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ヤギさん「除草隊」 むしゃむしゃ…エコに活躍10年

戸村登2021年4月20日 9時52分【動画】「ヤギさん除草隊」、今季の出勤スタート=戸村登撮影 岐阜県美濃加茂市の「ヤギさん除草隊」が、今季の活動をスタートした。2011年に結成され、今年で丸10年になる。11月末まで週に2~3回、市内の緑地で活動する予定だ。 「除草隊」は除草作業を請け負う会社「フルージック」(同市)に所属している。初日の14日は、市の依頼で同市中部台6丁目の緑地「さくら広場」に出勤。自由自在に斜面を行き来して、雑草をむしゃむしゃと食べて除草した。 市土木課によると、人に頼むより3分の1程度、費用を削減できる。雑草を焼却処理しなくて済むため「環境にもやさしい取り組み」だという。(戸村登)Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

箒ぶら下げ二百余年…京都の老舗50店、カルタで紹介

 京都市内の創業100年を超える老舗店を紹介するカルタができた。京都芸術大(京都市左京区)の学生たちが、一店一店に経営の秘話をインタビューして作り上げた力作。遊びながら奥深い京都を知ってもらいたいという。 「京都100年かるた」は取り札が50枚。菓子やうちわ、呉服など、さまざまな業種の老舗50店を特徴づける商品のイラストと、店名の頭文字入りだ。読み札には、店の始まりや、店主が大事にしている信条を盛り込んだ歌が記された。 大正初期創業で、どんぶりを覆うほどの卵焼きがのったうな丼で知られる「京極かねよ」(中京区)の読み札は「火事の時 金よりタレを 守り抜く 滋味きんし丼」。戦前に火災が起きたときの逸話だ。 応仁の乱の勃発より2年早い1465年創業のそば店「本家尾張屋」(同区)は「はじめ菓子 禅が育てた 御用蕎麦(そば)司 寶(たから)の暖簾(のれん) 本家尾張屋」。菓子屋として始まり、創業200年を超えたころ、禅僧のためにそば作りを始めた歴史を句にした。 1818年創業の棕櫚(しゅろ)専門店「内藤商店」(同区)は「ほこりある 箒(ほうき)ぶら下げ 二百余年 看板いらず 内藤商店」。看板がなく、店が長年愛されてきたことへの驚きを表した。 カルタづくりが始まったのは4年前。京都芸術大空間演出デザイン学科の酒井洋輔准教授(40)が「京都のガイドブックや観光情報は多くあるが、表層的ではない京都の魅力を発信したい」と思い立った。 京都の伝統文化の情報を発信する学内機関「京都伝統文化イノベーション研究センター」に所属する学生が制作の中心となり、一軒一軒歩いて店を探したという。100年超えの店はネットに情報が出ていないことも多いからだ。 制作に関わり、今春に卒業した溝部千花(ちはな)さん(22)は「普段通ってきた場所にこんなにたくさんの老舗があったとは」と驚く。酒井さんは「知ることで住んでるまちへの愛着も育まれる。京都の街歩きが楽しくなるカルタに仕上がった」と話す。 初回試作300セットを「京都岡崎 蔦屋書店」で販売しているほか、ふるさと納税サイト「ふるさとチョイス」に返礼品として掲載される予定。税込み4290円。問い合わせは酒井さんが社長を務める雑貨企画販売会社CHIMASKI(075・744・6152)へ。(高井里佳子)Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

学校欠席やハンスト…「気候変動、体を使って声上げる」

 政府が検討する2030年の温室効果ガス削減目標をもっと引き上げさせようと、若者たちが働きかけを強めている。22日から始まる米国主催の気候変動サミット前に発表される予定の日本の目標が、先進国として十分ではないと訴えている。 「NDC(削減目標)を62%以上にしてください」。16日の金曜日のお昼時、東京・霞が関の経済産業省前で、高校生や大学生ら17人が声を上げた。スウェーデンの環境活動家グレタ・トゥンベリさん(18)が18年に始めた抗議活動は、金曜日に学校を休んでストライキをすることで世界中に広がった。 日本では授業後の夕方や休日にデモ行進することが多かった。今回は「私たちの命や生活にかかわる新たな目標が決まるまで時間がない」として、4月2日から毎週金曜、東京、仙台、京都、鹿児島の学生有志が各地で、学校を休んで訴えることにしたという。 東京でプラカードを掲げた都立国際高3年の岩野さおりさん(17)は、休む理由を担任に告げると「一人の人間としては応援したいが、教師としては授業を欠席するのを応援できない」と言われたという。 都立西高3年の山本大貴さん(17)は、欠席する理由を書いた紙を自分の机に置いてストライキに参加したという。「受験生なので欠席すると追いつくのが大変」。ツイッターには「電気使うな」「息吸うな」「勉強してろ」などの書き込みをされることもあるが、「いま声を上げないと僕たちの未来が決まってしまう」と言う。 22日には削減目標の引き上げを求めて、東京、仙台、京都、福岡で一斉のデモ行進を予定。24日には、温暖化防止を訴えるオンラインの音楽イベントもある。世界23カ国で同時に開催される「クライメイトライブ」だ。山本さんは日本の共同代表を務めている。ライブは午後6時から配信される。 「気候変動の被害は(弱い立場にある)女性が男性より大きい。できることはないかと考えた時、体を使って声を上げようと思ったんです」 モデルで気候活動家の小野りりあんさん(31)とアパレル会社社長でデザイナーのeri(エリ)さん(38)は、19日夜から日本の削減目標の引き上げなどを求めてハンガーストライキに入る。医師の助言を受けながら4日間、水と塩だけで過ごす予定だ。 eriさんは「これからの社会を変えていくには、女性と若者の役割が重要。カルチャーやエンターテインメントを通じて、気候変動問題に入って来る扉を増やしたい」と言う。 17~19日には、気候危機について学ぶトークイベントを開催。俳優の水原希子さんや歌手のコムアイさん、俳優の二階堂ふみさんらをゲストに、ユーチューブで配信する。(編集委員・石井徹)Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

指導者不在で宙返り、下半身まひに 元チア部員が提訴

2021年4月19日 16時56分 岡崎城西高校(愛知県岡崎市)でチアリーディング部の練習中に下半身まひの大けがを負ったのは、安全対策が不十分だったためとして、今春卒業した元女子生徒(18)が同校を運営する学校法人安城学園を相手取り、約1億8千万円の損害賠償を求める訴訟を名古屋地裁に起こした。 訴状によると、元生徒は1年生だった2018年7月、他の部員2人の肩に乗り、前方宙返りをしながら飛び降りる技の練習中、マットに首や肩甲骨付近から落下。下半身まひの後遺症が残った。事故時、顧問教諭やコーチはおらず、元生徒は入部4カ月で技の習得が不十分な中、補助者を付けずに練習していたという。 顧問教諭は具体的な技術指導や安全指導をコーチに一任、非常勤講師であるコーチは「自身は責任者ではない」との認識だったという。元生徒側は「責任者不在の状態だった」と訴えている。 元生徒の両親は「学校側が事故の重大さを理解しているか疑問。私たちや事故に向き合って裁判に臨んでほしい」とコメント。安城学園の担当者は取材に「事故の責任を痛感し、反省している。誠実に対応し、地裁の判定が出れば従う」と話した。Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

旅立つ子や海底で眠る母 屋久島のウミガメ10年の記録

【動画】屋久島のアカウミガメの様子=水中写真家・高久至さん撮影 絶滅危惧種のアカウミガメなどを撮り続ける鹿児島県・屋久島の水中写真家・高久至(たかくいたる)さん(38)が今月、写真絵本「おかえり、ウミガメ」(アリス館)を出版した。産卵から孵化(ふか)、そして旅立ち――。世界有数の産卵地として知られる同島の永田浜で、約10年にわたって撮影した貴重な写真が収められている。 羽ばたくように泳ぐ子ガメが表紙を飾った本のページをめくると、月に照らされた砂浜には足跡が広がり、母ガメが横たわる。そっと近づくと、甲羅の下にはピンポン球大の卵がたくさん。やがて孵化した子ガメたちはカラスなどの天敵から逃れ、よちよち歩きで大海原へ旅立っていく。 さらに、波に漂いながら交尾をする「夫婦」や、産卵を終えて海底で眠り込む母ガメの姿も。毎年春から夏にかけて撮りためた写真から、約40枚を厳選して掲載している。 高久さんは、黒潮によって温…Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

トーゴ共和国と東郷 「語感似てる」異例の関係発展

 「トーゴの選手は無事、来られるのかな」 今年3月に宮崎大を卒業した柳田竜也さん(22)は、宮崎県日向市でホストタウンのイベント運営に関わった3年間に思いをはせた。 新型コロナの影響で、各地のホストタウンで事前合宿の中止などが発表されている。日向市では4月以降、複数の飲食店でクラスター(感染者集団)が発生。25日の聖火リレーは関係者のみで縮小して行うことになった。 日向市が西アフリカのトーゴ共和国のホストタウンになったのは2018年。市内の東郷町地区と語感が似ていたことがきっかけだ。柳田さんは、ゼミの金岡保之教授(60)が日本トーゴ友好協会長を務める縁で、携わるようになった。 19年3月、トーゴから東京五輪をめざす女子マラソン選手らが来日。同市に5日間滞在する間、柳田さんは英語での通訳や動画撮影を担った。一行が街を歩くと、地元の人たちは興味津々。通りすがりのおばあちゃんが「どっから来たんね」と声をかけ、肩を組んで写真を撮った。夏にはダンサーらが訪れ、打楽器「ジャンベ」のリズムに合わせて同市の伝統芸能「ひょっとこ踊り」などを一緒に踊った。柳田さんは「言葉を越え、トーゴと東郷で意気投合しました」と笑う。 コロナ下でも関係は発展し続けた。市とトーゴ大使館、日本トーゴ友好協会は20年9月、相互協力協定を結び、トーゴの井戸修復やトイレ建設、本の寄贈プロジェクトが動き出した。 「なぜこんなにムーブメントが広がったんだろう」と疑問だった。ホストタウンを仲介した内閣官房の元職員から「ホストタウンから国際協力に至ったケースはまれ」と聞いた。卒業論文のテーマに据えた。 関係者らへのインタビューを進めるうちに、協定の締結を提案した市職員の言葉が、胸にストンと落ちた。「交流するうちに親近感が湧き、トーゴのために何かしたいという気持ちになった」。 金岡教授からは「協会やNPO、自治体など様々な主体が協働できたことが大きい」と聞いた。論文には、願いも込めてこうつづった。「東京大会を機に、多くの開発途上の参加国と自治体が交流し、国際協力につなげる視点が重要だ」 五輪招致が決まった13年、柳田さんは中学3年生だった。「観戦できるかなって、なんとなく気分が上がった覚えがある。まさかホストタウンという形で関われるなんて、想像もしなかった」という。 トーゴの井戸修復事業に関わった経験から、柳田さんは「当たり前の生活を支えたい」と今年4月、電力会社に就職した。大分県別府市の実家でリモート研修を受ける日々を送る。大会中はテレビで観戦する予定。「トーゴの選手をひいき目に応援します」 ホストタウンは3月末現在、全国に453件ある。東京都は、大使館がある港区がジンバブエを、目黒区がケニアを登録するなど、29の市区が30の国や地域を受け入れる予定だ。(河崎優子)Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

児童養護施設の子、自立支える中小企業社長 互いが先生

 中小企業の経営者らが、親と離れて児童養護施設で暮らす子どもたちに職場や仕事を紹介しながら交流する活動を始めた。先生とも違う親とも違う「大人」と知り合うきっかけをつくり、自立を支える試みだ。 「知識を持ったら商売はおもろいねんで」 3月のある土曜日。創業75年の機械工具商社「廣本(ひろもと)産業」(神戸市中央区)社長の広本辰典さん(51)は、市内の児童養護施設「神戸真生塾」で暮らす男子高校生(16)に語りかけた。 2人は互いの自己紹介カードを交換し、趣味や特技の話で盛り上がった。男子高校生は、人付き合いの方法や将来必要な資格などについて質問した。「『経営理念を意識したら自分に適した仕事が分かる』という(広本さんの)話は分かりやすかった」と表情は明るかった。 県中小企業家同友会のメンバ…Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

元客室乗務員、ユナイテッド航空を提訴 コロナ禍の解雇

 新型コロナウイルスの影響によるリストラは解雇権の乱用だとして、米ユナイテッド航空の元客室乗務員83人が同社に対し、労働者としての地位確認や賃金支払いを求める訴えを東京地裁に起こした。「会社は解雇を回避する努力や、納得を得るための誠実な協議をしていない。解雇は無効だ」と主張している。 原告の83人は、成田空港を拠点に働いていた日本や英国、シンガポールなどの国籍の客室乗務員。同社がコロナ禍による減収で成田や香港、フランクフルトの3拠点を閉鎖したため、昨年10月に解雇された。 原告は訴えの中で、経営側の都合による「整理解雇」について①人員削減の必要性②解雇回避努力の相当性③人選の合理性④手続きの相当性――を検討。①は「ワクチン接種が始まることなどから収益悪化は近い将来終了するか改善が可能」と否定し、②③は希望退職の公募も十分でなく、賃金抑制政策が背景にあると考えられるとした。④はオンライン会議で国際便の需要が前年比80%減少との説明を受けたのみで「原告の意見を聞く機会はなかった」という。 また労働事件は民事訴訟法上、勤務地が日本の場合、日本の裁判所に提起できることも訴えている。 同社は取材に「コメントを控える」としている。(村上友里)Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

感染者「1千人超」もう驚かない…宣言要請、街にため息

 新型コロナウイルスの感染再拡大が止まらず、大阪府が3度目の緊急事態宣言を政府に要請する。街の人出を抑える狙いだが、市民からは「またか」「遅すぎる」との声も。学校の授業は続く見込みだが、オンラインの活用が推奨され、子どもたちへの影響は避けられそうにない。 吉村洋文府知事が休業要請を検討している百貨店やテーマパークは、19日も客が行き交っていた。 「困りますね。飲食店が時短営業で利用しにくい中、週に2、3回、仕事後に夕飯のお総菜などを購入しているので……」。大阪市北区の「阪神梅田本店」で食品を購入していた大阪市中央区の女性会社員(51)は言う。「百貨店では検温や手指消毒など感染対策を徹底しているので、休業要請は必要ないのでは」 一方、兵庫県尼崎市から妻と食料品を買いに来た美容師の男性(41)は賛成の立場。「飲食店が時短営業しても、路上で宴会を開いている人の姿をたくさん見かける。大型施設が休業することで緊迫感を感じさせ、行動を変化させる効果はあると思う」と話す。 「もう3回目でしょ。効果あるんですかね」。ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ・大阪市此花区)を訪れていた大阪府茨木市の携帯電話販売会社に勤める女性(34)は苦笑いした。長女(2)と来ていた大阪市平野区の専業主婦の女性(31)は「もう1千人超えの感染者数にも慣れてしまった」。ただ、休業要請には賛成だ。「みんなが『USJが閉まるほどやばいんや』って思えば何か変わるかもしれんし」 今回、吉村知事は飲食店にも休業を要請する考えを明かしている。「最初からまん延防止等重点措置ではなくて、緊急事態宣言を出していれば、今ほどの感染拡大は抑えられたはず」と語るのは大阪市北区の居酒屋「もんぱーる」の店主、山本光恵さん(58)。同店では、重点措置で4月の客数は例年の10分の1に落ち込んでいるという。「そりゃ、休業要請が出れば店の経営はさらに苦しくなるよ。でも徹底した強い措置で感染拡大を抑え込まないと、いつまでもこの状況が続く」と話す。 同区の居酒屋「ぼん蔵」の店主、中島護さん(58)も休業要請に応じる考え。「大阪の感染状況を考えたら、うちだけお上の要請に従わないわけにはいかない。もちろん休業要請するなら、補償体制は整えてもらわなあかんけど」 同区の中華料理店主の男性(44)は「この1年、同じことの繰り返し。何も変わってないですよ」と憤る。経営をやりくりしても3人いた従業員を雇えなくなった。店内には、休日に買い集めたアクリル板が真新しいまま残っている。「休業するなら急いで買わんでよかったね。早く普通の生活に戻りたいですよ」とため息をついた。(浪間新太、華野優気)「小学生は大学生のようにはいかない」 緊急事態宣言下でも、一斉休…Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

「外国人だから切られたのか」元客室乗務員83人の怒り

 搭乗者に心地よく過ごしてもらい、安全も確保する――。そんな誇りを抱き働いてきた約250人の客室乗務員が昨年、米ユナイテッド航空に解雇された。コロナ禍による減収が理由だが、83人の元乗務員は「誠実な協議を会社はしていない」として解雇無効を求めて訴訟を起こした。元乗務員の怒りと悔しさとは。 「歴史的ともいえる航空需要の激減に、厳しい判断をせざるを得ない」 同社は昨年9月、成田空港にある国内唯一の客室乗務員の拠点を閉鎖する方針を明らかにした。同時にフランクフルトや香港の拠点も閉じ、希望者は米国の拠点で働けるとしたが、永住権がないなどで移り住めない乗務員らは同10月に解雇となった。 このうち男女83人の元搭乗員が今年2月、「解雇権の乱用だ」として同社を相手取り東京地裁に訴えを起こした。乗務員という職種柄、国籍や地域はさまざま。日本人27人のほかは英国、シンガポール、スウェーデン、台湾などの出身だ。いずれも20年以上のキャリアを持つ。 「こまやかな気遣いで自信を持って接客してきたのに、会社から誠意のある言葉はなかった。裏切られた気持ちです」 原告の一人、五島(ごとう)…Source : 社会 - 朝日新聞デジタル