水害の心配なくなるように…大雨被害の鹿児島で後片付け

伊佐通信員・周防原孝司

 活発な梅雨前線の影響で線状降水帯が発生し、10日早朝に「大雨特別警報」が出された鹿児島県。床上浸水や道路の冠水などの被害が出た地域では、11日朝から後片付けに追われた。

 伊佐市の重留南地区では、近くを流れる川内川の支流が増水し、複数の住宅が床上・床下浸水した。床上50センチ近くまで水に浸った重留南自治会館には朝から多くの住民が集まり、濁流に浸った畳や家具などの運び出し作業に汗を流した。

床上浸水した自治会館から濁流につかった畳を運び出す住民たち=2021年7月11日午前8時4分、鹿児島県伊佐市菱刈重留、伊佐通信員・周防原孝司撮影

 重留南自治会の山神義明会長(58)は、「重たい畳の運び出しなど大変だったが、みなさんの協力で片付けができた。水害の心配がなくなるよう、早く梅雨が明けてほしい」と話した。

 重留南地区は、2006年にも大雨による浸水被害を受けている。自治会館には当時の床上浸水した場所に印が付けてあるが、今回は印より20センチほど低かったという。

床上浸水した自治会館から濁流につかった畳を運び出す住民たち=2021年7月11日午前8時1分、鹿児島県伊佐市菱刈重留、伊佐通信員・周防原孝司撮影

 この日の片付け作業に加わっていた同地区の男性(69)は、「前回より地区内で床上浸水した住宅は少なかった。ただ、線状降水帯で短時間に雨が降り続けた影響なのか、冠水するスピードは今回のほうがずっと速かった」と話す。

 男性宅も床下浸水し、駐車場の車はエンジンルームまで水に浸った。一睡もせずにニュースを見ており、10日午前6時半ごろに高台の親族宅に避難した。「あっという間に水が押し寄せてきた。あと5分、避難するのが遅れたらどうなっていたか……」と振り返った。(伊佐通信員・周防原孝司)

床上浸水した自治会館から濁流につかった畳を運び出す住民たち=2021年7月11日午前8時1分、鹿児島県伊佐市菱刈重留、伊佐通信員・周防原孝司撮影

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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