届かなかった父の「危ないぞ」現場に落ちていた携帯 ソウル群衆事故

山本智之

 韓国・ソウル市内の繁華街「梨泰院(イテウォン)」で大勢の人が折り重なるように倒れて150人以上が犠牲になった事故では、日本人女性も命を落とした。

 亡くなった冨川芽生さん(26)の父親の歩さん(60)=北海道根室市=は30日夜、朝日新聞の取材に「事故を知って、『危ないぞ』と伝えようと思い、電話したが出なかった。まだ寝ているのかと思ったが、まさか現場に行っていたなんて」と声を落とした。

 しばらく電話をかけ続けると、現地の警察官が電話に出たという。芽生さんの携帯電話は事故現場に落ちていたといい、歩さんは「それで初めて娘が(事故に)巻き込まれたとわかった」と話す。

 歩さんによると、芽生さんは、6月から韓国・ソウル市内に語学留学していたという。歩さんは「本当に韓国が好きで、楽しんでいたと思う。本人が一番残念に思っているはずだ」と話した。芽生さんは韓国で多くの友達ができたようで、事故前に「フランス人の友達と一緒に出かける」とLINEで連絡があったという。(山本智之)

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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