除染土の県外受け入れ、IAEA視察団「対話し、懸念の理解が重要」

市野塊

 東京電力福島第一原発の事故後の除染で出た土の再利用や最終処分について、調査に訪れた国際原子力機関(IAEA)の専門家らが12日、環境省内で会見を開き、「(福島県外での受け入れには)地元の人たちと対話し、懸念を十分に理解することが重要」と話した。今後2回の会合を重ね、除染土の再利用方法を助言する報告書をまとめる。

 政府は一部の除染土を県外で再利用する方針を決めている。ただ、その実証事業の候補地の一つ、埼玉県所沢市議会は3月、住民合意のない実証事業は認めないとする決議案を可決するなど、近隣住民からは反対の声があがり、事業が進んでいない。このため環境省はIAEAを招き、専門家の意見を踏まえて事業への「お墨付き」を得たい考えだ。

 IAEAの職員らは8日に来日し、福島県飯舘村、双葉町、大熊町を訪問した。会見したIAEAのアナ・クラーク廃棄物・環境安全課長は視察を通じ、「国民の理解と支援が必要。そのために信頼されることが重要」だとメンバー全員が感じたと説明した。

 除染土の受け入れ先の住民に対しては、「どのようなリスクがあるかしっかりと説明し、作業にあたる人と地元の人にリスクを制御する方法を説明することが重要」だとした。今後も技術面やコミュニケーション面で議論を進めるという。(市野塊)

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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