みかじめ料を脅し取られたなどとして愛知県内の男性が指定暴力団山口組側に損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が14日、名古屋高裁であった。松村徹裁判長は暴力団対策法に基づく使用者責任などを認め、山口組トップの篠田建市(通称・司忍)組長と傘下組織幹部に47万円の支払いを命じた一審判決を変更し、賠償額を751万円に増額した。
判決によると、原告男性は2005~16年に計10回、約770万円を組側に徴収された。訴訟ではこれらの徴収について損害賠償を請求できる民法上の時効(3年)の成否が争点となった。
高裁は大半の徴収は時効が過ぎているとしつつ、組側からの脅迫で「合理的対応ができる心理状態ではなかった」と認定。賠償請求に踏み出せなかったのは「違法なみかじめ料の要求に原因があった」と指摘した。
その上で「組側が時効の成立を主張することは権利の乱用で許されない」と判断。時効成立分を含む9回の徴収が違法だとして賠償を命じた。一審・名古屋地裁判決は時効成立分を除く2回分しか賠償を認めていなかった。
原告弁護団によると、権利の乱用を理由に組側の時効成立の主張を退けた判決例は同種訴訟では初めて。弁護団は「支払いから時間が経ち、泣き寝入りしてしまっている被害者に希望を示す判決だ」と評価した。
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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