入管法改正「家族がバラバラに」 25歳のクルド人男性、国会で訴え

 難民申請中でも外国人を送還できるようにする入管難民法の改正案を審議している参院法務委員会で25日、一昨年まで在留資格のない仮放免者だったトルコ国籍のクルド人、ラマザンさん(25)が参考人として招かれ、意見を述べた。

 ラマザンさんは9歳のとき、両親や弟とともに来日した。トルコでは安全に暮らせないとして、日本で難民としての保護を求めたが認められず、父親は2回、入管施設に収容された。

 ラマザンさんは仮放免のまま、埼玉県で小学校から高校まで卒業。通訳になりたかったが、在留資格がないことを理由に英語の専門学校への入学を断られ、進路を変更して自動車整備士の資格を取った。国を相手取って提訴し、2021年に在留特別許可を得た。

 両親や日本生まれの妹は難民申請中で、今も在留資格がない。

 この日の参院法務委では、「法案が通ったら家族が送還され、一家がバラバラになるのではないかと不安で、とても怖い」と語った。

 入管法の改正案は、衆院を通過し、参院での審議も大詰めを迎えている。ラマザンさんは訴えた。「私たちの立場になって考えてください。仮放免のため健康保険証も住民票もなく、働くこともできない。子どもだけ在留資格を与えられても、親と離ればなれでは生活できない。帰国しても生きていけないから日本にいたいと願う人たちのことを真剣に考え、難民の命と人生を守ってほしい」(編集委員・北野隆一

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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