社会

僕らゲイは気持ち悪くない カミングアウトで後悔と感謝

 男子が好きかも――。ユウスケさん(仮名、35)がそう感じ始めたのは18歳のころだった。  20歳のときに「ゲイ」とカミングアウトして、今の職場も全員が知っている。「自分たちは気持ち悪くない。いて当たり前の存在になりたい」  小学4年生のとき、初めて彼女ができた。このときは女の子が好きだった。  しかし、高校3年生になると、少しずつ違和感を覚えた。周りが女性アイドルの話をしている中、自分が好きなのは同世代の男性ユニットだった。  恋愛では女子に告白したこともあった。でも、どうしても男子が気になる。  「自分は病気や精神異常かもしれない」。そう思うと、周囲に言うのがためらわれた。一人でもんもんとしている日々が続き、胸が張り裂けそうだった。 一人ひとりの性の多様性が尊重され、多様な生き方を認め合う社会を実現させようと、三重県が新たな条例の制定をめざしています。性のあり方にかかわらず、だれもが安心して暮らせる社会とは。性的少数者や、その周辺にいる関係者を通じて考えます。  20歳の初夏、家庭教師のアル… 【1/25まで】デジタルコース(月額3,800円)が今なら2カ月間無料!詳しくはこちら Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

記録的大雪続く 福井・富山・新潟が自衛隊に派遣要請

 大雪は北陸を中心に10日も続き、24時間で最大50センチ以上の降雪量を各地で観測した。気象庁によると、72時間では10日夜までに最大で新潟県上越市で187センチ、岐阜県白川村で162センチ、富山県砺波市で138センチなど、10以上の観測地点で史上最多となった。福井県内の北陸自動車道では一時、約1千台が立ち往生。富山県の東海北陸自動車道でも200台超、新潟県の国道8号でも最大約250台が一時立ち往生した。福井、富山、新潟の3県は自衛隊に災害派遣を要請した。  積雪の深さは上越市で最大3メートルを超えるなど、2メートル以上となる地点が相次いだ。石川県輪島市や富山県氷見市、鳥取県境港市では平年の7倍以上となっている。  今回の大雪では北陸を中心に「日本海寒帯気団収束帯(JPCZ)」と呼ばれる現象が起き、短時間で降雪量が増えた。別方向から流れてきた冷たい風が日本海上でぶつかり、雪雲が発達。帯状になって局所的に流れ込み続け、大雪をもたらした。  10日夜には能登半島付近で低気圧が発生。強い冬型の気圧配置が続いている影響と合わせ、北陸を中心に11日朝まで短時間での強い雪となる恐れがある。交通の乱れや農業施設の被害に厳重な警戒が必要という。特に新潟、石川両県では除雪が困難なほどの積雪となる恐れがあり、気象庁は不要不急の外出を控えるよう呼びかけている。  総務省消防庁によると、7日から10日午後5時までに、大雪で死者3人、けが人201人が確認されている。住宅の被害は計239棟。富山県氷見市と岐阜県郡上市の集落が倒木や積雪により孤立しているという。 Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

北陸道、バスはまだ足止め「こんなに動けないなんて」

 「見通しが全く立たない。こんなに動けなくなるなんて……」。所属するフットサルチームの遠征試合を終え、北陸自動車道で帰路についていた福井県坂井市の会社員女性(18)は、取材にこう話した。9日夜に福井北インターチェンジ(IC)付近で貸し切りバスが立ち往生。10日昼になって現場に除雪車が到着し、乗用車は動けるようになったが、車体が大きなバスは10日夕時点でも足止めされたまま。「抜け出せるかと思ったのに」  福井県の北陸道では10日午前、上り下り合わせて一時千台余りが立ち往生に。中日本高速道路金沢支社によると、9日午前11時半ごろ、上り線丸岡ICから福井北IC間で大型貨物自動車の単独事故が発生。後続の車両が動けなくなったことを機に、立ち往生が始まったという。その後北陸道で動けなくなった車両は最大で、上り線金津IC―丸岡ICで430台、下り線の福井IC―福井北ICで640台にのぼった。  名古屋市から金沢市の実家に向かっていた会社員男性(33)は、9日午後7時半ごろから丸岡ICの手前約3キロで足止めに。満タンだったガソリンが半分ほどに減り、10日朝からはエンジンを切ってしのいだ。昼過ぎに自衛隊が現場に駆けつけ、車列が動き出した。20時間ほど身動きが取れなかった男性は「いつ帰れるか不安だったのでホッとした」。  坂井市のトラック運転手の男性… 【1/25まで】デジタルコース(月額3,800円)が今なら2カ月間無料!詳しくはこちら Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

お母さんと妹へ「帰って来たよ」 父と2人きりの成人式

 「お母さん、汐凪(ゆうな)。帰ってきたよ」  福島県大熊町。木村舞雪(まゆ)さん(19)は6日、小高い丘の上にある小さな慰霊碑の前で手を合わせた。  「私、大人になるんだよ」。心の中で呼びかけた。  周りにはたくさんの花やジュース。津波で亡くなった家族のため、父の紀夫(のりお)さん(55)がつくった碑だ。  東京電力福島第一原発から約4キロ。あたりは放射線量が高い帰還困難区域で、いまだ人は住めない。  「汐凪とは、おもちゃを取り合ってよくケンカしたなあ」。舞雪さんが、白い息を吐いた。 おそろいのマフラーと小さな骨  2011年3月11日。舞雪さんは近くの熊町小学校に通う4年生だった。  津波で海沿いの自宅が流された。母の深雪(みゆき)さん(当時37)と小学1年だった妹の汐凪さん(同7)、祖父の王太朗(わたろう)さん(同77)が行方不明になった。発生した原発事故で、舞雪さんと父は町から避難を強いられた。  翌月、母と祖父の遺体が見つかった。でも、妹だけが見つからない。  舞雪さんたちは、約300キロ離れた長野県白馬村に避難。父は汐凪さんを捜すため、毎週のように舞雪さんを車の助手席に乗せて、大熊町に通い続けた。  16年12月。自宅近くのがれきの中から、マフラーとともに首とあごの小さな骨が見つかった。  「このマフラー、覚えているか」  「うん、私とおそろいのマフラーだ」  DNA鑑定で妹の遺骨だとわかった。それを聞いた舞雪さんは黙ってうなずいた。…

コンビニの棚は空、おにぎり入荷なし 大雪の北陸市街地

北陸や東北など日本海側は10日も記録的な大雪に見舞われた。  大雪で物流が滞り、各地は食品も品薄になった。  10日、富山市中心部のコンビニエンスストア。おにぎりとサンドイッチ、総菜、菓子パンの棚が空になり、棚には「ご迷惑をおかけしております」との貼り紙があった。男性店員によると、9日はまったく商品が入らず、10日未明にサンドイッチなどが入荷したがすぐに売り切れ。おにぎりは入荷のめどがまったく立たないという。  福井県内で約40店舗のスーパーを展開する「ハニー」(本部・福井市)によると、多くの店舗で食料品全般が品薄になっているという。福井県災害対策本部によると、一部の商業施設で従業員が出社できず、開店時間を遅らせた。  一方、同県あわら市は国道8号を走る車のドライバーらへの支援物資として、弁当300個、2リットルの水が入ったペットボトル300本を配っているという。  金沢市では除雪後の雪を集める場所が不足し、市が臨時の「排雪場」を3年ぶりに開設。市中心部の自宅前を除雪していた高齢の男性は、車の高さを超えて積まれた雪山を前に「連日雪かきをせざるを得ず、もう雪を寄せる場所がない」と嘆いた。(竹田和博、大西明梨、八百板一平、堀越理菜) Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

記録的な大雪、なぜ起きた 識者「あと1カ月は…」

 北陸地方を中心とした記録的な大雪はなぜ起きたのか。気象庁によると、原因の一つとみられるのは「日本海寒帯気団収束帯」(JPCZ)という現象だ。  冬型の気圧配置が強まり、中国大陸から強い寒気が流れ込む際、冷たい風が朝鮮半島の白頭山など標高の高い山脈にぶつかっていったん二つに分かれ、海上の水蒸気の供給を受けながら日本海上で合流することがある。帯状の雪雲になり、狭い範囲に入り込んでいく。  これがJPCZと呼ばれる現象で、これによる雪雲が今月7日から断続的に北陸地方に入りこみ、大雪につながったと考えられる。  防災科学技術研究所の上石勲・雪氷防災研究センター長(雪氷防災)は「JPCZが本州にぶつかる位置や曲がり方によって、大雪をもたらすことがある。山側に大雪をもたらすことが多いが、今回は風向きなどによって、沿岸部でも大雪が降ったのだろう」と話す。  今後の見通しについては、「あと1カ月ほどは降雪しやすい状態が続くと考えられる。次の雪に備えて早めに雪をどかしておく必要がある」と話す。「被害のあった地域では高齢化が進んでいることもあり、疲れている人も少なくないだろう。事故がないよう慎重に作業を進めてほしい」と呼びかける。(小川裕介) Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

2度目の宣言 苦悩する渋谷・のんべい横丁の店主たち

 昨春以来、二度目の緊急事態宣言下となった東京・渋谷駅ガード横の飲食街「のんべい横丁」。肩を寄せ合いながら飲み交わす狭小な店舗が売りだ。新型コロナウイルス感染症の感染拡大、営業の時短要請に店主たちは苦悩しながら常連客を迎えていた。  7日夜夕方から日付が変わるまで。昭和の香が残る横丁で生きる人々の姿を追った。(遠藤啓生) Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

写真の少年は20歳になった 読み返す高倉健さんの手紙

 宮城県気仙沼市の震災遺構・伝承館の一室。縦2メートル、横1・2メートルの写真がプリントされた壁掛けがある。  「水を運ぶ少年」。がれきの中を歩く男の子。両手に大きなペットボトルを持ち、口をぎゅっと結んでいる。10年前の東日本大震災後、市内で通信社のカメラマンが撮った。訪れた修学旅行生らが足を止め、いたいけな表情に見入る。  「改めて見てもびっくりするほど大きい写真ですね。当時を語り継ぎ、忘れないために使われるのなら」 「あなたの写真を台本に...」  展示された自分の姿を見て松本… 【1/25まで】デジタルコース(月額3,800円)が今なら2カ月間無料!詳しくはこちら Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

国内で新たに6095人が感染 重症者は最多の852人

 新型コロナウイルスの国内の感染者は10日、午後9時半現在で新たに6095人が確認された。死者は45人だった。厚生労働省によると、全国の重症者は9日時点で前日より25人多い852人となり、過去最多を更新した。  東京都は1494人で、4日ぶりに2千人を下回ったが、感染者数が少なくなる傾向にある日曜日としては初めて1千人を超え、過去最多となった。  年代別にみると、20代が403人と最も多く、30代が261人、40代が236人、50代が201人と続いた。10代以下も143人に上った。65歳以上の高齢者は182人だった。「人工呼吸器か体外式膜型人工肺(ECMO(エクモ))を使用」とする都基準の重症者数は過去最多だった前日より1人減って128人だった。  神奈川県によると、県内の即応可能病床の利用率は重症用94%、中等症用(軽症含む)85%。県は「新規感染者の入院受け入れの調整が困難になっており、27日ごろ患者数が病床数を超えそうだ」としている。  また、福島県と静岡県では、感染者数が過去最多を更新した。緊急事態宣言を出すよう政府に要請した大阪府は532人で5日連続で500人を超え、京都府は過去最多より1人少ない146人だった。 Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

寒波で電力需給逼迫、大手らが暖房以外の節電呼びかけ

 年末から続く寒波で全国的に電力需給が逼迫(ひっぱく)していることを受け、大手電力10社でつくる電気事業連合会(電事連)は10日夜、沖縄を除く全国の家庭や企業などに対し、日常生活に支障のない範囲での節電への協力を呼びかけた。暖房はこれまで通り使い続けたうえで、照明やその他の電気機器の使用を控えるよう求めている。  沖縄電力を除く各地域の大手電力も同日、個別に節電協力の呼びかけを始めた。電事連によると、今回の呼びかけは法令に基づくものではなく、電力業界や事業者としての自主的な呼びかけだという。  電事連によると、年末以降、全国的に厳しい寒さが続いて電力需要が大幅に増えた。8日には、西日本を中心に全国7エリアで、最大需要が10年に1回程度と想定される規模を上回ったという。  停電を防ぐため、全国の電力需給の調整役である国の電力広域的運営推進機関は、大手電力間で電力を融通しあうよう求める指示を頻繁に出している。各社も発電所をフル稼働させている。  だが、古い火力発電所の故障が心配されており、火力発電の発電量の増加で燃料となる液化天然ガス(LNG)の在庫が不足するリスクも高まっている。3連休明けの12日は全国的に悪天候が見込まれ、電力需給がさらに悪化する可能性があることから、節電協力を急きょ呼びかけた。(桜井林太郎) Source : 社会 - 朝日新聞デジタル