国と東京電力は、福島第一原発事故で溶け落ちた核燃料(燃料デブリ)の2021年中の取り出し開始を断念する方針を固めた。11年12月に廃炉工程表で開始目標を「10年以内」と掲げて以来、取り出し規模を縮小しながら目標時期を維持してきたが、新型コロナウイルスの感染拡大で作業が遅れ、事故から10年を前に見直しを余儀なくされた。24日、政府の廃炉・汚染水対策の会議で発表する。
デブリ取り出しは廃炉の行方を左右する最大の難関。極めて強い放射線を出すためロボットも容易に近づけず、硬さや組成も詳しくわからない。国と東電は昨年12月の工程表改訂で、格納容器内部の調査が最も進んでいる2号機から、21年中に数グラム程度を試験的に取り出すと決定。英国で専用のロボットアームの開発を進めていた。
だが、政府関係者によると、英国で8月ごろに予定していたアームの動作試験が、新型コロナの影響でまだ始まっていないという。来春以降に日本に運んで試験を実施する方向で調整しており、取り出し開始は22年以降に延期する。
福島第一の廃炉は機器のトラブ…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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