坂本龍一さんはキーウの音楽家に語った 曲にこめた「怒りや悲しみ」

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岡田将平 興野優平

 ロシア軍の攻撃で破壊された学校跡。壁も屋根も崩れ落ち、ブロックが散乱する。穴の開いたカーテンが風に舞う。その前でウクライナの青年がバイオリンを弾く。奏でるのは、3月に亡くなった坂本龍一さんがロシアによる侵攻に対する怒りや悲しみを込めた曲だ。青年は坂本さんの死を悼み、「戦争が終わってほしい」と願っている。

 「坂本さんはウクライナで起きていることをとても良く理解していた。私やウクライナの人々に、音楽家として最も大きな贈り物をくれた」

 キーウの音楽家、イリア・ボンダレンコさん(21)は5日、オンラインの取材に応じ、そう語った。

 ボンダレンコさんと坂本さんは昨年、コラボして「Piece for Illia」(イリアのための曲)を制作した。被害を受けた学校跡でミュージックビデオを撮影し、侵攻の深刻さを伝えてきた。坂本さんの悲報に「音楽の父が去ったように感じます」。

 ボンダレンコさんは、バイオリン奏者や作曲家として活動する。5年前には広島、長崎から訪れた人と出会い、広島から運ばれた被爆バイオリンを演奏した経験がある。

 侵攻開始後の昨年3月、30近くの国の90人以上のバイオリニストと一緒に演奏する動画を公開し、人道支援のための寄付を呼びかけた。

 坂本さんはこの取り組みを伝…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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