食材は「命をいただくもの」 アイルランド留学で農業の尊さに開眼

 亡き妻の舘野真知子(5月に他界、享年48)は28歳でアイルランドの料理学校へ留学しました。僕と知り合う、ずっと前の話です。

 そこはバスが1日に1本だけの田舎町で、最初の授業は「みじん切り」でした。日本にいたころは病院の管理栄養士として毎日大量の野菜を切り刻み、両親の反対を振り切って海外にやってきた。しかし数日経っても「基本のき」のような指導が続き、とても戸惑ったそうです。もっと高度な技術を教えてほしいと先生に訴えたところ、こんな答えが返ってきました。

 「料理は80%が素材で決まります。ここはそれを学ぶところ」

 学校の敷地は160ヘクター…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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