会員記事 聞き手・伊木緑2021年6月29日 12時00分 新型コロナウイルスの感染拡大で開催に逆風が吹き続けている東京オリンピック(五輪)だが、新型コロナが広がる前にも、開催費用の高騰、国立競技場やエンブレムの白紙撤回問題などさまざまな問題があったのに、反対論が大きく広がることはなかった。あの「支持」の正体はなんだったのだろう。阿部潔・関西学院大教授(社会学)に聞いた。 ――NHK放送文化研究所が2016年から5回実施した東京大会に関する世論調査では、五輪が東京で開催されることについて、いずれも8割超の人々が「よい」「まあよい」と肯定的な回答をしています。あの支持はなぜ生まれたのでしょうか。 11年に20年大会の招致を表明するにあたって、当時の石原慎太郎都知事は「復興五輪」を掲げました。あの当時、たとえ空疎でも「復興のために」と言っているものに文句は言えないという、ある種の圧力がありました。 東日本大震災以降、日本社会全体が閉塞(へいそく)感に覆われていた。現実をみれば未来に明るい展望などもてない中、たとえ根拠に乏しくても「希望がもてそうという希望」が見えた時、それにあらがったり水を差したりすることはできない。そういう空気でした。 原発事故も含め、これだけ深刻なことが起きれば、人々がこれからの社会について真剣に考えるきっかけになるのかと思ったら、違った。社会は「日常を取り戻したい」「大丈夫、何とかなる」という方向に向かった。震災が浮き彫りにした新たな課題を見つめ直すよりもむしろ目を背け、はかない希望にすがった。 招致時のキャッチコピーは「今、ニッポンにはこの夢の力が必要だ。」でした。「夢の力」が何なのか具体的に説明されていませんが、これがもし「経済復興」や「産業支援」など具体的なものだったら引きつけられなかったでしょう。皮肉ですが、そういう意味でよくできたコピーでした。 明確な根拠はなくても「オリンピックがあったらきっと楽しいよね、元気になれるかもね」という「なんとなく賛成」という層が多数になったのでしょう。 ――反対する声がなかったわけではありませんが、大きなうねりにはなりませんでした。なぜですか。 反対した人たちは根拠をもっ… この記事は会員記事です。無料会員になると月5本までお読みいただけます。 残り:1889文字/全文:2799文字 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
北海道で初のデルタ株感染疑い 札幌の男性、関西と往来
札幌市は29日、新型コロナウイルスの変異ウイルス・デルタ株への感染が疑われる事例が市内で初めて確認されたと発表した。北海道内でも初めて。PCR検査の陽性者から抽出するスクリーニング検査で判明した。今後、変異株確定のため、検体の遺伝子解析を行う。 デルタ株はインドで確認されて世界各地に広がり、感染力が強いとされる。国内でも東京などで確認され、感染再拡大を招きかねないと懸念されている。 市によると、デルタ株への感染が疑われているのは同市中央区の40代男性。19日に体調が悪化し、その後陽性が判明した。仕事で道外との往来があったといい、市は男性が訪れた関西圏で6月中旬ごろに感染した可能性があるとみている。男性は軽症で、市は入院させず自宅療養してもらう方針。 同居家族は陰性が確認されていたが、男性のデルタ株感染疑いが判明したため、再度検査するという。他の濃厚接触者は確認されていないが、市は男性と業務で接点があった2人にも検査を行う方針。 札幌市は今月7日から、デルタ株の疑いを確認するためのスクリーニング検査を開始。新規陽性者の約6割を検査している。(佐藤亜季) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
北の逸品オオノガイ むき身づくりを体験
大野正美2021年6月29日 13時00分 北海道根室市の珍味オオノガイをもっと知ってもらおうと、殻むき体験の催しが26、27日に開かれた。市内の若手漁業者でつくる「ノースクルーズ」(小向純一代表)の主催。親子連れなど約20組が参加し、貝柱を切って白い貝殻を開き、むき身を天日で干すまでの工程に取り組んだ。 オオノガイは、深さ30センチほどの砂の中から3本歯のすきで手掘りされる。天日で干したむき身は、干物の逸品とされる。貝柱を切って殻を開き、身からウロや皮をとって日干しにするまでに手間がかかり、一家4人で取り組んでも、1日の漁獲分から干物は10キロ程度しかできないという。このため、流通は根室湾中部漁協を通じた日干しの製品に限られている。 オオノガイは漁獲サイズに育つのに約6年と成長が遅く、乱獲の影響を受けやすいため、漁は年に2日間に制限されている。今年は25、27日に市内の風蓮湖や隣接する温根沼などで行われた。 オオノガイ漁は縄文時代から行われたとされる。温根沼地区にある縄文時代前期の貝塚から出土される貝は長さが7~10センチと大きめで、「縄文人も成長の遅さを知って、漁を制限していた」との見方もある。 風蓮湖・温根沼でオジロワシなどを見るツアーに取り組む「ノースクルーズ」は、そんなオオノガイを観光資源に育てるため、殻むき体験会を企画した。1人千円で工程を体験でき、貝も10個まで持ち帰れる。日干しのほか、フライなどにしてもおいしいという。 殻むきを体験した根室振興局職員の三橋和晃さん(30)は、「根室にきて4年になるが、この貝は初めて知った。自分でむいた身を、どう食べるか楽しみ」。ノースクルーズの小向代表(44)は「皆さんに喜んでもらい、手応えを感じた。機会があれば、来年以降も続け、オオノガイの名を広げたい」と話した。(大野正美) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
Wataru Matsumoto earns win, Kaima Taira ties NPB record for Lions
Wataru Matsumoto held the Fukuoka SoftBank Hawks to a run over six innings and Kaima Taira tied a Nippon Professional Baseball record of 38 straight games without giving up a run as the Saitama Seibu Lions won 5-2 in the Pacific League on Monday. Matsumoto (7-3) surrendered an RBI single […]
信号「どっちも青」で交通事故 7760万円の賠償命令
岩本修弥2021年6月29日 9時59分 信号が変わるタイミング(周期)の設定ミスで事故が起きたとして、重傷を負った元神戸市職員の男性(54)が、信号機を管理する兵庫県や相手の運転手などに損害賠償を求めた裁判の判決が神戸地裁であった。後藤慶一郎裁判長は信号の設定ミスを認め、県などに約7760万円の支払いを命じる判決を言い渡した。25日付。 判決によると、事故は2013年7月、神戸市東灘区内の信号機のある交差点で起きた。男性はごみ収集車を運転して交差点を東から左折して進入し、南から右折してきた大型トラックと衝突。脚の骨が折れ、自力歩行が難しくなった。 判決は、この交差点では信号周期の設定などから、双方の車が交差点に入ることができる「どっちも青」の状態が7秒間あったと認定。「信号機の設置と管理に瑕疵(かし)があったと言わざるを得ない」と指摘した。 兵庫県警は、同様に「どっちも青」の状態になる交差点4カ所について、16年までにすべて解消したという。県警監察官室は「判決内容を検討し、関係機関と協議の上、今後の対応を決めたい」としている。(岩本修弥) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
沖縄本島に線状降水帯 気象庁、初の発生情報発表
前田健汰、棚橋咲月2021年6月29日 10時00分 停滞している梅雨前線に向かって暖かく湿った空気が流れ込んでいる影響で、沖縄本島地方では29日未明、短時間で集中的な豪雨をもたらす「線状降水帯」が発生し、気象庁は「顕著な大雨に関する情報」を運用開始後初めて発表した。 沖縄気象台によると、沖縄県粟国村では29日午前1時から4時までの3時間の降水量が155・5ミリと「50年に1度程度」(気象台)の雨が降った。また名護市では29日午前2時46分までの1時間降水量が73・5ミリを記録。6月の観測史上最大を更新した。 線状降水帯は、停滞した前線に暖かく湿った空気が流れ込み積乱雲が次々と発生し、帯状に並んで雨を降らせ続ける。顕著な大雨に関する情報は、線状降水帯の発生を伝える情報として6月17日から運用が始まった。気象庁は、命に危険が及ぶ土砂災害や洪水による災害発生の危険度が急激に高まっているとして、注意を呼びかけている。(前田健汰、棚橋咲月) 【動画】線状降水帯ができる仕組み Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
LPガス容器、盗難多発の怪 自分用?転売?警察は警戒
会員記事 高橋杏璃、井上怜2021年6月29日 10時07分 秋田県内で、LPガス(プロパンガス)の容器の盗難が多発している。2018年から今年2月まで、13カ所で計14本のガス容器が盗まれており、うち半数が三種町に集中。爆発物の製造に悪用される恐れもあるとして、県警が捜査している。 被害に遭ったのは、いずれも一般住宅で使われるのと同じタイプの20キロ容量のLPガス容器(全長94センチ、外径約30センチ)で、1本で一般家庭の約3カ月分のガスに相当する。容器だけで15キロあり、満タンの場合は35キロ。どれも屋外に設置されており、建物側にある圧力調整器から外した状態で、容器ごと盗まれた。県LPガス協会の船木和昭・専務理事(67)は「工具を使えばすぐに外れるが、手慣れている人でないとできないはずだ」と話す。 最初の盗難は2018年7月、三種町の農業関連施設で発生した。その後も、町内の地域会館や住人が長期間不在の住宅などで6本、大潟村の工場で2本、井川町の美容室で2本、大館市の事業所などで3本が盗まれた。同協会によると、いずれも人が日常的に生活していない建物で、満タンに近い状態のガスが入っていた。 盗まれた14本のうち、19年3月に三種町の事務所からなくなった容器1本は、約1年後に現場から離れた町内の山の中で見つかった。容器は空だったという。残る13本の行方は分かっていない。 LPガス協会「盗難想定してない設計」 井川町の美容室経営の女性(… この記事は会員記事です。無料会員になると月5本までお読みいただけます。 残り:760文字/全文:1361文字 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
今なら全国指名手配? 徳川慶喜追討令の高札見つかる
慶応4(1868)年の鳥羽伏見の戦いで敗れた徳川慶喜の追討を命じる高札が、岐阜県瑞浪市で見つかった。戦いの数日後に中山道の大湫(おおくて)宿に掲げられたとみられ、高札を見つけた学芸員は「全国指名手配のような感じで新政府側の正当性をPRする狙いがあったのではないか」と話す。慶喜追討の高札は国内で数点見つかっているが、掲示場所がわかるものは珍しいという。 高札は木製で縦49センチ、横188センチ。瑞浪市内の郷土史家の遺族が5年以上前に同市陶磁資料館に寄贈した。企画展示のため、収蔵資料を整理していた学芸員が見つけた。同館によると、大湫宿を支配下に収めていた尾張藩が宿場の高札場に掲げたとみられる。 徳川慶喜は慶応3(1867)年に大政奉還した。翌年1月3日、鳥羽伏見の戦いが勃発。旧幕府軍は敗れ、慶喜は6日に江戸に逃れ、7日に追討令が出された。 同様の高札を所蔵する名古屋… この記事は会員記事です。無料会員になると月5本までお読みいただけます。 残り:1264文字/全文:1654文字 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
書店員が聞いた親子の会話 「本屋に来て棚を見ると…」
6月5日、書店員のyamabonさんは1人で品出し作業をしていた。 働いているのは地方都市の郊外にある書店。 その日は土曜日で、お客さんが多い時間帯だった。 書店員歴は、アルバイト時代も含めて15年ほど。 本が好きだったので応募し、やってみて楽しかったから今も続いている。 「これは売れる」「これを売りたい」と思って仕入れた本が売れた時が、一番やりがいを感じる瞬間だ。 母が子どもに言ったこと 品出しをしている棚の向こうから、お客さんの会話が聞こえてきた。 母親が子どもに向かって、こんなことを話していた。 「ネットだと自分が興味のあ… この記事は有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。 残り:807文字/全文:1084文字 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
爆音を耐え続けたが…基地と「共存」の住民が感じた不安
航空自衛隊新田原(にゅうたばる)基地(宮崎県新富町)の航空機爆音訴訟で、28日にあった宮崎地裁判決は、周辺住民の爆音被害を認めて国に賠償を命じた。基地と長年「共存」してきた町で、初めて起きた自衛隊単体基地に対する爆音訴訟。住民たちが訴えたのは、先が見えない「基地強化」への不安だった。 判決の言い渡し後、原告の1人、浜砂金松さん(64)は笑顔で語った。「爆音被害が認められたことは素直にうれしい。まずは一歩を踏み出せた」 新田原基地のある新富町で農業を営む。ハウスで町特産のズッキーニを栽培し、屋外で作業していることが多い。戦闘機が上空を飛行すると、「バリバリという炸裂(さくれつ)音、雷が落ちたような音」が響く。 「町外の人に気安く『いつも聞いていれば慣れるんじゃないか』と言われることもあるが、とんでもない。決して慣れることはない。それはすさまじい音ですよ」 防音工事「効果感じない」 自宅がある場所は、夜間飛行訓練のコースの真下。週2回ほど行われる夜間訓練は午後9時近くまで続くことが多く、爆音が30分間途切れないこともある。壁や天井は、国が費用を負担する助成制度を受けて防音工事が済んでいるが、床の工事は助成の対象外で、防音効果は感じられない。 「会話が遮られるわ、食欲はおきないわ。夜間訓練がある日は、夕食は午後9時を過ぎてから、と決めています」 新田原基地は戦後、1957年に設置された。浜砂さんは子どものころ、戦闘機が自宅近くの河川敷に墜落するのを、庭から目撃したことがある。 「上空でドカンと音を立てて… この記事は会員記事です。無料会員になると月5本までお読みいただけます。 残り:801文字/全文:1469文字 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル