消防本部のパワハラ、3人の懲戒処分取り消し命じる判決 福岡地裁

中山直樹

 暴言や暴力のパワハラを理由に懲戒処分を受けたのは不当だとして、福岡県糸島市消防本部の元職員4人が処分の取り消しなどを求めた訴訟で、福岡地裁(小野寺優子裁判長)は29日、元係長(49)ら免職や停職になった3人の訴えを認め、市に取り消しを命じた。戒告の取り消しを求めた1人の訴えは棄却した。

 市は2017年3月、同僚らへのパワハラがあったとして、この元係長ら13人を分限免職や停職、戒告などにした。原告4人は、市が理由とした中に身に覚えがない行為が含まれ、十分な弁明の機会も与えられなかったと訴えていた。

 小野寺裁判長は、市が4人によるパワハラと認定したうちの一部は「訓練の範囲を逸脱し、過剰と言わざるをえない」と指摘した上で、免職や停職は「著しく妥当性を欠き、裁量権の範囲を越えて違法と評価せざるをえない」とした。元係長については報道などで精神的苦痛を受けたとし、市に100万円の損害賠償を命じた。

 元係長は判決後の会見で、「処分が出てからの約5年5カ月、地獄のような日々だった。処分は不相当だったことが認めてもらえて少し安堵(あんど)している」と話した。市消防本部は「判決内容を確認中で、現時点ではコメントできない」とした。(中山直樹)

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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