社会

育てる子どもに着目した「違憲状態」 家族法専門家が見る同性婚訴訟

有料記事聞き手・村上友里2022年12月1日 7時00分 同性愛者がパートナーと家族になる制度が存在しないのは「違憲状態」――。同性婚が認められていないのは憲法に違反するとして、同性カップル8人が国を訴えた訴訟で、東京地裁は30日、こんな判決を出しました。家族法に詳しい京都産業大の渡辺泰彦教授に、判決をどう見たのかを聞きました。 違憲状態と判断し、同性婚の実現に向けて一歩前進だといえるでしょう。6月の大阪地裁判決は「合憲」としながら、緩やかに立法府に対応を促しましたが、それより強く迫ったと言えます。 ただ、その歩幅がどれくらいなのかが問題です。東京地裁判決では、同性愛者がパートナーと家族になる方法として、異性カップルと同等の法律婚よりも、同性パートナーシップ制度などの導入を重視している印象を受けました。 世界的には同性パートナーシ…この記事は有料記事です。残り779文字有料会員になると続きをお読みいただけます。Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

「反社会的集団だから潰せ」でいいのか 解散命令への政治学者の疑問

有料記事聞き手・池田伸壹2022年12月1日 7時00分耕論 解散命令請求 その前に 世界平和統一家庭連合(旧統一教会)に対する、宗教法人の解散命令をにらんだ政府の動きが進んでいる。「信教の自由」や「政治と宗教」にも関わるこの問題を、どう考えるべきなのか、日本政治思想史を専攻する政治学者の河野有理・法政大学教授に聞いた。 私にはいまの旧統一教会をめぐる解散請求に向けた動きは過剰反応に見えます。もちろん、宗教2世問題を含めて被害者の救済が必要ですし、加害者や法律に違反した者へは法の裁きが下されるべきです。「耕論」では、一つのテーマについて3人の論者がそれぞれの視点から論じます。以下のリンクからほかのお二人の論考をお読みいただけます。 しかし、「反社会的集団だから潰してしまえ」という世論に流され、宗教団体解散のハードルが著しく低くなってしまうのは危険です。「良い人にしか人権はない」ということも「立派な宗教にしか信教の自由はない」ということもありません。冷静に歴史的な先例と比べて判断することが必要です。基準を急激に変えてしまうことは将来に禍根を残す可能性もある。 人権や信教の自由などを守る最後のとりでが、憲法であり裁判所です。好ましくない事態があれば、そこに行き着くまでに選挙や民主主義のプロセスの中で是正していくというのが本来の姿だと、政治学者として指摘しなければならないと感じています。 私が中学を卒業するころにオ…この記事は有料記事です。残り1124文字有料会員になると続きをお読みいただけます。Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

九州大名誉教授の斎藤文男さん死去 コメンテーターや市民運動も

2022年11月30日 20時18分 九州大名誉教授の斎藤文男さんが11月30日、心筋梗塞(こうそく)で死去した。90歳だった。葬儀は12月2日午後1時から福岡市城南区飯倉1の2の16の美花園で営まれる。喪主は妻千津子(ちづこ)さん。 政治倫理条例や情報公開条例などに詳しく、市民活動にも携わった。著書に「多数決は民主主義のルールか?」「ポピュリズムと司法の役割」などがある。地元テレビ局のコメンテーターも務めた。Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

岡口判事のSNS投稿、「裁判の信頼失う」 弾劾裁判で検察官役主張

根岸拓朗2022年11月30日 20時25分 SNSの投稿で殺人事件の遺族を傷つけたなどとして訴追された岡口基一・仙台高裁判事(56)=職務停止中=を辞めさせるかを決める弾劾(だんがい)裁判の第2回公判が30日、裁判官弾劾裁判所(裁判長・松山政司参院議員)であった。罷免(ひめん)を求める検察官役の国会議員が冒頭陳述し、「岡口判事の行為が許されれば、ほかの裁判官も同様の投稿をし、裁判への信頼を損なう懸念がある」と指摘した。 訴追対象は2017~19年のツイッターやフェイスブック上の投稿など13件。検察官役は「高裁などから注意された後も遺族感情を傷つける投稿を繰り返した」とも述べた。 この日は検察官役の証拠も法廷で説明され、遺族の証人尋問を行うことなどが決まった。次回の公判は来年2月8日の予定。 岡口判事側は3月の初公判で「罷免にあたらない」と主張している。 弾劾裁判では「裁判官としての威信を著しく失う非行」などが疑われ、訴追された裁判官の罷免の可否を国会議員が判断する。裁判官役14人の3分の2以上が賛成すると罷免が決まり、裁判官は法曹資格も失う。 岡口判事は17年、東京高裁が誤ってウェブサイトに載せた殺人事件の判決文を引用し、ツイッターに「首を絞められて苦しむ女性に性的興奮を覚える性癖を持った男」「そんな男に無残にも殺されてしまった17歳の女性」と投稿した。19年には、抗議した遺族についてフェイスブックで「俺を非難するようにと、高裁に洗脳されている」などと書き込んだ。(根岸拓朗)Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

日韓関係の修復「今がチャンス」 徴用工問題の解決求めて識者ら訴え

 日韓間の懸案となっている元徴用工の訴訟について韓国の尹錫悦(ユンソンニョル)政権が解決策を検討していることを踏まえ、問題解決に向けた機運を盛り上げるための集会が30日、東京・永田町であった。参加した識者から、この時期を逃さず早期解決を求める声が上がった。 戦後補償を求める訴訟を支援…この記事は有料記事です。残り297文字有料会員になると続きをお読みいただけます。Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

鹿児島県奄美市の殺人事件の無罪判決、検察側が「事実誤認」と控訴

2022年11月30日 21時00分 鹿児島県奄美市の住宅で2019年に一人暮らしの女性(当時87)が殺害された事件で、鹿児島地検は30日、殺人と住居侵入の罪に問われた奄美市の無職渡部円治被告(24)を無罪とした鹿児島地裁判決に「事実誤認がある」として、福岡高裁宮崎支部に控訴した。 鹿児島地検の桑田裕将(ひろゆき)次席検事は「上級庁とも協議のうえ、控訴して是正すべきだとの判断に至り、控訴を申し立てた」とコメントした。 裁判員裁判による11月28日の地裁判決は、被告が女性宅に侵入したのは事件前だった可能性もあるとして無罪(求刑懲役20年)とした。Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

さや香や真空ジェシカ、キュウも M-1決勝進出9組が決まる

2022年11月30日 22時24分 今年の漫才日本一を決める「M-1グランプリ2022」の準決勝が11月30日、東京都内であり、今年のファイナリスト9組が決まった。 決勝に進んだのは、真空ジェシカ、ダイヤモンド、男性ブランコ、さや香、ウエストランド、キュウ、カベポスター、ロングコートダディ、ヨネダ2000。 今大会は過去最多となる7261組がエントリーし、28組が準決勝に進んでいた。 オズワルドやハイツ友の会ら19組は、同日の敗者復活戦に望みを託すことになった。このうち1組が決勝に進むことになる。 金属バットはワイルドカード枠のため、敗者復活には参加できない。 10組が激突する決勝の模様は、12月18日午後6時34分、ABCテレビ・テレビ朝日系24局で生中継される。 決勝のMCは今田耕司、上戸彩。 準決勝の見逃し配信は、12月1日正午から夜11時59分までの予定。チケットは同日午後8時半までFANYオンライン(https://online-ticket.yoshimoto.co.jp/)で販売する。Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

愛子さま、21歳に 学習院大学で古典や歴史学ぶ 両陛下とテニスも

多田晃子2022年12月1日 0時00分【動画】天皇、皇后両陛下の長女愛子さまは1日、21歳の誕生日を迎えた=2022年11月21日午後、皇居内の宮内庁車馬課主馬班の厩舎、宮内庁提供 天皇、皇后両陛下の長女愛子さまは1日、21歳の誕生日を迎えた。現在、学習院大学文学部日本語日本文学科の3年生。新型コロナの感染状況を鑑み、引き続きオンラインで授業を受け、課題やリポートなどに日々取り組んでいる。 宮内庁によると、愛子さまは昨年から今年にかけて、成年行事のほか、成年皇族として宮中祭祀(さいし)や新年祝賀の儀などに初めて臨んだ。大学では、源氏物語や新古今和歌集、奥の細道を始めとする江戸時代の文学など、様々な古典を学ぶほか、日本語史や日本史などの授業も受講している。 両陛下がオンラインで出席した沖縄復帰50周年記念式典や、参列した英国のエリザベス女王の国葬などをテレビで視聴。英国訪問や10月の沖縄訪問から戻った両陛下から、現地での話を聞いたという。 11月には皇居内の宮内庁楽部で秋季雅楽演奏会を初めて鑑賞。演奏会には大学で雅楽について学んだ授業の教材やノートを見返して臨み、宮中の伝統芸能に直接触れられたことなどを喜んでいたという。 御所ではトマトやキュウリ、パプリカ、ショウガなど野菜を栽培し、両陛下や職員と収穫した。時間がある時には両陛下と散策やテニスをしたり、職員とバドミントンやバレーボールなどをしたりした。11月には両陛下と御所の庭で、皆既月食と天王星食を観察。今年も蚕を飼育したほか、犬の「由莉(ゆり)」や猫の「みー」と「セブン」などの世話も引き続きしているという。(多田晃子)Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

精子提供を受けて出産、でも… 大阪訴訟の原告「もっと踏み込んで」

 同性どうしの結婚を認めていない民法の規定などの違憲性を問う訴訟で、東京地裁は30日、「違憲状態」という判断を示した。「合憲」とした大阪地裁判決を受けて控訴している大阪訴訟の原告らは、東京地裁判決を前向きに受け止めた。 京都市の坂田麻智さん(43)は東京地裁で判決を傍聴した。「違憲状態」という裁判長の言葉を聞き、「明確な違憲ではなかったので、最初に聞いた時は戸惑った。大阪判決より前進する内容で、踏み込んでくれたと感じた」。国会に対し、子の福祉などに配慮した議論を求めた点も「同性カップルの子どものことを考えてくれたのかなと思う」と評価した。 判決は、同性カップルが家族…この記事は有料記事です。残り476文字有料会員になると続きをお読みいただけます。Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

全国の同性カップルら、「うれしい」「もやもや」 違憲状態判決に

 同性婚が認められていない現状を「違憲状態」とした30日の東京地裁判決。同種の訴訟は5地裁で6件起こされ、昨年3月に札幌地裁が「違憲」、今年6月に大阪地裁が「合憲」と判断し、福岡、名古屋の両地裁では進行中だ。東京地裁判決を、各地の原告はどう受け止めたのか。 「喜んでいいのか正直よくわからない。大阪地裁判決に比べて内容的には進んでいるが、それならなぜ違憲と判断できなかったのか。もやもやする」。控訴審が続く札幌訴訟の原告男性はそう話した。原告弁護団の須田布美子弁護士は「違憲判決を下してほしかったが、現状の制度を放置してはいけないというメッセージになった点は評価できる」と話した。 控訴している大阪訴訟の原告…この記事は有料記事です。残り889文字有料会員になると続きをお読みいただけます。Source : 社会 - 朝日新聞デジタル