新型コロナウイルスの感染拡大が深刻な大阪府で、公道での東京五輪の聖火リレーが中止される見通しとなった。愛知県では「女人禁制」の区間が「五輪憲章の理念に反する」として変更を迫られたことも。聖火リレーはどうあるべきなのか、筑波大の真田久特命教授(五輪史)に聞いた。 ――新型コロナウイルスの感染が再拡大する中、聖火リレーのあり方は再考すべきなのでしょうか。 聖火の起源は、古代ギリシャで神殿や市役所などにともされていた火。その火にはヘスティアという女神が宿っていて、火がともっている限り、その都市は平和と幸福が約束されると信じられていた。 コロナ禍に見舞われ、社会に分断や対立が生じる時だからこそ聖火リレーは大事ではあるが、感染拡大の地域では、やり方は変更した方がいい。聖火リレーが感染拡大や五輪への反感の原因になっては意味がない。聖火リレーが全国を巡ることの意義とリスク、両方を考えるべきだ。 今後も感染状況次第では聖火がつながらない区間が出てくるかもしれない。ランナーが実際の道を走ればどうしても人が集まることは避けられない。いっそ聖火を載せた車が感染拡大地域を走る方法にしてはどうだろうか。聖火ランナーとして走る予定だった人には、インタビューでトーチを手に五輪への思いなどを語ってもらえばいい。 五輪も「女人禁制」の歴史 ――大阪府は府内全域で、公道での聖火リレー中止を決めました。 公道を走らずに万博記念公園(… 【5/11まで】デジタルコース(月額3,800円)が今なら2カ月間無料!詳しくはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
言えなかった「サッカーやめた」 車椅子の私に先生は
中学3年の秋。私は大好きなサッカーを続けるか悩んでいた。 中学1年生の時、副担任の先生に勧められて始めた電動車椅子サッカーだったが、中学3年の頃になると、進行性の難病による影響で急激に右手が動かなくなってきた。 当時、名古屋のクラブチームに所属していた私は、右手で電動車椅子を操作して、練習や試合をしていたのだが、次第に相手とのボールの競り合いで右手がコントローラーから外れてしまったり、時には試合中、コート上で動けなくなってしまったりすることがあった。電動車椅子サッカーは、通常のサッカーのように11人で行うものではなく、バスケットコート上で4対4で行うルールなので、たった1人でも機能しなくなると、試合が圧倒的に不利になる。 サッカーも学校の体育の授業で行っているくらいの内容であれば話は別だが、学外のクラブチームに所属し、チーム全員が全国大会を目指している以上、私は彼らの足手まといにはなりたくなかった。 考えた末、中学3年の冬ごろ、私は所属していた名古屋のクラブチームをやめた。 中学1年の時、私にサッカーを勧めてくれた先生には、そのことは報告しなかった。何となく言いづらかったし、自分の口から「サッカーやめました」と言うことに抵抗もあった。 それからというもの、私は気持ちが落ち、電動車椅子サッカーのことを考えないようにした。 高校に入学する頃にもなれば、右手の機能がほぼ無くなっていた。そして、完全に電動車椅子を操作することができなくなってしまった。私は、日常生活では電動ではない車椅子になった。学校内での移動はすべて先生による手押しで、自分の意志で動き回ることはできなくなっていた。 もちろん、中学時代のように電動車椅子で自由に動き回りたいし、サッカーだってしたいのは本心だった。サッカーをやっている間は障害者であることを忘れられた。だが、それでも右手が動かないのだから私は仕方がないと思って、半ば投げやりになっていた。 言い返せなかった、先生の言葉 高校2年になった春、転機が訪れた。サッカーを教えてくれた先生が中学部から高等部に異動してきたのだ。先生は私のクラスの担任にはならなかったものの、隣の3年生のクラスの担任になることが分かった。 先生は隣の教室にいる私を見かけると、「サッカーは続けてるか?」と言ってきたが、電動車椅子に乗っていない私を見るなり、何かを察した様子だった。そして、何やら言葉を探しているようにも見えた。 「先生僕さ、右手使えなくて電動車椅子すら操作できなくなっちゃって。あっ、でも、車椅子になっても誰かが押してくれるから前より楽チンで……」 そうやって私が先に強がりを言うと、「そっか」と言い、先生は続けてこう言った。 「別に車椅子を押してもらうのが悪いわけじゃないが、車椅子を押してもらいながら何かをすることで、お前の中で何か意味は生まれるのか?」 私は返す言葉がなかった。他の先生は皆「別に電動車椅子で自由に動けなくても、体育の授業でも友達との掃除でも、先生たちが車椅子を押すから心配ないよ」と言ってくれたが、正直、心のなかで醜くこう思っていた。 (その車椅子に僕が乗っている意味はありますか)と。 私は一呼吸をおいて、「とはいえ、どうしようもないことだってありますよね」と笑いながら言うと、先生は「ごちゃごちゃ言うな」と初めて私にサッカーを教えてくれた日と同じセリフを言った。 少し後から聞いた話だが、先生は私がサッカーを辞めていたことは事前に知っていた。そして、中学から高等部に上がった私が気がかりで、学校側に高等部に異動したいとの申し出をしていたようだった。 それを聞いた私は、どうしてもそんな先生の期待に応えたくなった。中学時代、先生はサッカーの練習中に「お前はプレーでもすぐに調子に乗るのが難だが、その最後の最後までの諦めの悪さは大切にしろよ」と言っていたことを思い出した。 私はもう一度、サッカーをする方法がないか本気で考えた。先生との会話から、諦めるという選択肢を自分の中から外してみたくなった。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
入管収容のスリランカ人女性死亡「面会のたび体調悪化」
名古屋出入国在留管理局で収容中のスリランカ人女性(当時33)が死亡する事案があり、支援団体が7日、名古屋入管に抗議し、真相究明を求めた。女性は在留資格がないとして昨年8月20日から収容されていたが、3月6日に死亡。団体は死因や治療の状況などを1週間以内に回答するよう求めている。 入管によると、女性は脈のない状態で発見され、病院に救急搬送されたが約1時間後に死亡が確認された。死因は不明としている。食道炎の治療を受けており、死亡直前の3月上旬に外部の医療機関を受診していたという。 昨年12月から女性と面会を続けてきた支援団体「START」の松井保憲さん(66)によると、女性は1月以降、食べても嘔吐(おうと)するようになり、面会の度に体調が悪化。「点滴を打ってほしい」と話していたという。2月の面会時は自力で歩行できず、車いすに乗り、頻繁に嘔吐するためバケツを持っていた。最後に面会した3月3日は「死んでしまいそうだった」という。 STARTは死因や、点滴投与をしなかった理由を明らかにすることなどを求めている。 松井さんは「この問題は各地の入管でも同じこと。収容施設の処遇が改善されないと同じようなことが繰り返される」と話した。 上川陽子法相は先月9日、事実関係を調査すると表明。出入国在留管理庁は今月上旬に報告書をまとめるとしている。 名古屋入管の担当者は取材に「適切に対処したと認識しているが、調査の報告を待ちたい」と話している。 同庁によると、7日現在で全国17の入管施設に305人が収容されている。死亡事案は2011年以降の約10年間で10件という。(大野晴香) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
Au Japon, les petits pas vers le mariage pour tous
Des militants LGBTQ manifestent devant le parlement avant de soumettre une pétition au parti au pouvoir pour l’égalité des droits, à Tokyo, le 25 mars. KYODO NEWS VIA AP LETTRE DE TOKYO Au Japon, des juges semblent plus en phase avec leur époque que le législateur, sourd aux demandes de protection des […]
東ちづるさん 「お嫁さんにしたい芸能人」に違和感…
主人?奥さん? モヤモヤする言葉はありますか。俳優の東ちづるさんが、気になっていたのはあの言葉でした。 「妻」や「恋人」ではなく「嫁」? かつて「お嫁さんにしたい芸能人」とよく呼ばれていました。料理番組のアシスタントで全国放送デビューした30年ほど前のことです。キャッチーな言葉はタレントとしてはありがたいのですが、「妻」や「恋人」ではなく「嫁」だったことが気になっていました。下の名前で呼び合う両親のもとで育ったので、上下関係がにじむ言葉に抵抗があったんです。 2003年に結婚するとき、夫と「対等な関係を損なう表現はやめましょう」と話し合いました。 夫との話し合いの中身とは? 「いま積極的に発信しているのは、過去の自分への反省もあります」と真摯に語ります。 「家内」「うちの」「奥さん」… 【5/11まで】デジタルコース(月額3,800円)が今なら2カ月間無料!詳しくはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
目的ない「雑談」減ると…ケンカしない技術が失われた今
コロナ禍が日常になった今、用件は手短に伝え、オンラインで話せば事足りるという空気もある。だが、中身のないムダ話こそ恋しい。「雑談」にはどんな意味があるのか、考えてみた。 鈴木涼美さん「ズーム飲み、やってみたけど違う」 最近、音声SNS「Clubhouse(クラブハウス)」が「雑談アプリ」として話題になりました。SNS上で集まった人たちが音声だけで会話を楽しみ、記録は残らないのが特徴です。「声が聞きたい」が先にあって、会話は後からついてくる。テキストのやりとりのように記録が残らないから、気軽な雰囲気で話せる。私はやってみて、昔の「友達との長電話」に似ていると思いました。 「長電話」には、たいてい意味がないじゃないですか。でも楽しい。自分の考えを話しつつも、相手の声色なんかを聞いて「なんちゃって」とか付け足す。皮肉や冗談も交えつつ、完全には理解できなくても、折り合いをつけていく。クラブハウスが注目された背景には、そんな雑談が失われてきている息苦しさがあるのではないでしょうか。 先に場所と時間の共有があって、後から言葉がついてくる。雑談の本質は、この順番にあると思っています。 記事後半には「今でも雑談は得意でない」と話す吃音の当事者会主宰の山田舜也さんが登場。単純でない雑談と吃音の関係について語ります。 例えば、私は喫煙者なのですが… 【5/11まで】デジタルコース(月額3,800円)が今なら2カ月間無料!詳しくはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
大阪の聖火ランナー「さすがに仕方ない」 代替案に望み
開催直前になって、大阪府内全域の公道で東京五輪聖火リレーが中止になった。新型コロナウイルス感染の急拡大が理由で、都道府県単位での中止は初となる。参加予定だったランナーたちは落胆し、万博記念公園(大阪府吹田市)での代替策に望みをつなぐ。 「残念でしようがない。マスクを着けてでも走りたいけど、みんなの健康と安全のために受け入れるしかない」。大阪府岸和田市内を走る予定だった同市在住の五嶋(ごとう)忠志さん(85)は声を落とした。 世界マスターズ陸上を走る市民ランナーだ。「練習で走らせてもらっているお礼」として、12年前からは同市中央公園で1日4時間、「筋トレも兼ねて」ゴミ拾いをしている。 「私が元気に走る姿を見てもらって、同年齢の人に『自分も頑張ろう』と思って欲しい」と、練習を続けてきた。今月1日に大阪市内での聖火リレー中止を聞いた時は「準備してきた人はショックだろう。屋外で密にならないように走ってもダメなのか」と思った。だが、1週間で府内の感染者数は急増した。「さすがに仕方ない」と今は思う。 万博記念公園(大阪府吹田市)での代替策が検討されている。「厳しい状況なのはわかっているけど、万博公園を走れたらありがたい。リレーが中止になったら五輪も中止になるのでは、と心配になる」 大阪市淀川区の山本潤二さん(62)は3年半前に脳梗塞(こうそく)を患い、聖火リレーを目標にリハビリに取り組んできた。 大阪市内のリレー中止は決まっていたが、7日には府内全域の中止と共に万博記念公園での代替案が明らかにされた。「トーチを持ってスタートラインに立てる機会を与えていただけるだけでも感謝の気持ちでいっぱい」と語る。 病に倒れてから、医師や理学療法士ら多くの医療関係者らに支えられた。「僕1人でここまでこられたわけではない。聖火に込めた感謝の気持ちをどうしてもつなぎたかった」。中止はやむを得ないと思いつつ、「復興五輪を掲げ、励みにしてきた人も多いと思う。どんな形でも五輪にかけるそれぞれの思いをつなぐことに意味がある」と話す。 大阪市東住吉区の会社員、島津… 【5/11まで】デジタルコース(月額3,800円)が今なら2カ月間無料!詳しくはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
婚前出産タブーの国から来た留学生 予期せぬ妊娠の末に
技能実習生や留学生が、海を渡って続々と日本にやってきている。外国人どうし、あるいは外国人と日本人の間の「予期せぬ妊娠」で生まれる赤ちゃんもいる。 想定外の妊娠であれば、妊婦が医療機関の支援を受けられなかったり、赤ちゃんが遺棄されたりするリスクは高まる。 加えて、外国人の母親から生まれた子には別のリスクもつきまとう。どの国籍も得られない「無国籍児」になってしまうリスクだ。 婚前出産がタブーの国から来た留学生 2年前、関東地方に生まれた男の子もそんな一人だ。 関東地方の一軒家。2歳の男の子が、床一面に広がるおもちゃの間を跳びはねながら、50代の里父に抱っこをせがんだ。 拡大する男の子は里父の指をぎゅっとつかんだ 男の子が里親夫婦のもとにやってきたのは、生後わずか7日目だった。夫婦にとって里親になるのは2度目だったが、新生児は初めて。あまりの小ささに驚いた。夜中も3時間ごとにミルクを代わる代わるあげた。ぐんぐん育ち、いまは12キロになった。 男の子の両親は、ともに南アジアの国の出身だ。でも、男の子の国籍はない。 「無国籍って何?」。預かるにあたってそのことを聞いた夫婦は、そう言って顔を見合わせた。 男の子はなぜ無国籍になってしまったのか。 支援にたずさわった関係者によ… 【5/11まで】デジタルコース(月額3,800円)が今なら2カ月間無料!詳しくはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
警察宿舎→感染者用改修→利用せず元に戻す 計48億円
東京五輪・パラリンピックで警備にあたる警察官用の東京都内の宿舎を、新型コロナウイルスに感染した人を受け入れる施設として改修したものの、利用されないまま元の状態に戻すことになった。警察庁などへの取材でわかった。改修と再改修に要した費用は計約48億円にのぼるという。 施設の管理や運営を担っていた都は「ホテルの方が宿泊療養に適していた」などと説明している。 警察庁によると、宿舎は東京都江戸川区と江東区、大田区の臨海地区の4カ所に建設されたプレハブの施設。五輪の警備のため全国から派遣される部隊の隊員が寝泊まりするために警察庁の予算で用意された。 コロナ感染者の増加を受けた政府の対策の一環として、軽症・無症状の人たちが療養する施設に使う方針が決まり、完成間近だった昨年4月から改修を始めた。大部屋に仕切りを設けて個室に変え、トイレや浴室を増やしたほか、駐在する看護師のためのスペースをつくるなどした。昨年度の補正予算で改修費約40億円が計上され、実際に約37億円が使われたという。 4カ所で計800人ほどの受け入れが可能だったというが、一度も使われなかった。その後、五輪を控えて警察官の宿舎に戻すことになり、今月初めから再改修の工事が始まった。再改修には今年度の関係予算のうち約11億円が充てられる。警察庁によると、仮に療養施設に利用されていても、五輪の警備に間に合うように元の状態に戻す予定だったという。 警察庁の担当者は「使うかどうかの判断や運営方針については話す立場にない」としている。関係者によると、警察庁と厚生労働省などとの間で、施設の管理、運営は都が担うことを確認しており、改修も都が主導して行った。厚労省から3月ごろ、警察庁に「都が使う状況にない」と連絡があったという。 厚労省の担当者は「改修が決まった昨春は風評被害の懸念があり、軽症者用のホテルが確保できるか分からない状態だった。都によるホテル確保が進み、結果的に使われないことになった」と説明。都の担当者は「民間のホテルの方がアメニティーなどもそろっていて、宿泊療養に適していたため、ホテルを優先的に使用していた」と話した。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
東電社長「深くおわび」 柏崎刈羽原発のテロ対策不備
東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)でテロ対策の不備が相次いだ問題で、東電の小早川智明社長は7日、新潟市内で記者会見を開き、自身を含む役員4人が月額報酬の30%を6カ月間、自主返納すると発表した。再発防止のため、核の防護対策に詳しい外部の専門家の協力を得て、社内で原因究明を進めていくという。 一連の問題で、原子力規制委員会は3月末、柏崎刈羽原発での核燃料の移動を禁じる是正措置命令を出す方針を決定。東電は弁明の期限とされた7日、命令を受け入れる意向を規制委に文書で伝えた。命令は近く確定する。 小早川社長は「地域の皆様をはじめ、広く社会の皆様に多大なる不安と不信を与え、心から深くおわび申し上げます」と陳謝。今後の対応として、10年前の福島第一原発事故までさかのぼり、社内で安全文化や核物質管理の重要性についての認識が根付いていたか、組織的な課題を検証していくことなどを挙げた。 同原発では昨年3月以降、立ち入り制限区域の不正侵入を検知する設備が故障したのに点検や保守を怠り、実効性のある代替措置も長期間講じられていなかった。昨年9月には社員による同僚の認証カードを使った中央制御室への不正侵入も起きていた。 規制委が、原因の背景に経営層の関与が不十分だったことを指摘したことについて、小早川社長は「経営側がどのようなイニシアチブを発揮するべきであったかは、これから詳細に調査し、改善するところは改善する」と述べた。(川村剛志) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル