能登半島地震で被害を受けた石川県穴水町出身で、大相撲の追手風親方(56)=本名・山崎直樹=が、同町に仮設住宅の用地を提供した。自身が引退後の自宅にしようと購入した約2千平方メートルの土地。用地の確保に難航する町は喜んだが、それ以上に職員らの心を揺さぶったのが、親方が示したある条件だった。 追手風親方は現役時代に幕内・大翔山(だいしょうやま)として活躍。引退後は、三役経験もある人気関取で同じ穴水町出身の遠藤や、大関昇進に期待がかかる優勝経験者の関脇大栄翔ら多くの関取を育てている。 能登の海を見て育った親方の趣味が、中古で購入した船だ。そして「引退したら穴水に戻りたい」と海沿いの土地を買い、船が接岸できる桟橋もつくった。「庭先から海に出られたら最高じゃないですか。辞めたら漁師になるから」と記者に笑いながら語っていた。 遠藤ら人気関取を育成 でも、早期退職を口に…… だが、あの地震で能登の景色… この記事は有料記事です。残り531文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません こどもと被災地 東日本大震災が起きてからの13年という月日は、子どもが大人へと成長するほどの長さです。それぞれの土地で暮らす子どもたちの物語。[もっと見る] Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
大事故は、起こした個人だけのせい? 「組織罰」で問う責任と真実
日本航空と海上保安庁の航空機が衝突した1月の事故では5人が死亡した。公共交通機関の大きな事故は後を絶たない。事故遺族らでつくる「組織罰を実現する会」は組織を罰する仕組みが必要だと訴える。会の事務局を務める津久井進弁護士に遺族の思いと組織罰を導入する意義を聞いた。 ◇ 死亡事故など重大な事故を起こした組織に刑事罰を科すことをめざす「組織罰を実現する会」の事務局をしています。事故の遺族らでつくるこの会が設立されたきっかけは、107人が亡くなった2005年のJR宝塚線(福知山線)脱線事故です。 この事故ではJR西日本の歴代社長4人が業務上過失致死傷罪に問われましたが、無罪となりました。一方、裁判では「自動列車停止装置(ATS)整備のあり方に問題があり、大規模鉄道事業者として期待される水準に及ばないところがあった」とされ、組織的な問題があったことははっきりしました。 業務上過失致死罪は個人の責任は問えても、組織の責任は問えない。最愛の家族が犠牲になって誰も罰されない。民事の賠償さえすれば許されてしまう。それでは、納得できない遺族もいます。二度と同じことが起きてほしくない。誰にも同じ悲しみを味わってほしくない。会を立ち上げた遺族の思いです。 「刑事罰があると真実を語れない」のか 組織罰は、事故を起こした企業・団体に高額の罰金を科すことを想定します。現行法には、例えば労働基準法のように、直接の責任者とともに法人の責任を問う「両罰規定」という仕組みがあります。業務上過失致死罪にこの規定を設ける特別法を作り、組織罰を実現したいと考えています。また、事故防止のため十分な安全対策をしていたと立証できれば免責されることも盛り込みます。 安全に対する投資を怠れば… この記事は有料記事です。残り765文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
駅長務め40年、村の夫婦が支えた花の駅 待合室に流れる温かい時間
単線の鉄路が険しい山々をぬうように走る信州最北の村は冬、背丈を超える高さの積雪に包まれる。千曲川沿いに民家が並ぶ小さな集落から、雪の壁に囲まれた道を抜けた先に村人が駅長を務める駅はあった。近くに住まいを構える夫婦が40年間、駅長としてこの駅を守ってきた。 長野県栄村の横倉駅は、新潟と長野を結ぶJR飯山線の駅の一つ。いま駅長を務める上倉直人さん(80)は、業務時間の午前6時半から午後6時までの間、上下線で毎日10本の列車到着時間が近づと、駅舎に向かい窓口で切符を販売する。雪が積もる冬には駅に通じる道の除雪も欠かさない。 直人さんは大工として生計を立て、妻の千代子さんは駅前で理容室を営んでいた。赤字に悩む旧国鉄が1982年、横倉駅の無人化方針を打ち出すと、村は駅の窓口業務などを維持するために村の予算で村人に駅長を委託することにした。「人が駅を守るからこそ、癒やされる人もいるのでは」と、委託駅長を引き受けたのが上倉さん夫婦だった。はじめは千代子さんが駅長に就き、その後は大工の仕事を退いた直人さんが駅長を引き継いだ。 乗客を楽しませる夫婦のアイデア 駅の周りには春から夏にかけ… この記事は有料記事です。残り1928文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
商工会ネット口座、1千万円送金被害 「サポート詐欺」で遠隔操作か
羽場正浩2024年3月18日 19時30分 笛吹市商工会(山梨県)は18日、業務用パソコンが何者かに遠隔操作され、同会のネットバンキング口座から計1千万円が不正送金される被害に遭ったと発表した。約2千人の会員情報流出の有無も調査中という。 同会によると、2月27日午後5時半ごろ、職員が業務用パソコンを操作していたところ、ウイルス感染の警告が表示され、画面が消えなくなった。表示された番号に電話すると、マイクロソフト社の社員を名乗る男が出たので、指示に従ってウイルスを除去すると称するソフトを2台のパソコンにインストールした。また、同会の四つのネットバンキング取引のIDとパスワードを教えた。 気が動転した ウイルス除去には時間がかかると言われ、職員は指示通り電源を切らずに帰宅したが、不審に思った別の職員の指摘で約30分後に戻って電源を切った。事態を知った同会は翌日にかけて口座取引停止の手続きを取ったり、警察に状況を報告したりしたが、同27日夜のうちに同一口座から3回に分けて計1千万円が不正送金されていたことが、その後判明した。 パソコンを操作した職員は「気が動転して、言われるまま操作してしまった。頭が真っ白になった」などと話しているという。不正送金先の口座名義は異なる個人名だったという。 こうした手口は「サポート詐欺」とも呼ばれ、県商工会連合会(県内23商工会が加盟)は再被害防止に向けて、今回の事例を各商工会で共有し、職員の研修などを進めるとしている。 県警笛吹署は商工会からの相談を受けて「内容を精査している」としている。(羽場正浩) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
博報堂側「事実が歪曲された。それが検察の正義なのか」 五輪談合
東京五輪・パラリンピックをめぐる談合事件で、独占禁止法違反(不当な取引制限)の罪に問われた広告業界2位「博報堂」と、グループ企業「博報堂DYスポーツマーケティング」前社長の横溝健一郎被告(56)の公判が18日、東京地裁であった。検察側は「自由競争を骨抜きにした」として、法人としての博報堂に罰金2億円、横溝前社長に懲役1年6カ月を求刑。同社側は最終弁論で「無罪だ」と訴えて結審した。 事件では、大会組織委員会が競技会場ごとに発注したテスト大会や本大会の運営業務で受注予定業者を事前に決めたとして、広告最大手「電通」など法人6社と各社の担当幹部ら6人のほか、組織委大会運営局の森泰夫元次長(57)=同罪で有罪確定=が起訴された。 検察の主張は「決めつけ」 検察側はこの日の論告で、横… この記事は有料記事です。残り492文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
次女の事件、妻の関与がより濃厚か 夫婦鑑定留置へ 不凍液連続殺害
独自 有料記事 遠藤美波 長妻昭明 増山祐史2024年3月19日 4時00分 東京都台東区の夫婦が次女と夫の姉に不凍液を飲ませて殺害したとして逮捕された事件で、次女の事件について妻の関与がより濃厚と警視庁がみていることがわかった。一方で、夫の姉が相続のトラブルを抱えていた相手は夫とされる。警視庁は、2事件への夫婦それぞれの関与の度合いを調べている。 東京地検は18日までに両容疑者の鑑定留置を請求した。2人の精神疾患の有無などを調べ、刑事責任能力を判断し、殺人罪で起訴するかどうかを決める。 夫は否認、妻は黙秘 ホテル運営会社役員の細谷健一(43)、妻の志保(37)の両容疑者は共謀して昨年3月12~13日ごろ、自宅で次女の美輝(よしき)ちゃん(当時4)に抗精神病薬「オランザピン」と、不凍液などとして使われる「エチレングリコール」を摂取させて殺害した疑いで、今年2月に逮捕された。健一容疑者は否認、志保容疑者は黙秘しているという。 捜査関係者によると、健一容疑者は美輝ちゃんの死亡前日について「娘と妻は半日ほど自宅で2人きりだった」という内容の説明をした。捜査1課が調べたところ、昨年3月12日、健一容疑者は長男と長女を連れて外出していたことが確認された。美輝ちゃんは半日ほど、志保容疑者と自宅で2人きりだった可能性があるという。 健一容疑者は翌13日、学校への送迎で長男と長女を連れて午前7時半ごろに外出。志保容疑者から連絡を受け、午前9時ごろ119番通報した。 毛髪鑑定の結果、美輝ちゃんは少なくとも1年間にわたりオランザピンを摂取させられていたことが判明。昨年8月の家宅捜索では、オランザピンが志保容疑者の布団のそばから見つかった。志保容疑者は逮捕前の今年1月、児童相談所の聞き取りに、オランザピンについて「自分が購入して眠れないときに使っていた」と説明したという。 次女「かわいくない」 妻が夫にメッセージ 志保容疑者が美輝ちゃんにつ… この記事は有料記事です。残り843文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
工具使わず5分で組み立て 愛知発の木造屋台、「輪島朝市」で活用へ
【動画】「輪島朝市」に屋台の支援 愛知・豊橋の木工会社=戸村登撮影 愛知県豊橋市の木工会社が、能登半島地震で屋台を失った「輪島朝市」に組み立て式の屋台を無償で貸し出す。かつて、コロナ禍に飲食店主が屋外販売できるよう豊橋技術科学大の学生らと開発した木造の屋台で、工具を使わず約5分で組み立てられる。23日に金沢市で開かれる「出張輪島朝市」でさっそく活用される予定だ。 「輪島朝市」に屋台を貸し出すのは、豊橋市で特注家具の製造販売などをしている「老津木工」。社員10人の有限会社で、2021年5月から「組立式ヤタイPatto(パッと)」の商品名で販売を始めた。東三河地域のスギの間伐材が一部使われていて、重さは計約25キロ。コンパクトに収納でき、運搬や組み立ても容易だという。1台6万9800円(税込み)で、これまでに300台以上の販売実績がある。 1月末、出張輪島朝市での再出発への取り組みをテレビニュースで知った松井誠社長(44)は、軽自動車でも運べる自社の屋台で「手助けできるのでは」と旧知の辛島一樹・前橋工科大准教授(39)を通じて、輪島市朝市組合にメールで支援を申し出た。 辛島准教授は防災のまちづくり計画が専門で、豊橋技科大助教として屋台の共同開発にも関わっていた。 その後、朝市組合の一員で、「輪島朝市を応援する会」の発起人の女性から、「とても素敵なご提案をありがとうございます」と返信が届いた。3月に金沢市で出張朝市を開く予定で、そこで使えるか見てみたいという要望が添えられていた。 想定3倍超の貸し出し要請だけど…社長「うちしか出来ない」 2月に松井社長と辛島准教授が金沢市の金石港を訪れ、車で持ち込んだ屋台を実際に組み立ててみせた。わずか5分ほどで完成すると、「応援する会」側から「使いやすいし、組み立てやすい」という評価を得た。 輪島朝市では、高齢の組合員が多く、屋台の組み立てや片付けにはそれぞれ30分ほど掛かっていたという。 組み立て式屋台14台の貸し出し要請を受けた松井社長ら。当初は4台貸し出すつもりだったが、「できることはやってあげたい」と要請通りに支援を決めた。まずは屋台10台を貸し出し、8月までにはさらに4台を追加で貸し出す予定だ。 松井社長は「うちしか出来ない支援だと思った。この屋台をきっかけに、復興の第一歩にして欲しい」と話す。 辛島准教授は「被災後から復興に向けての市街地整備には時間が掛かる。その間、今回のようにいろんな場所や形態で物品販売を行える機会が発生する際の場づくりとして活用いただければ」とコメントした。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
柿沢氏からの「活動資金」で買収 前江東区長、選挙違反の罪を認める
有料記事 藤牧幸一2024年3月18日 13時24分(2024年3月18日 19時52分更新) 東京都江東区長選をめぐって公職選挙法違反(買収、有料ネット広告)の罪で在宅起訴された前区長・木村弥生被告(58)の初公判が18日、東京地裁であり、前区長は起訴内容を認めた。 検察側の冒頭陳述によると、木村前区長は柿沢未途・前衆院議員(53)=同罪で有罪判決=に説得されて昨年4月の区長選への立候補を決意し、選挙支援も受けた。 検察側は、柿沢前議員の盟友で、区長選で中心的な役割を担った元区議に対し、「投票取りまとめなどへの報酬」として、木村前区長が選挙後に区長室で現金100万円を自ら渡したと指摘。投票を呼びかける有料のネット広告は、柿沢前議員から勧められ、「知名度向上になる」と考えて実施した、と説明した。 「苦渋の決断」で虚偽説明 被告人質問で木村前区長は… この記事は有料記事です。残り402文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「23年打ち明けられず」 子どもの性被害、民事の時効撤廃求める声
旧ジャニーズ事務所(SMILE-UP.)創業者の故ジャニー喜多川氏からの性被害当事者らでつくる「子どもの性被害 時効にNO!」が18日、東京都内でシンポジウムを開き、子どものころに受けた性被害について民事訴訟の時効撤廃を求めるキャンペーンを始めることを発表した。 子どもは、そもそも性被害を被害と認識できないことが多く、認識できたとしても被害をだれかに話すことができるようになるまでには長い時間がかかるのが実情だ。 加害者の責任を追及したいと思っても、現在の民法の規定では、生命や身体を害する子どものころの性被害の場合、被害者が加害者を知ってから5年がたつと時効によって民事裁判で加害者の責任を問うことができなくなる。また不法行為から20年行使しないと、損害賠償請求権が消滅する。 キャンペーンの共同代表を務める川上資人(よしひと)弁護士は、米国では2022年に子どもの性被害については時効を適用しないとする特別法が制定されたことなどを説明。「日本では時効があることで子どもの性被害が社会に顕在化していない。子どもの性被害に民事の時効があるのはおかしい」とした上で「日本でも子どもの性被害に対しては民事の時効を適用しないという法律を制定する必要がある」と訴えた。 もうひとりの共同代表、飯田恭平さん(36)は元ジャニーズJr.。13~18歳のときに事務所に所属し、故ジャニー氏から性被害を受けたが、昨年まで23年間、だれにも話せなかったという。 記事後半には、シンポジウムに登壇した5人の性被害当事者の声も載せています。 「立ち上がろうというときに… この記事は有料記事です。残り1776文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
結婚後も皇族の身分保持の案に反対意見でず 自民懇談会
自民党は18日に開いた安定的な皇位継承の確保に関する懇談会(会長・麻生太郎党副総裁)で、女性皇族が結婚後も皇族の身分を保持する皇室典範改正の案について議論した。木原誠二事務局長によると、同案について出席者から反対意見はなかったという。 麻生氏は懇談会の冒頭、皇族… この記事は有料記事です。残り221文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル