さらに150万円の収賄容疑で元医長再逮捕へ がん研東病院汚職事件

 国立がん研究センター東病院(千葉県柏市)の元医長が、特定の医療機器メーカーの製品を使う見返りに現金約170万円を受け取ったとして逮捕された事件で、警視庁は、同様の趣旨で別に約150万円を受け取ったとして、元医長の橋本裕輔容疑者(47)を12日にも収賄容疑で再逮捕する方針を固めた。捜査関係者への取材でわかった。

 捜査関係者によると、橋本容疑者の再逮捕容疑は、同病院肝胆膵(かんたんすい)内科医長だった2020年、カテーテル治療で使う医療機器「ステント」について、19年度にゼオンメディカル社(東京都千代田区)の製品を他社製より多く使った見返りに同社側から計約150万円を受け取ったというもの。

 橋本容疑者は19~20年度の2年間、ステントの有効性などを調べる「市販後調査」(PMS)の実績に応じ、対価を得る契約を同社と締結。19、20の両年度にそれぞれ百数十本のステントを使ったとして対価を得ていた。

 警視庁は調査の実態はなかったと判断。今年9月、20年度分の対価として約170万円を受け取った収賄容疑で橋本容疑者を逮捕し、贈賄容疑で元社長の柳田昇容疑者(67)を逮捕した。その後の捜査で19年度分の対価約150万円も同様に賄賂と判断した。19年度分では贈賄罪は3年の公訴時効が成立している。

 同社内でこうした調査は「みなしPMS」と呼ばれ、柳田容疑者が対価の支払いを承認していたという。警視庁は会社ぐるみで不正な資金提供を繰り返したとみている。(山口啓太、福冨旅史)

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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