入院患者への虐待容疑 東京都が調査4回、確認されず 八王子の病院

本多由佳

 入院患者の頭を殴ったとして、東京都八王子市の滝山病院の看護師の男が警視庁に暴行容疑で逮捕された事件で、都が昨年、少なくとも同病院を4回調査したものの、虐待は確認されていなかったことが分かった。看護師が逮捕された後の今月15日に都は改めて臨時の立ち入り検査をし、状況をさらに詳しく調べている。

 都によると、都は昨年5月、「滝山病院で虐待が行われている」との情報提供を受けて病院側に聞き取り調査をした。その後、6月に年1回の定期立ち入り検査を実施。さらに9月と10月にも聞き取り調査をした。6月の検査時に人権・倫理研修が不十分だったとして「口頭指導」をしたものの、4回全てで虐待の事実は確認されなかったという。

 同病院をめぐっては、被害者側の代理人弁護士が16日、「虐待がまん延している可能性が高い」として都に調査を申し入れた。申入書では、死亡による退院の比率が著しく高いと指摘されている。

 警視庁によると、14日に逮捕された50代の看護師の男は昨年4月に同病院精神科の入院患者の頭をたたいた疑いがある。同庁は、男ら計4人が複数の患者を殴るなどしていたとみて調べている。(本多由佳)

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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