社会

ビル外壁に「棒」 レバー引くと避難はしごに 対策施し「悲劇防げ」

 京都アニメーション放火事件や大阪・北新地クリニック放火事件のような悲劇を起こさせないようにと、既存ビルの外壁に避難はしごを取り付ける動きが出ている。避難経路を複数つくって火から逃げ出せるようにする狙いだ。 京都市中心部の繁華街、三条木屋町。今年5月、地上4階地下1階の「辻田ビル」の外壁に、4階からも下りられる高さ約14メートルのはしごが設置された。 きっかけは、昨年12月に起きた北新地放火事件を受けて、京都市消防局が実施した一斉立ち入り検査。 1966年に完成した同ビルには、飲食店が7店入っているが、ビルの屋内階段は一つで外階段はない。すでに各階の店舗入り口前には、窓から投げ出して使うロープタイプの避難はしごを備えてはいた。だが、検査を受けて「できる限りのことをしたい」と考え、さらに安全性を高めるため、固定式の避難はしごを付けることを決断した。 普段は棒のようになっている…Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

車内で意識不明の2歳姉も死亡 1歳弟とともに司法解剖 神奈川

中村英一郎2022年8月2日 13時04分 神奈川県厚木市の公園の駐車場にとめていた乗用車内で同市の男児(1)が死亡した事故で、車内にいて意識不明になっていた姉(2)が2日午前、搬送先の病院で死亡した。捜査関係者への取材でわかった。厚木署は姉弟を司法解剖して死因を調べるとともに、車内にいた20代の母親から話を聴いている。 署によると、母親は7月29日午後、公園で遊ぼうと、姉弟を連れて車で訪れたが、2人が後部座席で寝ていたため、「エンジンを切って30分ほど車の窓を開けていた」と説明。「運転席でスマートフォンを操作していて、気付いたら子どもの体調が悪化していた。1人は口から泡を吹き、もう1人は反応がなかった」と話しているという。 車をとめていたのは厚木市長谷の「ぼうさいの丘公園」の西側第2駐車場。車内で2人が意識不明の重体になっていると、母親が119番通報した。2人は病院に運ばれたが、男児は約1時間半後に死亡が確認された。(中村英一郎)Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

ハートのスダチ、やっとできた どこを切っても自慢の形「すだらぶ」

 押し花インストラクターの高橋輝美さん(55)=徳島市=が、ハート形のスダチの栽培に成功した。「SUDALOVE(すだらぶ)」と名付け、8月中旬から本格販売する。「可愛いハート形のスダチで笑顔になってもらいたい」と話す。 ハンドメイド作家らが集うイベントで、ハート形のレモンを使ったペンダントやイヤリングを見て、高橋さんは思いついた。もともと徳島県産のもので何かつくりたいと考えていたという。スダチは徳島の名産。高橋さんの自宅にもスダチの木があり、2020年から試作を始めた。 100円ショップで買ったクッキー用のステンレスの型を使って育ててみた。ハート形にはなるが、スダチにはめ込む時や抜く時に傷がついてしまう。そこで、県立工業技術センターに依頼し、専用の型をつくった。地元の農家の協力も得て様々な型を試すと、四方を完全に覆う型が最もうまくいくことがわかった。 2年余りの試行錯誤の末、今年7月、ハウス栽培でハート形スダチ120個を収穫。端から端までどこを切ってもハート形になる自慢の一品が仕上がった。 高橋さんは「あきらめなくてよかった。ハートのスダチを手にすると、みんな笑顔になる。コロナで暗い話題が多いなか、少しでも明るい話題を提供したかった」と話す。 収穫した「すだらぶ」は知り…この記事は有料会員記事です。残り435文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 【無料会員限定】スタンダードコース(月額1,980円)が3カ月間月額100円!詳しくはこちら Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

フジロックに戻ってきた祝祭と自由、葛藤… 記者が観たロックの祭典

 「フジロックを去年は辞退しました」。今年のフジロックフェスティバルに登場したシンガー・ソングライターの折坂悠太はMCでそう語り出した。そして、葛藤を口にする。「去年と今年の状況の違いについて、色々と考えてみたのですが、わかりません。試行錯誤するしかありません」 7月29~31日に新潟県湯沢町で開かれたフジロックに、記者も参加した。今年は昨年の2倍にあたる約6万9千人が参加したという。批判の声が大きかった昨年8月の開催同様に、新型コロナの拡大局面での開催となった。 昨年と今年の状況に、違いがないわけではない。昨年までのデルタ株は、より感染力の強いオミクロン株へと置き換わり、初日で比較すると、新規感染者数については、今年は昨年の8・5倍になった。一方で、ワクチン接種が進んだこともあり、重症者数は昨年の4分の1以下となった。 昨年はマスクが義務化された。今年もマスクの着用を基本としながらも、距離があり、会話がなければマスクを外して良い、という形に条件が一部緩和された。アルコールも解禁された一方、大声での発声は禁止された。 今年開催された米国の「コーチェラ」や英国の「グラストンベリー」などの世界の主要フェスでは、すでにマスクの着用は不要で、歓声にも制限はない。フジロックはそうしたフェスと比べると、コロナ対策による制限が強い形の開催となった。会場では、マスク着用者が多かった一方、歓声は昨年よりは大きかったように感じた。ジャック・ホワイト、VW、ホールジー・・・ 盛り上がったのは?感動あり、期待外れもあり。初音ミクの声まで響かせた圧巻のジャック・ホワイトのステージや、ボブ・ディラン、ジョン・レノンへの敬意を示したヴァンパイア・ウィークエンド、ホールジー、WONK、DAWES、Kyoto Jazz Sextetと森山威男、ジャパニーズ・ブレックファスト、アルトゥン・ギュン……。今フェスで観た様々なステージを、音楽担当記者がリポートします。 地元・苗場にとっては、夏場…この記事は有料会員記事です。残り4902文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 【無料会員限定】スタンダードコース(月額1,980円)が3カ月間月額100円!詳しくはこちら Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

1歳女児ひき逃げ死亡、74歳男を容疑で逮捕 車検切れ「まずいと」

2022年8月2日 10時53分 大阪市生野区のコリアンタウンで1歳女児を車ではね、死亡させて逃げたとして、大阪府警は大阪府東大阪市大蓮東2丁目の無職、固城(こしろ)義和容疑者(74)を自動車運転死傷処罰法違反(過失運転致死)と道路交通法違反(ひき逃げ、通行禁止違反)の疑いで逮捕し、2日に発表した。 「ひき逃げ事故を起こしたことに間違いないが、けがの認識はない」と容疑を一部否認しているという。 生野署によると、固城容疑者は1日午前11時40分ごろ、大阪市生野区桃谷5丁目の市道で乗用車を運転し、名古屋市港区木場町の中山愛李(めい)ちゃんをはねて逃げ、死亡させた疑いがある。当時は車両通行禁止の時間帯だった。 署によると、現場は韓国料理店などが並ぶ通りで、愛李ちゃんは両親やきょうだい3人と観光に訪れていた。固城容疑者は愛李ちゃんをはねた後、いったん車から降りたが、「車を止めてくる」と言って逃走した。「車検と自賠責保険が約1年前に切れていて、まずいと思った」と話しているという。Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

繰り返された「産地の使い捨て」 漁場の再生よりも輸入に頼った結末

 「熊本県はかつて、日本最大のアサリ産地でした。しかし、1990年ごろからアサリを取り扱う業界の間で『有明倉庫』と呼ばれ、業界の人たちは元大産地だった浅海域を、輸入アサリの出荷調整のための一時保管場所としてきました。(中略)熊本県はアサリロンダリングの要所であり、熊本県地先の海水を飲ませると、消費地では様々な産地のアサリに化けていました」 2008年11月、愛知県豊橋市の山本茂雄さん(58)が熊本県の蒲島郁夫知事あてに送った意見書には、赤裸々な表現が並んでいた。 60年以上続いた家業の貝類専門問屋「山本水産」を5年前に自主廃業し、「アジアの浅瀬と干潟を守る会」の代表として二枚貝の調査研究や環境教育などの活動をしていた。 外国産アサリを干潟にまく蓄養は、産地偽装の温床になるだけでなく、外来生物の持ち込みなどで干潟の生態系に悪影響を及ぼすおそれがある。 生物多様性の観点から「アサリの放流の全面禁止」を要望したが、熊本県が応えることはなかった。生態系が脅かされる アサリは潮干狩りなどで日本人にとってなじみの深い二枚貝だ。 1980年代前半までは、国…Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

病院元職員の横領、総額1億6800万円に 南伊勢町長ら減給処分

 三重県南伊勢町の町立南伊勢病院で会計担当だった元主査(38)=6月28日付で懲戒免職=が診療費など多額の横領をしていた問題で、町は1日、被害は当初見込みより約1300万円増えて総額1億6790万円だったとする内部調査結果を発表した。上村久仁町長、副町長、教育長の3人と、病院長ら元上司8人を減給などとする懲戒処分も明らかにした。 町によると、元主査は病院に勤務していた2019年度から今年5月にかけて、患者から病院へ支払われた診療費を金融機関に入金せずに着服したり、病院が管理していた預金口座から引き出したりする手口で横領した疑いがある。調査の結果、被害額は当初の見込み1億5千万円から増えて1億5540万円となった。 また町上下水道課に在籍していた17年4月~19年3月、架空の支出決議書を作り、町から不正に出金させる手口で横領していたが、調査の結果、当初の見込み500万円から増えて1250万円となった。 この問題は今年5月、昨年度…Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

11年ぶりに住める でも… 避難指示解除区域のいま 福島・大熊町

 6月30日、東京電力福島第一原発事故で被害を受けた福島県大熊町の一部で避難指示が解除された。対象区域は、町の面積の1割だが、事故前は住宅街で役場もあり、町の中心部だった。住民の登録数は約5900人で、町全体の6割になる。 ただ、町が住民基本台帳で把握する住民の数は6人(7月4日現在)。昨年12月に始まった準備宿泊の登録も18世帯49人にとどまった。直近の住民意向調査では回答した2185世帯の約58%が「戻らないと決めている」と答え、将来的な希望を含め「戻りたいと考えている」は13%だった。 11年以上、人が住めなかった現実が重くのしかかる。 避難指示が解除されたばかりのJR大野駅の西側では、建物の解体が進み更地が広がる。かつては居酒屋に魚屋、家電店などが並ぶ商店街だった。 毎朝、仕事で駅の清掃をしている伏見明義さん(71)は、窓から見える風景を眺め「小さい頃から住んでいた街だからやっぱり寂しいねぇ。町が良くなるために犠牲を払ってるんだ」と言い聞かせるようにつぶやいた。3年前から、町で最初に避難指示が解除され、復興拠点として整備が進む大川原地区に夫婦で暮らす。少しでも町の役に立てればと約2年前から清掃の仕事をしている。 今後は駅近くの避難指示が解除された地域にある自宅に帰るつもりだ。 昨年11月末、避難指示の解除前に先行して行われた立ち入り規制緩和の方が、生活への変化は大きかったという。「自宅なのに帰れるのが1年で(最大)30回に制限され、草かってもすぐボウボウ。家に来てもかえって現実が見えて、逆に気分が落ち込んでた……」。町の今後には「ただこれからを見守っていくだけ」。 大野駅で目に留まるのは、町の公式マスコットが描かれた生活循環バスだ。大川原地区と駅の間は、年中休みなく1日10往復走る。電動で定員は24人。ただ、朝と帰宅時間帯以外に駅で乗り降りする人はほとんどいない。 平日の夕方、運転手のひとりに乗客の現状を聞くと「さっき交代したバスの運転手は『始発から昼過ぎの交代まで乗ったのは3人だけだった』って言ってたね」と教えてくれた。 町の担当者は「乗客は片道1人か2人程度。避難指示が解除されても乗客の数に変化はないが、まずは住民の利便性を高める先行投資だと考えています」。 午後5時を過ぎる頃には解体作業員などがいなくなり、鳥や虫の声がいっそう際立ってくる。午後7時をまわると駅舎以外は真っ暗闇に――。街灯のともっていない駅前の更地を、生活循環バスの前照灯が照らす姿は、復興の厳しさと、その中の小さな生活の営みという現状を象徴しているようだった。 町は今後、この一帯に商業施設や産業交流施設などを整備する予定だ。 ほとんど民家の明かりがつかない中、クリスマスの電飾が輝いている家があった。 避難先の福島県いわき市と大…Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

イケメン画像で信用させ…わいせつ動画で女児恐喝容疑、高校生を逮捕

村上潤治2022年8月2日 8時07分 オンラインゲームで知り合った小学生の女児(当時11)にわいせつな動画を送らせ、「小学校に電話する」と脅して電子マネーを奪ったとして、神奈川県警港南署は1日、埼玉県児玉郡の高校1年の男子生徒(15)を強制わいせつと児童買春・児童ポルノ禁止法違反、恐喝容疑で逮捕し、発表した。容疑を認め「ひどいことをしてしまった。お金はゲームで課金するためだった」と話しているという。 署によると、男子生徒は3月、浜松市の当時小学5年生の女児に「顔も入れて胸の写真とって」とネットで依頼。要求をエスカレートさせ、わいせつな動画を撮影、送信させたうえ、「ネットにさらす」と脅し、電子マネー6千円相当を脅し取った疑いがある。 男子生徒はSNSで「イケメン」の他人の顔写真を女児に送信。女児に「格好いい」と思わせて要求を受け入れさせたという。 横浜市の別の女子中学生から同様の被害の申告があり、署は6月に男子生徒を強制捜査。ほかにも2人の女子中学生の被害を確認しており、調べている。(村上潤治)Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

駐車場や庭に置かれたタイヤ、盗難被害が続発 3カ月で200本

中村英一郎、原晟也2022年8月2日 8時16分 神奈川県内でタイヤの盗難被害が続発していることが県警への取材でわかった。県警は警戒心を強め、同一犯による連続窃盗事件の可能性もあるとみて調べている。 県警の集計では、今年5~7月の3カ月間、県内で少なくとも約60件の被害があり、約200本のタイヤが盗まれているという。県警幹部によると、タイヤの窃盗被害は昨年同時期は数件しか確認されていない。この幹部は「特に6月に入ってから被害届が急増した」と話す。 被害が目立つのは県央の山間地域など。駐車場や庭など住宅の敷地内に乗用車から取り外した状態で置かれたホイール付きタイヤが盗まれているという。 60件のうち約半数の被害が出ている愛川町によると、同町は冬の朝、気温が零下になるほど冷え込み、路面が凍結する日もある。冬はスタッドレスタイヤに履き替える必要があり、履き替え後のタイヤが敷地内に置かれ、被害に遭っている可能性があるという。 電車がなく坂も多い同町で、乗用車は生活に欠かせない。2台以上所有する世帯も多く、タイヤの所持数は必然的に増えるという。 県警は、自宅敷地内に無防備に置かれたタイヤが盗まれているとし、「タイヤを倉庫に保管するなどの対応を」と注意を呼びかけている。(中村英一郎、原晟也)Source : 社会 - 朝日新聞デジタル