原口晋也2021年8月21日 13時03分 長崎県佐世保市の社会福祉法人「民生会」(松田正民理事長)が運営する障害者施設で、職員が利用者に暴言や虐待を繰り返していたことが20日、同会などへの取材で分かった。市は一昨年来、法人側からの報告をもとに立ち入り調査してきたが改まらず、今年1月に改善を求める4回目の通知を出していた。 民生会は県北地域で障害者支援施設やグループホームなど計約40施設を運営。同会によると、2019年から職員による不適切な言動を内部告発などで把握するたびに市に報告。市は利用者や職員に聞き取りし、19年7月~今年1月に計4回の通知を出したという。 昨年3月の通知には、同会が営むグループホームで利用者の頭をたたく行為や、「お前」「こいつ」「どれだけ迷惑をかけていると思っているのか」「ばかやけん、言うたっちゃ分からん」「障害者は長生きしたらダメ。税金の無駄遣い」などの発言があったと記されていた。また、利用者の着替えを手伝わず何日も同じ服を着せていた▽利用者の支援をせず、他の職員にも掃除をするなと指示した――といった例も記載されていたという。 今年1月の通知には、別のグループホームで暴力行為を監視カメラで確認したと記載。一昨年夏の最初の通知では、障害者支援施設での身体的・心理的虐待の例も挙げていた。 民生会によると、虐待や暴言に関わった職員は男女計4人。うち3人は雇用期限での雇い止めや自主退職で施設を離れ、現在残る1人が在籍している。 民生会は、内部告発が続く背景について「職員への人権教育の一定の成果だろう」としつつも、「虐待が繰り返されたことはゆゆしき事態と受け止めている。改善策を講じ、それを実施しているさなかだ」と説明している。(原口晋也) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
遺言で「動物愛護に役立てて」 愛犬家5700万円寄付
佐々木康之2021年8月21日 14時00分 動物愛護に役立ててほしい――。昨年12月に亡くなった愛犬家の男性から、約5700万円が地元・神奈川県横須賀市に寄付された。男性は遺言で、市が運営する動物愛護センターでの活用を望んでいた。 市によると、男性の遺言執行者から今年1月、寄付の申し出があった。遺産整理で寄付額が確定し今月19日、5693万7477円が市に振り込まれた。寄付者の氏名や年齢といった個人情報は遺言執行者から知らされなかったという。 センターの事業費は年間2300万円ほど。少額が寄せられたことは以前もあったが、「これほどの大金が寄付されたのは初めて」と市保健所の担当者。 センターでは負傷したペットの保護のほか、引き取り先のない犬や猫に新たな飼い主を見つける譲渡事業などを担う。昨年度は犬13匹、猫70匹のもらい手を見つけ殺処分を最小限に抑えた。市は寄付金を基金化することも視野に、故人の遺志を生かした事業に充てたい考えだ。 同市では今年5月にも、高齢の匿名男性が「何かの役に立てて下さい」と書かれた手紙を添えた現金6千万円入りのリュックサックを市役所に持ち込み、寄付する出来事があった。(佐々木康之) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ATM「時間かかっている」 振り込む直前で止めた2人
高絢実2021年8月21日 11時00分 愛知県警豊田署は20日、豊田市内のATMで還付金詐欺の被害を未然に防いだとして、市内に住む女性2人に感謝状を贈った。 感謝状を受け取ったのは介護職パート岩崎千秋さん(47)と自営業大橋悦子さん(66)。 6月23日夕、豊田市内のスーパーの駐車場にあるATMのボックス内で、80代の女性が携帯電話で話をしながらATMを操作していることに、隣にいた大橋さんが気づいた。操作に時間がかかっているので「ちょっとおかしい」と感じた。大橋さんは、ボックスの外で並んでいた岩崎さんに声をかけた。岩崎さんも「時間がかかっていておかしい」と思った。 2人そろって女性に尋ねてみると、「還付金が返ってくる」と答えた。ATMの画面は約99万円が振り込まれる直前だった。すぐに詐欺だと気づき、110番通報した。大橋さんが女性の電話を代わると、相手の男は「関係ないじゃないか」などと言って、すぐに通話を切られた。 署によると、この日の午後3時半ごろ、女性宅に市役所の職員をかたる男から「還付金があるので今日中に手続きをすれば返ってくる」などと電話がかかってきていた。女性は指示に従ってATMを操作していたという。 感謝状を受け取った岩崎さんは「未然に防げてよかった」、大橋さんも「一ついいことをしたと思う」。中尾憲正署長は「2人の正義感と勇気に感服。ちゅうちょなく声をかけてもらって被害防止につながり感謝している」と話した。 豊田署の管内では今年に入って、7月末時点で特殊詐欺被害が27件(約5400万円)確認されている。前年の同時期よりも10件増え、被害の総額も約2200万円増えている。(高絢実) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「コロナ禍こそ 誰かの役に」高校生が子ども食堂支援
藤原伸雄2021年8月21日 11時00分 新型コロナウイルスが全国的に再拡大するなか、「子ども食堂」の支援活動に取り組む中高生らがいる。 相模原市の子ども食堂「ちゃお!」で7月16日、自由学園(東京都東久留米市)の中学2年~高校3年生の生徒たち12人が集まった。夏野菜カレーなどを調理し、集まった46人の家族連れや子どもたちに振る舞った。おいしいご飯が運ばれると、食堂に笑顔の輪が広がった。 コロナ下で同食堂は一時、食堂形式での開催を自粛し、弁当や食材配布に切り替えていた。 学校の授業などでコロナ禍の子ども食堂の苦境を知った新地竜也さん(15)や入海沢音(いるみさわね)さん(15)らが「活動を支援したい」と名乗り出た。同学園ソーシャルワーカーの入海英里子さんが「ちゃお!」の代表・坂本真理子さんに相談し、支援が実現。入海沢音さんは「みんながおいしい食事を食べていくには大きな政策が必要かもしれないが、まずは今自分ができることを少しずつやっていきたい」と話した。新地さんは「少しでも誰かの役に立ちたいと思った。これからも続けていきたい」。今回の活動資金の約3万円は、活動に参加する生徒らが、校内で生徒や教員から募金して集めた。2カ月に1回、同食堂で活動を支援をしていく予定だ。 坂本さんは「コロナ禍で苦しむ人たちがまだたくさんいる。若い人たちも大変なのに、手伝ってくれて本当にありがたい」と話した。(藤原伸雄) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
【マンガ動画】バックギャモン 日本勢が世界を席巻
2021年8月21日 11時00分 バックギャモン 基本的なルール 熱を帯びる囲碁将棋界の裏で、ボードゲーム「バックギャモン」の日本勢が世界を席巻しています。在宅ワークしながら世界の頂点に立つことも夢じゃない!?バックギャモンの基本的なルールを紹介します。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「夏休み延長」の自治体続々 広がる子どもへの感染
新型コロナウイルスの「デルタ株」が猛威を振るうなか、コロナに感染しにくいとされてきた子どもにも、感染が広がっている。夏休みの終わりが近づき、各地の自治体は対応に追われている。 「学校は子どもの居場所、セーフティーネットとしての身体的精神的な健康を保障する役割も担っている。全国一斉の休業を要請することは考えていない」 萩生田光一文部科学相は20日午前の記者会見でこう語り、新型コロナの感染がかつてない規模で拡大する中でも、休校を求めない方針を明確にした。学年や学校単位での休校については「当然考えられる」とも指摘した。 一方、感染力が強いとされるデルタ株への置き換わりが進み、夏休み明けに学校でのクラスターの多発も予想されることから、学校側には「対策メニュー」も示した。 その一つが、鼻腔(びくう)の粘膜を採取し、PCR検査よりも短時間で感染の有無を調べられる「抗原簡易キット」を、幼稚園と小中学校に配布する取り組みだ。学校で具合が悪くなった子どもの感染の早期発見が期待され、既に高校への配布は始めている。 萩生田文科相は、この日午後にあった新型コロナ対応の関係閣僚会議の後、報道陣に「希望がなくてもこちらからプッシュ型で一定の数をあらかじめ渡しておきたいと思っている」と述べた。文科省の担当者は、配布の時期や規模については「これから検討に入る」としている。 夏休み延長か、学校再開か。各地の自治体は頭を悩ませている。 神奈川県内では、相模原市が… この記事は会員記事です。無料会員になると月5本までお読みいただけます。 残り:1293文字/全文:1940文字 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
東京メトロ駅員が遺体で発見 トイレ盗撮関与認めた翌日
2021年8月21日 7時48分 東京メトロは20日、有楽町線・副都心線の地下鉄成増駅(板橋区)の女性用トイレで、この駅で勤務する20代の男性駅員が盗撮をしていた疑いがあると発表した。再発防止策として、全駅のトイレ内を点検し、異常がないことを確認したという。 同社によると、3月12日、トイレの個室ドアの内側の掲示物にカメラが取り付けてあることが判明し、駅側が110番通報した。8月18日に同社が聞き取り調査したところ、この男性駅員が関与を認めたという。男性駅員は翌日になって遺体で見つかった。同社によると、自殺とみられるとしている。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
知人女性につきまとった容疑、警視を書類送検 富山県警
野田佑介2021年8月21日 7時52分 富山県警は20日、知人女性につきまとうなどしたとして、50代の男性警視をストーカー規制法違反の容疑で富山地検に書類送検したと発表した。県警は、この警視を減給3カ月(10分の1)の懲戒処分にし、警視は同日付で依願退職した。 県警は「捜査に支障がある」として警視の認否を明らかにしていないほか、所属部署もプライバシーの侵害にあたるとして公表していない。 県警によると、警視は今年5月下旬~7月上旬ごろ、複数の商業施設で知人女性につきまとい、SNSのアカウント交換を求めるなどした疑いがある。女性が7月上旬に県警に相談して発覚した。警視と女性とは今年に入って面識ができたという。 また県警は、この警視が2016年~今年5月ごろ、警察内部の情報システムを使い、業務以外の目的で警視の知人ら男女9人の個人情報を照会したほか、別の成人女性と「不適切な交際」をしていたことも明らかにした。警視は「女性や警察組織に迷惑をかけ大変申し訳なく思っている」と話しているという。 島田久幸・首席監察官は「幹部職員がこのような事案を起こしたことは誠に遺憾であり、被害者と県民に深くおわび申し上げます。職員に対する指導を徹底し、信頼回復に努めてまいります」とのコメントを出した。(野田佑介) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
広島県議会、13人に文書警告 買収事件で辞職勧告せず
東郷隆、大久保貴裕2021年8月20日 20時30分 2019年の参院選広島選挙区をめぐる買収事件で、議員の疑惑などを調べる広島県議会の政治倫理審査会は20日、現金を受け取ったとされる自民系の県議ら13人全員を文書警告にすると決めた。最も重い辞職勧告を求める意見も出たが、「厳しい措置は難しい」などと主張した自民党が押し切る形となった。 13人は、元法相の河井克行被告=公職選挙法違反罪で有罪判決、控訴中=と、妻で前参院議員の案里氏=同法違反罪で有罪確定=から、10万~200万円の現金を受け取ったとされる。審査会は各会派の県議12人で構成され、この日は非公開で行われた。 出席議員によると、審査会は、これまでの夫妻の裁判で13人への買収罪が認定されたことを踏まえ、「公正を疑われる金品の授受があった」と判断し、県議会政治倫理条例に違反したと認定した。 条例に基づく措置は、辞職勧告▽本会議や委員会への出席自粛▽常任委員長などの役職辞任▽全員委員会での陳謝▽文書警告▽条例の遵守。野党会派は最も重い辞職勧告を求めたが、最大会派の自民党の委員からは、文書警告より重い措置を求める声は上がらなかったといい、最終的には、野党側も含め、全会一致で文書警告に決めたという。 野党議員は取材に「じくじたる思いだが、13人の条例違反を議会として認定することを重視した」と述べた。委員長を務める野党会派の中原好治県議は「(委員の)構成が結果に影響した」と述べた。自民県連関係者は「不起訴になった者に辞職を求めるのは筋が通らない。早くケリをつけ、(衆院選の)選挙態勢を立て直したい」と語った。 広島大大学院の新井誠教授(憲法学)は「議会として自浄能力を発揮したかどうかは、次の選挙の結果で評価される。今度は県民の見識が問われることになる」と指摘した。 河井夫妻から現金を受け取ったとされる県議らをめぐっては、不起訴処分を不服とする広島市の市民団体が東京検察審査会に審査を申し立てている。(東郷隆、大久保貴裕) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
内部通報者を保護する指針公表 消費者庁
前田朱莉亜2021年8月20日 20時30分 消費者庁は20日、企業などの不正を内部通報した人を保護するための指針を発表した。減給や降格など、通報者に対して不利益な扱いをした役員らについては、懲戒処分などの措置をとることとした。公益通報者保護法の改正に伴うもので、改正法は来年6月までに施行される。 有識者らが具体的な保護強化策を検討していた。指針では役員らへの処分のほかに、通報を受け付ける窓口の担当者を書面などで定めると規定。さらに、企業幹部らからの独立性を確保した体制を整備することとした。違反した場合は助言や指導、勧告を行い、勧告に従わない場合は事業者名を公表する。 改正法では、従業員が300人を超える事業者に通報を受け付ける窓口の整備を義務づけており、担当者には守秘義務が課されている。通報者の情報を漏らすなどした場合、30万円以下の罰金。300人以下の場合は努力義務とする。(前田朱莉亜) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル