小さな町から発信 持続可能なまちづくり「SDGs」を通じて“豊かさ”を育む【岩手発】(FNNプライムオンライン)

加速する人口減少や高齢化… 「SDGs」を通じて住民参画型のまちづくりへ

岩手県岩手町の基幹産業は農業。特にキャベツは東北一の生産・出荷を誇る。 しかし、地方の例に漏れず、人口は減少し高齢化が進んでいる。
65歳以上の人口は、2030年には労働の中心となる15歳から65歳未満までを上回る見込みだ。 【画像】個人による工芸作品も発信していく岩手町 岩手町・佐々木光司町長:
人口減少や高齢化が課題というよりは、やはり人口の構成の中で、若い世代がどんどん小さくなっていく。それが自治体にとって、経営をしていくうえで大きな課題 町の今後の道しるべを…。
それが国際的に取り組みの流れが加速する「SDGs(持続可能な開発目標)」だった。
国際的な目標を掲げることで、住民が町に誇りを持ち、自ら関わる参画型のまちづくりを目指す。 岩手町・佐々木光司町長:
あと25年後には、岩手町は今の人口の半分くらいになるという推計がされている。豊かさを感じて、この町で本当に良かった、ずっと住み続けていこうと思ってもらえるようなまちづくりを今から手を打っていく

地域に根付いた特色を生かし、SDGsの達成へ

進めていくうえでは、町の3つの特色が大きな柱となる。その1つが、町の基幹産業の農業。
農業は、SDGsの2番目のターゲットの中に位置づけられ、生産性の向上は大きなテーマだ。
町には、すでに先進的に取り組んでいる人がいる。 アンドファーム・三浦正美社長:
冬は長芋、ゴボウ、雪下ニンジン、あとはニンニクの出荷もあるので、年がら年中忙しい こちらのアンドファームは4年前に法人化し、1年を通じて出荷をしている。育てている品種にも工夫がある。このトウモロコシは、地上に出た茎から根が張り、台風などでも倒れにくい新品種。 土づくりでも「循環型農業」に取り組んでいる。 アンドファーム・三浦正美社長:
​町で畜産農家が発酵させたたい肥をたっぷり入れて土をつくっている また、技術革新の分野にも挑戦している。
トラクターのハンドルに手は触れていない。IT技術を利用した「スマート農業」。
データを入力するだけで、新人でもベテランより高い精度で作業ができる。 アンドファーム・三浦正美社長:
実証試験をさせてもらっているけれど、非常にメリットがある。お客さんに「おいしい」、「また食べたい」と思ってもらえる野菜づくりをしていけば、まだまだこれから、農業は伸びしろがあるのではないか 町を代表するスポーツも、柱の1つ。
50年前の岩手国体をきっかけに町のスポーツになった「ホッケー」。 この日は地元、沼宮内高校の生徒たちが練習していた。
SDGsの中で、スポーツは健康だけではなく、17の目標をそれぞれ推進する重要な鍵とされている。 沼宮内高校ホッケー部・佐藤瑠衣さん(3年):
小学校2年生からやっています 沼宮内高校ホッケー部・今松優さん(3年):
小学校5年生からやっています。生活の一部みたいな感じ。父母どちらもホッケーをやっていたので、分からないことをいろいろ相談する 沼宮内高校ホッケー部・佐藤瑠衣さん(3年):
社会人でもやりたいと思っているので、みんなにプレーを見せて活発になったらいい 延期となったが、東京オリンピックではアイルランドのホストタウンとなるなど、世界とつながる架け橋にもなっている。 そして、工芸・ものづくり。彫刻も町を飾る文化だが、個人による工芸作品も発信していこうとしている。そのうちの一人、工房 芳純の白椛純一さん。白椛さんは、刺子のはんてんに浮世絵の図柄を入れる絵付け師。 工房 芳純・白椛純一さん:
絵は歌川国芳の絵が好きで、手書きで絵を付けていく 江戸時代の火消しがまとったとされ、「粋」を感じられると、全国から祭りの装束として注文を受けている。この絵付けをしているのは全国で唯一、白椛さんだけ。元々は、好きが高じて独学で作品を作り始めたという。 工房 芳純・白椛純一さん:
自分が欲しくて相手にも喜んでもらえるものを作れるというのは、やっぱり幸せなこと。ある意味ちょっとクールに、ちょっと熱く続けていけるような仕事にできればいい

Source : 国内 – Yahoo!ニュース

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