性自認や性的指向「教育で誘導できぬ」 台東区教委、議員発言で見解

 台東区の松村智成区議(自民党)が「偏向した教材や偏った指導があれば(子どもを)同性愛に誘導しかねない」と発言した件をめぐり、12日、区議会の決算特別委員会で質疑があった。

 教育委員会の担当者は「性自認や性的指向は誘導できるものではない、と認識している」と答弁した。

 青柳雅之区議(立憲民主党)が、「指導によって同性愛に誘導できるのか」と教育委員会の認識を質問。担当者は、性に関する指導は教職員で共通理解を図り、養護教諭や外部機関とも連携しながら「児童生徒が正しい理解を身につけられるようにする」としたうえで、教育によって性自認や性的指向は誘導できない、との認識を示した。

 9月20日の区議会一般質問での松村区議の発言をめぐっては、「科学的根拠がない」「差別的発言だ」などと批判が上がった。区議会自民党会派は今月6日、一部に配慮に欠ける表現があったとして、26日に開かれる本会議で松村区議が謝罪し、発言の一部を取り消すと発表している。

 松村区議が副委員長を務める区民文教委員会では、3日に同様の質問があったが、教委は「(教育で)性的指向について誘導ということは考えていない」と述べるにとどまった。その後に内部で議論し、性的指向を「人の意思によって選択、変更しうるものではない」とした札幌地裁判決などを踏まえ、今回の答弁に至ったという。(宮野拓也)

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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