「一枚の段ボールでも」 避難所での寒さ対策 札幌市はストーブ倍に

 地震が起きた時、どう寒さを防げばいいのか。能登半島地震では、寒さにより命を失った人も少なくなかった。警察庁によると、「低体温症・凍死」の死因が32人(1月30日時点)。冬が長く、平均気温が零下となる北海道でも、寒さ対策は深刻な課題だ。

 元日、石川県珠洲市の大谷小中学校には約400人が避難していた。道路が通行できず、「孤立状態」で助けは来ない。午後10時には零下となり、気温は下がり続けていった。

 避難所の運営に携わる丸山忠次さん(69)は、教室のカーテンやブルーシート、体育の授業などで使うマットなどで、寒さをしのいだと振り返る。避難者が自宅から持ち寄った灯油ストーブや毛布をみんなで使った。「寒さは我慢するしかなかった」。地震の影響で避難所の窓が割れたり、扉が壊れなかったりしたことが救いだった。

 一方、愛知県から帰省していた男性(52)は、車中で夜を過ごした。避難所に指定された体育館に行ったものの、段ボールベッドはわずかしかない。マットに横になったが、底冷えを感じた。

 「いびきをかくので周りに迷惑をかけてしまう。隣の人と手も当たる状態で、車内の方が気楽だった」と話す。

 ラジオで情報収集をする以外は、ガソリンを節約するため、エンジンは切った。自宅から持ってきた毛布をかけ、一夜を過ごした。朝起きると、足が冷たく、痛い。「凍傷になっているかもしれない」。靴を脱ぎ、手で足をほぐすと、少しずつ感覚が戻ってきた。

零下の避難所の可能性も その時どうする?

 能登半島地震の取材を通して、記者が北海道内での寒さ対策の現在地を追いました。キッチンカーでの温かい食事の提供を検討をしている自治体もあります。後半では、自分で出来る寒さ対策を識者に聞きました。

 翌日からは座席にあぐらをか…

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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