捜査関係者「教団への恨みだけでは…」 淡々と語られる動機、真相は

 「弁護士を今すぐ呼んでもらう必要はありません。知り合いか、国選弁護人か、どちらか考えます」。銃撃から約30分後の奈良西署。現行犯逮捕された山上徹也容疑者(42)は、弁護人を依頼するか尋ねる同署巡査部長に、そう答えたという。

 参院選投開票日の2日前に、応援演説中の元首相が駅前で銃撃された事件。捜査関係者によれば、山上容疑者は逮捕直後に動機を語り始めた。

 「統一教会のトップ韓鶴子(ハンハクチャ)総裁を撃ちたかった。でも、コロナで日本に来ないので、教団と深い関わりのある安倍氏を撃った」

 その後の調べにも、自身の経歴や世界平和統一家庭連合(旧統一教会)への恨みを淡々と語った山上容疑者。ただ、自ら作製した銃の話題になると、時に冗舌になったと話す捜査員もいる。

 教団への恨みという動機がなぜ、元首相銃撃との結果に結びつくのか。県警は動機に驚きつつ、落差を埋めるように裏付けを進めていく。

 複数の教団関係者に聴取し、母親の銀行口座を調べた。振り込みや献金の記録は十分に得られなかったが、少なくとも約5千万円の献金を確認。死亡した父親の生命保険が原資だったという。

 本人のツイッターを分析し、教団の情報を発信するフリーライターに宛てた手紙も押収。山上容疑者の行動がエスカレートしていく経緯も明らかになった。

 2019年10月に教団総裁が来日し、愛知県を訪れた際、山上容疑者は「火炎瓶を持って会場に行った」と供述。だが、会場に入れず断念したという。

「犯行に至った理由、教団への恨みだけではないと思う」

 21年2月には自身のツイッ…

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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