伊藤和行2021年4月28日 12時32分 コロナ禍で学校現場での教育実習の受け入れが難しい状態が続いているため、文部科学省は、今年度も大学の授業などを代わりの単位として認める特例措置をとることを決めた。実習を行うことを原則とするが、「真にやむを得ない場合」に限り、実習なしでも教員免許の取得を認める。 教育実習は、教員を目指す学生が幼稚園や小中高校で実際の授業などを体験する。昨年度、コロナ下の学習遅れへの対応などで実習生の受け入れが難しいとの声が各地の教育委員会から上がり、特例措置が設けられた。大学での模擬授業などで代替できるとし、実際に学校での実習を行わなかった大学もあるという。コロナ禍の終息がみえないため、今年度も特例を延長する。 一方、文科省は小中学校の教員免許取得に必要な「介護等体験」について受け入れ対象施設を広げ、ハンセン病療養所や被爆者の支援事業所などを追加した。これまで特別支援学校や社会福祉施設などで行ってきたが、学生の体験の多様化を図る。外国人や不登校の児童生徒のための授業を行う学校も含める。文科省は「学生の体験の充実が目的で、受け入れ施設の合意が前提となる」としている。(伊藤和行) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
首都圏4都県知事「遊びに来ないで」 GW前に共同発信
ゴールデンウィークが始まるのを前に東京、埼玉、千葉、神奈川の首都圏4都県知事が28日、新型コロナウイルスの対策を話し合うテレビ会議を開いた。「1都3県には遊び来ないで」などと「ステイホーム」を呼びかける共同メッセージを発信した。 メッセージでは、飲食時の感染対策やテレワークを活用した出勤抑制を都県民に依頼。公園や路上での飲み会についてはコンビニなどにも注意喚起に協力を求めた。 東京都の小池百合子知事は会議の冒頭、GWについて「爆発的な感染拡大を阻止できるか、重要な分岐点」と指摘。埼玉県の大野元裕知事が「この機会にしっかりと首都圏が一体となってワンボイスでできればいい」と述べた。神奈川県の黒岩祐治知事も「連携していくことで我慢のウィークを実現してきいたい」とし、GW前に共同メッセージを出す意義を強調した。 また、千葉県の熊谷俊人知事は車の「県外ナンバー」に非難が集まることなどへの懸念に触れ、「分断が起きないよう細心の注意を払いながら丁寧な発信を心がけたい」とした。(釆沢嘉高) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
開けっ放しの心、沈没しない #コロナを生きる言葉集
開けっ放しの心やから沈没しない(大阪の定時制高校へ通う80歳の村田十詩美さん) 仕事、お金、顧客、健康――。コロナはあらゆるものを奪う。閉塞(へいそく)感漂う世の中だが、こんな時はむしろ心を閉ざさない方がいい、と戦前生まれの大阪のおばちゃんは言う。 奪われることの多い半生だった。恵まれた家庭に生まれたが、小4で義父が倒れて暮らしは一変。内職の手伝いで、小学校へ通えなくなった。中学生になると家族と別れ、学校の目の前の酒屋に住み込みで働いた。 17歳で結婚。今度は、酒とばくちばかりで働かない夫の世話に追われ、4人の子育てや仕事に明け暮れた。自由な時間はなかった。 へこたれなかったのは「気にしすぎへんかったから」。大阪人らしく、笑い飛ばしたり開き直ったり。「今日はこれでええやん」とつぶやいては浮上を待つ。「せやから沈没しなかった」 70歳で大阪の夜間中学(守口市立さつき学園夜間学級)に入学した。9年通って昨年卒業し、80歳の今は定時制高校へ通う。孫世代の級友と机に向かい、体育も一緒。先生におまけしてもらって校庭を走る。 夢はいつか、大学へ。生きるという人生の手綱を手放さない限り、人生は始められるから。どこからでも、何度でも。 今はうまくいかなくても「あっけらかんとね」。心の窓を開け放ち、風通しをよくしておけば大丈夫。風向きが変わっても起き上がれる。「前向いて歩かへんかったら、損やと思うわ」(土井恵里奈) ◇ 誰もが経験したことのない日々が続いています。様々な立場、場面の言葉を集めます。明日に向かうための「#コロナを生きる言葉集」。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
マンション火災で2人死亡 殴られた跡?殺人容疑で捜査
2021年4月28日 10時07分 28日午前7時5分ごろ、大阪府大東市谷川2丁目のマンション「タカシハイツ」(5階建て)で、2階から火の手が上がっていると、警察を通じて通報があった。大東四條畷消防本部によると、2階の1部屋が焼け、約1時間半後に消し止められた。 府警や消防本部によると、2階で40代の男性が倒れているのが見つかったほか、3階部分から顔や胸などから血を流して倒れている30代女性が見つかった。2人とも死亡が確認された。 女性は頭部などに殴られたような痕があり、四條畷署が殺人容疑で捜査を始めた。男性は火元の2階の部屋から見つかり、目立った外傷はないという。消防本部は一酸化炭素中毒の可能性が高いとみている。 現場はJR学研都市線住道駅の北東約1キロの住宅街。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
両陛下、全国植樹祭にリモートで参加へ 「お手植え」も
杉浦達朗2021年4月28日 10時07分 宮内庁は27日、5月30日に島根県で開催される第71回全国植樹祭について、天皇陛下が東京からオンラインで出席すると発表した。皇后雅子さまも体調が良ければ同席する。全国植樹祭は両陛下の定例地方訪問「四大行幸啓」の一つで、お二人がオンラインで出席するのは初めて。 この行事は、両陛下が苗木を植える「お手植え」が恒例。今回は事前に島根県から東京に運ばれ、式典当日、両陛下が鉢に苗木を植える様子をライブ映像として流すことを検討している。その後、東京から島根に苗木を運び、現地で植え替える予定。 宮内庁によると、こうした方法は1968年の秋田県での第19回植樹祭を参考にした。当時は式典直前に十勝沖地震が起きたため、昭和天皇は現地訪問を取りやめ、皇居で植えた苗木を後日秋田に運んだ。 同庁や島根県によると、県内での感染者拡大は抑えられているが、全国植樹祭は出席者を4千人から1千人に減らすなど規模を縮小して開催する。(杉浦達朗) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「紀州のドン・ファン」を殺害容疑、元妻を都内で逮捕
多くの女性との交際遍歴から「紀州のドン・ファン」と呼ばれ、2018年5月に急性覚醒剤中毒で死亡した和歌山県田辺市の会社社長、野崎幸助さん(当時77)を殺害したとして、県警は28日、元妻の須藤早貴(さき)容疑者(25)=東京都品川区=を殺人容疑で逮捕した。捜査関係者への取材でわかった。 県警捜査員が28日早朝、須藤容疑者が住む品川区の高層マンションを訪れた。午前5時35分ごろ、須藤容疑者を乗せた捜査車両の白いワゴン車がマンションの駐車場を出た。須藤容疑者は3列シートの最後列真ん中に座り、報道陣のフラッシュがたかれる中、終始下を向いていた。 県警は田辺市の田辺署に移送し、本格的な取り調べに入る見込みだ。 野崎さんは18年5月24日夜、自宅2階でぐったりしているのを須藤容疑者が見つけ、手伝いの女性が心臓マッサージをしたが、その後死亡が確認された。 県警が遺体を解剖したところ、血液や胃の内容物などから致死量を超える覚醒剤成分が検出され、死因は急性覚醒剤中毒と判明した。 野崎さんの腕には注射痕がなかったといい、口から摂取した可能性が高いとみられる。 県警は18年6月、容疑者不詳の殺人容疑で野崎さんの自宅や会社、東京都内の須藤容疑者の別宅などを捜索した。野崎さんが亡くなる18日前に急死し、自宅庭に埋葬された飼い犬も掘り起こして死因を調べるなど、捜査を進めてきた。 野崎さんは生前に出した著書… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
米側から届いたメモ…逮捕急がねば 沖縄の女性殺害5年
沖縄県うるま市の女性が米軍属の男に殺害された事件から28日で5年。県警で捜査を指揮した当時の幹部が朝日新聞の取材に応じ、事件の内幕を明かした。また防衛省の元幹部は、現場で対応にあたった経験を自戒を込めて語る。「東京からは見えない現実があった」 女性のスマートフォンの位置情報を頼りに、付近を通った車を捜していた。行方不明から2週間以上がたった5月16日夕。県警の捜査員が、米軍関係者を示す「Yナンバー」の車を持つ男を割り出し、自宅にたどりついた。男は、基地の外で暮らしていた。 今回取材に応じたのは、当時の捜査幹部の男性だ。男性のもとには、現場の捜査員から逐一状況が報告されていた。 男の自宅のテレビではちょうど、行方不明になった女性のニュースが流れていた。「あの件です」。捜査員が告げると、急に表情を引きつらせた。 3日後の朝、男を署に呼ぶと自供を始めた。しかし、男性には懸念があった。部下から、もう一つの報告があがってきていた。男に宛てて米国側からメモが届いた。米軍の管理下に入りたければいつ来てもよい――。そんな報告だったと記憶している。 米軍人・軍属が事件を起こした場合、日米地位協定は公務外だとしても、米側に身柄があるときは起訴までは米側が拘束する、と定める。凶悪事件に限り、起訴前の引き渡しの可能性もあるが、米軍の裁量にまかされている。 自国民守りたい米軍、拘束したい県警 「逮捕を急がねば」。基地内に入られてしまえば、捜査手続きに時間がかかる。全容解明の妨げになる可能性があった。 県内では米軍関係者による事… この記事は有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。 残り:1939文字/全文:2609文字 【5/11まで】デジタルコース(月額3,800円)が今なら2カ月間無料!詳しくはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「存在否定されたよう」 また時短、札幌の飲食店はいま
札幌市内での新型コロナウイルスの感染急増を受けた、北海道から市内全域の飲食店に対する営業時間の短縮要請が27日始まった。5月11日まで約2週間続く。札幌市内では昨秋から約4カ月間、ススキノ地区を中心に断続的に飲食店への時短や休業要請が行われ、再び営業が制限される。今回は学校への部活の休止要請なども加わり、1年以上続くコロナ禍に人々は疲労を隠せない。 拡大する5月11日までの休業を知らせる飲食店=2021年4月27日午後7時24分、札幌市中央区、伊沢健司撮影 「店を開けているのがいいのか、閉めているのがいいのか分からない」 札幌・ススキノの焼き肉店「焼肉 上を向いて歩こう。」の店主の神田隆さんは話す。今回、道の要請に従って酒類の提供を午後8時まで、店の営業を9時までに短縮する。本来の営業時間は平日が午後11時まで、週末は午前1時まで。時短初日の27日は予約のキャンセルが相次いだ。 ススキノ地区をはじめとする市内の飲食店はコロナ禍で昨年4月以降、度重なる時短要請が出されてきた。「第3波」が押し寄せた11月上旬からは期間が5回延長され、2月末まで続いた。神田さんの焼き肉店も時短のたびに売り上げがコロナ禍前から半減した。 要請とセットの支援金は今回、会社の規模や売り上げに応じて1日あたり2万5千~20万円が出されるが、売り上げ減を補える水準ではない。 ススキノにある焼酎バーでは、コロナ禍前の売り上げは月60万円ほどだったが、今は10万~15万円。経営者の女性は、毎月15万円ほどの家賃を払い、焼酎と、手料理のための食材の仕入れは欠かさない。支援金などの行政からのお金では足りず、貯金を切り崩す日々だ。 感染対策として昨年5月から客席を15席から10席に減らし消毒液を何カ所にも置く。しかし週6日の営業日のうち4日連続で来店者ゼロだったこともあった。 再三の時短要請に、女性は「もう、ずっとこんな状態。バーがにぎわうのは二次会の時間の午後9時から。店と私の存在を否定されているみたい」。 かつて国内外の観光客らで行… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「多少の談合は良いと思った」 医薬品入札で大手業者
金子和史2021年4月27日 19時45分 独立行政法人「地域医療機能推進機構」が発注した医薬品の入札で談合したとして、独占禁止法違反(不当な取引制限)の罪に問われた医薬品卸大手スズケン(名古屋)と同社の元幹部ら3被告の初公判が27日、東京地裁であり、いずれも起訴内容を認めた。検察側は同社に罰金3億円を求刑するなどし、即日結審した。この事件では他にも卸大手2社と元幹部ら4人が起訴されており、公判が開かれるのは今回が初めて。 検察側は、犯行を主導したとする中原岳志・元常務執行役員病院統括部長(61)に懲役2年、伊藤哲也・元同部副部長(54)と大島克彦・元同部広域病院課統括課長(59)に懲役1年6カ月を求刑した。 求刑は罰金3億円 検察側の冒頭陳述によると、3被告は機構が運営する57病院に医薬品を納める2016年と18年の入札で、他社の担当者と都内の貸会議室や喫茶店で会って受注調整することを確認。目標とする各社の受注シェアを設定した上で、目標に近づくようにそれぞれが受注する医薬品を決め、事前に入札金額の情報を交換していた。中原被告は被告人質問で「業界の商習慣で多少の受注調整はしてもいいと思った」と語った。 検察側は論告で、機構との契約価格は市場の実勢価格として薬価の改定に影響を与えると指摘し、「公共性が高い分野における談合で国民経済に大きな影響を与えた」と批判した。弁護側は、医薬品卸は製薬会社と医療機関の板挟みになって利益を得づらい構造があり、業界の存続を図るためだったと訴えた。(金子和史) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
安倍前首相の元公設秘書、再び不起訴に 「桜」夕食会
原田悠自2021年4月27日 19時48分 安倍晋三前首相の後援会が「桜を見る会」前日に開いた夕食会の費用を収支報告書に記載しなかった事件で、東京地検特捜部は27日、捜査時点で収支報告書の保存期間が切れて原本が廃棄されていた1年分について、元公設第1秘書(61)を再び不起訴(嫌疑不十分)とした。検察審査会の「不起訴不当」議決を受けて再捜査したが「十分な証拠が得られなかった」としている。 時効は5年 でも保存期間は3年 特捜部は昨年12月、2016~19年の4年分の収支報告書に夕食会の収支を記載しなかったとして、元秘書を政治資金規正法違反(不記載)罪で略式起訴した。15年分も同罪の時効(5年)は未成立だったが、原本が廃棄済みのため不起訴とした。東京第五検察審査会は今年3月、「他の証拠で(不記載の)事実を認定できる」として不起訴は不当と議決していた。 検審は不記載の罪の時効は5年だが収支報告書の保存期間は3年というズレを問題視し、時効成立までは原本を廃棄しないようにする法改正なども求めた。(原田悠自) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル