山形県内で30日に初開催されるLGBTQ(性的マイノリティー)のパレードに合わせ、山形市のJR北山形駅前にある小便小僧の銅像が衣替えをした。パレードの成功を願い、虹色の服や旗をあしらった。 衣替えは、多様な人々の居場所をつくるNPO団体「ぷらいず」が取り組む。昨年は、今年3月で運転を終えた山形新幹線のリゾート列車「とれいゆつばさ」のかぶり物を着けた。 「ぷらいず」相談役でパレード実行委員会共同代表の松井愛さんは「色々なあり方でいいんだと、互いを認め合える社会になってほしいとの願いを込めた」と話した。 自らを男でも女でもないと考… この記事は有料記事です。残り306文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Think Gender 男女格差が先進7カ国で最下位の日本。生きにくさを感じているのは、女性だけではありません。だれもが「ありのままの自分」で生きられる社会をめざして。ジェンダーについて、一緒に考えませんか。[記事一覧へ] Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
長官に直訴した小屋3代目は36歳で遭難死 尾瀬を守る灯は消えない
尾瀬が紅葉の見ごろを迎えている。尾瀬沼や本州最大の湿原・尾瀬ケ原が広がり、豊かな植生と美しい景観で知られ、ハイカーに人気のエリアだ。 群馬と福島の両県の間にある尾瀬沼をめざした。標高2千メートルの峰に囲まれた地で、車では行くことができない。 群馬県片品村の入山口・大清水から入り、少し先の一ノ瀬までは低公害車両に乗り、それから先は「峠の道」を歩いていく。車道はなく、人が歩ける古道だけが残る。 その理由は、半世紀ほど前、「革命的」「蛮勇」と驚かれた出来事にあった。 国が10億円の補助金を出した道路工事 両県を結ぶ自動車道の計画が中止になった。すでに群馬県が5億円を支出し、国が10億円の補助金を出して工事中だった。 さらに時をさかのぼること10年弱。1963(昭和38)年、群馬、福島、新潟の3県が尾瀬を中心に広域観光開発をしようと協議会を結成し、共同開発に乗り出した。それぞれが車道工事を進めていた。 中止になった問題の道路は、群馬と福島の延長91キロを2車線で結ぶ計画で、群馬側の県道は尾瀬沼の手前にある三平峠の中腹まで迫っていた。長く旅人を慰めてきた三平峠の近くから湧く泉(岩清水)も土砂に消えようとしていた。 ミズバショウや紅葉を求めて、年数十万人が歩いて入山する中で工事は進んで行く。車道が完成して、さらにマイカーやバスが乗り込んでくれば、尾瀬の自然がどうなるのか危ぶまれていた。 開発が善とされる時代だったが、1971(昭和46)年7月、尾瀬沼のほとりの山小屋「長蔵(ちょうぞう)小屋」の3代目・平野長靖(ちょうせい)さんが、発足直後の環境庁の大石武一長官に道路の中止を直訴した。 当時の環境庁長官の自宅に向かった それは7月21日の夜のことだった。 長靖さんはテレビ局の記者になっていた友人に案内されて、東京都内の長官宅を訪ねた。 〈平野はポツリポツリと三平峠の破壊の現状を長官に話し、長官はすぐ納得してくれて、話はトントン拍子にいったと記憶している〉 「尾瀬―山小屋三代の記」(後藤允著)は当時を振り返る友人の言葉を紹介している。 実は、苦しんだうえの行動だった。 自然を相手に営業を営む矛盾 長靖さんは自然破壊を見過ごせないと思う一方、自然相手に営業を営む「矛盾」を心に抱えていたからだった。 その思いは、直訴直前に寄せた朝日新聞の「声欄」に吐露されている。掲載は6月24日付の朝日新聞朝刊(東京本社版)。 「峠には細い道があった」という書き出しの投書は、うめきにも近いものだった。 〈毎年、小さな声で無念さを語り続けてはきたが、なぜ反対運動をしないのかと問い返されると、一言もなかった〉 〈暮らしに追われたとはいえ、あまりに非力だった私たち自身を責め、あざけるのみだ〉 〈倒された木々と、枯れてゆく泉の前に、それに日本の次の世代の前に重要な共犯者は頭を垂れつづけるだろう。自然に心を寄せる各地のみなさん、お笑いください〉 直訴から10日ほどたって、大石長官は約束通り尾瀬に入った。 全国に広がった「ごみの持ち帰り」 リュックサックを背負い、数日間にわたって尾瀬を視察した。「自然保護のためには蛮勇をふるいたい」という言葉とともに歩き回った。 そして、視察後にこう述べた。「尾瀬は国民の宝だ」「変動の時代に、一度決めたからといって固守するのはおかしい」。進行中の工事は中止された。 「守る会」も結成され、東京・銀座で「尾瀬を破壊から守ってください」と署名活動も展開された。 これを機に全国的に自然保護運動は盛り上がる。今日に続く「ごみの持ち帰り」も尾瀬から各地に広がった。 しかし、その年の12月、長靖さんは吹雪の峠の道で遭難死した。36歳だった。日々の苦悩が体力を奪っていたとみられる。 吹雪の峠で倒れる 「観光開発反対運動の火付け役、といえば時の英雄のようだけれど、地味で無口で、つましい人柄だった」と、直後の天声人語はその死を悼んだ。 翌年の夏。ちょうどニッコウキスゲが真っ盛りの頃、長靖さんの埋葬式が尾瀬沼のほとりで開かれた。 各地から多くの人が駆けつけた。家族を伴って参列した大石氏は「君のともした自然保護の火は、決して消えないだろう」と別れの言葉を贈った。 いまも峠の道を歩くと、森に残る大きな橋が当時を伝え、車道跡にヤナギが育つ。三平峠の泉は工事の影響で一度はつぶれたといわれるが、かれずに今日もハイカーを喜ばせていた。 生前に残した41文字 峠を越える。歩いてのみ行ける尾瀬沼は静かで、野鳥のさえずりや草花が風で揺れる音が響く。 尾瀬沼が見える丘に長靖さんの墓はあった。生前に残した言葉が刻まれており、読み返した。 まもる 峠の緑の道を 鳥たちのすみかを みんなの尾瀬を 人間にとって ほんとうに大切なものを 長蔵小屋はいま、父の死のときは幼かった長男太郎さん(54)が受け継ぐ。「小屋を訪ねたい登山客の期待に応えていきたい」 尾瀬は山も湿原も色づいている。(張春穎) Source : 社会 – […]
どんな心境でスタートラインに立つ? 後輩の問いに小平奈緒の答えは
スピードスケートの小平奈緒(36)=相沢病院=が22日の全日本距離別選手権(エムウェーブ)のレースで、競技生活に終止符を打つ。地元に密着し、成長し、世界を制した姿は、長野の後輩スケーターたちの目標であり続けた。 「たった1レースのために、こんなに長い夏を過ごすの?」。かつて、2年間を過ごしたオランダの元チームメートには今シーズン、そう驚かれたという。小平はこの夏も過去のシーズンと変わらぬ強度でトレーニングを重ねてきた。 「本当に毎日が楽しくて、モチベーションは少しも下がらず、上がりっぱなし。これまでの軌跡と重ね合わせるような、凝縮したような時間を過ごすことができました」。今月3日、報道陣に練習を公開した後にそう語った。 8月に練習でショートトラックの1000メートルを滑ると、自己ベストを更新した。信州大の学生時代から指導を受ける結城匡啓(まさひろ)・信州大教授には、「10年先もいけるな」と言われた。 衰えはない。だが、次のステージに進む。「長い人生を考えた時、スケートだけで人生を終わりたくない」との思いからだ。 「この先を作り上げてくれる後輩たちがいることも、私にとっては幸せ」とも語る。結城教授のもとに集まり、一緒に練習をしてきたチームメートに経験は全て伝えてきた。 長野市出身の小島良太(24)=エムウェーブ=にとって、小平は「心の中のお師匠」だという。信州大時代に力をつけ、今年2月の北京オリンピック(五輪)に初出場を果たした。 小平が2018年の平昌五輪… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
人はウサギとカメの両方を持っている 川村妙慶さんに兄は叱った
真宗大谷派の僧侶で、アナウンサーでもある川村妙慶(みょうけい)さん(57)の実家はお寺で、現在は兄(59)が継いでいます。兄はかつてひきこもっていた時、イソップ童話の「ウサギとカメ」を題材にした小説を書きました。妙慶さんは、そこに兄の洞察の深さを感じます。 「僕たちは、ウサギとカメの要素を両方とも持っているんだ」 川村妙慶さんプロフィール かわむら・みょうけい(本名・伊知地慶子) 1964年生まれ。北九州市門司区出身。実家は真宗大谷派・西蓮寺。京都市の短大を経て85年、仏教の専修学校に入学し、得度した。その後、アナウンサー養成教室に通う。西蓮寺再興のため帰郷したが2006年に京都市内の僧侶と結婚して坊守に。「心の荷物をおろす108の智恵」など著書は30冊以上。「川村妙慶の心が笑顔になるラジオ」(KBS京都)のパーソナリティーを務めている。 真宗大谷派・西蓮寺住職だった父が急死し、川村妙慶(みょうけい)さん(57)の兄寿法(じゅほう)さん(59)は後継問題のプレッシャーでひきこもってしまった。40年前のことだ。 短大進学を機に京都市に住んでいた川村さんはたびたび北九州市の実家に帰ったが、兄が部屋から出て姿を見せることはなかった。ある時、部屋の前から問いかけた。 「兄ちゃん、話できんの」 しばらくして扉が開いた。乱… この記事は有料記事です。残り1112文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
Swallows and Buffaloes assemble for Japan Series rematch
Jingu Stadium was mostly silent on the eve of the Japan Series — save for the constant drone of bats hitting balls and the other assorted sounds of a Japanese baseball practice. The scene will be different Saturday night when the fans — some draped in blue and gold and […]
「ご飯にラムネを」笑顔の息子は夢の中 観光船事故、父が記す日記
有料記事 中沢滋人、長谷川潤2022年10月21日 21時30分 夢に出てきた息子は、いつもと変わらぬ笑顔だった。いとおしかった。忘れたくない。 そう思った。 北海道十勝地方の男性(50)は、夢で見た内容を緑色のA5判ノートに記録している。登場するのは、7歳になる息子と、別れた妻だ。 半年前の4月23日、2人は北海道・知床半島沖で沈没した観光船「KAZUⅠ(カズワン)」に乗船していた。2人の行方はいまもわかっていない。 初めて、夢の内容を記したのは8月22日だった。 「○○(息子の名前)の夢を見た。クワガタにはさまれてたすけてあげた夢だった」 ノートに1行半。覚えている内容を書きつづった。 翌23日、今度は元妻の夢を記した。 「△△(元妻の名前)の夢を… この記事は有料記事です。残り1514文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
旅客船に救命いかだ搭載を義務づけへ 最低水温10度未満の水域で
角詠之2022年10月21日 21時39分 北海道・知床半島沖で観光船「KAZUⅠ(カズワン)」が沈没した事故を受け、国土交通省は21日、最低水温が10度未満の水域(河川を除く)を航行するすべての旅客船について、救命いかだの搭載を義務づける方針を固めた。 今回の事故当時、知床沖の水温は2~3度だったとされる。国交省によると、10度未満の水温では水に落ちた直後に意識不明に陥る可能性が高いという。 そのため、5年平均の水温で、旅客業の営業期間中に最も低い水温が10度未満だった場合は救命いかだの搭載を義務づける方針。10~15度、15~20度の水温でも一定の条件によっては義務づけられる。 また、これまで「届け出制」だった事業者の一部を「登録制」に改め、事業停止などの行政処分の対象とした。船内で保管されていた旅客名簿については、陸上で管理することに加え、これまで備え付けの対象とされなかった船舶についても航行時間や航路によっては対象とすることを決めた。(角詠之) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
五輪マスコットで実態ない「販売促進」契約か 色、形…条件の緩和も
東京五輪・パラリンピックをめぐる汚職事件で、公式マスコットのぬいぐるみを製造・販売した「サン・アロー」が、大会組織委員会の元理事・高橋治之容疑者(78)=受託収賄容疑で再逮捕=のゴルフ仲間が代表だった休眠会社と、ぬいぐるみの販売促進を名目にした業務委託契約を結んで約700万円を送金していたことが、関係者への取材で分かった。 東京地検特捜部は、休眠会社に業務実態はなく、委託契約を装って高橋元理事への賄賂という意図を隠したとみて調べている。 関係者によると、サン・アローは2017年秋、大会マスコットのぬいぐるみのライセンス契約を組織委に申請した。同社の前社長や社長は18年3月に高橋元理事のコンサル会社「コモンズ」を訪れるなどし、契約の後押しを依頼した。 翌4月、サン・アローは高橋元理事のゴルフ仲間の知人が代表だった休眠会社と、業務委託契約を締結した。名目は販売促進で、ぬいぐるみの売り上げに応じて一定の手数料を支払う内容だったという。 同年6月、サン・アローは組織委とライセンス契約を結び、翌7月から「ミライトワ」「ソメイティ」のぬいぐるみ発売を始めた。休眠会社には同年10月~21年4月に計約700万円を送金し、特捜部はこれを元理事への賄賂と認定した。 ミライトワ&ソメイティ 色、形に可愛らしさも…厳しい審査条件 サン・アロー側は、ぬいぐる… この記事は有料記事です。残り457文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
高浜4号機の原子炉起動を延期 運転再開は未定に 関電「弁に異常」
佐藤常敬2022年10月21日 21時39分 関西電力は21日、定期検査中の高浜原発4号機(福井県高浜町)について、同日中に予定していた原子炉の起動を延期したと発表した。炉の圧力を下げる装置に異常が見つかったためという。4号機は6月から定期検査に入っており、11月中旬に営業運転を再開する予定だったが、新たな再開時期は未定としている。 関電によると、21日午後4時35分ごろ、炉内の圧力が高くなり過ぎた時に圧力を下げる「加圧器逃し弁」の温度が規定値を超えたことが感知されたという。(佐藤常敬) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
文系の大学4年生は勉強していない? 国が調査結果を発表
授業への出席も少なく、卒業研究の時間もそれほど長くなく、授業以外の学習時間も少ない――。文系学部の大学4年生の、そんな傾向が、国の調査で明らかになった。 調査は、文部科学省と国立教育政策研究所が共同で行った「全国学生調査」。今年1~2月、大学生に授業の満足度や学習時間をたずねた。2019年に続いて2回目の試行調査で、尋ねたのは全60問。2年生と4年生(6年制では6年生)が、スマートフォンなどで回答した。582校約95万人から回答を得た。 4年生に1週間の授業出席時… この記事は有料記事です。残り712文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル