「本物の社長つれてきて」「お前どっち派?」女性社長が変えた町工場

 およそ6千の町工場がある大阪府東大阪市。NHKの朝ドラ「舞いあがれ!」の舞台に、女性社長は数えるほどしかいない。

 草場寛子さん(49)は「盛光SCM」という町工場の3代目社長である。プレス加工など高い加工技術を持ち、下請けだけでなく自社ブランドの照明器具も作っている。

 家業は弟が継ぐものだと思って育った。それでも地元の町工場のおっちゃんたちを支える仕事がしたいと、簿記学校で勉強し、税理士事務所に入った。33歳で父の会社の経理を見るようになる。

 ほどなくリーマン・ショックがやってきた。2008年秋。もともと良くなかった家業の業績はガタ落ちで大赤字。巨額の借入金をかかえた。2代目社長である父が、その連帯保証人になっていた。

 草場さんは父に提案した。

 「私と弟で再建できるようがんばる。見守ってくれへん?」

 35歳で社長になる。ただし、あくまでも弟が力をつけて社長になるまでの中継ぎ、だった。

 町工場には珍しい女性社長である。取引先から、面と向かってこう言われた。

 「製造業の現場、知らんやろ。寛子ちゃんにはムリや」

 〈寛子ちゃんはないやろ〉と…

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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