入国拒否すでに手遅れ?中国に配慮、後手に回ったWHO

 新型コロナウイルスの感染拡大をめぐり、世界保健機関(WHO)は緊急事態を宣言した。すでに感染者が確認された国や地域は20以上に上り、対応が後手との見方も強い。一方、政府は中国・湖北省滞在者の来日を拒否するという対応を打ち出したが、専門家からは効果を疑問視する声もあがる。

 「さらにウイルスが広がるのを防ぐため、私たちはともに行動しなければならない」。世界保健機関(WHO)のテドロス・アダノム事務局長は30日夜(日本時間31日未明)、世界に向けて呼びかけた。

 この日までに確認された患者は約1万人。患者は中国国内の患者が99%を占めるが、ドイツやイタリア、インドなどにも拡大。テドロス氏は「最大の懸念は、医療態勢が脆弱(ぜいじゃく)で対処する準備が整っていない国でウイルスが広がることだ」と述べ、そうした国への支援や、ワクチン開発の推進などを求めた。

 一方で「海外旅行や貿易を不必要に制限するよう勧めるものではない」とし、「根拠に基づいた一貫性のある決定をするよう、すべての国に求める」とも強調した。

 宣言を受け、WHO事務局長は今後、関係国に感染拡大を防ぐための措置などを勧告できる。従わなければ国際社会で批判を受ける。WHOで感染症対応の専門官を務めた中島一敏・大東文化大教授は「深刻な状況を共有し、さらなる国際的な協力を促す効果はある」という。

 ただ、中国国内で感染が広がる…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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