北海道新幹線が2030年度に札幌まで延伸されることに伴い、JR北海道から経営分離される函館線の函館―小樽間(約288キロ)のあり方を議論する並行在来線対策協議会がこのほど開かれた。道は第三セクター方式で在来線の運行を続けた場合、全区間で年間40億円超の赤字が見込まれると明らかにした。初期投資と延伸後30年間の赤字の累計は1900億円近くに達し、鉄路の維持の厳しさが示された形となった。 道は、小樽―長万部間と函館―長万部間の2区間についてそれぞれ、①地元自治体が出資する第三セクター方式で鉄道を引き継ぐ②全区間をバス転換③鉄道とバス転換を併用――の3パターンについて、将来の収支予測などを調べた。 小樽―長万部間では、鉄道を… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
入管収容中死亡のスリランカ女性遺族「確かめたい」
名古屋出入国在留管理局で3月、収容中だったスリランカ人女性ウィシュマ・サンダマリさん(当時33)が死亡した問題で、母親と妹2人が27日、オンラインで国会議員や弁護士らの質問に答えた。「遺体もまだ見ていない。ほんとうに亡くなったのか自分で確かめたい」と語った。妹らは5月初めに来日し、日本政府に説明を求めるという。 3人は国会内で開かれた立憲民主党の会合に、スリランカからオンラインで参加した。母スリヤラタさん(53)は娘が大好きだった日本で亡くなったと知り、ショックを受けて仕事も休みがちだという。死亡の経緯が記された日本政府作成の文書をスリランカ外務省経由で受け取ったといい、妹らは「文書には分刻みで容体の変化が記録されている。監視カメラで本人の様子を撮った映像があると思うので、ぜひ見せてほしい」と語った。 国会で審議中の出入国管理法改正案について、同党法務部会などの議員らは、出入国在留管理庁への聞き取りを踏まえ「死亡事件が起きても、入管で何が行われていたかがまったく見えない。説明責任を果たさない入管に広範な裁量権を認めている改正案に反対し、廃案を求める」との方向で一致した。(編集委員・北野隆一) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
みなさんの声に私は支えられた 編集委員・大久保真紀
今年度の日本記者クラブ賞は朝日新聞の大久保真紀編集委員(57)に贈られることが決まった。中国残留孤児や性暴力被害者などさまざまな社会的弱者の取材を長年続けてきた。粘り強い取材姿勢などが「時代を超えたジャーナリズムの原点」と評価された。大久保編集委員が取材活動を振り返るとともに、これまで手紙などを送ってくれた読者に話を聞いた。 1554通の声、つながり感じながら 一枚のはがきがあります。それを写真立てに入れ、四半世紀以上、私は自宅の居間に飾ってきました。いわさきちひろさんの絵が描かれたはがきの消印は「新宿 1995年6月15日」。差出人の名前は書かれていません。 「貴女(あなた)の記事を拝読しています」で始まる文面には、私が書いた三つの署名記事のことが触れられています。27歳で東京本社社会部に来た半年後の91年9月に連載した元五輪水泳選手の長崎宏子さんの記事。93年に日本に強行帰国した12人の中国残留婦人の記事。そして、直前に連載したフィリピン残留日本人2世の記事。「いずれも優しいお気持ちがいっぱいにあふれていて感動しました。今後も弱者の立場に立って、さまざまな問題を取り上げてください」とありました。 「だれよりも私の記事を読んでくれている!」。心が震えたことをいまでもはっきりと覚えています。 当時は記者の署名が入るのは解説や連載などに限られていました。朝日新聞で一般記事にも署名が原則となるのは2005年以降です。私の署名記事の内容をずっと覚えてくださっていることに感動しました。 それ以来、私あてに届く手紙を保管してきました。多くがあたたかい励ましですが、手厳しい意見もとってあります。今回、自宅のファイルを調べたところ、確認できただけで、1554通ありました。こうした手紙やファクス、最近ではメールの、みなさんの声に私は支えられてきました。 取材がうまくいかなかったり、企画や原稿が通らなかったり。長い記者人生の中では社内外で立ちはだかる壁の高さと厚さに落ち込むことも多々ありました。そんなときは必ずといっていいほど、みなさんの激励や感想が私の背中を押してくれました。いただいた文面を読み返し、涙をぬぐって立ち上がったことも1度や2度ではありません。 すべての方にお返事を書けていないことをこの場を借りておわびするとともに、改めて感謝を申し上げます。 最近も「子どもへの性暴力」の記事を読んで「自分のせいじゃなかった」とわかり、大泣きしたという大学院生の女性からお手紙をいただきました。家族から性暴力を受けていた方です。「教育があり、新聞があり、それを通じてつながる人たちがいるからいまも私は生きている」と書かれていました。 みなさんとのつながりを感じながら、これからも取材を続けていきます。(大久保真紀) ◇ 福岡県生まれ。1987年、朝日新聞に入社。盛岡、静岡両支局を経て、東京本社社会部などに在籍して、旧厚生省、遊軍などを担当。編集委員の後、鹿児島総局次長を経て、2008年から再び編集委員。著書に「ルポ 児童相談所」(朝日新聞出版、18年)、「献身 遺伝病FAP患者と志多田正子たちのたたかい」(高文研、14年)、「児童養護施設の子どもたち」(同、11年)、「ああ わが祖国よ――国を訴えた中国残留日本人孤児たち」(八朔社、04年)、共著に「虚罪――ドキュメント志布志事件」(岩波書店、09年)などがある。 「自分の中に新たなアンテナを持てる」 北九州市に住む井上洋美さん(57)は昨年7月、大久保編集委員らによる連載「子どもへの性暴力」を読み、はっとした。家庭内の性虐待に関する記事で「被害を受けた子と、私もすれ違っているかもしれない」と思ったからだ。 井上さんは、小中学生の学習支援の仕事をしつつ、子どもらの悩み相談を聞くボランティアもする。性暴力の記事を読み、子どもの変化により敏感になった。実際に性虐待の相談を受けたときも、どう寄り添えばいいか、記事を思い出しながら対応ができた。 「様々な現実を知ることで自分の中に新たなアンテナを持てる」と井上さん。 「ミーチャの記事が私の人生を変えた」 2001年、当時19歳だった村田早耶香さん(39)は大学の授業で読んだ記事に衝撃を受けた。その5年前に大久保編集委員が書いた東南アジアの児童買春に関する記事。12歳で売春宿に売られ、エイズにかかった20歳の「ミーチャ」の過酷な人生がつづられていた。 「自分と同じ年頃の子が、こんな目に遭っているなんて」。現地に行き、より深刻な現実を知った。翌年、国際NGO「かものはしプロジェクト」を設立。カンボジアなどで貧困層の女性の雇用を増やし、取り締まり強化にむけた支援もしてきた。 最近は日本の子どもの虐待などに目を向ける。「ミーチャの記事が私の人生を変えた。より多くの子が幸福を感じられる社会を目指したい」 「日の当たりにくい人にスポットを」 愛知県豊田市の佐藤治郎さん(85)は2015年、少年たちの再非行防止に取り組む元暴走族の男性を紹介する記事を読んだ。「日の当たりにくい人にスポットを当てる記事に感銘を受けた」。署名は大久保編集委員だった。 男性が再犯防止のため立ち上げたNPOの活動に、記事に突き動かされて参加し始めた。若者たちの話を聞くと、孤独から犯罪に手を染めた子が多かった。立ち直り、将来の夢を語る子の顔は生き生きしていた。厳罰化を図る少年法改正案の議論が国会で進む。「子どもたちは愛情と手を差し伸べる人がいれば立ち直れる」 「孤児たちの心がそのまま映し出されていた」 中国残留孤児が国を訴えた訴訟の原告団リーダーだった東京都の池田澄江さん(76)は2008年、大久保編集委員に直筆の「感謝状」を手渡した。「大久保さんの記事で私たちは助けられた」と振り返る。 この年、孤児らへの国民年金の満額給付などの支援が実施されることになっていた。孤児らが国を相手に裁判を闘った結果だった。感謝状は原告団の会議などへ足しげく通い、記事を書いてきた大久保編集委員への孤児らの思いを伝えていた。「国を相手に訴えるのは怖かったが、大久保さんの記事で背中を押された。いつも原告みんなで回し読みしていた。記事は孤児たちの心がそのまま映し出されていた」 ●1994年7月 93年秋に日本へ「強行帰国した」12人の中国残留婦人のその後を追った「ルポ残留婦人12人 それぞれの祖国」を連載。中国・フィリピンの残留日本人の問題の取材は約30年にわたる ●96年4月 タイなどの少女の買春問題を伝える「無垢(むく)の叫び 買われる子どもたち」を連載 ●2001年3月 「虐待 児童養護施設の子どもたち」を連載。のべ80日以上、児童養護施設に泊まり込むなどして取材した ●06~07年 住民ら12人が公選法違反の罪に問われた鹿児島県の志布志(しぶし)事件では、総局デスクとして総局長とともに取材を指揮し、捜査当局による事件の捏造(ねつぞう)を明らかにした。 ●16年8月 企画「小さないのち」を中心メンバーとして連載。1年半で10シリーズを展開した。事故や事件など同じような原因で子どもたちが亡くなる現状を示し、検証制度の導入を訴えた ●19年12月 子どもの性被害を考える「子どもへの性暴力」の連載スタート 中国残留日本人、冤罪(えんざい)被害者、遺伝性難病患者、虐待された児童、性暴力被害者など、さまざまな社会的弱者の実態を長期間にわたって取材し、新聞記事や「献身」「ルポ 児童相談所」「虚罪――ドキュメント志布志事件」などの著作で報じてきた。その手法は、児童養護施設に計80日間泊まり込むなど徹底した現場主義に貫かれ、理不尽で過酷な状況に置かれている当事者と信頼関係を築き、その肉声を伝えてきた。取材対象に「限りなく近く、しかし、同化せず」の基本姿勢や粘り強い取材は、時代を超えたジャーナリズムの原点であり、後進の目標になる業績である。(日本記者クラブの発表文から) ◇ 〈日本記者クラブ賞〉全国の主な新聞社やテレビ局などで作る日本記者クラブが1972年に創設。報道や論評などを通じて顕著な業績をあげ、ジャーナリズムの信用と権威を高めたジャーナリストに贈られる。これまでの受賞は大久保編集委員を含む57人。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
そこには大久保真紀の名があった 作家・小川糸さん寄稿
作家・小川糸さん寄稿 私は「同志」だと思っている 初めて、「大久保真紀」という新聞記者の名前を意識したのは2013年の12月、「ザ・コラム」という欄で小泉元首相との会食について書かれた記事を読んだ時だ。面白い感覚の方だな、というのが第一印象だった。 それ以降、折に触れて大久保さんの記事を目にするようになった。いい記事だなぁと思って読み終えると、そこには必ずと言っていいほど「大久保真紀」の名前がある。後にも先にも、新聞記事を読んで号泣したのは、大久保さんの署名記事だけだ。大久保さんの書かれる記事には、芯のところに人としての温(ぬく)もりがある。 弱き者の立場に立ち、声すらも上げられない人々の心に耳を寄せ、かすかに響く叫びや呻(うめ)きを言葉にする。決して焦らず、じっくりと時間をかけて相手の声を掬(すく)い取っているのが伝わってくる文章だ。とりわけ、児童虐待に対しての眼差(まなざ)しはどこまでも深く優しく、静かな怒りに満ちていた。 公務員をしていた私の母は… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
Angels’ Shohei Ohtani gets first win since 2018 in two-way appearance
Arlington, Texas – Los Angeles Angels two-way star Shohei Ohtani picked up his first MLB win in nearly three years and also contributed offensively in the team’s 9-4 win over the Texas Rangers on Monday. Ohtani (1-0), who was hitting and pitching in the same game for the second time […]
Angels’ Shohei Ohtani gets first win in two-way start since 2018
Arlington, Texas – Los Angeles Angels two-way star Shohei Ohtani picked up his first MLB win in nearly three years and also contributed offensively in the team’s 9-4 win over the Texas Rangers on Monday. Ohtani (1-0), who was hitting and pitching in the same game for the second time […]
解決金「大変困惑」 小室圭さん母の元婚約者がコメント
秋篠宮家の長女眞子さまと婚約が内定している小室圭さんの母・佳代さんと元婚約者男性との金銭トラブルをめぐり、小室さんが経緯を説明する文書を公表し、男性に「解決金」を渡す方針を示したことについて、男性は27日、代理人を通して「大変困惑している」とコメントを出した。 男性は「私と小室佳代さんとの間の金銭問題が、いまだに世間を騒がせていることに関して、誠に申し訳なく感じております」と謝罪したうえで、「すでにお金を請求しないと伝えていたし、金銭問題は終わったことだと考えていた」と説明。解決金については「代理人を通じて交渉ができれば」としながらも、交渉の相手は小室さんではなく佳代さんだと指摘。「私と佳代さんの金銭問題と圭さんの結婚は別問題だと今も考えています」とした。 金銭トラブルをめぐっては、小室さんが8日にこれまでの経緯を説明する文書を公表し、12日に小室さんの代理人弁護士が男性に解決金を渡す方針を明らかにしていた。 秋篠宮家の長女眞子さまと婚約が内定している小室圭さんの母・佳代さんと元婚約者男性との金銭トラブルをめぐり、男性は27日、代理人を通してコメントを出した。全文は次の通り。 マスコミの皆様へ… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「ブレーキ踏んだが加速」 池袋暴走の被告が法廷で説明
「アクセルは踏んでいない」。東京・池袋で2019年に乗用車が暴走し、母子が死亡するなどした事故の公判で、被告が27日、事故状況や心境を法廷で語った。自らの過失でなく車のトラブルが原因と訴える被告に、傍聴した遺族は公判後「真実を述べてくれると思ったのに……。荒唐無稽な主張だった。事故の後、一番絶望を感じた」と泣きながら話した。 アクセルとブレーキ「踏み間違っていない」 自動車運転死傷処罰法違反(過失運転致死傷)の罪に問われたのは、旧通産省工業技術院元院長・飯塚幸三被告(89)。 飯塚被告はこの日の被告人質問で、「エンジンが異常に高速回転した」と当時を振り返り、車のトラブルが事故原因だと説明。「車が制御できないと思いパニックになった。ブレーキペダルを踏んだが、ますます加速した」と述べた。 「踏んだのがアクセルなら説明がつくと考えたことはないか」とただした検察側に対しては、「踏み間違えの記憶は一切ない」と否定。車を運転する運動能力や判断能力については「問題ないと思っていた」と語った。 事故では、自転車で横断歩道を渡っていた松永拓也さん(34)の妻・真菜さん(当時31)と長女莉子ちゃん(同3)が亡くなり、9人が重軽傷を負った。飯塚被告は「親子が亡くなられたことについてご冥福をお祈りしたい気持ちでいっぱい。(裁判の)結果がどうあろうとも事故のことは重く受け止めたい」と話した。 ■妻と子失った夫 被告に直接… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
国内で4966人が感染 死者は3月以来の60人超
新型コロナウイルスの国内の感染者は27日午後9時現在、新たに4966人が確認された。死者は全国で計63人増加。1日あたりの死者数が60人を超えたのは3月4日以来となった。重症者は916人で4月上旬から増え続けており、医療現場の厳しい状況が続いている。 緊急事態宣言が出されている4都府県のうち、東京都は828人の感染者を新たに確認。1週間前より117人多く、27日までの1週間平均は746・7人で前週比は118・7%となった。年代別では20代、40代の順に多かった。大阪府は過去2番目に多い1230人。京都府は112人で1週間前より少なかったが、兵庫県は505人で78人増えた。 一方、まん延防止等重点措置が適用されている愛知県の新規感染者は281人。1週間平均の人数は、県が緊急事態宣言を要請する基準(260人)に近づいている。大村秀章知事は27日の記者会見で、「(宣言が出れば)相当きつい規制をお願いせざるを得ない。何とか抑え込みたい」と述べた。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
都の消灯要請 でも「ともし続ける」商店街の迷いと決断
25日から始まった3度目の緊急事態宣言。東京都は感染防止のため、午後8時以降は街灯を除く明かりを消すよう呼びかけた。だが、都内のある商店街では、明かりをともし続けることに決めた。 迷いはある。でも、暗い道をともすことで、安心して通ってほしい。語らう場を提供できないいま、せめてもの思いを届けることも、飲食店の役割なのではないか――。そんな思いで。 26日午後8時過ぎ、JR中野駅前の商店街。飲食店の大半は、休業や時短営業で店を閉じているが、看板や店頭の明かりがついたままの店も多い。 店先に、こんなポスターが貼られていた。 「一日でも早く安心を取り戻… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル