2021年11月19日 17時16分 日本大学板橋病院をめぐる事件で、背任罪で起訴された日大元理事・井ノ口忠男被告(64)と医療法人「錦秀会(きんしゅうかい)」(大阪市)の前理事長・籔本雅巳被告(61)について、東京地裁は19日、保釈を認める決定を出した。保釈保証金は井ノ口被告が4千万円、籔本被告が8千万円で即日納付された。 東京地検は決定を不服として準抗告するとみられ、これが退けられれば、両被告は10月の逮捕以来、約40日ぶりに保釈される見通し。 両被告は16日に追起訴され、弁護人が翌17日に保釈を請求していた。地裁は証拠隠滅や逃亡を疑う相当な理由はないと判断したとみられる。 両被告は、板橋病院の建て替え工事の設計業者選定をめぐり、評価点を改ざんして選定した都内の設計事務所から籔本被告のペーパー会社に2億2千万円の日大資金を不正送金したとして起訴された。さらに、同病院に医療機器などを納入する取引で籔本被告側の2社を不必要に介在させ、計約2億円を上乗せしたリース契約を日大に結ばせて損害を与えたとして追起訴された。 関係者によると、井ノ口被告は金の流れの事実関係は認めつつ「大学に損害は与えていない」と違法性を否定。籔本被告は追起訴分については違法性も認めているという。 事件をめぐっては、日大の田中英寿理事長(74)が過去3年間で、籔本被告から受け取った現金など1億円超を税務申告していない疑いがあり、特捜部は意図的に所得を隠した所得税法違反にあたる可能性もあるとみて捜査を続けている。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
レアな沖縄本いかが 地元出版社が集結 東京・銀座でフェア
伊藤和行2021年11月19日 14時00分 沖縄が本土に復帰してから来年で50年となるのを前に、首里城や空手、琉球料理や沖縄戦など、沖縄に関する本を一堂に集めた「おきなわ本フェア」が今月30日まで、東京都中央区銀座1丁目の「銀座わしたショップ本店」で開かれている。沖縄の50年を知り、考える上で参考になりそうな、地元の出版社など16社の計約180点が並ぶ。 沖縄は出版活動が盛んだ。「出版年鑑2018」(出版ニュース社)によると、18年3月時点で県内に拠点を置く出版社は18社ある。人口比では東京や京都などに続く規模で、県内の書店は郷土本コーナーが充実している。 ただ、本土の書店には並びにくいのが現状だ。地元の出版社は、全国の書店に本を届ける大手取次店と契約しておらず、書店への直接販売では輸送コストがかかることが主な理由だ。 そんななか、沖縄本を本土の人に読んでもらおうと、地元の出版社18社は19年4月、「沖縄出版協会」を設立。それぞれ自慢の本を持ち寄り、東京や神戸の書店などで「おきなわ本フェア」を開いてきた。来年1月には大阪市内の大型書店でも開催予定だ。 協会事務局長の呉屋栄治さんは「個々の努力では限界がある。力を合わせ、フェアを全国に広げていきたい」と話す。 今回出品されている本は、「沖縄の戦争遺跡」(沖縄時事出版)や「基地の島コンパクト事典」(沖縄文化社)、「沖縄さかな図鑑」(沖縄タイムス社)、「芭蕉布(ばしょうふ)物語」(榕樹書林(ようじゅしょりん))、「組踊(くみおどり)の世界」(ゆい出版)、「上地流空手道」(東洋企画)など、本土の書店では入手しにくいものが多い。 フェア開催中の27日には、沖縄戦を現地で指揮した牛島満・第32軍司令官の孫、牛島貞満さんのトークイベント「第32軍首里司令部壕(ごう)の保存・公開・活用を考える」なども予定している。入場無料。(伊藤和行) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
大学生内定率71.2% 急落した前年から1.4ポイント改善
桑原紀彦2021年11月19日 14時00分 来春卒業予定の大学生の就職内定率は、10月1日時点で71・2%だった。文部科学省と厚生労働省が19日、発表した。コロナ禍で急落した昨年同期の69・8%から1・4ポイント改善したが、一昨年同期と比べると5・6ポイント低く、コロナ前の水準には回復していない。 企業が正式な内定を出す10月1日時点の状況について、国公立大24校と私立大38校の計4770人を抽出して調査した。男子の内定率は70・7%(昨年同期比1・9ポイント増)、女子は71・7%(同0・8ポイント増)で男女とも昨年から上昇。ただ、いずれも一昨年同期比では6ポイントほど低い。文系は70・8%(昨年同期比2・1ポイント増)、理系は72・6%(同1・9ポイント減)だった。 文科省の担当者は「航空や観光、飲食業の景況が本調子でない分、一昨年よりは内定率が低い。引き続き採用は続いており、就職支援に取り組む」と話す。(桑原紀彦) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
アレフへの処分請求を公安調査庁が撤回 ただし再請求も視野
伊藤和也2021年11月19日 14時01分 公安調査庁は19日、オウム真理教の後継団体「アレフ」に対する再発防止処分の請求を撤回し、発表した。団体規制法に基づく報告義務に違反したとして処分を出すよう公安審査委員会に求めていたが、報告書が提出されたという。 ただ報告書には、収益事業の内容や事業による資産など必要な情報の一部について記載がないといい、違反状態は続いているとして、同庁は再発防止処分の再請求も視野に調査を進める。19日には東京都と埼玉県内にある拠点施設2カ所に立ち入り検査に入った。 公安調査庁によると、アレフは団体規制法上、観察処分により構成員の氏名や住所、保有資産などを3カ月に1度報告しなければならないが、5、8月と2度続けて報告を全くしなかった。同庁は10月25日、再発防止処分を請求した。 今月11日になって5、8月分の報告書の提出があり、持参した担当者は「遅れていた報告書です」と述べたという。11月分も期限の15日に提出された。 再発防止処分が請求どおり認められれば、施設の使用や信徒の勧誘、土地・建物の取得、寄付金の受領などが6カ月間禁じられることになっていた。 観察処分は00年1月に初めて行われてから3年ごとに更新されており、今年1月に7度目の更新請求が認められた。アレフのほかに対象になっている「ひかりの輪」と、内部対立でアレフから分派した集団は報告書を毎回出しているという。(伊藤和也) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
人襲うサル、同一犯? 2カ月で25人、食べ物目的じゃないならなぜ
8月以降、北九州市若松区でサルに人が襲われる被害が続いている。市は群れから離れたハナレザルとみているが、通常は短期間で群れに戻るとされ、長期化している理由は謎だ。市は18日、関係者を集めた初の対策会議を開き、今後ワナの数を増やすなど対策を強化することを決めた。 最初に被害が報告されたのは8月7日。有毛地区で農作業中だった30代の女性がズボンの上から下半身をかまれた。以降、若松区では、小学生や女性を中心に、かまれたりひっかかれたりする被害が相次ぎ、10月25日までに24件25人の被害が確認された。 動物の赤ちゃんさらう被害も 同区の響灘緑地グリーンパークでは、サルが園内で飼育動物に近づいたり動物の赤ちゃんを一時的にさらったりする被害もあった。 目撃情報は同区だけで10月末までに324件、市全体では487件に及ぶ。2015年度以降、毎年37~243件確認されていることと比べても格段に多い。 市によると、大きさなどの特徴から、4歳ほどのオスで、同一個体とみられている。オスは一般的に、発情期前の夏ごろに群れを離れ単独行動をする習性があるといい、今回もハナレザルの可能性が高いという。 市南部周辺や香春町を中心に活動する群れが過去に確認されており、市はその群れから離れたとみている。ハナレザルは通常秋から冬にかけて別の群れと一緒になったり、群れをつくったりするという。市の担当者は「自然に戻ってくれるのが人間にとってもサルにとっても理想」と祈る。 だが、11月に入り、川を隔てた遠賀町でも目撃された。市の担当者は「長期間におよび、行動予測が困難になっている」と嘆く。 捕獲も失敗続き 捕獲も失敗続きだ。8月にワナを2基設置したが捕獲できず、9月に目撃情報が相次いだグリーンパーク内に移した。当初はワナ内にバナナを置いたが、専門家に「食べたことのないものは食べない」と指摘され、食べた痕跡があったアケビを入れたこともあったが、食いつかなかった。 一方、畑を荒らすなどの食害報告はほとんどない。「街中で食べ物は調達できているのでは」と担当者はみている。食べ物目的ではないとすれば、なぜ人に危害を加えるのか――。 一般的にハナレザルは警戒心が強く、人を襲わないという。市の担当者は「個体の個性で、ちょっかいをかけているのでは」。 ただ、専門家も入って行われた18日の会議では、「ハナレザルではなく迷いザルでは」といった意見も出たという。迷いザルは、群れとはぐれてしまった子どものサルのことだ。 一方、大きさからやはり発情期前のハナレザルだとの指摘もあり、市の担当者は「ハナレザルが群れと長く離れるうちに、何かしらの理由で戻れず、迷いザルのようになってしまったのかも」。真相ははっきりしない。 冬にかけて発情期を迎え、凶暴化することが予想される。2~3年たって体が大きくなれば危害の程度も深刻になる懸念がある。 市は今月中にもワナの数を5基に増やし、大型のワナも別に設置する予定だ。群れに戻る可能性のある1、2月ごろまでは様子を見るが、被害が収まらなければ麻酔銃の使用も検討するという。(城真弓) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
第一生命90歳元社員を起訴猶予 地検「年齢や健康状態考慮」
前田健汰2021年11月19日 11時28分 顧客から不正に金を集めたとして詐欺容疑で書類送検されていた第一生命保険(東京)の元営業社員(90)について、山口地検周南支部は18日付で不起訴処分(起訴猶予)とした。地検は理由について「被疑者の年齢や健康状態、その他の諸般の事情を考慮した」としている。 送検容疑は、山口県周南市内の拠点に勤務していた2019年2月下旬ごろ、同市内の顧客の70代女性に「私には地位があるから社内に特別枠がある」などとうそを言い、現金計1億8千万円をだまし取ったというもの。 第一生命は昨年6月、元社員の顧客から申し出を受けて社内調査を開始。元社員を懲戒解雇処分とし、山口県警に詐欺容疑で刑事告発していた。県警は、元社員が顧客に高金利で資金運用を持ちかけた同種の被害が計25人、約22億円に及ぶとみて捜査していた。(前田健汰) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ryuchellさんが身につけた、生きるための「武器」
SNSや動画で多様性についての考えを発信するタレントのryuchell(りゅうちぇる)さんが10月、ジェンダーや自己肯定感などへの思いをつづった「こんな世の中で生きていくしかないなら」(朝日新聞出版)を刊行した。本に書かれた、生きづらい世の中で生きていくための「武器」とは。テレビ番組の収録で福岡を訪れたryuchellさんに聞いた。 ――本のタイトルにはどのような意味を込めたのですか。 世の中には、自分と反対意見の人が、必ずいると思います。「多様性の社会」って簡単に言うけど、その中では、人に嫌われるし、勉強もうまくいかないし、失恋もしちゃう。そもそも生まれたところからスタートラインが違うとか、いろんな感情で戦っている方がいると思うんですね。 僕もその経験があり、人には見せない涙をたくさん流してきたので「こんな世の中で生きていくしかないなら」という言葉が一番しっくりきました。 ――そんな世の中をどのようにして生きてきたのでしょうか。 自分を隠した中学時代から、少しずつ答えは見えないけどこういう風に生きようと思っていました。自分を出すようになった後もからかわれたけど、自分は自分で色塗りできるんだと気づいて、少し自信が出てきた。 上京してショップ店員になり、テレビに出るようになったら、いろいろなことを言われました。でも楽しかったので、割り切ればいいやって。長い時間の中で「諦める、割り切る、逃げる、戦わない。そして期待しないこと」という武器を身につけたんです。 ――「女だから」「男だから」という言葉に縛られて、生きづらさを感じる人もいます。 九州だと「九州男児」という言葉があるように、「俺についてこい」みたいなのを良いととらえている人もいて、でも逆に生きにくさを感じている人もいますよね。 同じ考えを持つ人同士ならいいですけど、そうはいかない。これが嫌、これが好きってたくさん意見交換しないと、いい関係にならない。コミュニケーションが大切だと思います。 ――著書では子育てにも触れています。 2歳のとき、イヤイヤ期を迎… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
警察「ダチョウ見つけたら通報を」 脱走19時間、無事飼い主の元へ
中村瞬2021年11月19日 7時16分 群馬県嬬恋村の民家から17日午後、ダチョウ1羽が逃げ出す騒ぎがあった。18日午前に発見され、無事に飼い主の元に帰った。 群馬県警長野原署によると、ダチョウは体長2・5メートルのメス。17日午後3時15分ごろ、嬬恋村鎌原の民家から逃げ出し、夕方に飼い主から通報があった。同署は同日夜や18日朝、パトカーで「発見したら通報を」「見つけても不用意に近づかないように注意を」と呼びかけていた。 18日午前10時ごろ、民家から約500メートル離れた場所から「ダチョウがいる」と110番通報があった。その後まもなく、飼い主が周辺住民の協力で連れて帰ったという。けが人はいなかった。署は「通報のおかげで早く発見できた。協力に感謝したい」と話した。(中村瞬) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
商店街に在留カード「偽造工場」 半年で3千枚以上印刷か
在留カードの偽造品1枚を所持したとして、愛知県警は、名古屋市南区内田橋1丁目、中国籍の無職孔繁森容疑者(25)を出入国管理法違反(偽造在留カード所持)の疑いで現行犯逮捕し、18日発表した。「半年前から始めて3千~4千枚作った。160万円ほどの利益があった」と容疑を認めているという。 在留カードは外国人の在留資格を証明するもの。県警は孔容疑者の自宅を16日に捜索。いずれも偽造とみられる在留カード約100枚や運転免許証、マイナンバーカード、学生証などのほか、印刷前の白無地のカード約3千枚も見つかった。 県警は、別の人物がSNSなどで外国人らから注文を受け、孔容疑者が自宅で偽造と発送をしていたとみている。 SNS上で偽造身分証の販売をうたった広告があり、捜査していた。 国際捜査課によると、孔容疑者は16日午後4時40分ごろ、自宅でベトナム人女性の顔写真が印刷された偽造在留カード1枚を所持した疑いがある。 偽造拠点は海外から国内に移動? 県警が「偽造工場」になっていたとみている孔容疑者の自宅は、ラーメン店や不動産屋などが並ぶ商店街の一角にある。 近くの住民によると、10年… この記事は会員記事です。残り334文字無料会員になると月5本までお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
まさかの急展開 結婚おめでとう 19日の「カムカムエヴリバディ」
土井恵里奈2021年11月19日 8時15分 おめでとう、安子と稔――。NHKの朝ドラ「カムカムエヴリバディ」の主人公が、悲恋を乗り越え最愛の人と結婚した。地元の名家の稔(松村北斗)は、繊維会社の跡取りとして政略結婚するはずだったが、土壇場で急展開となった。 11月19日の放送の冒頭、異変は起こった。稔は取引先の銀行の頭取の娘と祝言を挙げるために、大阪から岡山へ帰ってくる。 父の千吉(段田安則)に連れられ神社へ行くと、千吉に告げられる。「あの人がお前が祝言を挙げる相手じゃ」。そこにいたのは、なんと安子(上白石萌音)だった。 父としての決意 千吉の決断には、戦争に翻弄(ほんろう)される経営者というよりも、父としての思いがあふれていた。安子の人柄の良さに胸を動かされ、若い2人の未来を見守ることを決めたのだ。演じた段田は「観(み)てくださっている方もそうでしょうけど、台本を読んでいても本当に安子の味方になってしまうんです」とコメント。千吉については「つらい時代に生きた人」としつつ、「息子たちと妻に囲まれ、幸せだと思います。厳しいようで優しい、いいお父さんだなと思います」。 しかし、稔はほどなく出征するため、安子と暮らせるのはほんのひと月ほどしかない。どうか子どもを授かりますように。我が子との幸せな暮らしと平和な世の中を願う2人だったが――。 安子と美都里の嫁姑関係は その後の展開のキーパーソンになりそうなのが、安子が入る雉真(きじま)家の姑(しゅうとめ)、美都里(みどり)。良家のお嬢様育ちらしい気品と華やかさがあり、安子の控えめで素朴な雰囲気とは相いれそうにない。息子を愛するがゆえ、安子にとって大きな壁となっていく。 美都里を演じるのは、独特な存在感で人気のYOU。これまでは個性的な役柄を演じることが多く、朝ドラへの出演は初めてとなる。「朝ドラは日本のみんなが見るドラマっていう印象なので、オファーが自分にくるっていうことへの違和感がありました」とコメント。役柄については「世間知らずで、非常にこう…未熟な女ですね(笑)。私の持っている未熟な部分と重ね合わせて演じています」と語る。 この日の放送の終盤は、安子と稔の和菓子のように甘いシーンが印象的だが、ナレーションは「短いけれど幸せな日々でした」で終わる。このあと、夫婦はどうなるのか。甘くない嫁姑関係が始まるのか。来週も目が離せない。(土井恵里奈) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル