広島で被爆し、多くの折り鶴を残して亡くなった故・佐々木禎子さんのおい、祐滋(ゆうじ)さん(50)=東京都中野区=が、ドキュメンタリー映画「折り鶴のキセキ(仮題)」の製作を始めた。日米開戦から80年となる今年12月にかけて製作を進め、作品を通じて平和を願うメッセージを発信したいという。広島への原爆投下を承認したトルーマン元米大統領の遺族の協力も得る予定だ。 禎子さんは1945年8月6日、2歳の時に被爆し、10年後に白血病を発症し、亡くなった。入院中、自らの回復を祈り、薬の包み紙などで作った折り鶴は約1500羽にのぼった。 祐滋さんは2009年、自身の父で禎子さんの兄・雅弘さん(79)とともにNPO法人「SADAKO LEGACY」を設立し、折り鶴を国内外に贈りながら平和の大切さを訴える活動をしてきた。13年秋には、米ハワイ・真珠湾の国立追悼施設アリゾナ記念館で開かれた式典で折り鶴を寄贈。トルーマン大統領の孫、クリフトン・トルーマン・ダニエルさん(63)の仲介で実現したという。 1941年12月7日(日本時間8日)の旧日本軍による攻撃で、日米開戦のきっかけとなった地に折り鶴を寄贈することに反対する声が日本国内にはあった。日米間の政治問題につながり、平和の象徴である禎子さんのイメージを傷つける恐れがあるとの理由だった。 しかし、祐滋さんは寄贈に踏み… 【1/25まで】デジタルコース(月額3,800円)が今なら2カ月間無料!詳しくはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
漁師×畑×民泊…全部かなった 島に移住した夫婦の笑顔
徳島県南部、牟岐(むぎ)町沖に浮かぶ出羽島(てばじま)に暮らす野口真治さん(34)は、朝起きると家の裏に出て、堤防ごしに暗い海を眺める。 「今日は凪(なぎ)かな」。冬場の出漁は午前4時ごろ。親方と2人で近海の漁場へ向かう。かじかむ手で、はえ縄を海に入れた。引き揚げたレンコダイを朝日がキラキラと照らす。高級魚のアマダイが交じっていた時は、心が弾む。 ずっと漁師になりたかった。海に出られるのがうれしい。魚がとれると、もっとうれしい。 ◇ 出羽島は周囲約4キロ。牟岐町の港の沖合約3キロにあり、連絡船で15分ほどかかる。人口約70人の島内に自動車は1台もなく、手押し車で荷物を運ぶ。 江戸時代の終わりごろから、漁業の島として知られ、カツオ漁を中心としてきた。1934(昭和9)年には約800人が住んでいたという。 今も、入り江を囲み、昭和初期のたたずまいを残した街並みが広がる。真治さんと妻の美保さん(48)が暮らすのは、そんな一角。「タマネギが甘くて、すごくおいしい。島の土と気候かな」と美保さん。 家の前で、タマネギや枝豆、キュウリ、トマトなど季節の野菜を育てている。港近くで民泊「うたタネ」を営む。築100年超の民家を譲り受け、昨年9月にオープンした。新型コロナウイルスの影響で思ったように客を迎えられないが、2人は笑いが絶えない。 「田舎暮らし、漁師、畑、民泊。やりたいと思ってたことができちゃった」 夫婦ともに東京出身で、住まいのあった神奈川から、休みのたびに移住先を探す旅行をしていた。2016年秋、初めて訪れた徳島に心を奪われた。海、山、どちらも身近だ。釣り船屋で働きながら、いつか独立したいと考えていた真治さんは、漁師を養成する「とくしま漁業アカデミー」が翌年春に始まることを知り、移住を決めた。 真治さんは半年間、底引きや養殖など漁業を体験。出羽島でも5日間過ごし、はえ縄漁業を教わった。島は静かで、のんびりした時間が流れていた。 「この島で漁師をやりたい、この島で暮らしたい」。アカデミーの現場研修が始まった17年秋、2人で島に移り住んだ。 美保さんは島の女性たちに、畑のうねの作り方や種のまき方を、手取り足取り教えてもらった。山すそに段々畑を開き、好きなミカンの木を植えた。春先から初夏は、島特産のテングサ採り。海岸に打ち上げられたテングサを干して洗って、白くなるまで繰り返す。自然を肌身で感じながら3年が過ぎた。「島の人たちのおかげで、今の暮らしがある」 真治さんも、マグロ船やはえ縄漁で60年ほどの経験がある親方のもとで漁師の経験を積む。牟岐町漁協組合長で出羽島部落会会長の田中幸寿さん(77)は「若い人が来てくれると、活気がある」と喜ぶ。 ◇ 2人は今後、民泊体験を充実させたいと考えている。とれたての野菜を使ったバーベキューや、テングサでところてん作り。魚の干物作りも。島の資源を五感でたっぷり味わえる体験は、売りになる。 漁師の熟練の技術も「島の資源」だと感じる。島で19年に開かれたアートの催しでは、漁網を浮かせるために使うガラスの浮き玉「ビン玉」に、網を編んで掛けるワークショップが好評だった。講師役の漁師たちも生き生きとしていた。 島伝統の漁を続けていきたい。そして、魅力いっぱいの島を、それだけで終わらせるのはもったいない。「まだ、何かできそう。島の人の収入になることを、島全体でやっていきたい」 真治さんと美保さんは、今日も忙しい。(斉藤智子) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「金の玉」復活→早くも新調 直径2.3mが頭上に輝く
金の玉はもうシワシワになりません――。先月中旬、大須商店街連盟(名古屋市)のツイッターアカウントがそんなつぶやきを投稿しました。アーケードにつり下げられた直径約3メートルの「金の玉」を新調したというのです。 設置の由来は 金の玉の設置は、2009年に商店街で開催されたイベント「金の玉ころがし」に由来します。 当時、新天地通と東仁王門通が交差する「まねき猫広場」にアーケードを設けることになり、片方は金の柱、もう片方は銀の柱を立てることになりました。 ところが、どちらも「金がいい」と譲らなかったため、それぞれの通りで金色の玉を1個ずつ転がして広場に向かい、先に到着した方に金の柱を立てることに。 勝負は東仁王門通側の勝利で、そちらに金の柱が立てられました。 その後、玉転がし用に特注した金の玉のうちの1個を「せっかく作ったのだから」と、どちらの通りでもない仁王門通のアーケードにつるすことになりました。 金の玉は中身が風船のようになっていて、夏はパンパンにふくれ、冬はしぼむなど手入れが大変だったため、数年前にいったん撤去。 ところが昨秋、新型コロナウイルスで地元の祭りが中止になったことを受けて、「代わりに何か盛り上がることをしよう」と復活しました。 取り寄せた塗料を使って自分たちで金色を塗り直し、1週間に1回のペースで抜けた空気を補充してきました。 新調のきっかけは そんな金の玉を先月、発泡スチロール製のものに新調。きっかけは「Go To 商店街」事業でした。 「金の玉復活祭」として撮影スポットを設置し、玉を背景に撮影してSNSに投稿した人に、大須ならではの土産をプレゼントするという事業が採択されたのです。 「直径3メートルだったのものが2.3メートルにやや小さくなりましたが、空気が抜けてシワシワになることはありません。みなさんニコッと笑いながら撮影しています」と大須商店街連盟の専務理事・中野浩幸さん。 集客を伴う商店街イベントなどを全国一斉に停止している関係で、復活祭も現在中断していますが「再開したらぜひ金の玉を撮影しに来てください」とのことでした。(若松真平) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
触れると顔が和らぐ 桃太郎に「許された」鬼たちの像
桃太郎誕生の地という伝説が残る愛知県犬山市の「桃太郎神社」。桃太郎やサル、キジ、イヌの像とともに、コンクリートで造られたカラフルな鬼の像が参拝者を迎える。 鳥居をくぐり石段を上ると、赤と緑の鬼が桃太郎一行を背に仁王立ちしている。週末、子どもたちがこの鬼の横で写真に納まっていた。人気漫画「鬼滅の刃」の主人公が着る羽織と同じ、市松模様のマスクをつけてポーズを決める。 神社によると、真っ二つに割れた桃から飛び出す桃太郎像の横で撮るのが定番だが、最近は「鬼滅」の効果か、鬼の像と一緒に写る人も目立つらしい。 「でも、ここの鬼は『鬼滅』と違って、退治されても許してもらい、仲間になったわけです」と若森国道宮司(75)は説明する。 境内には、尻もちをついて桃太… 【1/25まで】デジタルコース(月額3,800円)が今なら2カ月間無料!詳しくはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
小難しいSDGs、若者へ翻訳できたら 長谷川ミラさん
自分でアパレルブランドも手がけるモデルの長谷川ミラさん(23)は、イギリス留学をきっかけにSDGsについてYouTubeやSNSで発信するようになりました。きっかけや、どんな思いで取り組んでいるのか聞きました。 はせがわ・みら 1997年生まれ。父は南アフリカ、母は日本出身。モデルの活動と並行して、2017年にジェンダーフリーのブランド「JAMESIE」を立ち上げる。企業とコラボして、自ら企画してSDGsを取材した番組をYouTubeで配信している。 ――SDGsを意識するようになったのはいつからですか。 イギリスの大学に留学していた時、スーパーではプラスチック袋が1枚20円、水は1本400円で売られていました。学生にとっては高額です。いつの間にか、周りを見習ってエコバッグを持ち、マイボトルを持つようになりました。 SDGsとはこんなものです、と学んだわけではなく、日常の生活からたどりつきました。周りの意識が高かったのではなく、私の意識が低かったのだと思います。 講義を通じて社会問題について調べる中で、Tシャツを1枚作るのに水を3千リットルも使うことを知りました。すでに性別にこだわらない「ジェンダーフリー」のアパレルブランドを立ち上げていたので、私自身が環境に負荷をかけていることを知り、率直に「やばい!」と思いました。ファッションが大好きなのに、新しく洋服を買う気持ちにならなくなり、週に3日は同じ格好をしていました。インスタグラムのフォロワーから私服を掲載してほしいとリクエストされても、載せる洋服がありませんでした。 町中で議論、イギリスでの気づき ――ジェンダーフリーのブランドを立ち上げた理由は。 洋服くらいは性別にとらわれな… 【1/25まで】デジタルコース(月額3,800円)が今なら2カ月間無料!詳しくはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
4都県からの成人式参加「自粛して」 愛知県豊田市
首都圏4都県に緊急事態宣言が出されたことを受け、愛知県豊田市は9、10日に開く成人式に、4都県から帰省して参加することを自粛するように求めることを決め、市の公式ホームページで呼びかけた。市担当者は「感染者が急激に増え、感染防止策を徹底する必要があるため」としている。市によると、新成人は約5千人という。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
宣言解除の条件、異論が噴出 「1カ月では判断難しい」
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、政府は7日、首都圏の1都3県に緊急事態宣言を出すことを決めた。飲食を中心とした対策は十分なのか、宣言を経て感染は収まるのか。専門家の見方を聞いた。 生活や経済に大きな影響がある緊急事態宣言は、解除の条件と、対策と期間の適切な設定が重要になる。社会全体で人と人の接触を減らすように求めた昨年4月の宣言と違って、今回は感染拡大の「急所」という飲食の場に対策の重点を置き、対象エリアも絞った。特に酒を飲む夜の会食での感染を防ごうと、飲食店の時短営業の要請や、夜間の不要不急の外出自粛、勤務の抑制を打ち出した。 「4月に実施したような網羅的な抑制ということでなく、何とかその経験を生かして焦点を絞ってできないかという強い思いが、みんなの共通認識」。7日午前、緊急事態宣言について議論した政府の諮問委員会後、メンバーの釜萢敏(かまやちさとし)・日本医師会常任理事はこう話した。一方で、「そのことで効果が不十分になる懸念はみんな持っている」と不安をのぞかせた。 諮問委員会には各分野の専門家らが参加し、宣言に伴う政府案に意見した。ここで異論が噴出したのは、宣言解除の条件だった。 政府案では、政府の分科会による感染状況の四つのステージのうち、2番目に深刻なステージ3をゴールとしていた。今の東京都は、最悪レベルのステージ4。ステージ3でも感染者は多く、保健所や医療現場は逼迫(ひっぱく)している。分科会はステージ3でも、「Go To トラベル」の見直し、夜間や酒類を提供する飲食店への外出自粛要請などの対策が必要だとしてきた。 諮問委員会メンバーの鈴木基・国立感染症研究所感染症疫学センター長は「(感染者が徐々に増える)ステージ2でようやく医療公衆衛生が通常運転になりうる状況。それをしっかりと達成するためには、ステージ3での解除は早すぎる」と話す。対策の効果が確認できる時期を考えると、1カ月後に解除する判断自体が難しいとみる。 分科会はステージの判断指標を六つ示しており、一つは新規感染者数だ。東京都の1日あたりの人数に直すと、ステージ3は300人、4は500人ほど。市中感染が広がっており、直近1週間の平均では1200人を超え、目標は遠い。 宣言の期間は1カ月。尾身茂・分科会長は7日の会見で、「確かに1カ月未満に、ステージ3に近づけるということは簡単ではありません」と認めた上で、「しっかりと頑張れば、1カ月以内でもステージ3にいくことは可能だと思っています」と述べた。 宣言「遅すぎた」との指摘も 政府が「勝負の3週間」と呼び… 【1/25まで】デジタルコース(月額3,800円)が今なら2カ月間無料!詳しくはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
再び緊急事態宣言…暮らし逆戻り?「前回の緊張感ない」
暮らしも、仕事も、また逆戻りするのか――。新型コロナウイルスの感染者数が急カーブで増え続け、首都圏1都3県に再び緊急事態宣言が出された。対象地域の市民からは「遅すぎる」との声もあがる。 買いだめ客の姿なく JR千葉駅前では7日夕、足早に帰路につくスーツ姿の会社員の姿が多くみられた。 教育関係の会社に勤める千葉市稲毛区の会社員細川悠元(ゆうげん)さん(29)は「8日から週の半分以上がテレワークになる。新年でやる気が上がっていたのに、逆戻りした感じ」と嘆く。 自宅には長男(3)と生後4カ月の長女がおり、「仕事に集中できる環境ではない」。前回の宣言時もテレワークになったが、子どもの泣き声が相手に聞こえないよう、電話は車の中に移動してかけた。「会社での雑談から生まれるアイデアもあるので、効率は落ちる」 子どもたちの年齢を考えると、感染の不安は高い。夜の会食もできるだけ制限してきた。「宣言を出すのが遅かった。感染者がどこまで減れば解除されるのか具体的に示してほしい」 千葉市中央区のスーパーでは、前回の宣言発令前にみられた「買いだめ客」の姿はなかった。50代の男性店主は「念のため水などの在庫は増やしたが、逆に売れ残りが増えている」と話す。 千葉市の会社員堀越侑茄(ゆうか)さん(28)は、いつもより大きめのマイバッグを持って来たが、水やティッシュの在庫が多くあるのを見て、普段と同じ買い物をした。「足りなくなったら外に出て、また買いに来ればいい。宣言は少し緩い気がする。前回のような緊張感はないし、本当にこれぐらいで大丈夫なのかな」と不安を口にした。(福冨旅史) ■議員の会食「怒ってい… 【1/25まで】デジタルコース(月額3,800円)が今なら2カ月間無料!詳しくはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
Giants reach deal with former MLB All-Star Justin Smoak
The Yomiuri Giants have agreed to a contract with longtime major league first baseman and designated hitter Justin Smoak, the Central League champions said Thursday. Yomiuri will sign the 34-year-old switch hitter as a free agent from the San Francisco Giants on a two-year deal believed to be worth $3 […]
「感染前に戻れれば」 宣言再び、渋谷を見つめる3日間
新型コロナの感染拡大をうけて、首都圏に2度目の緊急事態宣言が出されます。街の風景はどう変わるのか。社会部の記者たちが7~9日の3日間、東京・渋谷から報告します。 7日20:00 渋谷区宇田川町のデパート「PARCO渋谷」入り口に飾られたドラえもんの像の周囲で、何度もスマートフォンで写真を撮っている男性がいた。都内の会社員男性(57)。仕事帰りに用事があって渋谷に寄ったら、偶然見つけたという。 「いま、ドラえもんに一つ、道具を出してもらえるとしたら」と尋ねると、男性は「実はあまり詳しくはないんだけどね……」と言って数秒考え、「タイムマシンですかね」と答えてくれた。「やはり国は新型コロナウイルスを甘く見ていたと思う。感染が拡大する前の世の中に戻って、命を最優先にした政策をとってもらいたい」 新型コロナで友人を2人、亡くしたという。一人は60歳だった。「私も新型コロナの本当の恐ろしさをわかっていなかったのだと思う」。当たり前のように満員の電車に揺られ、通勤していたからだ。 男性は詳しい仕事の内容は教えられないということだったけど、8日からも、しばらくの間は出勤が必要だという。「寄り道もきょうが最後。経済も大事だけど、命がなくなったら、楽しいことも何もできなくなってしまうから」 拡大するデパート前に飾られたドラえもんの像の周りには、スマートフォンで写真を撮る人の姿が絶えなかった=2021年1月7日午後8時10分、東京都渋谷区宇田川町、山本亮介撮影 7日18:15 渋谷のワインバー。緊急事態宣言をめぐる菅義偉首相の記者会見が始まる5分前から、従業員の女性(33)は店内のテレビを準備し、経営を心配するお客さんと一緒に見つめた。 会食を介した感染が増えている、と画面の向こうで菅首相が理由を説明をする。女性は「どうして飲食店が狙いうちされるのか。会食が悪いという根拠はあるのだろうか」と不満を漏らした。 同店はコロナ禍の前までは夕方から未明までを営業時間としていた。酒類の提供が午後7時までとされたことに対し、「昼飲みする人は少ない。現実を分かっていない」。協力金についても「家賃が高いところと低いところで一律支給はおかしい。つぶれる飲食店が出てくるだろう」と顔を曇らせた。 拡大する「店名公表すれば、そこの店に集まり、密になる。昨春もそうだった」。菅首相会見をテレビで見る飲食店の従業員(左)らからは不満が漏れた=2021年1月7日、東京都渋谷区、木村浩之撮影 7日17:00 宮下公園跡地に昨年6月オープンした商業施設「MIYASHITA PARK」。「4階建ての公園」をコンセプトに約90店が軒を連ねる。明治通り沿いの1階はフランスやイタリアの高級ブランド店が並び、ロングコート姿の男性スタッフが客を招き入れた。 一方、すぐそばの公園の公衆トイレの脇では、毛玉の目立つニットを重ね着した男性(47)が、衣類や調理器具が詰まったキャリーバッグを整理していた。横浜市のアパートから立ち退きを迫られ、昨年9月から路上生活が続いているという。 都内の感染者数が2千人を超えたと伝えると、「この半月、公園から見える電車の乗客数が減ったと感じていた。まだ増えるんじゃないかな」と話した。2度目の緊急事態宣言が出される見込みと知り、「苦しくても我慢できる人とできない人がいる。我慢できる人に合わせる政策はとってほしくない」という。 持っていた衣類をリサイクルショップに売り、大手ディスカウントショップで一玉30円ほどのうどんをまとめ買いする。カセットコンロでゆでる素うどんが主食だ。まだ数カ月分は生きていけるという。隣で寝起きする同じくらいの年齢の男性がこの2日間、荷物を置いたまま姿が見えないのが気にかかる。 都内の気温は8度ほど。風が強く、街路樹を揺らす。男性は肩をすくめ、この日の午前中に明治神宮に行ったことを教えてくれた。人影の少ない社殿で手を合わせ、祈ったという。「自分だけがよければいい、という考えの人がどうか少なくなってほしい」 拡大する商業施設に面した歩道脇に置かれた荷物。男性によると、路上で生活する人たちの所持品という=2021年1月7日、東京都渋谷区神宮前6丁目、山本亮介撮影 7日15:10 スクランブル交差点を見下ろす大型ビジョンに「東京都で新たに2447人の新型コロナ感染確認」の速報が流れる。 ハチ公前で友人を待ちながらスマホをいじっていた大学生の男性(21)は「あっという間に1千人、2千人と増えたから、過去最高と言われても『またか』と思っちゃう」と話す。 富山の実家への帰省をやめ、飲み会は控えている。「マスクを外して話さないから大丈夫」と、この日は友人と買い物に来たという。緊急事態宣言が出されることはニュースで知ったが「何が制限されて何は許されるのか、正直よく分からない。前回みたいに飲食以外も閉まったら困るけど」。やがて友人が到着し、「SHIBUYA109」へと向かっていった。 拡大する大型ビジョンでは東京都の新規感染者数を伝える速報が流れた=2021年1月7日午後3時48分、東京都渋谷区、増山祐史撮影 7日13:00 ハローワークには、若者から高齢者まで幅広い年代の人たちが仕事を探しに訪れていた。 世田谷区に住む男性(46)は昨春まで印刷会社に派遣社員として働いていたが、新型コロナウイルスの影響で契約が更新されなかったという。しばらくはイベントスタッフなど単発の仕事で食いつないでいたが、感染が「第3波」を迎えた昨秋に、ついに仕事が入らなくなった。 10万円ほどの貯金はあっという間になくなり、家賃も滞納が続く。「このままだとのたれ死んでしまう」と、わらにもすがる思いで仕事を探しにきた。 比較的求人が多いのは重労働だが、腰に持病を抱えているため、できない。「緊急事態宣言が出たらどうなるのか。明日生きていけるかも心配だ」とこぼす。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル