米田優人2021年10月22日 22時00分 同性婚を認めない民法の規定は「婚姻の自由」を保障する憲法24条に反するとして、近畿などに住む同性カップルが国に損害賠償を求めた訴訟の口頭弁論が22日、大阪地裁であった。原告の父は証人尋問で、息子が同性愛者と知った時は「自分の子どもがまさか、としばらく悩んだ」と述べた。だが、食事などで交流を深めるうちに考えが変わったとし「2人は切っても離せない存在。(国には異性カップルと)平等に扱ってほしい」と訴えた。 この日は、原告6人の本人尋問もあり、原告らは「同性カップルが安心して暮らせる社会になってほしい」と訴えた。 同性カップルの場合、財産の相続権などは認められない。原告の川田有希さん(36)は、同性カップルには「不利益がたくさんある」と主張。8年前から川田さんと同居する田中昭全さん(44)も、川田さんを相続人として自宅を残せないのは問題だとし「日本ではなかなか(議論が)進まない。司法から法整備が必要だと言ってほしい」と求めた。 川田さんらは、同性パートナーとの婚姻届を提出したが同性であることを理由に自治体で受理されなかったため、2019年2月に国を提訴した。国側は「憲法24条は『婚姻は両性の合意のみに基づいて成立する』と定めており、同性カップルを想定していない」として、請求を棄却するよう求めている。 同性婚をめぐる訴訟では、札幌地裁が今年3月、同性婚を認めない民法などの規定は「法の下の平等」を定めた憲法14条に違反するとの判断を示した。 男性パートナーと同居する40代男性はこの日の本人尋問で「日本社会が少しずつでも前進しているという、希望を見いだすような判決だった。(大阪地裁では)結婚できることに希望を持って生きていけるような判決がでたらうれしい」。女性パートナーと京都市内で暮らす坂田麻智さん(42)は、「札幌地裁判決より踏み込んで、一刻も早く、立法につながる勇気ある判決を期待しています」と述べた。(米田優人) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
空飛ぶクルマ、SDGs…万博が残す後世への遺産とは
2021年10月22日 22時00分 【動画】パネル討論「大阪・関西万博 未来社会どう描く」 国際シンポジウム「朝日地球会議2021」(朝日新聞社主催)はオンラインで開催され、最終日の21日、パネル討論「大阪・関西万博 未来社会どう描く」を配信した。2025年日本国際博覧会協会広報戦略局長兼企画局長の堺井啓公さんとWAKAZO代表で東京医科歯科大医学科3年生の木島優美さんが登壇した。 25年に開かれる大阪・関西万博のテーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」。世界各国や企業のパビリオン(展示館)が並び、空飛ぶクルマなどの新技術も披露される。SDGs(国連の持続可能な開発目標)の達成に向けた進み具合を確認し、取り組みを加速させる機会でもある。どんな企画が進んでいるのか。かかわる方法はあるのか。後世にレガシー(遺産)を残せるのか。開催に向けて動き出している2人のパネリストから最新の動向を聞き、万博の意義や可能性を考えた。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
城山・東大未来ビジョン研究センター長 対話重ねる重要性を指摘
2021年10月22日 22時00分 【動画】特別共催者あいさつ 東京大学未来ビジョン研究センター長 国際シンポジウム「朝日地球会議2021」(朝日新聞社主催)はオンラインで開催され、最終日の21日、城山英明・東京大学未来ビジョン研究センター長の特別共催者あいさつを配信した。気候変動や生物多様性、海洋酸性化など様々なリスクが相互に結びついていると述べ、問題解決への担い手となる政府や地方自治体、NPO、企業が対話を重ねることの重要性を指摘した。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「出席停止」欄、名称変更OK 不安の声受け文科省
伊藤和行2021年10月22日 20時27分 コロナ禍の影響で児童生徒が在宅でオンライン授業を受けるなどした際、その日数を記載する「指導要録」上の欄について、文部科学省は22日、「出席停止・忌引等の日数」という現行の名称を変えることを可能とする通知を教育委員会などに出した。受験生の保護者らから「オンラインという形で授業を受けているのに『出席停止』の欄に日数が記載されると、入試で不利になるのでは」などと心配する声が出ていた。 児童生徒がコロナの影響による分散登校などで登校しなかった場合、成績証明などの原簿として残す「指導要録」には、「欠席」ではなく「出席停止・忌引等の日数」の欄に日数を記載することになっている。 今回の通知では、欄の名称を変更する場合の例として「出席停止・忌引・その他出席しなくてよいと認めた日数」や「オンラインを活用した特例の授業・出席停止・忌引等の日数」を挙げた。名称変更するかは各教委などの判断に委ねる。 文科省は今月1日、入試の際に受験先に送る調査書に「出席停止・忌引等の日数」を記載しないよう求める通知も出していた。(伊藤和行) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
地上43メートルで止まったコースター 停電のUSJ、その時何が
2021年10月22日 20時30分 【動画】緊急停止したUSJのジェットコースター=朝日放送テレビ撮影 大阪市此花区などで22日に発生した停電のため、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)では、すべてのアトラクションが一斉に止まり、パーク内の観客に驚きが広がった。 大阪府茨木市の女性会社員(46)は、劇場内でショーを見ていると、突然映像が消え、警報音が鳴りやまなくなったという。「そういう演出なのかなと思った」。係員の誘導で劇場の外に出たところ、高さ43メートルの頂上付近で止まったジェットコースター「ハリウッド・ドリーム・ザ・ライド」の乗客がヘルメットをかぶって避難している様子が見えた。「乗っていたのが自分だったら、と思うと怖いですね」と話した。 友人と2人で訪れていた大阪府松原市の主婦(48)によると、ハリウッド・ドリーム・ザ・ライドのコース付近では、多くの人が地上から避難を見守り、写真を撮る人もいたという。乗客は落ち着いた様子に見え、下に向かって手を振っている人もいた。女性は「大きな事故にならなくて良かったです」と話した。 USJでの勤務経験もあるテーマパークコンサルタントの清水群さん(40)は今回の騒動について、「アトラクションが停電で止まることは珍しいが、安全装置が作動して緊急停止することはよくある。スタッフは乗客を避難させるトレーニングを受けている」と話す。 ハリウッド・ドリーム・ザ・ライドの乗客は頂上付近から歩いて避難したが、乗降場までゆっくり動かすことはできないのか。USJの広報担当者は「電源が遮断されたことに伴う故障がないかなど、安全性を確認してからでなければコースターは動かせない」と話している。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
突然消えた電子マネー残高 アマゾン・楽天が強硬手段に出る理由は
持っていた電子マネー(電子ギフト券)の残高が突然「ゼロ」に。記者は一昨年、そんな経験をした。何が起きたのか当時は判然としなかった。だが、警察が最近摘発した事件から、背景にあるとみられる犯罪の手口の一端が見えてきた。 「お客様のギフト券残高を無効にしたことを、お知らせいたします。Amazonギフト券利用規約に違反する行為がありました」 2019年の冬、ネット通販サイトのアマゾンからこんなメールが記者(小寺)に届いた。 慌ててアカウントを確認すると、サイト内で現金代わりに使える「ギフト券」の残高がゼロになっていた。ギフト券は電子マネーの売買サイトで額面より約2割安く買ったもので、アカウントに登録したばかりだった。 メールのリンク先には「禁止行為」として売買サイトの利用も挙げられていた。「再発行および返金はしない」とあり、同様の行為が続けばアカウントそのものを停止する可能性も示唆していた。売買サイトは「節約術」を紹介するネット情報などで知った。お得に買い物したつもりでいたが、以降は売買サイトの利用はやめた。 違法でなくても、発行元「不正入手」 なぜ、こうした対応が取られるのか。 国民生活センターなどによると、ネット通販で使える電子マネーはプリペイドカードの一種。ネットやコンビニで購入してコード(番号)を入手すれば、自分のアカウントに登録したり離れた場所にいる知人に送ったりできる。 国民生活センターには16年ごろ以降、売買サイトで購入した電子マネーをめぐり、「『不正入手』だとしてアカウントを停止された」といった相談が寄せられるようになったという。 売買サイトの運営自体は違法ではない。今も複数の運営会社があり、数十種類の電子マネーを額面より安い価格で売買している。アマゾンなど発行元の多くが売買サイトを通じた取引を禁じているのは、特殊詐欺に悪用されることがあるためだ。 発行元は独自の対抗策として… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「誰も解決してくれない」地域の課題 生き残る「自治」に挑む
仙台市の中心部から車を走らせること約2時間。小高い山に囲まれた宮城県丸森町筆甫(ひっぽ)地区に着く。 1人で暮らす阿部司さん(88)は今年の夏に突然、体が動かなくなってしまった。足が上がらず車にも乗れない。救急車に運ばれ入院した。栄養不足などによる貧血だった。 「ババ(妻)が死んでから、食事はどうでもよくなってしまった。作るのも食べるのもめんどくさい」。阿部さんは振り返る。 31日の衆院選投票日、人々は何を託そうとしているのでしょうか。私たちの現在地を写真でお伝えします。 今年5月に妻が亡くなるまでの8年間、リウマチで思うように動けない妻に代わり料理を作った。自慢の一品は、自分で育てた野菜の炒めもの。畑がイノシシや猿に荒らされても、妻を思い野菜を作り続けた。 「『栄養をつけさせたい、元気にさせたい』とあんなにがんばってたのに。最近では、あまり食べていないみたいで」と心配するのは、近くに住む民生委員の引地輝子さん(71)だ。 地区では一人暮らしの高齢者の「食生活」が厳しさを増しているという。缶詰やカップラーメンだけで食事を済ます人も目につく。「ここにはコンビニも無いからお総菜を気軽に買うこともできないんですよ」 そんな高齢者を自分たちの手で支えることができないか――。危機感を抱いた引地さんたち地区の住民から、今年3月、地域住民による「お弁当宅配サービス」のアイデアが生まれた。 65歳以上の一人暮らしや高齢の夫婦世帯で希望する人に、週一回、地区の婦人会などボランティアが弁当を作り届ける計画だ。丸森町からの補助金も活用し、来年4月からの開始を目指して地区の代表者が話し合いを続けている。 しかし、壁もある。 記事の後半では、地域に横たわる慢性的な課題とどう向き合ってきたのか。 筆甫地区の「自治」に迫ります。 高齢化が進む集落で、「担い… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
おごる?おごられる? ジェンダーバイアスが生む呪い
会員記事 聞き手・富岡万葉2021年10月22日 17時00分 男は経済力、女は年齢と見た目――。助産師で性教育ユーチューバーのシオリーヌさん(29)は、こうした性差に関する固定観念から抜け出して対等なパートナーシップを求める人向けのマッチングコミュニティーを作りました。恋愛の場面で感じる「女らしさ」や「男らしさ」への違和感を読み解き、自分の考えを伝えるコツを自身の体験も交え、語ってくれました。 「モテテク」に「女子力」? 世の中には「男の人にはこんな女性がモテる」というイメージがあるじゃないですか。高校時代に読んでいたティーン向けの雑誌では「モテテク(モテるためのテクニック)」が紹介されていた。「お裁縫セットを持ち歩く」「お弁当を作る」とか書いてあって、できないといけないんだと思っていましたね。 実家にもジェンダーバイアスがありました。三つ上の兄が台所の近くにいても、自室にいる私がご飯作りの手伝いに呼ばれる。お兄ちゃんは座ってて、なぜ私だけ家事をやらないといけないのかと疑問でした。 子どもは家庭で大人の振る舞いを自然にキャッチして学んでいきます。その重みを多くの人に理解してもらいたいですね。 ユーチューブで最近、ジェンダーバイアスや性体験に悩む高校生が主人公の「性教育ドラマ」を公開しました。若い世代が安心して相談できる姿勢を大人が考えるきっかけになるようなシーンも採り入れています。 大学生の頃には「女子力」を意識して、自分にプレッシャーをかけていました。「女子力が低い」ことを引け目に感じて自虐的になりながら、友だちの家で集まる飲み会では、おつまみをせっせと手作りしていた。 いま思えば、私は私の好きにすればよかった。「女らしさ」や「男らしさ」というジェンダーバイアスは選択肢を狭めます。私はこうありたい。そんな自分がいい、と言えるようになると心が軽くなる。私自身は今は、仕事に一生懸命で、自信を持って「家事が嫌い」と言えます。家事の負担を減らすために、ロボット掃除機や食洗機も活用します。 最初のデート どっちが払う? 最近は違和感を口に出せる雰… この記事は会員記事です。残り1746文字無料会員になると月5本までお読みいただけます。 【締め切り迫る!】スタンダードコース(月額1,980円)が今なら2カ月間無料!詳しくはこちら Think Gender 男女格差が先進7カ国で最下位の日本。生きにくさを感じているのは、女性だけではありません。だれもが「ありのままの自分」で生きられる社会をめざして。ジェンダーについて、一緒に考えませんか。[記事一覧へ] Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
地域の人口減少どう解決? 「視点を変える」ことの大切さ
コーディネーター・大月規義2021年10月22日 17時00分 【動画】視点を変えよう あしたの地域のために 国際シンポジウム「朝日地球会議2021」(朝日新聞社主催)はオンラインで開催され、2日目の18日、パネル討論「視点を変えよう あしたの地域のために」を配信した。人口の減少や空き家問題など身近な課題を解決しないと、過疎地ばかりか都市部でも地域の持続可能性が失われかねない。現場で実践する3人から、解決の糸口として「視点を変える」ことの大切さを聞いた。 東日本大震災を機に官僚を辞め、福島県国見町で株式会社「陽(ひ)と人(びと)」を立ち上げた小林味愛さん。柿の加工品製造で捨てられていた皮を原料に、化粧品を開発した。「モノを売るだけではなく消費者と地域との接点を作って、地域に光が当たるようにしている」。会社の収益を保つ経済性と、町おこしという社会性の両立を常に心がけている。 「Rethink」プロジェクトを進めるJTは、従来の視点や発想を変えて、各地の町づくりに協力している。社内ではあえて「地域」を「地元」と言い換える。「地方や地域というと他人行儀な感じ」と渉外企画室次長の藤内省吾さん。わずかな言い換えで、地元の人が気付かない魅力の発見につながるという。 雑誌「ソトコト」の編集長で、全国の地方創生事業に詳しい指出一正さんは、人口が減るなか移住者を増やそうとする政策の限界を主張。町の行事などに外部から関わる「関係人口」をいかに増やすかが肝心だとした。「町の面白さに自分も少なからず関われると思える『関わりしろ』を、それぞれの地域が持っておくことが大切」と指摘した。(コーディネーター・大月規義) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「地域版Go To」拡大へ要求 九州地方知事会議
中沢絢乃2021年10月22日 13時30分 九州、沖縄、山口9県による九州地方知事会議が21日、大分県別府市内のホテルであった。新型コロナウイルスへの対応や地方創生の加速などを国へ求める特別決議をまとめ、知事会長の広瀬勝貞・大分県知事が発表した。 特別決議のうち、感染拡大防止策は第6波や新たな変異株への備え、若年層のワクチン接種促進など13項目。現在、国が判断することになっているまん延防止等重点措置について、感染状況により臨機応変に対処できるよう、県が判断する方式にするよう求めることを盛り込んだ。 社会経済の再活性化策は8項目。消費拡大のためGo Toトラベル事業の早期再開を求めたほか、国の支援が県内旅行に限定されている各県のいわゆる「地域版Go To」事業について、支援対象を九州などブロック単位内の旅行に拡大することも求める。(中沢絢乃) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル