「今日はママ、血の日だからね。子どもを産む準備で、女の人はみんなあるのよ」。生理について、静岡県磐田市の会社員女性(39)は、長男(11)と長女(9)が幼いころからそう話してきた。 「生理の日も一緒にお風呂に入れた方が楽だし、性について気軽に話せるようになりたいから」と説明する。性器や胸などの「プライベートパーツ」についても、日ごろから「大切なところだから、他人に触らせたらダメだよ」と伝えてきた。 しかし、出産や妊娠の仕組みなど、さらに踏み込んだ内容は教えられていない。「何を、いつ、伝えたらよいのか。悩んでしまいます」 こうした悩みを抱える保護者に向け、講座を開く自治体もある。1月中旬、三重県東員町の子育て支援センター。親子15組が参加した「おうち性教育」講座で、フリーランスの性教育講師、中谷奈央子さん(39)が、よく寄せられる質問を例に答えていく。 ――子どもが性器をさわっていてやめさせたいが声のかけ方がわからない。 答えは、「やめさせなくてい… この記事は有料会員記事です。残り1482文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
奈良の「おいしいもの」を探して 甘~いアレ実は名産、在京人気店も
文豪・志賀直哉は自身の随筆で、奈良県を「食いものはうまい物のない所だ」と評した。生まれ育った身として、これに異を唱えたい。 奈良が隠れたイチゴの産地だということを知っているだろうか。農林水産省の統計によると、2020年の収穫量は2290トン。全国1位の栃木県は2万2700トンで、10倍近く差がある。ただ、奈良県産イチゴの魅力は量ではない。県内限定でつくられる、独自品種がうまいのだ。 「奈良にうまいものなし」。奈良県出身の記者が、子どもの頃からずっと聞かされてきた言葉を否定すべく、うまいもの探しの旅へ!故郷から遠く離れた東京で出会ったのは県産イチゴ。甘~い独自品種、君の名は――。読者プレゼントもあります。 奈良のイチゴが食べられると聞き、東京スカイツリーをめざした。お目当ては、タワーふもとの「堀内果実園ソラマチ店」(東京都墨田区押上1丁目)。運ばれてきたものを見て、のけぞった。 堀内果実園ソラマチ店の「ツリー園」。1段のみの「古都華園」(税込み2680円)もある=2022年2月25日、東京都墨田区押上1丁目 2段重ねのグラスにびっしりとイチゴが敷き詰められたパフェ。高さ40センチ。スカイツリーをイメージした「ツリー園」(税込み5300円)。使われるイチゴは、全て奈良県産の「古都華(ことか)」だ。 頂上のイチゴにかじり付く… この記事は有料会員記事です。残り2266文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
葬儀、コロナで小規模化が加速 大正から平成までは?写真で振り返る
新型コロナによって大勢での集まりが難しくなり、葬儀も小規模な家族葬が一気に広まったように見えます。国立歴史民俗博物館の山田慎也教授は、肥大化と縮小を繰り返してきたのが葬儀の歴史だと言います。写真とともに、振り返ります。(田中聡子) 明治期とかわらない葬列の形態で、白い喪服もみられる=東京都、1922(大正11)年、山田慎也さん提供 新型コロナによって、家族葬など葬儀が一気に小規模化したように見えますが、この流れ自体は1990年代後半から続いてきたものです。コロナはその流れを加速したり、正当化したりしました。 江戸の町人、明治の中産、そしてバブル期 歴史的に見ると、葬儀は肥大化しては縮小することを繰り返しています。明治時代には、葬列が派手になりすぎ、中産の家で2年間に両親亡くなると家が傾くと言われたほどでした。それに対し経済的負担や交通の発達、近代的な発想などから葬列が廃されました。江戸時代も、豊かな町人は棺にかける着物の枚数を競うような華美な儀式が広がり、幕府が「身分にふさわしくない」と取り締まっていました。直近では、バブル期が最も豪華です。告別式に花輪をずらりと並べ、大勢が参列する形が主流でした。 自宅を出棺し、墓地の広場で葬儀が行われ土葬されるという伝統的な形式だった=和歌山県、1992年、山田慎也さん提供 ひずみが大きくなり覆い隠せなくなった その形が崩れ、告別式などを… この記事は有料会員記事です。残り992文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「時短勤務で担任無理」と言ったのに 育休後、午前3時半起きの日々
学校のある平日、関東地方の公立中学校の30代女性教諭の一日は午前3時半に始まる。 外はまだ真っ暗。子どもたちを起こさないよう、2階の寝床を抜け出す。 1階リビングの机に向かい、英語の教科書をめくる。この日にある授業の準備に1時間ほどを費やす。 5時ごろから洗濯、夕飯の下準備、掃除。6時に子供を起こし、7時前に家を出て保育園へ。 昨年6月、3人目が生まれて産休に入るまで、そんな慌ただしい朝を過ごしていた。 両親は遠方に住み、夫は会社員で朝早く帰りは遅い。仕事があるときでも、「ワンオペ育児」にならざるを得ない。 夕方、午後6時半の保育園のお迎えに向け、校舎を飛び出す。夕飯と風呂を済ませ、9時ごろに子どもと一緒に寝床に入る。 産休前、常に「こんな生活は続けられない」と感じてきた。 いま、「復帰して働く自信が持てない」と言う。 心が揺れるのは、忙殺されてきた日々への不安だけが理由ではない。 子育てのための時短勤務制度を使ったのに、実際には早く帰れない。 そんな理不尽な職場への不満が、今も消化できずにいるのだ。 育休から復帰するとき、退勤を90分早められる制度を申請した女性。しかし、時短とはいえない、過酷な勤務を余儀なくされます。 「学級担任だけは無理です」… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
挙式1週間前、職場に迎えに来た警察官 4年の裁判闘争の末に
あるプログラムをパソコンに導入したことから、4年にわたる裁判闘争は始まった。「コインハイブ事件」で被告人になったウェブデザイナー諸井聖也さん(34)が、朝日新聞のインタビューに応じた。同じように立件された人たちが罰金刑を受け入れる中、自ら法廷に立つ道を選んだ理由とは? ――疑いがかけられていると知ったのはいつですか 2018年2月です。仕事で渋谷にいたときに神奈川県警の人から携帯に電話があって、「とある事件で協力してほしい。もう家の前まで来ているので戻ってきてほしい」と。何のことかもわからず、「いまは職場にいるので無理です」というと、「迎えに行く」と。本当に車で迎えに来て、自宅に戻ると家宅捜索の令状を示されました。 ――その時の状況は 「不正指令電磁的記録保管の罪」と読み上げられただけで、それ以上のことはわかりません。やたらパソコンを調べるので、最初は自分の管理が行き届いていなくて、悪いことに利用されたのかと思いました。こちらから何度も「これですか」「あれですか」と聞いて、コインハイブが問題視されているとわかりました。 《コインハイブ》暗号資産の取引の正当性をコンピューターによる計算作業で確認するプログラムの一種。ホームページなどに導入すれば、閲覧した人のパソコンの機能を借りて計算作業を行い、導入者らは報酬として暗号資産を得られる 1週間後に挙式を控えている時期で、不安でいっぱいになりました。妻やそのご両親に申し訳なくて。9時間の捜索が終わって、ツイッターで「おなかが痛い」とつぶやいたのを覚えています。 ■ウェブ広告に代わる収入源に… この記事は有料会員記事です。残り3199文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
演劇は無力と思ったあの日から 震災を多くの人に届けられると信じて
東日本大震災の記憶を未来へ伝えようと、仙台市の市民劇団が18日から、東京都目黒区のこまばアゴラ劇場で公演する。東京では10年ぶりといい、主宰者は、「時の経過で人の思いも変わる。被災地の心の変遷をみてもらえれば」と話している。 舞台に立つ井伏銀太郎さん=本人提供 「おかえんなさい。よがったなあ、見つけてもらって」。棺だけが光に照らされた真っ暗な舞台で、ダウンジャケットにニット帽姿の男性が棺の窓を開け、話しかける。仙台で劇団を主宰する井伏(いぶし)銀太郎さん(63)が主演、脚本の「イーハトーヴの雪」の一幕。 岩手県釜石市で妹を捜す男性が避難所の遺体安置所を訪れ、遺体が妹でないことに安堵(あんど)しながらも、棺の女性がさみしくないよう話しかけ続ける物語だ。新聞記事や本を参考に、実際の出来事から想像を膨らませて脚本を書いた。 己の無力 思い知った演劇人 井伏さんは会社員として働く傍ら、俳優や脚本家として50年近く演劇を続けてきた。震災の日、トラックで仙台駅へ向かう途中だった。大きく、長く揺れ、駅前の建物から人がどっと飛び出してきた。 劇団員の中に津波で両親を亡くした人、自宅を流された人がいた。市内の劇場は多くが被災し、一部は避難所になった。井伏さんが稽古場にしている25席の小劇場だけが、大きな被害を免れた。「演劇にしかできない方法で震災を伝えよう」。有志7劇団で、震災を語り継ぐユニットを組んだ。 だが、簡単にはいかなかった。メンバーは沿岸部へ通い、泥かきを続けた。避難所で絵本を配り、読み聞かせもした。家族や友人の安否がわからない人の表情を見て、痛感した。「大災害を前に演劇人は無力だ」 10年経っても完全には復興しないかもしれない。一方、こうも思った。震災の劇をやるには心の回復を待つ必要がある。10年、そしてその後も演劇で震災に向き合えば、被災者の心に寄り添えるかもしれない。 ■震災の物語つむぎ演じ続けた… この記事は有料会員記事です。残り585文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
白球を追う姿、今こそ希望 南こうせつさん 母校大分舞鶴が初甲子園
大分県立大分舞鶴高校が第94回選抜高校野球大会の開幕試合に登場する。春夏通じて初めて甲子園。卒業生でミュージシャンの南こうせつさん(73)は「暗いニュースが続く中、純粋に白球を追う高校生の姿、真っすぐな心持ちに、今こそ希望が見えるんです」と語る。 ――母校の大分舞鶴が甲子園に出場します 本当にうれしかったですね。舞鶴は昔からラグビーが圧倒的に強い学校でした。野球で母校が甲子園に出るというのは、びっくりしました。 ――在学当時の大分舞鶴はどんな学校でしたか 勉強、勉強の進学校でした。僕らは団塊の世代で、1クラスに生徒が50~60人もいた。小学校の頃からずっと競争で、ものすごい受験戦争の時代だった。舞鶴の先生は「同じ学校で勉強している人たちも敵と思え」と言うくらいでした。 ――校是「しまれ がんばれ ねばれ おしきれ」が、選抜大会出場を機に知られるようになりました 僕らの頃の「しまれ がんばれ ねばれ おしきれ」は、「勉強して、他人を蹴落として、良い大学へ行け」という意味合いで言われていた。そのことが頭の中にこびりついていて、なんだかちょっと嫌だなあと思っていました。後になってから、自分を叱咤(しった)激励するための言葉だったと腑(ふ)に落ちた。でも選抜では再び昔の「しまれ がんばれ……」で頑張ってほしいです。 ――どんな高校生活を送っていましたか 合唱部の部長をしていました。授業が終わったらすぐに部活に走っていって。はみ出しもんの僕らとしては、せめてそこでみんなで歌を歌って、合唱コンクールの練習をしたりするのが慰めでした。 練習が終わってみんなが帰った後には、学校のとある場所に隠しておいていたギターを持ち出して、フォークソングを歌っていました。 文化祭では、合唱部の後輩の伊勢正三、元大分市長(釘宮磐さん)の弟の釘宮誠司と3人で組んでいたバンド「ヤング・フォーク・スリー」で歌いました。 当時、学校では文部省(当時)が指定した歌しか歌ってはいけなかった。文化祭で歌った3曲のうち2曲は指定の曲。もう1曲は、僕と正(しょう)やん(伊勢正三さん)がオリジナル曲をつくって、先生には「指定の歌です」と言って歌ってしまいました。 ――南さんはたびたび甲子園で流れて話題になる明豊高校の校歌を作曲しています。もし、大分舞鶴の校歌を作るとしたら、どんな曲になりますか 山田耕筰とか滝廉太郎みたいなある種の品格をどこかに保ちながら、サビあたりでポップが登場する、な感じですね。 歌詞にはやっぱり、「しまれ がんばれ ねばれ おしきれ」がどっかで出てくるかなあ(笑) 「自由に生きる」「自分らしく生きる」を中心に。そして「大事なのは平和」だということも。 長い年月を重ねると、校風も変わっていく。舞鶴魂は大事にしながら、今の時代に合わせて変えていく。温故知新ですね。 ――甲子園では浦和学院(埼玉)と対戦します ただもう、食い下がって食い下がって、頑張ってもらいたい! それだけですね。 ――相手は昨夏の甲子園にも出場した強豪です やっぱり浦和は強いですね。 でも高校野球って最後まで何があるか分からない。自分たちが練習したことを思いっきり純粋に、頑張ってもらいたいです。 コロナにウクライナの戦争、東北では地震も。暗いニュースが続く中、純粋に白球を追う高校生の姿、真っすぐな心持ちに、今こそ希望が見えるんです。 ――南さんは80~90年代、広島市内で平和コンサートを続けてきました。この戦禍をどう見ていますか 映像で、ウクライナの街の人たちが着の身着のままであの寒さの中、国境を越えていく姿を見てるとね、もう耐えられないです。 それがもし自分の暮らしてい… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
水漏れ、誤作動、ずれるタンク…福島第一原発、トラブル相次ぐ
16日深夜に起きた地震で、最大震度6弱が観測された東京電力の福島第一原発。廃炉作業が進む同原発では、溶け落ちた核燃料や使用済み燃料が残る原子炉建屋などに大きな被害はなかったが、様々なトラブルに見舞われた。 2011年の事故後、東電は福島第一原発で想定する最大の地震の揺れについて、従来の600ガル(揺れの勢いを示す加速度の単位)から1・5倍の900ガルに見直した。東電はこの想定に沿って、原子炉建屋などを再評価し、耐震性に問題ないと結論づけた。 新しい施設などについては、福島第一では廃炉を迅速に進めることがリスクを下げるという観点から、原子力規制委員会と東電が個別に議論してきた。 今回の地震の揺れはその想定を下回る221ガルで、原子炉建屋などに目立った被害は今のところ、見つかっていない。 一方で、放射性物質を含む水… この記事は有料会員記事です。残り565文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
上野のパンダ、25日からまた会いましょう 『まん延防止』解除受け
2022年3月17日 20時39分 東京都は17日、上野動物園のパンダの公開を25日から再開すると発表した。新型コロナの「まん延防止等重点措置」が21日で解除されることを受けたもの。 都によると、観覧は事前申し込みによる抽選制。25日~4月3日(午前10時~午後2時)は、1日あたり最大2800人、同5日(午前10時~午後4時)からは1日4400人に拡大する。抽選は上野動物園の「ジャイアントパンダ母子観覧抽選サイト」で、19日午後1時から受け付ける。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
容疑者から現金をだまし取った疑い 警察官を書類送検へ 神奈川県警
取り調べ中の容疑者から弁償金名目で現金をだまし取ったとして、神奈川県警は、大船署の男性巡査長を詐欺容疑で近く書類送検する方針を固めた。捜査関係者への取材でわかった。容疑を認めているという。 捜査関係者によると、巡査長は昨年、窃盗事件の容疑者として、任意で事情を聴いていた高齢者から現金十数万円をだまし取った疑いがある。巡査長は「弁償金を払えば、この件は終わりになる」といった趣旨で現金の支払いを持ちかけていたとされる。 高齢者は弁償金を支払ったと… この記事は有料会員記事です。残り256文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル