名古屋刑務所の受刑者「職員に不満」 外部委が3月に指摘 暴行問題

仲川明里

 名古屋刑務所(愛知県みよし市)の刑務官による暴行問題で、刑務所の運営をチェックする「刑事施設視察委員会」が3月、職員の言動や応対について受刑者の不満が相当数みられると指摘していたことがわかった。刑務所側は「不当な対応はなかった」と答えたが、実際には2021年11月上旬~今年8月下旬に刑務官22人が受刑者3人に暴行を繰り返していた。刑務所側の当時の対応の是非が問われそうだ。

 視察委は刑事収容施設法にもとづき全国の刑事施設に設置され、弁護士や医師らで構成。法務大臣は視察委が施設トップに指摘した問題点などを毎年公表することになっている。

 9月に公表された報告書によると、同刑務所の視察委は3月16日、職員の応対への不満の中には「職員の具体的な氏名を指摘するものが複数みられた」などと指摘。刑務所側は内部調査の結果「収容者への不当な言動や対応などはなかった」と回答したが、視察委は内部調査では限界があると問題視。第三者による調査など一定の対策を講じるよう所長に求めた。

 これに対し、刑務所側は「人権に配慮した応対を行うよう説示していく」といった措置を講じるとした。

 だが、今回の暴行は視察委による問題指摘後も続いたことになる。

 名古屋刑務所では01~02年に受刑者が死傷する事件が発生。これを受けて視察委の設置を定めるなどした刑事収容施設法が06年に施行された。昨年度は全国の視察委が408件の意見を出した。(仲川明里)

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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