立憲民主、国民民主両党は9日閉会の臨時国会で統一会派を組み、安倍晋三首相主催の「桜を見る会」の問題追及では共産党とも足並みをそろえた。国会閉会中も結束を維持して政権を揺さぶる構えだ。一方、来年の通常国会に向けては立民が国民や社民党などに呼びかけた合流構想の行方が焦点となる。特に国民には慎重論が根強く、混迷が表面化する可能性がある。(千葉倫之、千田恒弥)
「不信任に値するのは言わずもがなだが、(桜を見る会の話題を通常国会まで)どうつないでいくかを主眼に置いた方がよい」
立民の安住淳国対委員長は9日、内閣不信任決議案の提出を見送った理由を記者団にこう説明した。
決断の背景には、桜を見る会をめぐる野党の質問書に対し、閉会中に開かれる内閣委員会理事会で政府が報告するとの与党との合意があった。数の力で内閣が「信任」されて追及の機運がしぼむよりも、攻勢の場を確保することを優先した形だ。立民関係者は「不信任案の原稿すら用意していなかったのだから出しようがない」と述べ、見送りが既定路線だったと明かす。
一方、国民は閉会日に衆参両院議員による総会などを開き、合流構想をめぐる党内協議に着手した。玉木雄一郎代表は7月の参院選で立民と対立して合流に慎重な参院のメンバーを念頭に意見集約を丁寧に進める考えを表明。立民の枝野幸男代表には「衆参一体」「対等な協議」「参院での信頼醸成」の3条件を提示したと説明した。執行部は地方組織の意見なども踏まえ、改めて所属議員から意見聴取する場を設ける方針だ。
ただ、国民が掲げる3条件のクリアは簡単ではない。玉木氏は「対等な協議」の対象として「党名、政策、人事、組織」を挙げたが、立民が党名変更に応じる気配はない。両党間で開きがある原発や憲法など基本政策に関しても枝野氏は党会合で「これまで訴えてきた理念、政策を貫く」と表明しており、調整には否定的だ。
最も解消が難しそうなのが参院における感情のもつれだ。臨時国会では統一会派の人事や、どちらの議員が本会議の質問を担当するかなどをめぐり激しく対立した。国民の参院中堅は立民側の対応を「温厚な自分でも腹が立った」と振り返るなど、「信頼醸成」とはほど遠いのが現実だ。
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Source : 国内 – Yahoo!ニュース