福島県沖で16日夜に起きた最大震度6強の地震では、家具が倒れ、室内が散乱する被害が各地で相次いだ。なかには身動きがとれず36時間後に救出された人もいた。東日本大震災の経験から津波への警戒が浸透する一方、室内の対策はまだ不十分との指摘がある。 宮城県白石市の日本舞踊家、麻生菜穂美さん(62)は16日夜、自宅2階の寝室で揺れを感じた。1度目の揺れの後、様子を見に1階に下りたところで2度目の揺れに襲われた。食器棚の扉に輪ゴムをくくりつけて固定していたが、対策を取っていない棚からカップ類やワインが床に散乱した。 寝室のタンスが布団の上に 倉庫代わりに使っていた2階の部屋では、重ねて置いていたタンスの上の部分が、別のタンスに倒れ込んだ。市内で震度6弱を観測した東日本大震災では少し動いた程度だったのに、今回は飛ばされるように動いたのに驚かされた。 麻生さんは「建物が倒れるこ… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「悔いなく生きなくては」 津波に流され助かった私、古里に戻る春
【東京】宮城県石巻市出身の村田奈央子さん(22)は今春、創価大(東京都八王子市)を卒業し、古里の公務員(福祉職)になる。小学5年生で東日本大震災を体験。家族や友人を亡くしたが、大勢に励まされ、避難所でのボランティアで避難者に喜んでもらえたことも力になった。助け合い、生きる喜びが感じられる古里にしたいという。 2011年3月11日。村田さんは小学校から急いで帰宅し、祖母と姉の3人で車の中でラジオの震災情報に耳を傾けた。祖母と姉は曽祖母が心配でいったん家に戻り、村田さんが車に1人残っていた時だった。 真っ黒な壁のようなものが迫… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
マグネットボールに法規制を 誤飲で重大事故受け消費者事故調が提言
身近な事故の原因を調べる消費者庁の消費者安全調査委員会(消費者事故調)は24日、強力な小型磁石を使ったおもちゃ「マグネットボール」を子どもが誤飲する事故を防ぐため、幼児の手に渡らないよう販売方法などに法的な規制が必要だと提言した。 マグネットボールは直径3~5ミリ程度の小型のパチンコ玉のような磁石で、互いをくっつけて遊ぶ。好きな形を作ることができ、「知育玩具」として主にネット通販で売られている。一つ一つが角形の「マグネットキューブ」もある。 消費者事故調によると、幼児が誤飲した結果、臓器を傷つけてしまうなどの事故は2017~21年に少なくとも10件あった。多くは年上の兄や姉向けに買ったものを、親が気づかないうちに1~7歳の弟や妹が誤飲していた。胃と小腸など異なる場所に球がとどまり、腸管を挟んでくっつき、胃や小腸、十二指腸などの臓器に穴を開けてしまう事故が複数あり、除去するのに開腹手術が必要になったケースもあった。 マグネットボール(左)とマグネットキューブ=国民生活センター提供 6商品について事故調が調べ… この記事は有料会員記事です。残り320文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 【5/10まで】記事読み放題コースが今なら2カ月間無料!詳しくはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「取り返さないと」営業再開する被災旅館も 地震から1週間の福島
福島県内で震度6強を観測した16日深夜の地震から1週間がたつ。相馬市など各地で避難生活が続き、断水や建物損傷の影響がなお残るなか、暮らしや生業(なりわい)を立て直す努力が続いている。専門家は、今後も強い地震の恐れがあるとしている。 ◇ 内閣府によると、23日朝時点で、97人が避難生活を続けている。県によると、1人が亡くなったほか、重傷者は9人、軽傷者は92人にのぼる。 住宅は国見町で5棟が全壊し、同町や二本松市で12棟が半壊した。一部破損は前日から339棟増えて565棟になった。ただ、これらの数字には被害の大きかった相馬市の状況は含まれていない。県は市町村などと連携して「被害状況の把握にスピーディーに取り組みたい」(内堀雅雄知事)とするが、1週間経っても、全容把握にはほど遠いのが現状だ。 また、県食品生活衛生課によると、23日午前で相馬地方広域水道企業団が供給するエリアの約120戸で断水が続いている。(笠井哲也) 「お盆には間に合わない」 倒れたお墓 震度6強の揺れに見舞われた… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
京成線青砥駅の脱線事故「台車の亀裂が原因」、運輸安全委が報告書
東京都葛飾区の京成線青砥(あおと)駅構内で2020年6月に列車が脱線した事故について、国の運輸安全委員会は24日、台車に生じた亀裂の影響で車体のバランスが崩れ、車輪がレールに乗り上げたことが原因とする調査報告書を公表した。約3年7カ月前の定期検査時には亀裂があった可能性も指摘した。 事故があったのは、20年6月12日午前、青砥駅に進入中だった京成高砂発羽田空港第1・第2ターミナル行き普通列車。8両編成の7両目後方の車輪が脱線した。乗客乗員約100人にけがはなかった。 事故後、脱線車両の後部台車の右側の枠(高さ17センチ、幅18センチ)に最大幅約2・8センチの割れ目が見つかった。報告書によると、亀裂の影響で左右の車輪にかかる重さのバランスが崩れ、直前に左カーブを通過したことで、右側の車輪がレールに乗り上げたとみられるという。 枠は4年、または走行60万… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
素人、でも演じさせられた「経験豊富なSE」 ネット求人の落とし穴
スマートフォンひとつで求人情報に手軽にアクセスできるようになった一方、玉石混交の情報に振り回され、だまされる被害者が目立つようになってきた。厚生労働省も対応に動くなか、労働相談の窓口には悲痛な訴えが届いている。 「エンジニア未経験から月給30万円」「昇給年4回」――。インターネットの求人メディアで見つけた好待遇の求人情報が、落とし穴だった。実態がないのに高額な研修費用を支払い、年齢や職歴の詐称を求められ、心身共に疲れ果てた結果、4カ月で退職に追い込まれた。「東京で普通の生活をしたかっただけなのに」。いま男性(25)は振り返る。 男性は昨春まで故郷新潟のガス検知のメンテナンス会社に勤めていた。当時の年収は350万円。ネットで目にした「将来性の高いIT業界のエンジニア」などの言葉にひかれ、昨年6月に上京。東京都渋谷区のシステムエンジニア(SE)派遣会社に転職した。 採用条件にあった社内の研修… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「誰かの物差し」で生きてたのは自分かも 18歳から教わった35歳
卒業を迎える高校3年生に向けて作られた「18の問い」。 最初の質問「あなたの年齢を答えなさい」を除いて、正解のない問題ばかりが並んでいる。 約450人の18歳に答えてもらったところ、こんな回答が寄せられた。 【問】高校3年間でやり残したことを述べよ 「修学旅行」 「高校離れた中学の親友に会うこと」 「先輩ともっと仲よくしたかったです」 【問】卒業しても、忘れたくない光景を答えなさい 「皆でいけないことをして怒られた光景」 「高校の渡り廊下から見える風景」 「友達との帰りみち」 【問】高校生活は人生における___だ。下線部を埋めなさい 「スタートライン」 「宝物」 「迷路」 【問】言葉の壁が無くなったら、誰と何を話したいか答えなさい 「外国人と恋バナ」 「犬と幸せか聞きたい」 「神様と雑談をしたい」 【問】絶対になりたくないのは___な大人だ。下線部を埋めなさい 「年齢を理由にえばりちらす」 「優しさのない」 「BADな言葉ばかり吐く」 ◇ 担当したコピーライターの藤田卓也さん(35)は、質問作りのための事前リサーチも含めると、約1千人の回答に目を通した。 企画の方向性を固めるため、気になる回答があればオンラインインタビューを依頼。 そのうちの1人、ある女子生徒の話が印象に残っている。 彼女より年齢を重ねていて、世の中が見えているつもりだったが、「誰かの物差しに乗って生きてるのは自分の方かも」と思わされた。 彼女はこう言った。 「コロナで雑談も減ったし… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
15年前、アマゾンに挑んだ東京国税局 「140億円課税」の決着は
巨額の売り上げを出しているはずなのに、税金を取れない――。各国の税務当局が巨大プラットフォーム事業者を相手に地団太を踏んでいたころ、実は日本の国税当局は15年前、ネット通販大手「アマゾン」に戦いを挑んだことがあった。当時、その一端は報じられたが、その後、アマゾン対東京国税局はどう決着したのか。当時を知る関係者らへの取材で、その詳細が明らかになった。 プラットフォーム事業者に対する課税をめぐっては、10年以上前は、例えば、日本でアマゾンを使って本を購入しても、事業拠点が米国にしかなければ法人税は米国で支払い、日本には納めないことになっていた。 しかし、国際課税ルールの見直しが進み、全世界の売り上げが200億ユーロ(2兆6千億円)超などの条件を満たす企業については、市場のある国に利益が分配される仕組みが来年から始まる。アマゾンを含むプラットフォーム事業者も対象になるとみられている。 日本には税金をあまり納めない状況が主流だった2009年7月5日。朝日新聞は朝刊1面で、東京国税局がアマゾンに課税したことを報じた。 [アマゾンに140億円追徴 国税局、日本事業分に課税] その一報は、瞬く間に世界に知れ渡った。それだけ、各国はアマゾンへの課税に頭を悩ませていた。 当時、アマゾンはすでに世界各国にネット通販市場を持っていたが、売り上げと中枢機能は本社のある米国に集まる方法を採っていた。 当然、税金も米国に集中する。 「PEが陳腐化」 国税に募る危機感 これに疑問を持ったのが東京国税局だった。「PE(恒久的施設)なければ課税なし」という国際課税の基本ルールに基づき、利用客のいる日本には応分の納税を求められないか、かねて検討していた。 PEとは支店や工場といった事業を行う場所のことだ。 これが自国になければ課税ができないというのが、1920年代から続く国際的な鉄則だ。反対にPEがあれば、そこから生じる利益のすべてに課税することができる。 アマゾンには、日本法人「アマゾンジャパン」があった。 しかし、米国本社側から手数料を受け取って市場調査する会社という建て付けで、あくまで本社とは別会社だった。 日本法人は手数料収入を申告していたものの、ネット通販という「本業」収入に比べ微々たるものだった。 「PEを陳腐化させるビジネスモデルが横行している」 危機感を強めていた東京国税局は国内で、PEと認定できそうなアマゾンの施設を見つけて、本業が日本国内で上げた利益に課税しようとアマゾン側に対する税務調査を始めた。 アマゾン側から詳しくヒアリ… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ネタのような「父」に導かれ 桂雀々芸歴45年独演会 さんまも登場
人間、いつ何が起こるか分からない。もうけ話に乗って大コケしたり、思わぬところで人生の幕切れとなったり。なさそうでありそうな話を、噺家(はなしか)は笑いに昇華する。 「自分の周りには、落語のお手本みたいな人間がおってくれたから」 そう話す桂雀々が、3月26、27日、芸歴45周年の独演会を新歌舞伎座(大阪市天王寺区)で開く。公演の模様は、31日午後8時からWOWOWで放送される。 演目の一つ「鷺(さぎ)とり」は、男が鷺を捕まえてからの顚末(てんまつ)がぶっ飛んでいる。 欲をかいてたくさん捕まえすぎて、あらららら。一斉に飛び立った鷺たちに引っ張られ、びゅーんと空へ。なんとか四天王寺の五重塔につかまるが、結局飛び降りる羽目に。宝船に乗ったつもりが泥舟だったというわけ。 父はピラニアに 「うちのおやじも、そういう一獲千金狙うタイプでした」 雀々の父は道楽人だった。空は飛んでいないが、借金からは飛んだ。 原因は丁半博打(ばくち)に競馬に競艇といろいろだが、一番はピラニア。売りさばいてもうけようと家の水槽で育てていたが、あえなく全滅、自暴自棄になった。 父は雀々との心中騒ぎを起こ… この記事は有料会員記事です。残り966文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 【5/10まで】記事読み放題コースが今なら2カ月間無料!詳しくはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
肥薩線復旧費試算、過去最大235億円 赤字ローカル線の厳しい現実
JR九州の青柳俊彦社長は23日、2020年7月の記録的豪雨で被災した肥薩線の復旧費用が235億円に上ることを明らかにした。過去最大だった16年4月の熊本地震に伴う復旧費用90億円の倍以上で、「これまでと規模が異なる。どのような方向性がいいのか悩む」と述べた。 23日の定例会見で語った。肥薩線は現在、総延長の7割近い八代(熊本県)―吉松(鹿児島県)間の86・8キロで運休が続く。復旧費の半分程度は国と県による負担を想定するが、もともと赤字路線。青柳社長は「『赤字はJRが何とかすればいい』ということでは立ちゆかなくなる。維持できる線区にならないといけない」と話し、復旧後の採算性も含めて議論すべきだとの考えを示した。 記者から「(国、熊本県との検討会で)バスを使った方法を提案することは」と問われると、青柳社長は「そんなことをしたら国に怒られる」と語気を強め、3者が納得いく形で合意する必要性を強調した。 肥薩線復旧をめぐっては、国… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル