社会

朝鮮人追悼碑、近く撤去へ 県立公園「群馬の森」 県が代執行方針

 群馬県高崎市の県立公園「群馬の森」にある、戦時中の労務動員で犠牲になった朝鮮人の追悼碑について、県は行政代執行によって撤去する方針を固めた。29日から2月11日にかけて公園を閉鎖し、撤去にのりだす。 碑をめぐっては、設置を不許可とした2014年の県の処分を「適法」とする判決が22年に最高裁で確定。碑を所有する市民団体「『記憶 反省 そして友好』の追悼碑を守る会」に対し、県は23年4月に撤去命令を出した。さらに同10月、行政代執行法に基づく「戒告書」を送り、同12月28日までの撤去を求めていた。 すでに碑の周辺は重機が入れるように伐採済み。県は29日から2月11日に群馬の森の閉鎖を決めており、この間に撤去工事をする見通し。守る会側にも19日付で、代執行の日程を記した通知が送付されたという。 追悼碑は04年4月、「守る会」の前身の団体が建立。戦時中に重労働や飢えなどで亡くなった朝鮮人を悼み、アジアの平和と友好の発展を願う趣旨だった。碑の設置については、当時の県議会でも全会一致で趣旨採択され、県が用地を提供していた。許可期間は10年で、「政治的な行事をしない」との条件もついていた。 だが、追悼碑の前で開いた式…Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

安倍、二階、岸田派の会計責任者を在宅起訴 安倍派幹部は立件せず

 自民党の派閥の政治資金パーティー収入をめぐる事件で、東京地検特捜部は19日、最大派閥「清和政策研究会」(安倍派)の会計責任者・松本淳一郎事務局長(76)を政治資金規正法違反(虚偽記載)の罪で在宅起訴し、発表した。安倍派の幹部議員は立件されず、捜査は事実上終結した。 裏金を受領した安倍派の議員側では、大野泰正参院議員(64)=岐阜選挙区=と秘書を在宅起訴、谷川弥一衆院議員(82)=長崎3区=と秘書を略式起訴した。 「志帥会」(二階派)については、会計責任者だった永井等・元事務局長(69)を在宅起訴したほか、会長の二階俊博・元党幹事長の秘書を略式起訴した。「宏池政策研究会」(岸田派)は、会計責任者だった佐々木和男・元事務局長(80)を略式起訴した。 関係者によると、安倍派では、所属議員がパーティー券の販売ノルマを超えて集めた売上金について、派閥から議員側に「還流」したり、議員が派閥に納めず「中抜き」したりした上、一連の資金の流れを政治資金収支報告書に記載せずに裏金化してきたとされる。 発表などによると、安倍派の松本局長は2018~22年の5年分の収支報告書に、ノルマ超過分の約6億8千万円のパーティー収入や、議員側に還流したほぼ同額の支出を載せなかったとされる。不記載の総額は約13億5千万円となった。 派閥の実務を仕切る事務総長経験者や中枢幹部の議員については、共謀に問えないと判断して立件を見送った。 派閥から約6億8千万円に上る裏金の還流を受けた議員側では、大野議員と岩田佳子秘書(60)が5154万円、谷川議員と三宅浩子秘書(47)が4355万円を、自身の資金管理団体の収支報告書に寄付として記載しなかったとされる。池田佳隆衆院議員(比例東海)と秘書は今月7日、4826万円の虚偽記載容疑で逮捕されている。 二階派の永井元局長は5年間で約2億6千万円のノルマ超過分を収入から除外し、このうち中抜き分とみられる約1億2千万円を議員側への支出として記載しなかったとされる。不記載の総額は約3億8千万円となる。 二階氏事務所については、5年間で3526万円の中抜きがあり、派閥からの寄付として資金管理団体に記載しなかったとして梅沢修一秘書(55)が略式起訴された。 岸田派の佐々木元局長は18~20年の3年で計3059万円のパーティー収入を記載しなかったとされる。(川嶋かえ)■自民党3派閥をめぐる刑事処…Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

東京地検次席検事「私が説明する必要がある」 派閥裏金事件で会見

 自民党の派閥が政治資金パーティー収入の一部を政治資金収支報告書に記載しなかったとされる事件で、東京地検特捜部は19日、安倍派の会計責任者と二階派の元会計責任者を政治資金規正法違反(虚偽記載)の罪で在宅起訴し、岸田派の元会計責任者を同罪で略式起訴した。議員やその秘書らも含めると、この日は計8人を立件。地検の新河隆志次席検事は夕方に臨時の会見を開いて、事件を総括した。主なやりとりは以下の通り。 ――特捜部の処分に関して、特捜部副部長のレク(説明)ではなく、次席が会見する意味は。 特捜部の事案は副部長が説明をすることが多いが、社会的関心が高く、一定程度説明する必要があると考え、私が説明させていただくことになった。 ――安倍派の事務総長経験者らの刑事処分はしていない? その通り受け取っていただいて結構だ。捜査は終了? ――捜査はこれで終わりか。 (1月7日に特捜部が逮捕し…Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

北海道新幹線、青函トンネル内初の260キロ走行 大型連休の5日間

 JR北海道は19日、今年のゴールデンウィーク期間中に、北海道新幹線の青函トンネル内での速度を時速160キロから260キロに引き上げると発表した。青函トンネル内を整備新幹線区間の設計上の最高速度260キロで走行するのは初めて。東京―新函館北斗間は最速3時間52分となり、現行より5分短縮される。 実施するのは4月29日、5月4~7日の計5日間で、いずれも始発から午後3時半ごろまで。 北海道新幹線は青函トンネルでは貨物列車と線路を共用しており、高速ですれ違うと貨物の安全性に影響が出るため、時速160キロに減速している。ただ、新幹線の高速化に向けて、貨物列車の本数が少ない年末年始や大型連休に試験的に速度を引き上げてきた。これまでの最高は時速210キロだった。 今回、システム改修などの準備が整ったため、時速260キロに引き上げる。時速210キロの際は東京―新函館北斗間が最速3時間54分だったが、それより2分短縮される。(新田哲史)Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

市長パワハラ アンケ回答の職員6割が「見聞き」、2割は「受けた」

 福岡県宮若市の塩川秀敏市長(75)による市職員へのハラスメント行為が指摘されている問題で、市職員労働組合が職員を対象に実施したアンケートの結果、回答した約140人のうち約6割が市長のハラスメントを「見聞きした」と答え、約2割が「(自分が)受けた」と答えたことが、関係者への取材でわかった。 市議会は23日に予定する3回目の調査特別委員会(百条委)で、主にこのアンケートをもとに塩川市長への質問項目を集約。近く証人尋問し、パワーハラスメントなどの行為が実際にあったどうかを調べる。 関係者によると、アンケート…Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

輪島朝市の現場「あの時と同じ」 阪神大震災で救助活動の消防隊員

 能登半島地震で大火に見舞われた「輪島朝市」(石川県輪島市河井町)の捜索現場に、29年前、阪神淡路大震災の火災で救助にあたった消防隊員の姿があった。 神戸市消防局本部特殊災害隊長の高村浩二さん(56)。1月17日、東京、神奈川、兵庫の3県から派遣された緊急消防援助隊約160人の一人として捜索にあたった。 この一帯では約5万800平方メートル、建物は約300棟が焼損したと推定され、少なくとも10人の遺体が見つかっている。 1995年1月17日早朝、26歳だった高村さんは勤務していた須磨消防署(神戸市須磨区)で大きな揺れに襲われた。 外に飛び出すと、多くの家が崩れていた。助けを求める声を聞き、救助を始めた。夜には長田区から燃え広がった火災の消火活動に加わった。 だが、家がつぶれ、一目で「手に負えない」とわかり、家族と思われる人に「ごめんなさい」と伝えて離れざるを得ない現場がいくつもあった。「悔しさを押し殺すように『わかりました』と言われた。後ろ髪を引かれる気持ちでした」 「あのとき助けた命も、助けられなかった命もある。でも助けられなかった命の方が心の中ですごく大きくて。その悔しさがこの仕事を続ける原点でもあります」 高村さんら兵庫県の消防隊員45人は活動初日の17日、石川県能登町にある拠点で二つの震災の犠牲者に黙禱(もくとう)を捧げた。 輪島へ向かう道中、崩れた山や家を見ると、29年前の緊迫した思いがよみがえってきた。 目の当たりにした輪島の現場は、家屋が燃え尽き、一面の焼け野原だった。「あのときの神戸と同じだ」。どこからどこまでが安否不明者の家なのかも判別が難しく、ドローンで重点的に捜索する場所を確認しながら、隊員を指揮した。「一刻も早く見つけて、家族の元へ帰してあげたい」 高村さんらは19日まで救助活動を続けた。「全国から神戸を助けてもらったように、一人でも多く助けていきたい」(黒田陸離)Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

聞き間違え 誤って復唱……16年前に重大事案頻発、教訓生かせたか

 東京・羽田空港の滑走路で日本航空(JAL)と海上保安庁の航空機同士が衝突、炎上し、5人が死亡した事故。過去にも、離着陸時の管制官と操縦士の交信をめぐり、大事故につながりかねない事例がたびたび起きていた。これまでの運輸安全委員会の調査報告書から今回の事故との共通点を探った。 国土交通省が公表した交信記録によると、今回の事故では、飛行場管制(タワー管制)の管制官は海保機に滑走路手前まで走行するよう伝え、海保機も復唱。しかし、海保機は滑走路に進入した。海保機の機長は事故後、海保の聞き取りに「進入許可が出ていると認識していた」と答えたという。ただ、公表された交信記録には管制官が進入許可を出したことは確認されていない。国交省は「記録を見る限り、進入許可は出ていない」としている。タワー管制との交信に切り替える前の地上管制(グランド管制)とのやりとりは公表されていない。 誤進入を防ぐための対策は、過去に議論されていた。2007年9月~11月に大阪(伊丹)、関西、中部の各空港で誤進入が相次ぎ、いずれも航空機同士の衝突の恐れなどがあったとして、運輸安全委が「重大インシデント」と認定。調査報告書が公表されている。「滑走路手前で待機」、操縦士復唱するも誤進入 調査報告書によると、同年11月11日午後1時すぎ、中部空港で、中国南方航空機が離陸のため、滑走路に向かっていた。「hold short of runway 36(滑走路36手前で待機)」。管制官がこう指示し、中国機も同じ内容を復唱した。ところが同機は停止線を越え、滑走路に向かおうとした。 このときは管制官が中国機の…Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

「地震後、初めてこんなに遊んだ」 在宅避難の親子が集う場、七尾に

 友達と会えない、思う存分外で遊べない――。能登半島地震の被災地では、学校などの再開のメドが立たない地域もあり、在宅避難の子どもにも大きな負担がかかっている。保護者も子どもとともに家にこもり、孤立している人も少なくない。そんな親子がストレスを発散し、つながれる場を作ろうと、石川県七尾市で母親グループが動き始めた。「外にめっちゃ出たかった」 気持ちよく晴れた11日、同市の能登歴史公園の芝生広場に、笑い声が響いた。小学生の親子を中心に計100人ほどが集い、子どもたちは思い切り走ったり、ボールを蹴ったり。大人も近況を語り合って笑顔をみせていた。 「外にめっちゃ出たかった。地震後、初めてこんなに遊んで疲れたけど、楽しい」 そう声を弾ませたのは、5人ほどでサッカーをしていた中学1年の男子生徒。自宅周辺は泥やがれきが多く、外で遊べない。学校がないので自宅でゲームをして過ごす時間が長くなっているという。小学1年の男子児童は「友達と会いたい。早く学校が始まってほしい」。 座って友達と話していた中学3年の女子生徒はこう話す。「外は危ないからダメと怒られるけど、家でゲームをしていると『外に行け』と怒られる。どこに行けばいいの?」子はイライラ、親もストレス 外遊びを企画したのは、七尾…Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

14歳が22歳に指示、渋谷駅に不審物置いた容疑 「恒心教」と供述

2024年1月19日 16時38分 東急東横線の渋谷駅に不審物を置いて駅員らの業務を妨害したとして、警視庁は山梨県笛吹市の中学生の少年(14)を威力業務妨害容疑で書類送検し、住居不定、無職の東翔也容疑者(22)を同容疑で逮捕し、19日に発表した。2人とも容疑を認めているという。 捜査1課によると、2人は共謀して昨年8月25日午後2時40分ごろ、同駅のホームに「シャブの件と設置したbombに関して」などと書かれた文書を貼った段ボール箱を置き、駅員らに通行人の安全確保をさせるなどして業務を妨害した疑いがある。 少年は、ネット掲示板で10万~50万円で「闇バイト」を募集し、応じた東容疑者に指示していたという。少年は、ネット上で特定の弁護士への嫌がらせなどをする「恒心(こうしん)教」を挙げ、「恒心教のコンテンツを盛り上げたかった」と供述。段ボールにはこの弁護士の顔写真が貼られていたという。10万~50万円で「闇バイト」募集、報酬支払われず 2人に面識はなかった。報酬は支払われなかったという。2人は都外でも同様の事件に関与したと同課はみている。 昨年には岡山県内や札幌市内で不審な段ボールが置かれる事件があり、闇バイトに応募した女らが逮捕された。 恒心教をめぐっては昨年1~5月、全国の学校や自治体、企業への爆破予告が相次ぎ、警視庁が20代の男2人を威力業務妨害などの疑いで逮捕し、起訴されている。有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 【締め切り迫る】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

富山名物ホタルイカ、能登地震でピンチ 定置網に被害、迫る水揚げ

 富山湾の名物・ホタルイカの水揚げ港の一つとして知られる富山市の水橋漁港が、能登半島地震で深刻な被害を受けている。沖合の定置網が使えなくなり、港の施設にも亀裂が走っている。3月からのホタルイカ漁に向けて、漁業者たちは復旧作業を続けるが、例年通りの水揚げは期待できない状況だという。 水橋漁民合同組合は通常、富山湾の5カ所の定置網でホタルイカなどの漁をする。今季も昨年12月30日、2カ所で網を整えて、アジやスルメイカを水揚げし、年明け4日に初競りをする予定だった。 しかし、組合によると、地震を受けて網を固定する海底のいかりがさらに深い場所へと落ちるなどの被害が続出。すでに網を準備した2カ所のうち、1カ所はほぼ壊れてしまった。もう1カ所も3分の1ほどが壊れたという。ほかの3カ所でも設備に被害が出ており、すぐに網を整えることができない。 組合によると、わかっているだけでも被害額は約7千万円に達し、さらに増えるのは確実だという。 そして、年間の漁獲高2億円の8割を占めるホタルイカ漁が3月に迫る。組合では当面、定置網2~3カ所を復旧し、操業していく予定だ。安倍久智(ひさのり)組合長(43)は「とりあえず漁業再開に向け、最低限の資材を計算しつつ動いている」と話す。 一方、漁港の被害も深刻だ。あちこちに亀裂などが見られる。荷さばき施設は建物と護岸の間に大きな段差ができ、立ち入り禁止になった。水揚げまでに仮の施設を整備する必要があるという。 安倍組合長は「年明けから操業ができていない。行政もいろんなことを考えてくれてありがたいが、問題だらけで一つも解決できていない。組合員の生活もある」と、早期の支援を求めている。(大谷秀幸)     ◇ 富山県漁業協同組合連合会(道井秀樹会長)は18日、県庁で新田八朗知事に能登半島地震に伴う漁業被害に関する要望書を提出した。連合会によると、17日現在で漁船や漁具の被害は36件、2億6500万円で、更に増えるという。 要望書では、漁港、市場などの関連施設や漁船、漁具に深刻な影響が生じているとして①漁港など公共施設の速やかな復旧②漁船・漁具の復旧に必要な支援措置③荷さばき所など共同利用施設の復旧に必要な支援措置を求めた。仲買人や加工業者への支援も求めた。 道井会長は「かつてない被害で、大変な事態に陥っている。一日でも早い復興をめざして頑張りたい。ぜひともお力添えを」と訴えた。新田知事は「『寿司(すし)と言えば、富山』で売り出し中だが、基盤が揺らいでいるところなので、漁業者や漁協としっかりスクラムを組んで難局を乗り越えていきたい」と述べた。(大谷秀幸)Source : 社会 - 朝日新聞デジタル