堅島敢太郎2021年4月27日 18時00分 香川県坂出市沖の瀬戸内海で昨年11月、修学旅行中の小学生ら62人が乗った旅客船が沈没した事故で、救助にあたった漁師らに26日、海上保安庁長官感謝状や知事感謝状が贈られた。 感謝状を受け取った岩黒島の漁師中村小次郎さん(73)は、事故発生時は自宅にいたが、妻の「船を出して」の声ですぐに海に出た。 現場に到着すると、多くの子どもたちが救命胴衣を着けて海に浮かんでいた。「あの子を先に」と、互いに譲り合う子どもたちを船に引き上げ、20人ほどを港に運んだ。 事故の後も、子どもたちとの交流が続いている。中村さんの胸に付けられた黄色いリボンは「宝結び」と呼ばれるお守りで、子どもたちが漁の安全を願って手作りしてくれた物だ。 3月下旬にはブルーシートで作った水槽に魚を展示した「小さな水族館」をつくり、子どもたちを岩黒島に招いた。「海を恐れないで、生き物がたくさんいる海を好きでいてほしい」 与島漁業協同組合代表理事の岩中高夫さん(75)も「(漁師ら)みんなの助けがなければ救助はできなかった。このように表彰してもらえるとは思わず、とてもありがたい」と話した。(堅島敢太郎) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
大阪弁護士会、人質司法に対抗 不服申し立てに「報酬」
米田優人2021年4月27日 18時00分 罪を認めないと身体拘束が長引く「人質司法」に対抗しようと、大阪弁護士会は今月から、勾留に不服を申し立てる弁護士の後押しを始めた。1件あたり最大4万円を支払う。弁護士会が、裁判所への不服申し立てに「報酬」を出し、弁護士を支援するのは珍しいという。 刑事訴訟法の定めでは、捜査機関は容疑者の身柄を拘束せずに捜査するのが原則だ。だが、実際には、検察官が「逃亡や証拠隠滅の恐れがある」ことなどを理由に裁判所に勾留を求め、認められるケースが多い。最高裁によると、2019年に全国の地裁・簡裁が検察の勾留請求を退けた割合は6・24%。勾留は、否認すると長引く傾向にある。 ただ、不服を申し立てても認められないと考え、申請をしない弁護士もいる。そこで、大阪弁護士会は今回、所属する弁護士が裁判所の勾留決定に準抗告(不服申し立て)をすれば1件につき1万円、さらに勾留が取り消されれば、「成功報酬」として3万円を支払うことを決定。年間1500万円を予算計上した。 愛知県弁護士会は19年、裁判員裁判の対象事件を除く刑事事件で最大3万円を支給したが、大阪弁護士会はすべての刑事事件を対象にした。大阪弁護士会刑事弁護委員長の清水伸賢(のぶかた)弁護士は「準抗告の件数が増えれば、裁判所が認めないケースが増えるかもしれない。必要性がない身体拘束を許さないため、弁護士の意識を変えたい」と話す。(米田優人) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
イワシ漬け丼、デカ盛りパフェ…銚子のソウルフード公開
高木潔2021年4月27日 15時08分 千葉県銚子市観光協会が銚子の観光や食の魅力を5分35秒の動画にまとめ、ユーチューブで公開した。コロナ禍で遠方への旅行ができない県内や県近郊の人たちに旅行先として選んでもらおうと制作した。銚子のソウルフード(郷土料理)や若者に人気のスポットも盛り込まれた。 動画は「銚子浪漫帰行 100年後に残す記憶」(ユーチューブで「銚子浪漫帰行」で検索)。大正ロマン風で、空中映像なども活用した。 女性ユーチューバーのコロモさんが100年前の大正時代から現代の銚子にタイムスリップし、地元の人の案内も得て観光や食を楽しむというストーリー。観光庁によるコロナ禍での「魅力的な滞在コンテンツ造成」の実証事業に応募し、補助金を得た。 「ぜひ銚子に来てと言えないので…動画で」 犬吠埼灯台や屛風ケ浦、地球の丸く見える丘展望館といった主要な観光地や、キンメダイの刺し身やイワシの漬け丼などの定番料理をくまなく紹介。さらに郷土菓子の「木の葉パン」やデザートの「デカ盛り」で近年人気のアメリカンレストランも登場する。 メイキング映像も交えた別バージョン(「銚子浪漫帰行 ロケ地ガイド」で検索)も公開中。市民に人気のカレー店やラーメン店などのB級グルメも紹介し、本編と合わせて楽しめる。 市観光協会の高倉宏幸常務理事は「この時期にぜひ銚子に来てくださいとは言えないので、コロナ終息を待つ間、動画で銚子を楽しんでほしい」と話す。(高木潔) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
東京で新たに828人感染 1週間前より117人増える
東京都は27日、新型コロナウイルスの感染者を新たに828人確認したと発表した。1週間前の火曜日(20日)の711人より117人多かった。27日までの1週間平均の感染者は746・7人で、前週比は118・7%だった。 828人を年代別でみると、20代が220人で最も多く、40代が125人、30代と50代が119人と続いた。65歳以上の高齢者は144人だった 「人工呼吸器か体外式膜型人工肺(ECMO〈エクモ〉)を使用」とする都基準の重症者数は、前日と同じ55人だった。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
外食事業者の66%、コロナ禍で食品ロス減 農水省調査
コロナ禍が「食品ロス」の増減に与えた影響を農林水産省が調べたところ、外食事業者の3分の2が「減った」と答えた。27日の閣議後会見で野上浩太郎農水相が明らかにした。 農水省によると、昨年12月から今年1月に約4500の食品事業者にアンケートを実施。食品メーカーや卸売業、小売業を含めた全体では「変わらない」が過半を占め、「減った」は26%だった。外食事業者に絞ると「減った」が66%。休業や時短の影響のほか、食べ残しが出やすい宴会の減少などが理由だった。 「増えた」は外食や卸売業で多く、売り上げ減による賞味期限切れの在庫処分や、売り上げが増えたことによる仕入れすぎなどが挙げられた。農水省の担当者は「休業要請などで需給が急に変わると食品ロスの増加につながる可能性がある」とみている。 同省がこの日に発表した2018年度の食品ロス量は家庭、事業者を併せて計約600万トンで、前年度より12万トン減った。3年連続で減ったが、国連世界食糧計画(WFP)が援助する食料の約1・5倍に当たる。(高木真也) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
大麻譲渡や所持の疑い 慶大生・慶応NY高の生徒ら逮捕
2021年4月27日 12時10分 警視庁が、慶応大の男子学生(19)=東京都=を大麻取締法違反(有償譲渡)容疑で逮捕していたことが、捜査関係者への取材で27日わかった。米ニューヨーク州にある慶応義塾ニューヨーク学院(高等部)の男子生徒(18)=同=に売ったといい、この生徒も同法の所持容疑で逮捕。2人の知人で同校の男子生徒(18)=同=も麻薬特例法違反容疑(規制薬物としての譲渡)で逮捕した。 慶応大の男子学生は同大学生6人(19~20歳)に大麻を譲った疑いもある。男子学生を含む7人はニューヨーク学院の卒業生だという。 男子学生は昨年11月、ニューヨーク学院の男子生徒に乾燥大麻0・01グラムを譲り、男子生徒は所持した疑いがある。麻薬特例法違反容疑で逮捕された男子生徒は同じ頃、知人の少年に、液体大麻とみられるものを売った疑いがある。ニューヨーク学院の生徒らは、コロナ禍で一時帰国していたという。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
警官装った男、そこに本物が… 結婚50年の連係プレー
富永鈴香、吉村駿2021年4月27日 12時20分 特殊詐欺の電話に「だまされたふり」をして、容疑者の逮捕に貢献したとして、京都府警亀岡署は26日、京都府亀岡市の杉宏人さん(83)と妻のふみ子さん(76)に感謝状を贈った。結婚50年の夫婦の連係プレーが逮捕につながった。 先月28日午後6時半ごろ、宏人さんが家でテレビを見ていると固定電話が鳴った。「杉さんは詐欺の被害者です。亀岡署員がキャッシュカードを家に取りに行きます」。男の声でやけに早口。相手が一方的に話すだけで会話にならず、時折、電話越しには異様に大きいパトカーのサイレン音が聞こえた。「これってよくニュースで見る警察官を装う詐欺じゃないか」と気づいたという。 夫婦で引き延ばし作戦 その時ふみ子さんは外出中だった。宏人さんは通話を引き延ばし30分ほど話した。ふみ子さんが帰宅すると、詐欺犯と電話中だった宏人さんが受話器を押さえながら「今から詐欺の犯人が家に来る。すぐに110番して」と小声で言った。ふみ子さんはすぐに携帯電話で110番通報した。帰宅途中、家のそばに見慣れないジャンパー姿の若い男が立っていたことも伝えた。 直後、自宅には警察官を名乗る男が訪れた。ふみ子さんが見たジャンパー姿の男ではなく黒いスーツ姿の男。偽の警察手帳を見せながら「亀岡署のアサクラです。キャッシュカードを取りにきました」。 宏人さんは「妻が110番してくれたし、すぐに本当の警察官が来るはずだから」と思い、だまされたふりをしたまま、男をリビングに通した。 3分後、亀岡署員が到着。受け子の男は、ぼうぜんとしたまま、夫妻の目の前で現行犯逮捕された。同署によると、ふみ子さんが伝えた「ジャンパー姿の男」は、受け子の見張り役とされ、この男も逮捕された。 感謝状を受け取った夫妻は「高齢者を狙う詐欺は許せない。逮捕に貢献できて良かった。2人で表彰を受けたのは初めてで、改めてうれしい」と話した。 亀岡署の建井秀之副署長は「2人の迅速な110番に感謝している。キャッシュカードや暗証番号などを尋ねる電話があればすぐに110番してほしい」と話している。(富永鈴香、吉村駿) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
世界最高齢の聖火ランナー、辞退の意向 感染拡大を心配
世界最高齢としてギネス世界記録に認定されている福岡市東区の田中カ子(かね)さん(118)が、東京五輪の聖火リレーのランナーを辞退する意向を示していることが分かった。入所する施設で新型コロナウイルスの感染が広がることなどを心配したためという。 田中さんをランナーに推薦した日本生命によると、26日に田中さんの孫が日本生命に辞退を申し出た。近く組織委員会にも辞退を伝える見通しという。田中さんの孫は同社を通じて、「カ子の姿をみて『あの歳(とし)でこんなに元気にしているのだから負けるな!』と皆様に感じて頂ければと思っていたので、非常に残念」とコメントした。 日本生命は「長寿時代に明るいメッセージを発信していただきたい」と田中さんを推薦していた。田中さんは5月11日に福岡県志免町で、親族が押す車いすに乗ってランナーを務める予定だった。(神野勇人) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「育児で悩んでいた」 7カ月の娘殺害容疑、母親が供述
2021年4月27日 8時45分 生後7カ月の娘を窒息死させた疑いで、母親が26日に群馬県警に逮捕された。事件があったとされる群馬県太田市の自宅周辺では「穏やかな家庭。殺人なんて信じられない」との声が聞かれた。 県警によると、田中瑠名(るな)容疑者(31)=新潟県長岡市飯塚=は2020年4月23日午前10時ごろ、太田市大原町の当時の自宅で、古川澄果(きよか)ちゃんの鼻や口を手でふさぐなどして窒息死させ殺害した疑いがある。「育児のことなどで悩んでいた」などと容疑を認めているという。 捜査1課によると、田中容疑者は新潟県に実家があり、当時、夫と3歳の長男、澄果ちゃんとの4人暮らし。事件当時、夫は不在だった。 太田市によると、澄果ちゃんは4カ月の定期健診を受けていた。また、東部児童相談所(太田市)にも、本人や周囲から相談、通報などはなかったという。 近隣住民によると、田中容疑者は地域のごみ拾いにも澄果ちゃんを抱いてまめに参加し、長男と3人で散歩する姿も見かけた。「ご主人と2人で自宅の庭づくりをしていた」とある主婦は話した。澄果ちゃんが生まれた時は、夫がうれしそうに名前を教えてくれたのを覚えている。「笑顔を絶やさない優しいご夫婦。事件は考えられない」と驚いていた。 田中容疑者は澄果ちゃん死亡後の昨年6月、自宅で重傷を負って前橋市内の病院に入院。その後離婚したという。県警は退院を待ってこの日逮捕した。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
コロナでも海外行ける? 留学ジャーナル編集長に聞く
海外のサマースクールや留学に向け、準備が始まる季節を迎えた。だが長引くコロナ禍で、海外へ飛び出す道は厳しいままだ。オンラインで現地と交流を企画する中学、高校、大学も一部あるが、そうした学校に在籍しない子に、世界とつながる方法はないのか。今年、創業50周年を迎える留学ジャーナルの加藤ゆかり編集長に、留学事情を紹介してもらう。 幼児とその親から定年退職者まで幅広い層が挑戦する「留学」。世界とつながり、視野を広めたいと思う人も少なくないでしょう。しかしコロナ禍で1年以上留学は厳しい状況です。 まず、外務省の「海外安全ホームぺージ」で、外国の感染症危険情報を確認しましょう。大半の国や地域が「レベル2 不要不急の渡航中止」または「レベル3 渡航中止勧告」。つまり、政府は渡航中止を求めています。例年なら、サマースクールの申し込みが始まる時期。今夏も世界各地で開催予定はありますが、日本から参加するには、自己責任での「個人留学」が主にならざるを得ません。 留学には、様々な種類があります。 まず、「交換留学」。自治体… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル