長引く自粛生活で閉塞(へいそく)感が漂い、すぐそばにいるかもしれない未知のウイルスに戦々恐々とする日々。半径2メートルの身近な世界ばかりが気になりがちだが、こんなときこそ現実から少し距離をとり、時間と空間を飛び越え、心と思考をぐっと広げてくれる一作をオススメしたい。 スタンリー・キューブリック監督の「2001年宇宙の旅」。SF映画の金字塔と言われるが、半世紀以上前につくられたとは思えないほど現代にも響く作品だ。ひとことで言うと「人はどこから来て、どこへ向かうのか」を美しく詩的に描いている。 はるか昔、突然現れた謎の黒い板「モノリス」に触れた猿人は、骨を道具や武器にするという知に目覚める。時は変わって人が月に行く時代、月面でモノリスが発見され、その電波が向かう木星に宇宙飛行士が派遣される。だが、宇宙船を制御する人工知能「HAL9000」が暴走し始めて……。 拡大する「2001年宇宙の旅」(C) 2008 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reservd. 不可解の連続が、やがて… 最初に観(み)たときは理解不能で「?」の連続だった。圧倒的な映像美と重厚な音楽。タイトル通り、宇宙を旅しているような気分も味わえる。ただ、それ以上に疑問がわく。モノリスとは何なのか。宇宙飛行士は結局どうなったのか。けれど、わかりにくさこそがこの映画の魅力なのだ。 「語り草になるような、いいS… 980円で月300本まで2種類の会員記事を読めるシンプルコースのお申し込みはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
20代独身 食への意識 栄養よりダイエット 農林中金調査(日本農業新聞)
20代独身の食への関心が、栄養よりダイエットに移ってきたことが、農林中央金庫が実施した食の意識調査で分かった。食の関心事項を聞くアンケートによると、前回調査(2014年)で1位だった「栄養」は今回3位となり、代わりに「カロリー・ダイエット」が首位に。食についての関心そのものも全般的に下がる傾向がうかがえ、引き続き若い世代への食の情報発信が重要とした。 「体に良い」も関心度低く 「現代の独身20代の食生活・食の安全への意識」という調査で、対象は、首都圏の20代の独身の男女400人。調査票を配り、3月17日から29日にかけて回答を得た。 食について関心のあることを複数回答で聞く項目では「カロリー・ダイエット」が1位(42%)と、前回の2位から上昇。特に女性での関心が高く、60%が「カロリー・ダイエット」と回答した。続く2位は「体に良い食べ物」、3位は「栄養」だった。 この項目では、食についての関心自体が下がった可能性もうかがえた。前回調査と比べ、それぞれの回答そのものが下がっていたためだ。前回調査の上位1~3位の回答は43~50%だったが、今回の調査では36~42%にとどまっている。 この他、朝食を毎日食べる割合が、前回とほぼ変わらない46%にとどまった。健康面の影響が指摘されることのある糖質制限ダイエットへの関心も高かった。 農林中金は「近年は食品事故などが減り、食の関心が下がった可能性がある。朝食を毎日取らないなどの課題はまだあり、食の情報発信をしっかり続ける必要がある」(広報企画班)としている。 日本農業新聞 【関連記事】 Source : 国内 – Yahoo!ニュース
テニス元アマ日本一の男性「今度は経営者として」 脱サラしクラブ起業(西日本新聞)
元アマチュア日本一のテニス選手だった福岡市の伊藤潤さん(30)が指導者としての日本一を目指し、九州電力を脱サラして、テニスクラブ経営に乗り出した。「テニスだけでなく、コートの外でも通用する戦い方を教えたい」。会社員時代の経験も生かして、生徒たちのメンタル強化に力を注いでいる。 伊藤さんは、早稲田大テニス部だった2010年に全日本学生テニス選手権のシングルスとダブルスで優勝し、全日本学生ランキング1位を達成。11年には全日本テニス選手権のダブルスベスト4を記録し、プロも含めた日本ランキングで19位、アマチュアでは1位に輝いた。 大学卒業後はプロ転向も考えたが、九電に入社して実業団でプレー。しかし7年で独立し、起業する道を選んだ。テニスの試合で感じた興奮が忘れられず、「今度は経営者として思い切り戦いたい」と考えたからだ。 飲食業も検討したが、やはり好きなテニスを選択。自己資金で株式会社を設立し、昨年9月、福岡市西区福重にオムニコート2面のテニスクラブ「J STRUCT(ジェイストラクト)」を開業した。コートの賃貸などは、テニスを通じて親交のある、近くの「お弁当のあじや」の倉園幸治社長から支援を受けた。 伊藤さんは代表取締役として経営に努めると同時に、メインコーチとしてコートに立つ。指導で大切にしているのは技術に加えて戦略とメンタル面の強化だ。 ライバルに勝つ作戦を自分で組み立て、苦しい時を耐えてチャンスを待つ。「テニスで勝てる戦略と精神力があれば、実社会でも必ず役立つ」。まずは現在約40人のクラブ会員を180人に増やし、将来は世界で通用する選手を育てることが目標だ。 J STRUCT=092(981)6363。 (三村龍一) 【関連記事】 Source : 国内 – Yahoo!ニュース
夕張メロンの収穫始まる 香り高く、甘み強い(共同通信)
北海道の高級果物「夕張メロン」の収穫が24日朝、夕張市で始まった。今年は気温の変化が大きく、日照に恵まれないなど厳しい状況だったが、細かくビニールハウスを開閉するなどして、例年通りに香り高く、甘みが強い出来栄えという。 収穫されたメロンは25日、札幌市中央卸売市場での初競りを経て、各地に出荷される。 夕張市農協によると、農家103戸が約3800トンの出荷を計画し、販売総額約22億円が目標。収穫のピークは7月上旬~中旬の見通し。 【関連記事】 Source : 国内 – Yahoo!ニュース
離島に自動運転スローモビリティ導入など…実証調査する地域を公募 国交省(レスポンス)
国土交通省は5月20日、離島地域が抱える課題解決にICTやドローンなど、新技術の離島地域への実装を図る「スマートアイランド」を実現に向けた実証調査を行う企画提案を公募すると発表した。 関連画像を見る ICTなどの新技術を活用して各離島地域が抱える課題解決を図るため、離島を有する地方公共団体と新技術を有する民間企業・団体が共同で実施する取り組みを公募し、現地実装に必要な実証調査を実施する。 調査で得られた成果や知見を全国に普及・展開させることで、スマートアイランドの推進、離島地域の活性化につなげていく。 実証調査では公共交通網が衰退して観光繁忙期に輸送サービスが不足する離島で、自動運転グリーンスローモビリティ導入実験や、海上輸送が不安定な島でのドローンの導入実験などを想定している。 募集の締め切りは6月24日。予算総額は1億8000万円で、5~10件程度を選定する予定。 レスポンス レスポンス編集部 【関連記事】 Source : 国内 – Yahoo!ニュース
遅すぎる定額給付、オンライン申請混乱の背景にある「マイナンバー」の根本問題(税理士ドットコム)
全国民に10万円が給付される特別定額給付金で、オンライン申請をするためのマイナンバーカードがかつてないほどに注目されています。しかし、これまでほとんど使われてこなかったため、暗証番号を忘れた人が自治体の窓口に殺到、大混乱が起きています。 早くからマイナンバーとマイナンバーカードの活用を訴えてきた、東京財団政策研究所の森信茂樹研究主幹は「制度をつくっただけで、国も政治も積極的に広げようとしてこなかったことが原因」と指摘しています。森信氏にどのような壁を乗り越えれば、利便性が高いものになるかを聞きました。(ライター・国分瑠衣子) ●制度が整備されていれば、所得に応じた給付もやりやすかったはず ーー今回、大混乱が##起きている原因はなんでしょうか。 「制度設計があまりにも貧弱だからです。制度をつくって終わりで、総合的な絵を描く人は誰もいなかった。各省庁は縦割りで情報連携という形で横に広げようとしませんでした。政治家も積極的にマイナンバーの利活用を訴えてこなかった。『プライバシーの侵害』などと国民から批判されることを避けてきたように思います。 国民が利便性を感じないからマイナンバーカードの普及率も低いままです。カードを取得しても、大したサービスがないので個人向けサイト『マイナポータル』を開かない。そのうち登録したパスワードも忘れてしまって、ここまできてしまったのです。 マイナンバー制度は、税と社会保障、災害の3分野で活用しようと始まりました。しかし、現行の法律では税と社会保障が有機的に結びついていないことが、スムーズな給付を阻んでいます。各市町村の税務課は、住民の納税情報を把握しているので、福祉課が情報をもらうことができるなら、所得に応じた給付もやりやすいのに、今の法律ではそれができないのです。 つまり、今回の10万円給付ではマイナンバーカードやマイナポータルは使われていますが、マイナンバーは利用範囲が限定的で、ほとんど使われていないのです。 番号法には別表で『Aという事務とBという事務を連携する』ということが定められています。これに所得情報と給付事務を加えて連携できるようにすればいいのです。ただ、今回の10万円の給付は、法律の枠組みの中ではなく、予算措置だけで行っているため、番号法の別表の連携に加えることができません。よって立つ法律がないためです。 もし、マイナンバーで社会保障と税(所得情報)が紐づけられれば、児童手当や給付型奨学金など世帯の所得によって受給額が変わるものを行政側が判断して簡単に受け取ることができるようになります。ですが、このような制度設計をしてこなかったため、今回の10万円も国民全員に給付するしかありませんでした。今回は仕方ないにしても、今後を考えると、高所得者も含めた全員給付は財政資金の無駄遣いです」 ●スムーズに給付できたアメリカやイギリスとの違い ーーアメリカやイギリスはスムーズに給付を行っています。制度面で日本と何が違うのでしょうか。 「アメリカやイギリスでは税と社会保障を連携させる制度(給付付き税額控除)と仕組みが整っています。アメリカは税務当局が、個人の年収や銀行の口座番号を把握しています。今回の新型コロナウイルスによる経済対策でも、原則、税務当局のシステムが自動的に金額を計算し、口座に振り込みました。 国民が申請手続きをする必要がないため、スムーズです。また、納税情報をもとに、高所得者は支給の対象から除きました。イギリスでも社会保障官庁が同様の役割を果たしています」 ーーそもそもマイナンバーカードの普及率が16.4%(2020年5月1日現在)と低い。使える人が少ない中で、なぜ国はオンライン申請に踏み切ったのでしょうか。 「『早く給付してほしい』という国民の声も多く、プレッシャーがかかっていた中で、オンライン申請なら早いと考えたのでしょう。ですが結果的には、郵送で申請したほうが早かった。 私も試しにマイナンバーカードを使って申請画面にログインしましたが、2日間やってもうまくいかなった。不思議なのは公的認証されているマイナンバーカードを使ってログインしているのに、再度住所を打ち込まなければならない点です。マイナポータルに情報は入っているはずなのに、おかしな話です。 今回の一連のことでわかったのは、多くの人がマイナンバーとマイナンバーカード、マイナポータルの違いを理解していないということです。私が社会保障と税の事務連携を提唱している『マイナンバー』は番号そのもので、これは法律事項です。事務の連携はメリットとデメリットがあるので、国会で審議をしてメリットが大きいとなれば、法律を変えるということになります。 一方で、『マイナポータル』は、法的な根拠はありますが、自由度が高い。マイナポータルを民間企業のシステムを結びつける『API連携』で、生活に便利なサービスを入れようという取り組みが始まっています。 今秋から消費増税の景気対策としてキャッシュレス決済を使えば、マイナポータルにポイントが還元される事業も始まりますが、この事業もマイナポータルを活用しています。 個人情報保護の観点から、法律で連携を最小限にしなければならないマイナンバーと、便利に使うためにさまざまなサービスを入れていくマイナポータルは区別して考えなければなりません。国民には混同があるので、きちんと説明することが必要です」 ●国民が嫌だと思っているのは「国家に一元管理されている」ということ ーー今回の混乱を受けて、自民党は、国民の銀行口座とマイナンバーを紐づけて管理する議員立法を検討していると報じられました。 「銀行に多大なコストがかかり、彼らの協力を得なければならないことなので、簡単ではないと思いますが、スムーズな給付へのきっかけになるのではと思っています。 日本では、NISA(少額投資非課税制度)など証券口座はマイナンバーを届け出なければなりません。銀行は調整がつかず、任意のままです。預金保険機構を活用して一気に付番するという方法もあるはずです。 アメリカは納税者番号がなければ、口座を開けません。スウェーデンも銀行のカードにマイナンバーが記載されていて、国民は首からそのカードを下げています」 ーーこれからマイナンバーやマイナンバーカードへの意識は変わりますか。 「これだけ大規模にマイナンバーを使ったことはなかったので、その点については評価できます。混乱が起きましたが、いつかは通らなければいけない道だったので、国や政治は今回の混乱の原因を検証し、使いやすいシステムに変えていかなければなりません。 よく『マイナンバーでプライバシーが侵害される』と言う人がいますが、『国民の所得情報は、以前から番号で管理されている』という事実を知らない人が多いのでは。国が番号で所得情報を管理することが、果たしてプライバシーの侵害になるのでしょうか。 実は、国民がいやだと思っているのは、プライバシーの侵害ではなく『国家に一元管理されている』ということ。このため日本は、各省庁がマイナンバーを分散管理していて、包括的に一つ一つ法律で決めるようにしているのです」 ーーそうであれば、分散管理していたがために今回、給付がスムーズにいかなったということでしょうか。スムーズな給付につなげるためには何が必要でしょう。 「私は分散管理が問題ではなく、システムの問題だと思っています。オンライン申請をした後も、自治体職員が手作業で住所や口座番号を確認しなければならず、自治体の負担になっています。 システムを地方自治体が整備するのは財政的に厳しいので、国が予算化しなければなりません。デジタル時代のセーフティネットの構築をおろそかにしてきた結果が、今回はっきりしたので、議員立法も含めて、議論を進めなければなりません」 ーー今回のことで、マイナンバーカードが普及するきっかけにはなりそうです。理想論でもいいのですが、将来、どんな活用を期待しますか。 「マイナポータルは国が見ることはできません。そこでこれを個人の家計簿のように使えるようになれば、便利になると思います。そうすればマイナポータルを毎日開くでしょうし、15年ぐらい先には、個人のPL(損益計算書)やBS(貸借対照表)として活用できるようになれば理想的です」 Source : 国内 – Yahoo!ニュース
ネットでも話題に…見送りになった「種苗法改正案」、一体何が問題だったのか?賛成派・慎重派の意見とは(ABEMA TIMES)
今国会で可決・成立するものとみられていた「種苗法改正案」。「種苗法」とは、文字通り種と苗の扱いを取り決めたもので、新しい品種の開発者の権利を守る、いわば農業における著作権、特許権を守る法律だ。 【映像】柴咲コウのツイートが話題に ニッポンの農業を窮地に追い込む? “種苗法“って何だ? 一般に新しい品種は国に登録することで日本国内では保護対象となるものの、海外においては国ごとに品種登録を申請することが必要だ。例えばシャインマスカットの場合、国内では登録品種となっている一方、中国や韓国などでは期限までに日本側が申請を行わなかったため、無断で増殖してしまっているという実態がある。また、イチゴ「とちおとめ」の場合、韓国で無断に他品種と交配され、“新品種”として出回るという問題が生じている。 今回の種苗法改正案では、こうした日本ブランドの農産品の海外流出を防止するため、開発者が輸出・栽培可能な国や地域を指定することができるようになる。それにより、指定された以外の地域への持ち出しを防ぐことができるという狙いだ。 ところが先月末、柴咲コウが「種の開発者さんの権利を守るため、登録品種の自家採種を禁ずるという認識だが、何かを糾弾しているのではなく、知らない人が多いことに危惧しているので触れた」というツイート、これを機に「日本の農家にとっては死活問題だろう」「これって日本の農家を守るためのものではないのか?」といった声が上がり、野党も反発。自民党の森山国対委員長は「むしろ日本の農家の皆様をしっかり守るという法律だが、逆に伝わっているところがある」と述べ、検察庁法改正案と同様、政府与党は成立を見送る方針を固めた。 22日の『ABEMA Prime』に出演した、100年以上続く農園で100種類以上のぶどうを育てる「林ぶどう研究所」の林慎悟氏と、農家ジャーナリストの松平尚也氏は、“日本ブランドの海外流出は防止しなければならない”という点にいおいては一致しているものの、改正については賛成派・慎重派の立場に分かれている。 松平氏が懸念を示すのが、農家が収穫物から種などを採種(自家採種)して次の栽培に使う「自家増殖」を制限するという点だ。コストをかけて新品種を開発した人の権利保護の強化は必要にも思えるが、どういった問題があるのだろうか。 「まず種苗法は1978年に国際条約に日本が入る時に、農産種苗法を全面改正してつくられたものだ。当時は農家の自家採種の慣行に配慮し、種からではなく、根・茎・葉から植物を繁殖させる方法(栄養繁殖)のみ、自家増殖を禁止していた。しかし近年と今回の改正では、稲や野菜も含む、種子繁殖の品種まで禁止対象品目リストに入ってきている。つまり、利害関係にある農家が近年非常に増えているという状況があるということだ。また、農林水産省が昨年6回ほど検討会を開いているが、農協からは“多様な農家がいる中で、育成権者の許諾を取るということが本当に可能なのか”“農家の自家増殖は継続して認めて欲しい”という意見が出ていた。私自身もそうだが、98%が小さな家族農家という中で、改正案の中身が周知されないまま、許諾制を一気に導入できるのか、懸念が残る」(松平氏)。 【関連記事】 Source : 国内 – Yahoo!ニュース
Michaël Ferrier : « La littérature vient prendre le contre-pied des discours qui visent à atténuer une catastrophe »
GIULIA D’ANNA LUPO « Mais nous aurions pu éclater de rire, si nous n’avions fermement serré les mâchoires. » Kenzaburô Ôe. Quelque chose a eu lieu. Non pas dans un endroit précis, mais à peu près partout sur la planète. Et cet événement, dont on cerne mal les causes mais encore plus […]
福岡・春日市の60代女性が感染 県内発表は6日ぶり
福岡県は23日、春日市に住む60代女性の新型コロナウイルスへの感染が判明したと発表した。県内での感染者の発表は17日以来の6日ぶりで、感染者の合計は659人となった。 発表によると、女性は22日、別の疾患で県内の医療機関に入院した。この医療機関では、院内感染を防ぐために手術を受ける患者らにPCR検査を実施しており、そこで陽性と判明した。感染経路は不明という。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
罪に真摯に向き合って 神戸児童殺傷、被害者父が手記
1997年に神戸市須磨区で起きた連続児童殺傷事件で、小学6年生だった土師淳(はせじゅん)君(当時11)が亡くなって24日で23年。父親の守さん(64)は報道各社に手記を寄せ、「23年も経過したのかという感慨はありますが、私たちの子どもへの思いは変わることはありません」とつづった。 守さんは以前、当時14歳だった加害者の男性(37)から毎年手紙を受け取っていた。ただ、その手紙について手記はこう記す。 「今年も現時点では、加害男性からの手紙は届いていません」 男性は2004年に医療少年院を仮退院した後に手紙を送り始めたが、15年に遺族に知らせず、突然、「元少年A」として手記「絶歌」を出版した。守さんは強く抗議し、16、17年は手紙の受け取りを拒否。18年から手紙は途絶えた。 「なぜ私たちの次男の命が奪われなければいけなかったのか、と私たちは問い続けています。彼には、私たちのこの問いに対して答える義務があると思いますが、そのためには、自らが犯した犯罪に対して真摯(しんし)に向き合う必要があります。私たちに手紙を書くという行為は、そのための重要な手段です」 守さんは一昨年に解散した「全国犯罪被害者の会」(あすの会)の副代表幹事を長く務め、同会の取り組みを受け継ぐ会(通称つなぐ会)の立ち上げにも参加。被害者支援のあり方を問い続けている。 「この1年の間にも本当に胸が痛むような悲惨な事件、事故が起こっています。これらの被害者の方々へ支援が十分に行き届いているのかについては心配しています。私で力になれることがあれば、協力させて頂きたいと思っています」 「(あすの会の)活動により、犯罪被害者を取り巻く環境は大きく改善しましたが、まだまだ残された課題は多いと思います。今後も、私が出来る範囲で被害者問題の課題について訴えていきたいと思います」(後藤遼太) ◇ 土師守さんが報道各社に寄せた手記の全文は次の通り。 この5月24日は、淳の23回目の命日にあたります。あの事件が起きてからもう23年も経過したのかという感慨はありますが、私たちの子どもへの思いは変わることはありません。 今年も現時点では、加害男性からの手紙は届いていません。以前からお話ししていますが、加害男性になぜ私たちの次男の命が奪われなければいけなかったのか、と私たちは問い続けています。彼には、私たちのこの問いに対して答える義務があると思いますが、そのためには、自らが犯した犯罪に対して真摯(しんし)に向き合う必要があります。私たちに手紙を書くという行為は、そのための重要な手段ですので、私たちが手紙を受け取るかどうかとは関係なく、書くべきだと私は考えています。 この1年の間にも本当に胸が痛むような悲惨な事件、事故が起こっています。これらの被害者の方々へ支援が十分に行き届いているのかについては心配しています。私で力になれることがあれば、協力させて頂きたいと思っています。 一昨年に解散した全国犯罪被害者の会(あすの会)の活動により、犯罪被害者を取り巻く環境は大きく改善しましたが、まだまだ残された課題は多いと思います。あとを引き継いだ「つなぐ会」や他の被害者団体の力だけでは、残された課題の改善は難しいことが多いと思います。支援団体や地方公共団体の方々と協力しながら、改善を進めていくことが重要となります。今後も、私が出来る範囲で被害者問題の課題について訴えていきたいと思います。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル