社会

古い長屋が「生きたい」と言っている マンション計画に惜しむ声

寺西家阿倍野長屋。焼き肉などの飲食店が入っている=2022年1月10日午後0時18分、大阪市阿倍野区、華野優気撮影 大阪市南部を南北に延びるあびこ筋から路地をひとつ入ると、下町の風情漂う4軒長屋に出合います。玄関に下がった色とりどりののれんの奥には、日本料理や焼き肉といった飲食店の明かりがともっています。 1932年の建築。土地区画整理事業に伴い、当初から都市ガスなどが整備されました。戦禍を乗り越え90年代後半になると、老朽化が目立ち、ほぼ空き家状態が続きました。 2000年代には、建設会社…この記事は会員記事です。残り419文字無料会員になると月5本までお読みいただけます。Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

警察署の代表電話に自動音声を試験導入 福岡県警、業務合理化で

島崎周2022年1月26日 7時00分 福岡県警は、電話交換業務の負担軽減や迅速な対応のため、行橋署の代表番号にかかる電話への自動音声での対応を24日から導入した。1年ほど試行した上で、他の署にも導入するか検討するという。 「はい、行橋警察署です。どうされましたか」。自動音声が導入される前の行橋署の金曜日。執務時間開始の午前9時から3分後、早速代表電話が鳴り始め、署員が対応した。翌日までの24時間で、代表電話にかかってきたのは免許証や落とし物の相談など138件。1時間ごとでは、午前10時台が最も多く18件だった。 警務課によると、署の代表番号への電話は、交換業務にあたる職員や署員が対応し、内容を聞き取って担当者に取り次いでいた。しかし取り次ぎに時間がかかることが多い上、人員が限られる夜間は、酔っ払いが個人的不満をぶつける長電話といった警察の業務外の電話もしばしばあり、迅速な対応を要する業務への支障があった。 特に県内35署中、小~中規模の16署では、電話交換の担当職員がおらず、署員が交代で対応。昨年、16署中で相談の受理件数が最多だった行橋署の場合、管内の110番件数は年間の1日平均は22件(暫定値)だが、相談を含む代表番号への電話件数は、同年5~10月の半年間で1日平均は223件にのぼった。 試行中の自動音声のガイダンスは、午前9時から午後5時45分までの執務時間内は「緊急の事件・事故は110番へ、その他のご用件の方は音声ガイダンスに従って、ご希望の番号を選択して下さい」と流れる。 時間外は、ストーカーやDV、児童虐待などの緊急性の高い事案に関しての相談は当直員が対応。その他については、県警のホームページ上で落とし物や運転免許更新などの相談に対応する「AI(人工知能)チャットボット」を利用するか、執務時間内にかけ直すように求める。電話の内容は、自動音声導入の拡大検討や苦情などあった場合の対応などのため録音され、2週間程度保存の上、消去されるという。 県警はすでに、執務時間外の県警本部の代表番号への電話対応も自動音声に切り替えている。警務課の佐藤治夫統括管理官は「自動音声の導入によって、限られた人員の中での業務の効率化、そして県民からの相談についてより迅速な対応を目指したい」と話す。(島崎周)Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

憲法53条「死文化」の危機、3つの高裁判決に注目

 野党議員が憲法53条後段に基づいて臨時国会を開くよう求めたにもかかわらず、政府がこれを事実上無視した場合に憲法違反になるのか――。この点が初めて争われている控訴審の判決が1月から3月にかけて3件、相次いで言い渡される予定だ。どこに注目すべきか、判決を前に裁判の意味合いを考えた。 裁判で問題になっているのは、森友・加計学園問題の真相解明を求めて2017年6月、野党が憲法53条後段に基づいて臨時国会の召集を要求したのに、98日間にわたって応じず、臨時国会を開くと冒頭で解散したという安倍晋三政権(当時)の対応だ。 野党の国会議員が原告となって、「臨時国会で質問する権利などが侵害された。臨時国会の不召集は憲法53条違反」などと主張し、岡山、那覇、東京の各地裁に相次いで提訴した。臨時国会の不召集の違憲性を初めて問う憲法裁判となった。臨時国会の召集という議会制民主主義にとって大切なルールを無視することが憲法上許されるのか、政府の対応に司法がチェック機能を果たせるのか、という日本の統治機構のあり方を考えるうえで重要な論点を含んでいる。 一審判決の内容をまず振り返…この記事は有料会員記事です。残り2466文字有料会員になると続きをお読みいただけます。Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

4兆円過大、正面から答えなかった首相「数字は控えたい」 統計不正

岡戸佑樹、磯部佳孝2022年1月25日 18時17分 国土交通省による統計不正問題で、二重計上によって2020年度の統計が約4兆円過大になっていた疑いがあると朝日新聞が報じたことについて、岸田文雄首相は25日の衆院予算委員会で、「数字について申し上げることは控えたい」と答弁した。20年1月以降の統計は「修正済み」としてきた答弁の撤回を求められても応じないなど、質問に正面から向き合わない答弁を繰り返している。 朝日新聞は25日、国交省の職員が受注実績を無断で書き換えて二重計上していたことで20年度の統計が約4兆円過大になっていた疑いがあると報じた。朝日新聞が複数の専門家の助言を受けて試算した。 予算委で立憲民主党の階(しな)猛氏はこの報道を取り上げ、「受注額全体の5%ぐらいも上振れしている。統計の信用性に大きな影響を与える」とした上で、「これほど数字で違いが出ると、予算の収入に関する算定根拠であるGDP(国内総生産)に影響が大いに及んでいる可能性がある」と指摘。GDPの再算定が必要だとして、首相に答弁を求めた。答弁撤回拒否、野党「岸田総理らしくない」 これに対し、首相は「推計方法が明らかではない」として、「その数字について直接申し上げることは控えたい」と答弁。国交省が立ち上げた統計の専門家による検討委員会を持ち出し、「過去の数字がどうだったか、復元を行った上で説明することが重要。作業を急がせたい」と強調した。 20年1月に統計の「修正を行った」とした先月の臨時国会での答弁については、首相は強気な姿勢を見せた。この答弁をめぐっては、20年1月以降も複数の自治体が二重計上していたことが判明しており、階氏は答弁の撤回を要求。これに対し、首相は「(答弁の後)さらなる不適切な処理がされていたことが明らかになった」などと拒否し、斉藤鉄夫・国土交通相も「総理の答弁が誤っていたということはない」とかばった。 野党がこの答弁にこだわるのは、首相が臨時国会の際、統計が「修正済み」だとして補正予算案の審議を求めたからだ。24日の予算委では、立憲の大串博志氏がこの経緯に触れ、「総理が正しいと言ったが、正しい数字ではなかった」と批判。答弁を撤回しない首相をこう皮肉った。「岸田総理らしくない答弁。誤っていたことを総理自身が認めないと、政府全体に影響が及ぶ」(岡戸佑樹、磯部佳孝)Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

アイドルライブ中のビル放火に懲役11年「社会への影響軽視できぬ」

吉田博行2022年1月25日 18時32分 徳島市で昨年3月、ご当地アイドルグループのライブが開かれていた雑居ビルが放火された事件で、殺人未遂や現住建造物等放火などの罪に問われた無職岡田茂被告(39)に対し、徳島地裁(裁判員裁判)は25日、懲役11年(求刑懲役12年)を言い渡した。 事件当時、ライブ会場のビル4階に74人がおり、全員が避難して無事だったが、藤原美弥子裁判長は「犯行は極めて危険かつ悪質。社会への影響も軽視できない」と述べた。 判決によると、岡田被告は昨年3月14日午後1時35分ごろ、徳島市仲之町1丁目のビルに侵入。74人が死亡するかもしれないことを認識しながら、3階エレベーターホールにガソリン約14リットルをまいて火をつけ、約50平方メートルを焼損させた。 藤原裁判長は判決理由で、被告の動機について、「重大な事件を起こして社会から逸脱し、両親や友人との関係を断ち切って自殺を決意しやすくしたいという思いがあった」と指摘。また、アイドルの事務所から出入り禁止にされ、ライブを中止に追い込もうとした、と述べた。 岡田被告は公判の被告人質問で、36人が犠牲になった2019年7月の京都アニメーション放火殺人事件を「参考にした」と説明。また、昨年12月に起きた大阪市北区のクリニック放火殺人事件では、死亡した容疑者の家から徳島のビル放火事件の新聞記事が見つかっている。岡田被告はクリニック放火事件についても「自分が無関係とは思っていない」と述べていた。(吉田博行)Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

初の重点措置、島根県で何が 要請しない鳥取県は「諦め悪く戦う」

 新型コロナ対応の「まん延防止等重点措置」の対象に、18道府県が25日、追加された。そのうちのひとつ、島根県は今回が重点措置の初適用。積極的な疫学調査で感染者数を全国の中でも少ない水準に保ってきたが、変異株「オミクロン株」の広がりで保健所業務が逼迫(ひっぱく)。医療体制にも影響が出かねない状況となり、措置要請へと追い込まれた。 県内では昨年12月28日、25日ぶりに感染者が確認されると、年明けに感染が急拡大。1月13日には過去最多の101人を記録した。その後も感染拡大は収まらず、25日現在で自宅・宿泊療養者は1千人を超えた。 県感染症対策室は、先行して感染が広がった山口県や広島県と隣接し、交流が多いことや、年末年始の帰省が要因と分析。当初は県西部の浜田市や益田市などが中心だったが、県内全域に感染が広がったとみる。 島根県はこれまで、濃厚接触者以外にも幅広く検査をすることで、感染拡大を食い止めてきた。丸山達也知事は昨年9月、「感染拡大地域では時短・休業要請をして、そこにお金を払うというやり方をしているが、島根県内では必要ない」と話し、重点措置などに否定的な考えを表明。飲食店を利用する際の人数や時間制限を呼びかけることで対応できるとしていた。 しかし、感染急拡大で保健所業務が一気に逼迫。県は各保健所に職員を派遣するなど、人員を増員して対応してきたが、感染経路や濃厚接触者を調べるための疫学調査が追いつかなくなった。丸山達也知事は適用検討を明らかにした19日の会見で「(重点措置に)感染を終息させるだけのパワーがあるとは思わないが、一定程度の効果はある」と話し、理解を求めた。 一方、隣の鳥取県は現時点では申請しない予定。平井伸治知事は「県内では飲食店街よりむしろ、学校、学習塾など子どもたちの感染の方が目立つ」と話し、飲食店対策が中心の重点措置は必要ないとの考えだ。 25日に初めて新規感染者が100人を超えるなど、鳥取県でも感染者は急増。県は感染者が急激に増えた県西部の観光・建築・農業改良普及などの部署で働く県職員を、最大100人規模で保健所へ派遣。「積極的疫学調査」を徹底し続けている。平井知事は「感染を囲い込んで(連鎖を)止めていく。諦め悪く戦う」と話している。(清水優志、東孝司)Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

トンガ支援の自衛隊員4人が感染 濃厚接触者36人、空輸は中止に

 防衛省は25日、海底火山の噴火で被害を受けたトンガの支援に関わる自衛隊員4人が新型コロナウイルスに感染したと発表した。濃厚接触が疑われる隊員計36人も隔離した。輸送機の運航に必要な人員が確保できなくなったため、空輸は当面できない。任務再開のめども立っていないという。 同省によると、航空自衛隊のC130輸送機1機が22日、トンガに飲料水を届け、オーストラリアに戻ったところ、隊員1人が24日に発熱し陽性と判明。濃厚接触が疑われる21人とともに宿泊施設に隔離した。さらに同日、トンガからオーストラリアに戻った別のC130の隊員ら3人も25日、発熱などを訴え、陽性が判明。濃厚接触が疑われる15人とともに隔離した。(成沢解語)Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

検査追いつかず、発熱外来も問い合わせ殺到 北海道にもまん延防止

 北海道に新型コロナウイルス対応の「まん延防止等重点措置」が適用されることが25日、決まった。道内に緊急事態宣言や重点措置が適用されるのは、昨年9月30日の宣言解除以来、約4カ月ぶりとなる。期間は1月27日~2月20日の25日間で、道は道内全域の飲食店に時短営業を要請するなどの対策を決定。変異株「オミクロン株」による感染者増は続き、新学期が始まった学校関係者にも警戒感が高まっている。 道は25日午後、対策本部会議を開き、重点措置適用後の対策を決定。鈴木直道知事は「各地で感染が広がり、高齢者の感染者数が増加している。札幌市以外の地域における医療の負荷が高まってきている。医療の窮迫と社会機能の維持への影響を最小限に抑えなくてはいけない」と述べた。 重点措置が道に適用されるのは4度目で、措置区域が全道となるのは初。外出の際は混雑した場所などを控え、都道府県間の移動を極力控えるように求める。さらに全道で飲食店に時短要請を行う。 25日の新規感染者数は1536人。1500人超は5日連続。人口10万人あたりの新規感染者数(25日時点)は直近1週間で202・2人と初の200人超となった。 函館市では過去最多となる98人の新規感染者を確認。これまでの最多の53人を大幅に上回った。同市でこの日のクラスター(感染者集団)の確認はなかったが、10代未満から高齢者まで幅広い層で感染を確認。数人の会合で感染した例もあったという。 全道の病床使用率(24日時点)は21・5%。札幌市を除く地域では病床が少なく、23・6%と高くなっている。24日までの1週間の年代別感染者数は、30代以下が前週比で2・9倍増、60代以上が同4・0倍増。高齢者に感染が広がり、医療提供体制への負担が増している。 検査体制も逼迫(ひっぱく)している。保健所や医師の判断で行う「行政検査」の検査能力は1日最大3万4千件あるはずだが、感染者が多い道央圏では検査施設に検体が集中し検査が追いつかず、検査件数は1日8千件程度にとどまる。 札幌市では検査予約の電話がつながりにくく、発熱外来の医療機関にも問い合わせが殺到。濃厚接触者の検査が十分にできていない。オミクロン株は軽症・無症状者が多く、感染に気付かず検査しない人も多いとみられ、鈴木知事は「感染確認が限定的になっているという認識のもとで対策を講じなければいけない」という。 道はワクチンの3回目接種を早期に進めるため、大規模接種会場を設置する方針。設置場所や対象者、期間などは今後検討する。(榧場勇太、中野龍三)■休業より営業で客足を…Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

九州・山口の7県で過去最多 福岡は3千人超え 全域で重点措置へ

 九州、山口各県では25日も新型コロナウイルス感染の勢いが収まらず、新規感染者は宮崎を除く7県で過去最多を更新した。長崎、宮崎両県は同日、県内の一部に適用していた「まん延防止等重点措置」の範囲を全県に広げることを決定。山口全県で適用が始まる来月1日までに九州、山口、沖縄の全域が重点措置の対象となる。 福岡県では新規感染者が初めて3千人を突破。22日の2830人を550人以上上回り、3389人の感染を確認した。24日現在の病床使用率も25・4%と前日より3・2ポイント上昇した。新規感染者に占める60代以上の割合が増加し医療への負荷増を招く懸念が広がっており、服部誠太郎知事は25日の記者会見で「重点措置の期限内に収束できるのが一番いい。何とか感染の封じ込めの協力をお願いしたい」と語った。 この日、熊本県では901人、長崎県では614人の新規感染を確認。両県とも過去最多だった22日を120人以上上回った。鹿児島県では526人の感染を確認。最多だった23日を120人近く上回った。 長崎県の中村法道知事は25日の会見で重点措置の対象地域を現在の長崎、佐世保の2市から全市町に拡大する方針を表明した。宮崎県も同日、重点措置の対象区域を宮崎市など3市1町から全市町村に広げることを決めた。高校など県立学校は26日から時差登校や分散登校、部活の原則中止を始める。 このほか大分県は過去最多を60人近く、山口、佐賀両県も約20~30人上回った。一方、沖縄県の25日の新規感染者は1175人で、1週前の18日より268人少なかった。Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

九州・沖縄でも検査待ちのケース 沖縄はオンラインで確定診断へ

 新型コロナウイルスの新規感染者数の増加に伴って九州・沖縄でも検査を求める人が増え、検査が追いつかないケースも出始めている。 25日に新規感染者数が3日ぶりに1千人を超えた沖縄県。県内の検査機関にPCR検査の予約が集中し、数日待ちになっている。県内の検査能力は1日2万6千件だが、検査技師が不足しており、1月8~14日は1日平均1万5635件にとどまった。 このため県は抗原検査キットの活用を呼びかける。昨年6月以降、高齢者施設や障害者施設、医療機関、保育施設などに国から支給された計24万個のキットを配布した。 今月26日からは、抗原検査キットで自ら検査して陽性反応が出た人に、オンラインで診断を受けられる「抗原定性検査・陽性者登録センター」を開設する。対象は重症化リスクが低く、基礎疾患がない40代以下を想定。キットの写真と、本人確認ができる運転免許証などの写真を撮って専用のウェブシステムに登録すると、医師から電話があって確定診断を受けられる。診断は県医師会が担当し、1日20~30人程度を予定する。 また、県は重症化リスクが高…この記事は会員記事です。残り316文字無料会員になると月5本までお読みいただけます。Source : 社会 - 朝日新聞デジタル