(69)は、「前回より地区内で床上浸水した住宅は少なかった。ただ、線状降水帯で短時間に雨が降り続けた影響なのか、冠水するスピードは今回のほうがずっと速かった」と話す。 男性宅も床下浸水し、駐車場の車はエンジンルームまで水に浸った。一睡もせずにニュースを見ており、10日午前6時半ごろに高台の親族宅に避難した。「あっという間に水が押し寄せてきた。あと5分、避難するのが遅れたらどうなっていたか……」と振り返った。(伊佐通信員・周防原孝司)床上浸水した自治会館から濁流につかった畳を運び出す住民たち=2021年7月11日午前8時1分、鹿児島県伊佐市菱刈重留、伊佐通信員・周防原孝司撮影Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

「困った人見捨てる社会は自分も…」 2人孤独死の背景

 「見守り網こぼれた命 60代姉妹『孤独死』」 2011年1月、朝日新聞朝刊(大阪本社版)の社会面に、そんな見出しの記事が載った。 大阪府豊中市のマンションの一室で、63歳と61歳の姉妹の遺体が見つかった。実家や所有するマンションを差し押さえられ、困窮の末、餓死や病死したとみられる。一帯は福祉ボランティアの活動が充実している地域として知られていた。それでも2人の窮状に、だれも気づくことができなかった――。 「今回のケースを警鐘ととらえ、高齢や独居といった従来の福祉のキーワードにとらわれない活動が求められている」。全国初のコミュニティーソーシャルワーカーで、当時、豊中市社会福祉協議会の地域福祉課長だった勝部麗子さんは、取材にそう答えていた。 それから10年。こうした「2人孤独死」が全国で相次ぐ。寄り添って暮らす夫婦や親子が、なぜ助けを呼べぬまま、ともに倒れてしまうのか。防ぐ手立てはあるのか。 姉妹の死をきっかけに、豊中…この記事は有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。残り:2199文字/全文:2618文字Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

大阪府で新たに167人感染 前週の日曜日より79人増

 大阪府は11日、府内で新たに167人が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表した。前週の日曜日(4日)よりも79人増えた。新たな死者は確認されなかった。 府内の感染者は延べ10万4915人、死者は計2693人。Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

USJ、9月に「鬼滅」の仮想現実ジェットコースター

宮川純一2021年7月12日 0時01分 ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ、大阪市)は12日、9月17日~来年2月13日の期間限定で導入する人気アニメ「鬼滅の刃」のアトラクションについて、仮想現実(VR)を使ったジェットコースターになると発表した。昨年日本の映画興行収入1位となった「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」を題材にしたVRの世界を楽しめるという。 アトラクションは、360度見渡せるVRの世界で「無限列車」に乗り込んで、映画の登場キャラクターたちと出会い、列車の中で鬼たちとの戦いに巻き込まれるという設定。主人公の竈門炭治郎の必殺技をはじめ、登場キャラクターの剣技や息づかいを目の前で体感でき、炎に包まれる演出も味わえるとしている。 期間中には、別のジェットコースター「ハリウッド・ドリーム・ザ・ライド」で、乗車しながら「鬼滅の刃」の登場人物の会話などを音声で楽しめる企画も行う。園内でのスタンプラリーのほか、オリジナルの食事メニューやグッズも販売する予定という。 USJは6月、「鬼滅の刃」をテーマにしたアトラクションを期間限定で導入すると発表していたが、詳細は明らかにしていなかった。(宮川純一)Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

ゆうパック400個積んだトラック焼ける 大阪・堺市

本多由佳、茶井祐輝2021年7月11日 20時29分 11日午前5時5分ごろ、大阪府堺市南区三原台4丁の府道を走っていたトラックの運転手から「車体から煙が上がり、前部から炎が出ている」と119番通報があった。府警によると、男性にけがはなく、出火原因は不明という。 日本郵便によると、トラックに積んであったゆうパックの荷物約400個の大部分が焼けた。河内長野市と大阪狭山市へ配達予定だったといい、担当者は「心当たりのある方は連絡してほしい」と呼びかけている。 日本郵便によると、出火したのは配送を委託した運送会社の4トントラック。積み荷は全国から集荷したもので、大阪市の新大阪郵便局から河内長野、大阪狭山両郵便局に届けられる予定だった。問い合わせは日本郵便お客様サービス相談センター(0120・23・28・86)へ。(本多由佳、茶井祐輝)Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

中3男子がおぼれ死亡 友人と川遊び中に 高知・安芸

羽賀和紀2021年7月11日 20時40分 11日午後3時半ごろ、高知県安芸市の伊尾木川で、遊びに来ていた市立清水ケ丘中3年の安岡世蓮(せれん)さん(14)=同市井ノ口甲=の友人から「溺れています。中3です」と119番通報があった。 安芸署によると、駆けつけた消防隊員が、川の堰(せき)に足が引っかかり水中に沈んでいる状態の安岡さんを見つけた。安芸市内の病院に運んだが、約2時間後に死亡が確認された。 付近は水深2メートル弱、川幅50メートルほどで、署は安岡さんがコンクリートの堰の上で遊んでいた時に何らかの理由で川に落ち、足が堰に引っかかったとみて調べている。 安岡さんは、同じ中学の友人4人と午後3時ごろから川で遊んでいた。(羽賀和紀)Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

給食のパン詰まらせ重体の小5、亡くなる 新潟・佐渡

古西洋2021年7月11日 21時28分 新潟県佐渡市の市立小学校で、5年生の男児が給食中にパンをのどに詰まらせて重体となっていた事故で、同市教育委員会は11日、男児が同日死亡したと発表した。 市教委によると、7日午後0時25分ごろ、給食中に児童が米粉パンをのどに詰まらせた。当時教室には21人の児童と担任教師1人がいた。各児童はそれぞれの机で前を向いて食べるよう指導されていた。亡くなった男児がどのようにパンを食べていたか分かっていないという。パンは楕円(だえん)形で長さ約12センチ、厚さ約4センチ。 異変に気付いた教師が、男児をうつぶせにして背中をたたいたり、仰向けにして胸骨を圧迫したりしてはかせようとした。男児は少しはき出したが、まもなく気を失った。救急車が到着するまで養護教諭が心肺蘇生を試みたが、意識は戻らなかったという。 会見で新発田靖・教育長は「痛恨の極みです。安心安全であるべき学校で痛ましい事故が起きたことを大変重く受け止め、再発防止に努めます」と語った。(古西洋)Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

不自由展、中止のまま期間終了 主催者は再開求め要請へ

関謙次2021年7月11日 18時54分 国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」で一時中止された企画展「表現の不自由展・その後」出展作品の展覧会が11日、6日間の会期を終えた。会場の名古屋市中区の市施設に届いた封筒が破裂した事件の影響で8日から事実上の中止となり、実際の開催は2日間だけだった。主催団体は引き続き4日分の施設使用許可を名古屋市に求める。 主催団体は会期中の展覧会再開を市に要望してきたが、11日午前、「実際の実力行為があり、警察が捜査に全力を注いでいるが解決していない。これ以上の体制強化は困難だ」と拒否する回答があったという。 これを受け、主催団体は「市が結果的に脅迫に加担してしまっていることに抗議する」「私たちには4日間の失われた表現の自由を回復させる権利がある」などとする声明を発表。12日以降、同施設での展覧会再開を求めて市に協議を働きかけると表明した。 主催団体で共同代表を務める久野綾子さんは、市中心部での街頭活動で「残念だが、悔しいと思っているだけでは進まない。再開への市民の声を上げましょう」と呼びかけた。 展覧会は6日に市施設「市民ギャラリー栄」で始まり、慰安婦を表現した少女像や昭和天皇を含む肖像群が燃える映像作品などを展示した。事件は8日朝に起き、ギャラリーあての封筒を職員がはさみで開けようとしたところ、破裂した。破裂したのは爆竹とみられ、愛知県警が威力業務妨害の疑いで捜査している。事件を受け、市は「安全上の観点」からギャラリーを11日まで臨時休館すると決め、展覧会は事実上の中止となった。(関謙次)Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

熱海土石流「みんな元気になって」 住民を励ます少年

藤原伸雄2021年7月11日 19時00分 大雨による大規模な土石流に襲われた静岡県熱海市伊豆山で11日、住民らを励まそうと貼り紙を持って地域を歩く少年の姿があった。 「伊豆山のみなさま 土砂崩れで大変ですけど 頑張ってください」「お手伝いします」。緑や青のペンで彩ったメッセージを書いたのは横浜市に住む高橋陽大(ひなた)くん(9)。捜索活動が続き、立ち入りが規制された現場の外側にある公共施設などに貼っていった。 陽大くんの父一美さんは、伊豆山の国道135号沿いで祖父の代から青果店や弁当店を営み、家族と離れて暮らしていた。父も店舗もかろうじて無事だったが、営業再開のめどは立っていないという。 父から被災状況を聞いた陽大くん。「自分に何かできることはないか」。励ましのメッセージを地区の人たちに伝えようと考え、母と駆けつけた。 復旧のメドはたたないが、陽大くんは「優しい気持ちを忘れずに、みんな元気でいてほしい」と話している。(藤原伸雄)Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

熱海土石流、盛り土なければ起きなかった? 専門家調査

 静岡県熱海市で発生した土石流は一気に谷をくだり、住宅を巻き込みながら海岸にまで達した。今回の災害にはどんな特徴があったのか。現地調査に入った専門家に聞いた。 土石流に襲われた伊豆山地区。国土地理院の分析では、土石流が流れ下った標高400メートル付近の最上流部から海まで、ほぼ一定の勾配(約11度)だった。通常、勾配が緩やかになると土石流の勢いは弱まる。しかし、今回の土石流は山を下った勢いのまま立ち並ぶ住宅をのみ込んだ。 現地を調査した山口大の山本晴彦教授(環境防災学)によると、土石流は川筋に沿って周囲より低いエリアを流れ下ったため、幅は広いところでも100メートルほどにとどまっていた。このため、谷沿いの住宅は全壊したのに、すぐ隣は被害を免れたという例が多数あったという。 一方、被害を受けた住宅では、2階まで土石流が及んだ建物があった。高さは3~3・5メートルに達したとみられる。道路脇の標識がひしゃげ、屋根がつぶれた乗用車もあった。山本さんは「土石流が横に広がらなかった分、破壊力が集中したのではないか」と話した。 今回の土石流は、火山由来と思われる土砂を多く含んでいた。京都大防災研究所の竹林洋史准教授(砂防工学)が中流部の斜面で含水率を計測したところ、50%を超えていたという。竹林さんは「足下の土砂はぬかるんでいて、水を含みやすい性質の土砂だと感じた。水はけの悪い地盤だったと考えられる。このような水を含みやすい土砂は大雨でなくても水をため込みやすく、地震でも土砂災害が起こりやすい」と解説する。 似た性質の土砂による災害は、2013年の伊豆大島や15年の熊本地震、18年の北海道胆振東部地震でも見られたという。「火山大国の日本は、こうした土石流のリスクが高い土砂の場所が多い。熱海市では発災のほぼ1日前に気象庁と県が土砂災害警戒情報を出していた。日頃からハザードマップで自分の住む場所のリスクを把握し、早めに避難することが必要だ」と話した。 今回の土石流は、不適切に造成された盛り土が崩れたことで破壊力が増した可能性が指摘されている。 土石流の起点と見られる盛り…この記事は会員記事です。無料会員になると月5本までお読みいただけます。残り:681文字/全文:1578文字Source : 社会 - 朝日新聞デジタル